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キリスト教の葬儀にも香典返しはある?宗派ごとの違いも解説

更新日:2022年12月20日

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キリスト教の葬儀は、仏教における葬儀とは少々異なります。

そのため、香典や香典返しにおいても、キリスト教ならではの決まりがあります。

キリスト教の葬儀に参列する際の香典についてのマナーや、宗派における違いについて覚えておきましょう。

キリスト教に香典返しはない?

香典返し

「キリスト教には香典や香典返しがない」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

近年の日本における、キリスト教の香典や香典返しの扱いについて解説します。

日本で独自に慣習化してきているマナーの一つ

本来、キリスト教では「香典」の習慣はありません。

「香典」とは仏教の葬儀において行われている慣習であり、故人の霊前に供える金品のことです。

そのため、キリスト教においては香典や香典返しという概念はもともと存在しません。

しかし、仏教徒の多い日本においては、キリスト教の葬儀の際にも、仏教の香典にあたる「御花料」「献花料」を贈る習慣が定着しつつあります。

御花料・献花料への「返礼品」は、「追悼ミサ」や「召天記念式」の後に贈るのが一般的です。

返礼品の相場は仏教と同じ

キリスト教における返礼品の金額は、仏式と同じく「頂いた御花料の1/3~半額程度」が相場とされています。

品物の選び方についても、一般的な香典返しのマナーと同様と考えて良いでしょう。

仏教や神道の香典返しと同様に「悲しみを残さない」という気持ちから、贈り物にはお茶やお菓子などの消え物が好まれています。

キリスト教における通夜・葬儀・告別式の行い方

キリスト教 葬儀 香典返し

キリスト教と仏教、神道とでは、死に対する考え方が異なります。

仏教では亡くなった人は仏になり、神道では家の守護神になると考えられています。一方、キリスト教では「神のもとに召された」と考えられているのです。

また、キリスト教には大きく分けて「カトリック」と「プロテスタント」という2つの宗派があり、それぞれに葬儀の考え方やマナーがあります。

それぞれの宗派による葬儀の行い方の違いについて見ていきましょう。

カトリックの場合

カトリックでは、亡くなった日を「昇天記念日」と呼び「神様のいる天国へと昇った日」と捉えています。

仏式の通夜にあたるのが、「通夜の祈り(通夜の集い)」です。「神父」司会のもと、自宅や教会で、亡くなった人へ祈りを捧げます。

次に、葬儀にあたる「葬儀ミサ」が故人の属していた教会で行われます。聖歌の演奏や聖書の朗読などが行われることが一般的です。

その後、告別式が行われ、弔辞や弔電の紹介、献花などが行われます。

葬儀・告別式を終えた後は、遺族や親族、友人知人などを招いて故人を偲ぶ集まりが執り行われます。

亡くなった日から数えて3日目、7日目、30日目に「追悼ミサ」が、1年目に「死者記念ミサ」が教会で行われます。

以降の追悼ミサに決まりはなく、3年目、7年目の昇天記念日にミサを行うこともあります。

また、毎年11月2日は「万霊節(オールソールズデイ)」または「死者の日」として、全ての亡くなった人のために教会で特別ミサが開催されます。

プロテスタントの場合

プロテスタントでは、亡くなった人が神様のもとに召された日を「召天記念日」と呼びます。

通夜にあたる「前夜式(前夜祭)」は、自宅や教会で行われ、牧師と共に神へ祈りを捧げます。

前夜式では、賛美歌の斉唱や聖書の朗読が行われるのが一般的です。

葬儀は「葬儀式(葬儀・告別式)」と呼ばれ、告別式と区別をせずに続けて一度に行われます。ここでは弔辞、弔電の紹介、牧師の説教や献花などを行います。

プロテスタントでは、以降の儀式のことを「記念式」と呼び、故人が亡くなってから1ヶ月目の召天記念日に記念式を行います。

自宅か教会、もしくは墓前に牧師を招き、故人を偲びます。

1年目、3年目、7年目の記念日にも記念式が行われますが、それ以降の決まりは特にありません。

キリスト教における香典・香典返し

キリスト教 葬儀 香典返し

キリスト教には「香典」や「香典返し」という習慣がなく、仏教や神道の多い日本において、香典の代わりに「御花料」、そして香典返しの代わりに「返礼品」を贈るのが定番となっていることは先述の通りです。

ここからは「御花料」と「返礼品」についてのマナーを詳しく解説します。

キリスト教では「御花料」

キリスト教 葬儀 香典返し

そもそも「香典」とは、焼香やお線香などの「香」を用いる仏教ならではの習慣です。

お線香の文化がないキリスト教では、亡くなった方に手向けるものがお花であることから「御花料」として日本で定着しています。

封筒には、無地、もしくはユリの花や十字架が描かれたものを使用します。

表書きは、上部に「御花料」、下部にフルネームを薄墨で記載するのがマナーです。

包む金額は、自身の年齢や故人との関係性によって異なります。一般的な年齢および関係性による金額は下記の通りです。

両親 兄弟 親族 知人・友人
20代 50,000円 30,000円 10,000円 5,000円
30代 50,000円 50,000円 10,000円 5,000円
40代 100,000円 50,000円 10,000円 5,000円
50代~ 100,000円 50,000円 10,000円 10,000円

なお、仏式や神式と同様、包むお金は新札ではなく折り目や皺のあるお札を用意します。

あまりにも汚れたお札は失礼にあたるので、綺麗なお札を半分に折り目を付けたものを用意すると良いでしょう。

「御花料」は教会でお渡しする

御花料は、葬儀やミサの参列のために教会へ行った際、受付でお渡しするのが通例です。

袱紗から御花料を出して、受付の人から名前が読める向きで渡します。

受付の場所は、故人との関係などにより人によって異なっている場合があります。

必ず、決められた場所で受付を行うようにしましょう。

神のもとに召されるという考えのキリスト教では、亡くなったことは悲しいことであっても不幸や忌むべきことではありません。

そのため、葬儀の場で挨拶をする場合は、お悔やみの言葉ではなく「安らかに眠れるようにお祈りいたします」といった、遺族の気持ちに寄りそう言葉をお伝えします。

仏教における「お花代」とは異なる

仏教の葬儀において耳にする言葉に「お花代」があります。

「献花料」とも似た言葉ですが、意味はまったく異なります。

仏教ではお通夜や葬儀の際、祭壇を飾る花を「供花」と呼びます。

この供花の代金としてお渡しするのがお花代です。

また、葬儀から長い期間が経った後に、香典の代わりに故人を弔う気持ちとして遺族へ渡す場合も、お花代として贈ります。

香典返しを頂く時期

香典返し代わりの「返礼品」を頂く時期は、カトリックでは30日目の追悼ミサの後、プロテスタントでは1カ月後の召天記念日の後です。

場合によっては、葬儀当日にその場で頂くこともあります。

返礼品は、黒白または黄白5本の結び切りの掛け紙に、「志」または「偲び草」の表書き、その下に喪主の名前が書かれているのが通例です。

挨拶状が付けられており、追悼ミサや記念式が無事に終わったことへのお礼の言葉が綴られています。

挨拶状の文面は、仏教や神道とほとんど変わりがありません。

句読点を付けず、「謹啓」で始まり「敬具」で文を締めます。お礼の言葉のほか、年月日、喪主の住所・氏名が書かれています。

挨拶状はカードの場合も

返礼品に付けられている挨拶状は、封書ではなく、カードの場合もあります。

カードの場合は「謹啓」「敬具」の言葉や、住所等は書かれていません。

返礼品を頂く際、電話やメールで受け取りの連絡をすることもあるかもしれません。

思わず返礼品を贈っていただいたことに「ありがとうございます」とお返ししたくなりますが、この言葉は使ってはいけません。

あくまでも「恐縮です」「痛み入ります」などの表現に留めるようにしましょう。

キリスト教における葬儀の流れと香典返しについて理解しよう

キリスト教 葬儀 香典返し

仏教や神道の葬儀に参列した経験があっても、キリスト教の葬儀には慣れていない方もいることでしょう。しかし、マナーはしっかりと押さえておきたいものです。

当日慌てないためにも、キリスト教における葬儀の流れや香典の贈り方、香典返しの頂き方をしっかり理解しておきましょう。

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この記事の執筆者

GiftAコラム編集部

GiftAコラム編集部

当編集部では「贈り物選びの参考にしたいメディア」を目指し、ギフト通販専門店 GiftA(ギフタ)の社内ライターがリサーチ・執筆を行っています。贈答マナーや人気ギフトのトレンドなど、お役立ち情報をわかりやすく発信します。

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