「香典返し」とは、お通夜・葬儀で参列者から贈られた香典に対し、遺族からお返しする返礼品のことです。
この記事では、香典返しを贈るタイミングを宗教・宗派別に解説します。
弔意への感謝の気持ちをしっかりと伝えるためにも、香典返しを贈るのにふさわしい時期を知っておきましょう。
目次
香典返しを贈る時期
香典返しを贈るのに適切な時期は、仏式・神式・キリスト教式など「宗教」によって異なります。
また、同じ宗教であっても「宗派」によって細かな違いがあるため注意が必要です。
それぞれの宗教・宗派ごとに、香典返しを贈るのにふさわしい時期を紹介します。
香典返しは忌明けから1カ月以内が目安
仏式の葬儀の場合、香典返しを贈る時期は「忌明け法要(四十九日法要)が終わってから1カ月以内」が一般的です。
香典返しは、香典を供えていただいたことへの感謝と、「つつがなく四十九日の法要を執り行い、おかげさまで忌明けを迎えられました」という報告を兼ねて贈ります。
香典返しは現金ではなく、品物を贈るのが一般的です。
葬儀後は役所関係の手続きや身の回りの整理などで何かと忙しいもの。
香典返しを贈るには、品物を選んだり、挨拶状やお礼状を作成したりする必要があるため、忌明けを待たず早めに手配しておくとスムーズでしょう。
一般的な忌明けは四十九日法要の後
仏教において、忌が明けるのは「忌明け法要(四十九日法要)」を執り行った後です。
仏教では、人は亡くなると中陰(ちゅういん)と呼ばれる世界を四十九日間旅するとされています。中陰では、来世の行き先を決めるための裁判が七日ごとに行われ、四十九日に行き先が決まるといわれています。
その間、遺族は亡き人が幸せになれるよう祈り、七日ごとに法要を行うのが伝統的な習わしです。
自宅で祈りを捧げる49日間を「忌中」と呼び、この期間が終了することを「忌明け」というため、「忌明け法要」は「四十九日法要」とも呼ばれます。また、四十九日は中陰が満ちる日なので「満中陰法要」ともいわれます。
四十九日は、亡くなった日(命日)を1日目として数えます。
忌明けがお正月やお祝いごとと重なってしまったときは、スケジュールを前倒しして「繰り上げ法要」を行うのが一般的です。
繰り上げ法要を行う場合、香典返しを贈るのは、本来の忌明けである四十九日が過ぎるまで待つことが多く、四十九日から1カ月以内が一般的です。
ただし地域差や家の考え方にもよるので、あらかじめ親戚や葬儀業者に確認しておくことをおすすめします。
香典返しのかけ紙の表書きは、一般的には「志」ですが、関西では「満中陰志」にするところもあります。
<三浦先生からひとこと> 故人は七日ごとに裁かれるので、「初七日(しょなのか)」「二七日(ふたなのか)」「三七日(みなのか)」……と続き、7回目の「七七日(なななのか)」のことを四十九日と呼ぶそう。意味がわかると、法要のことも理解しやすくなりますね。 |
浄土真宗の香典返しの時期
仏教の宗派の一つである「浄土真宗」には、亡くなった人はすぐに成仏するという「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の教えがあります。
そのため、残された遺族が成仏を祈る期間は必要ないとされています。従って、忌中という期間も設けられていません。
四十九日法要の意味合いも、故人を供養するためではなく、遺族が集まり仏に感謝しながら故人を偲ぶという考え方で行われます。
浄土真宗では初七日が終わってから1カ月以内に香典返しを贈るのが通例です。
初七日とは、故人が亡くなってから7日目、他の宗派では初めての忌日法要を行う日にあたります。
つまり、浄土真宗は他の宗派より比較的早めに香典返しを贈ることになります。
なお、似た名前の「浄土宗」は違う宗派なので注意が必要です。
浄土宗では、四十九日法要の後が忌明けとなります。
神式の香典返しの時期
神式の葬儀は、日本に古くから伝わる神道の形式で執り行います。
神道にはそもそも香典という習慣がありません。香典の「香」は線香・抹香の代わりに供えるという意味なので、神式の葬儀では「御玉串料(おたまぐしりょう・おんたまぐしりょう)」と呼ばれる金銭を供えます。
御玉串料への返礼が、仏式でいう香典返しに相当します。
神式の場合、故人が亡くなってから50日目が仏式の四十九日と同様の意味を持ち、この日に執り行う「五十日祭」をもって忌明けとします。
この日から1カ月以内をめどに返礼品を贈りましょう。
神式の返礼品のかけ紙の表書きは「志」または「偲び草」とするのが一般的です。
「偲び草」には、「故人を偲び懐かしむ気持ちを品物に代えて贈ります」という意味があります。
キリスト教の香典返しの時期
キリスト教式の葬儀では、神式と同様に香典という考え方や風習はありません。
しかし、日本の慣習にならって、参列者が「御花料」を供える慣習が広まったようです。
この御花料へのお礼が仏式における香典返しにあたります。
お返しをする時期は、カトリックの場合は故人が亡くなってから30日目の「追悼ミサ」の後、プロテスタントは1カ月目の「召天記念日・記念式」の後が一般的です。
キリスト教式の返礼品のかけ紙の表書きは、「偲び草」や「志」、「感謝」とするのが一般的です。
近年は香典返しの「即日返し(当日返し)」も増えている
香典返しは、忌明け後に贈るのが一般的ですが、昨今では葬儀の当日に香典返しを贈る「即日返し」(当日返し・即返し)も増えています。
即日返しは遺族が香典返しの品を後日あらためて手配する必要がなく、手間が省けるメリットがあります。
葬儀後の遺族はさまざまな手続きや片付けなどで忙しいため、状況に応じて即日返しを選択するのも一つの方法でしょう。
ただ、「即日返し」をするにはあらかじめ品物を用意する必要があります。つまり、葬儀当日に参列者からいただく香典の金額にかかわらず、全員に同じ品物をお返しすることになります。
高額な香典をいただいた方には、忌明け後に追加で香典返しの品を贈り、いただいた金額に釣り合うようにフォローするのが丁寧な対応です。
香典返しの金額目安
香典返しの品物を選ぶ際に気になることといえば、「いくらぐらいの品物を贈ればいいの?」ということではないでしょうか。
ここでは、香典返しの金額の目安について解説します。
香典返しは半返し、「1/3~半額」が相場
香典返しの相場は地域によって多少の違いがあるものの、基本は「香典金額の1/3~半額」とされています。
香典の相場は故人の年齢や先方との関係性によっても変わります。
会社関係者や友人など、親戚ではない会葬者からの香典金額は5,000円~10,000円が一般的です。
したがって、準備しておくべき香典返しの相場は2,500円~5,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。
香典返しの品物は、長く残らずすぐに消費できる「消えもの」が基本です。
「お茶」や「菓子」「海苔」といった賞味期限が長い食品のほか、「洗剤」や「タオル」などの消耗品も定番品です。
高額の香典をいただいた場合は1/3
30,000円を超えるような高額な香典をいただいたときは、半額のお返しでもかなり高額になってしまいます。きっちり半返しをすると、逆に相手に気を使わせてしまうかもしれません。
高額な香典を受け取った場合、香典返しは1/3の金額を目安にしても問題はありません。
したがって、香典が30,000円の場合は10,000円程度、50,000円の場合は15,000円程度、香典が10万円の場合は30,000円程度が相場となります。
とはいえ高額な消えものは選択肢が少なく、品物選びで迷ってしまうものです。そんなときは、弔事用のカタログギフトを贈って、先方で好みの品物を選んでもらう方法がおすすめです。
<三浦先生からひとこと> 香典には不時の出費の相互扶助という意味もあるので、亡くなられた方の立場や関係を考慮して判断してもよいでしょう。たとえば、大黒柱のご主人を亡くした場合や、親族からの高額の香典などは相互扶助の目的が強くなるので、半返しにとらわれる必要はありません。 |
高額の香典へのお返しについて詳しく解説
香典返しの時期から遅れてしまったら
葬儀後の忙しい作業に追われて香典返しの準備が遅れ、タイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
香典返しを適切なタイミングで贈れなかった際の対応について解説します。
挨拶状に香典返しが遅れたことへのお詫びを記載
数日から数週間程度の遅れならそれほど気にする必要はないでしょう。
気がついた時点で迅速に手配をすれば問題はありません。
しかし、香典返しを贈るのが数ヶ月も遅れてしまったら、マナーとしてお詫びの一言を添える必要があります。
香典返しが遅れると、礼儀を欠いてしまうだけでなく、遺族が体調を崩しているのではないか、何かあったのではないかと心配をかけてしまうこともあるからです。
香典返しが遅れてしまう場合には、お詫びの言葉を記した挨拶状を添え、速やかにお届けするようにしましょう。
後日香典をいただいた方への対応
「葬儀に参列できなかった」「訃報を後から知った」などの理由で、葬儀後や忌明け後に香典を贈ってくださる方もいることでしょう。
葬儀後に香典をいただいた場合は、忌明け後1カ月以内に香典返しを。
忌明け後に香典をいただいた場合は、届いた日から10日以内を目安に、香典返しを贈りましょう。
宗派によって香典返しの時期が違うことを知っておこう
香典返しをする時期は、宗教や宗派によって異なります。早すぎたり遅すぎたりしないよう、適切なタイミングを把握しておきましょう。
香典返しのマナーは地域の風習が優先されることも多いため、状況に応じて柔軟に対応することをおすすめします。
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