五十日祭に「お返しの品」は必要なのか、とお悩みではありませんか?
神式の五十日祭は仏教の四十九日法要にあたり、忌明けを迎える大切な追悼行事です。
しかし神式で追悼行事を行う家庭は少ないため、ネット上でも調べにくく、準備に苦労する施主は多いでしょう。
とくにお返しについては、ほかの返礼品とも混同しやすく、迷ってしまいがちです。
この記事では五十日祭の施主の方に向け、
- 五十日祭の「お返し」の必要性
- 「葬儀(神葬祭)のお返し」との違い
- 返礼品の相場やタブー、掛け紙マナー
について詳しく解説します。
安心して当日を迎えるためのチェックリストも用意しましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
五十日祭には「お返し」を用意するのがマナー
五十日祭には、列席者にお渡しする「お返し」を用意しましょう。
五十日祭の当日、列席者は「御玉串料(おたまぐしりょう・おんたまぐしりょう)」や「御霊前(みたまえ)」「御神前(ごしんぜん)」などの表書きで金銭を持参してくださいます。
列席者の心遣いへの感謝を伝えるため、施主は五十日祭の当日に「お返しの品」を手渡すのがマナーです。
このお返しの品は、一般的に「引き出物」と呼ばれています。
「引き出物」は土産物 兼 お返しの品
「引き出物」とは通常、宴席などの招待客に主人から贈る土産物のことをいいます。
「土産物」という位置づけですが、結婚披露宴などの慶事では御祝儀、弔事では香典(神式では御玉串料など)に対するお返しという意味合いが強い贈り物です。
粗品のような心ばかりの品ではなく、予算相場やマナーを押さえた品を用意しましょう。
なお、弔事の引き出物は慶事と区別するために「引き物」と呼ばれることも多くあります。
▶相場やタブーについてすぐに見たい方はこちら(ページ下部へ⇩)
「葬儀のお返し」(香典返し)と「五十日祭のお返し」は違うもの
「五十日祭のお返し」と混乱しがちなのが「葬儀(神葬祭)のお返し」です。
「葬儀(神葬祭)のお返し」 |
葬儀当日にいただいた御玉串料などへのお返しで、五十日祭の後日に贈る ※仏式の「香典返し」にあたる |
「五十日祭のお返し」 |
五十日祭の列席者への土産物 兼 五十日祭当日にいただいた御玉串料などへのお返しで、五十日祭の当日に贈る ※仏式の「四十九日法要のお返し」にあたる |
この2つは贈る時期も近いため、間違わないよう注意しましょう。
本来「香典返し」という呼び方は仏式特有のものです。
そもそも神式では「香典」が存在しないため、もともと「香典返し」のしきたりはありませんでした。
しかし現在は、慣習として仏式と同じように品物をお返しするのが一般的です。
「葬儀のお返し」(香典返し)は、「五十日祭のお返し」とは別に用意し、五十日祭のあとすみやかに(遅くとも1か月以内に)お贈りするのが基本です。
五十日祭でお返しする「引き出物」の相場
五十日祭当日にお渡しする「引き出物」の相場を説明します。
五十日祭で施主は、列席者に対して「引き出物」だけでなく「直会(なおらい)」と呼ばれる食事会でおもてなしをします。
そのため「お返しの予算相場」の考え方は少々複雑です。
詳しく解説しますので、きちんと押さえましょう。
<三浦先生からのひとこと>
直会(なおらい)とは、神事の後、神職や参列者が神前にお供えしたお酒や食べ物を下げていただくことをいいます。
神と人が共に食事をすることで(これを「神人共食(しんじんきょうしょく)」といいます)、神と人が強く結びつくという意味合いがあります。
引き出物の予算は「直会」と合わせて検討
五十日祭の引き出物の相場は2,000円〜5,000円程度です。
1家族から複数人が列席した場合でも、引き出物は1家族に1つが基本となります。
予算の計算方法は、直会の食事代と引き出物を合わせて、以下のように計算します。
五十日祭の列席者からいただく御玉串料は、1万円〜3万円が相場です。
いただく御玉串料の金額は当日までわからないため、ある程度金額を想定して品物を用意します。
たとえば、御玉串料を1万円、直会の食事代を5,000円とするなら、2,000〜3,000円程度の品物を贈るとよいでしょう。
「お返しの金額が足りないと困るから」と高額の品を用意するのはおすすめできません。
先ほどの例で1万円の御玉串料に対して5,000の食事と5,000円の品物を返してしまうと、列席者からの心遣いを無下にしてしまうため、御玉串料の金額を超えてしまわないようにするのが一般的です。
▶予想より高額な御玉串料をいただいた場合の対応はこちら(ページ下部へ)
五十日祭のお返しは「失礼のない品選び」を
引き出物選びでは、相手の失礼にあたらない選び方を押さえましょう。
弔事の贈り物は、「不祝儀をあとに残さない」という考えから、形に残らない「消えもの」が基本です。
消費したらなくなってしまう、食べ物や日用品(消耗品)を選んでください。
ただし「消えもの」のなかでも、以下のような品物は五十日祭にそぐわないため避けましょう。
<五十日祭の引き出物に避けるべき品>
- 日持ちしないもの…生菓子などは避け、1か月以上日持ちするものを選ぶ
- 華美なパッケージの品…赤や金色基調の品は避け、紺・グレー・白・黒などを選ぶ
- 重いもの・かさばるもの…列席者が持ち帰りに困る重さの品はNG
とくにインターネットの通販で品物を用意するときは、列席者が持ち帰りに困らないよう「重量」を確認し、軽くてかさばらない品を選びましょう。
五十日祭のお返し|タブーは四つ足生臭もの・おめでたいもの
五十日祭の引き出物のタブーは、仏式と同じく以下のような品物です。
<引き出物にタブーの品物>
- 四つ足生臭もの…肉や魚といった生もの
- 慶事を連想させるもの…昆布、かつお節など
- おめでたい意匠のもの…紅白・松竹梅・鶴亀・うさぎ・ふくろう・ひょうたんなど
いずれも故人を偲ぶ厳かな行事では忌避される品です。
引き出物に選んでしまわないよう、とくに注意しましょう。
掛け紙(通称:のし紙)の表書き・お礼状マナー【文例】
五十日祭では、掛け紙(通称:のし紙)の選び方に注意が必要です。
また品物を郵送する際に添えるお礼状(挨拶状)にも、使ってはいけない言葉があります。
神式の掛け紙の選び方と、お礼状の書き方を詳しく解説しますので、ぜひ押さえてください。
掛け紙の書き方|表書きは「志」「五十日祭 偲び草」がわかりやすい
五十日祭の引き出物には、必ず「掛け紙」を掛けましょう。
蓮の花が描かれているものは仏式のため、選ばないように注意してください。
水引は黒白の結び切りが一般的で、関西などでは黄白です。
表書きは、宗教宗派を問わない「志」、神式の「偲び草」「偲草」などを用います。
葬儀(神葬祭)のお返しで「偲び草」を用いることが多いため、五十日祭では「志」や「五十日祭 偲び草」とすると目的の違いがわかりやすくなります。
<三浦先生からのひとこと>
「偲び草」は、仏式以外、特に神式の葬祭・霊祭での返礼品で使われる表書きです。
「偲び草」は古くから和歌などに詠まれた植物の名称で、故人を偲び追慕する気持ちを粗品に代えてという意味があります。
神式の返礼品の表書きには、「偲び草」「偲草」「しのび草」のほか、宗教宗派を問わずに使える「志」が用いられています。
引き出物を郵送するならお礼状(挨拶状)を添えて
五十日祭の引き出物を配送する場合は、必ずお礼状を添えるのがマナーです。
引き出物は当日手渡しが基本ですが、
- 欠席者から御玉串料をいただいた場合
- 後日追加の品を贈る場合
などには品物を郵送するため、お礼状が必要です。
お礼状作成の際は、「冥福」「成仏」「供養」「往生」「他界」など仏式の言葉は使わないように注意しましょう。
以下には「五十日祭の御玉串料」に対するお礼状の例文を掲載します。
神葬祭でいただいた御玉串料に対するお礼状は、こちらの記事を参考にしてください。
神式のお礼状 例文
※欠席した方に対してのお礼状なら、()内の言葉は不要です。
謹啓
先般 亡父〇〇五十日祭に際しましては(ご多用の中お越しいただき)
(なお)ご丁重なるご厚志を預かり誠に有難く厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして五十日祭を滞りなく相執り行いました
つきましては心ばかりの品物をお送りいたしましたのでご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝謁のうえにて御礼を申し上げるべきとは存じますが 失礼ながら書中をもってご挨拶申し上げます
謹白
〇〇年 〇月 〇日
〇〇〇〇〇
一筆箋にしたためる場合の例文
母〇〇五十日祭の際にはご芳志を頂戴しありがとうございました
おかげさまにて●月●日に五十日祭を済ませましたので偲び草のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
50日祭のお返し 売れ筋3選 |ギフト専門店の安心ラインナップ
「五十日祭のお返しを余裕をもって準備しておきたい」
「失礼のない品を用意したいけど品物のチョイスが不安」
という方に向け、ギフト専門店GiftA(ギフタ)が、実際に売れている好適品をピックアップしました。
売れ筋の品の多くに共通するのが、「日本らしさ」を感じさせることです。
「和風」や「日本製」の品物は、上品で落ち着いた印象のため、厳かな五十日祭の場に最適といえます。
満足度の高い品物をランキング形式でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1位 カタログギフト
カタログギフトは、軽くてかさばらないため、法事の贈り物の好適品とされています。
相手が好きなものを選べるため、列席者の年代やライフスタイルがばらばらでも、気に入ってもらいやすい引き出物です。
施主側としても品物選びの負担を減らせるため、メリットの多い引き出物といえるでしょう。
表紙に和風の意匠が施されたカタログがよく選ばれています。
葬儀のお返し(香典返し)との贈り分けにうまく使って
カタログギフトは、葬儀のお返し(香典返し)の定番でもあります。
五十日祭のお返しと、五十日祭後に贈る葬儀のお返しは贈る時期が近いので、違いを出せるよう、どちらかを「カタログギフト」にする方が多いようです。
もし両方をカタログギフトにしたい場合は、以下のように工夫しましょう。
- 「グルメカタログギフト」と「総合カタログギフト」に分ける
- 引き出物はカタログギフトを贈り、偲び草はカタログギフトに「お菓子」や「タオル」をセットにする
列席者に「前と同じものか…」と思われない配慮が大切です。
2位 お菓子・スイーツ
お菓子は軽くて持ち帰りやすい品物が多く、五十日祭の引き出物の定番品です。
など、和菓子・洋菓子ともに個包装で分けやすく、日持ちする品物が人気を集めています。
弔事のお返しは「和」の品物が贈りやすいですが、お菓子は比較的和洋を問わず選ばれている品物です。
列席者の年齢層なども考慮し、華美でない品物であれば洋菓子を選んでもよいでしょう。
3位 ごはんのお供
などのごはんのお供も、引き出物に向いている品物です。
日本の伝統的な食品は、五十日祭という伝統的な追悼行事に見合った品といえるでしょう。
とくに梅干しは、昔から弔事のお返しとして選ばれてきました。
梅干しがお返しにふさわしい理由やおすすめの品物についてはこちらの記事も参考にしてください。
番外編:引き出物に人気の品はほかにも
売れ筋3位までには入らなかったものの、昔から好適品とされてきた日本らしい品物をご紹介します。
弔事にふさわしい意味を持つため、列席者や故人への気持ちを表現するのにも最適です。
国産タオル
タオルは、弔事においては「悲しみを包み込む」「悲しみを拭い去る」という意味を込めて贈ることができる品物です。
ふんわりとした肌ざわりが心地よく、高級感のある「今治タオル」が支持されています。
和風の入浴剤
弔事において入浴剤は「悲しみを洗い流す」という意味を持ちます。
五十日祭に贈るなら、バスソルトなどのおしゃれな品物よりも、「よもぎ」や「ひのき」のような和を感じさせる香りの品を選ぶとよいでしょう。
日本茶
弔事の贈り物の定番である「日本茶」は、昔は敷地の境目に茶の木が植えられていることが多かったため、「境界を区切る」という意味をもっています。
古くから「この世からあの世へ境界を超えて旅立つ、故人とお別れをする」という思いを込めて贈られてきました。
品格のある品物が多いため、特に礼節をもって接したい目上の方が多く列席される五十日祭に最適です。
【近年はコーヒーもよく選ばれています】
ギフト専門店なら安心して手配が可能
五十日祭に適した品物の用意には品物選びから掛け紙の用意まで、多くの手間がかかります。
少しでも施主の負担を軽くするためにおすすめなのが、ネット上のギフト専門店を利用することです。
ギフト専門店GiftA(ギフタ)では、引き出物を自宅で一括して手配可能。
掛け紙(のし紙)や挨拶状は、無料でご用意しています。
ほかにも、
- 送料無料の品物多数
- 13時までの注文で即日発送可能な品物あり
- 対象商品には、お渡し用の手提げ袋を無料でご用意
など、引き出物の手配がスムーズに済むサービスが多数。
さまざまな対応に追われる施主の時間的・金銭的な負担を軽くできます。
掛け紙やマナーなどについて、不安なことは専任の担当者にメールで問い合わせることもできるため、ぜひお気軽にご相談ください。
【弔事にふさわしい体裁をご用意】
【要確認!】五十日祭の気になる疑問Q&A
Q.50日祭で高額な「御玉串料」をいただいたらどうする?
A.基本的には「引き出物」を贈るのみで問題はありません。
五十日祭では、親族や目上の方が遺族の心情や状況をおもんばかり、3万円を超える高額な御玉串料をくださることがあります。
基本的には心遣いをありがたく頂戴し、用意した引き出物を贈るのみで問題はありません。
引き出物だけでは気になるという方は、後日お礼状とともに「御礼」または「心ばかり」の表書きで品物を贈るとよいでしょう。
Q.50日祭にお供え・供花を頂いたらお返しは必要?
列席者の方が、金銭のほかにお菓子や果物、お酒などをお供えしてくださることがあります。
食べ物のお供えは直会にて列席者全員で分けるのが基本です。
いただいた「御玉串料」などの金銭に対してのみ、お返しをすればマナー違反にはなりません。
ただし、1人あたり1万円以上の高価なお供えをいただいたケースなどには、半返しでお返しすることがあります。
Q.神主さん、神官の方へのお礼(引き出物)は必要?
A.他の方と同じ引き出物をお渡ししましょう。
掛け紙の表書きも、他の方と同様で問題ありません。儀式が終了したタイミングでお渡しします。
そのほか、神主・神官の方には、
- 祭祀料(さいしりょう)※表書きは「御榊料」「御玉串料」「御祭祀料」など
- 御車代
- 御膳料 ※直会(なおらい:食事会)に参加されない場合
も必要です。
袱紗や切手盆にお金を入れた封筒を乗せ、引き出物と一緒に「本日はありがとうございました」と御礼を述べながら渡します。
【チェックリスト】五十日祭のお返し準備
五十日祭の「お返し」に関するチェックリストを用意しました。
当日の1週間前までには、1〜6までの内容をすべて満たしているようにしましょう。
五十日祭後の対応も、忘れずに確認してください。
<五十日祭チェックリスト>
ー五十日祭の1か月前~2週間前までー
1.五十日祭の列席者数は確定していますか?
2.引き出物・直会の予算は決まっていますか?
3.直会の手配は済んでいますか?
ー五十日祭の2週間前~1週間前までー
4.引き出物の品が決まり、購入完了していますか?
5.引き出物には掛け紙をつけていますか?
6.お渡し用の紙袋は用意していますか?
ー五十日祭後ー
7.郵送する引き出物の用意はできていますか?
8.郵送する引き出物にはお礼状を添えていますか?
ギフト専門店GiftA(ギフタ)では、掛け紙・お礼状を無料でご用意しています。
一部商品には無料の手提げ袋ををつけることも可能です。
ご不明点や不安なことがありましたら、専任スタッフがメールにてお答えしますので、ぜひお気軽にお問合せください。
【送料無料や即日出荷可能の品も】