この記事では、ワイングラスの種類やそれぞれの特徴、選び方について解説します。
ワイン初心者にぜひ知っておいていただきたいのが、ワイングラスによってワインの味わいが変わることです。
ワイングラスには複数の種類があり、ワインの特性に応じて使い分けられています。ワインはブドウ品種や産地による味の違いに注目されがちですが、ワイングラスによって生まれる味わいの違いも無視できません。
各タイプのグラスの特徴と、選び方のポイントをしっかりおさえましょう。
目次
さまざまな種類のワイングラスがあるのはなぜ?
ワイングラスは、ただワインを注げればいい、というものではありません。
どのグラスで飲むかによってワインの味わいが異なります。複数の種類のワイングラスが用意されているのは、味わいの違いを楽しむためです。
例として、
- ボウル(グラスの丸い部分)が大きいとスワリング(グラスをくるくると回す動作)がしやすく香りを楽しめる
- リム(飲み口の部分)が薄いと渋みを感じにくくワインが飲みやすい
などの違いがあります。
ブドウ品種で異なる果実の個性を生かすため、品種別に違うグラスを開発しているメーカーもあるほど。
ワインの種類や合わせる料理、気分などに応じてワイングラスを選べるようになれれば、ワイン上級者と言えるでしょう。
【基礎知識】ワイングラスの各部位の名称
ワイングラスの部位にはそれぞれ名称が付けられています。基礎知識として、各部位の名称を覚えておきましょう。
- リム……ワインの注ぎ口・飲み口にあたる部分
- ボウル……リムの下、丸みを帯びたワインがたまる部分
- ステム……持ち手となる細長い脚の部分
- プレート……ワイングラスの最下部、テーブルの接している土台の部分
上記のうち、味わいに大きく関わるのが、リムとボウルです。
一般的に、リムが薄いグラスほど唇にガラスが触れている感覚が少なく、ストレスなくワインを飲めるとされています。ボウルの形状や広さは、香りの広がり方に影響を与えます。
専門店でグラスを探す場合は、「リムが薄いもの」「ボウルが大きく香りが広がるもの」など、部位の名称を出してスタッフに希望を伝えると分かってもらいやすいでしょう。
代表的なワイングラスの種類
さまざまな形状のワイングラスがありますが、主に以下の5種類に分類できます。
ボルドーグラス
ボルドーグラスは、ボウル部分が卵型に近く、全体的に縦長のグラスです。「チューリップ型」とも呼ばれています。
香りが立ちやすく渋みがまろやかになるため、バランスの良い味わいが楽しめます。
その名のとおり、フランスのボルドー地方のワインを飲む際に使用される他、どっしりと濃厚でコクのある赤ワインを味わうのに適した形です。
ブルゴーニュグラス
ブルゴーニュグラスは、ボルドーグラスよりもボウルが球体に近く、リムがすぼまっているグラスです。
ボウルに香りがたまるため、香りが繊細なワインと好相性です。酸味を感じにくくなる特徴もあります。
フランス東部産のブルゴーニュワインを飲む際に使用される他、ヴィンテージもののワインの複雑な香りを楽しみたいときにも向いています。
キャンティグラス
キャンティグラスはリムとボウルの広がりが全体的に小さく、スマートな形状のワイングラスです。
ボルドーグラスよりも小ぶりで、取り回しがしやすいサイズになっています。
「キャンティ」の名称はイタリア産赤ワインの有名な銘柄から付けられていますが、赤ワインに限らず、白ワインやロゼワインとも相性が良い、万能型とされるグラスです。
汎用性の高さから、ワイン初心者の人が最初に買うグラスとしてもおすすめです。
モンラッシェグラス
モンラッシェグラスは、ブルゴーニュグラスの上部をカットしたような、丈が短いバルーン型の形状が特徴のグラスです。
樽で熟成させた白ワインなど、香り豊かなワインを飲む際に使用されます。
名前はブルゴーニュ地方モンラッシェ産の特級白ワインに由来します。
モンラッシェワインに使用されるブドウ品種は、シャルドネの中でも最高峰のもの。そのため、このグラスはシャルドネを使用した他のワインとも好相性です。
フルートグラス
フルートグラスは、縦に細長い形状が特徴的なグラスです。
泡を口に運びやすいため、スパークリングワインなど発泡性のワインで使用されます。炭酸を抜けにくくする効果もあります。
ワインがもっとおいしくなるワイングラスの選び方
ワインをこれから勉強していきたい人は、ぜひこだわりのワイングラスを手に入れてください。
以下では、ワイン初心者に向けてワイングラスの選び方をご紹介します。
初心者であれば赤白兼用のグラスがおすすめ
赤ワイン・白ワイン・ブドウ品種などに応じて、合うグラスは異なります。しかし、初心者が多くのワイングラスから自分好みのグラスを選ぶのは難しいかもしれません。
予算の関係からも、最初はどんなワインもおいしく飲める汎用性の高いグラスが手が届きやすいでしょう。
近年はワイン人口の増加から、老舗グラスメーカーも赤白兼用グラスを展開しています。普段使いしやすいため、それほどこだわりがない場合は赤白兼用タイプのグラスがおすすめです。
ワインに合わせて選ぶ
ワイン中級者の飲み方に挑戦したい場合は、ブドウ品種や銘柄に合わせてワイングラスを用意してみましょう。グラスによって、ワインの味わいが違ってくることを実感できるはずです。
グラスごとのワインとの相性を表で簡単に解説します。
グラスのタイプ | ボルドーグラス | ブルゴーニュグラス | キャンティグラス | モンラッシェグラス | フルートグラス |
相性の良いワイン | 渋みが強めの濃厚な赤ワイン | 酸味が強めで芳醇な香りの赤ワイン | 赤ワイン・白ワイン兼用 | コクが深い白ワイン | スパークリングワイン |
まずは、この表の組み合わせを意識してグラスを用意するのがおすすめです。
ボルドーグラス、ブルゴーニュグラスに加え、白ワイン用のグラスを用意しておけば、一通りのワインを楽しめると言われています。スパークリングワインが好きな人は、フルートグラスも用意しておくと良いでしょう。
特別なワインのためにグラスを用意する
とっておきのヴィンテージものなど特別なワインを開けるなら、グラスも特別なものを用意しましょう。頻繁に飲めるワインではないからこそ、グラスにもこだわって大切に味わうことをおすすめします。
リムの薄いハンドメイドのグラスなどは、ワインのポテンシャルを最大限引き出せます。
【番外編】ワインを注ぐ適量とワイングラスの正しい持ち方・洗い方
お気に入りのワイングラスを用意したら、日頃の取り扱いも意識してみてください。
以下では、グラスに注ぐワインの適量と、グラスの持ち方・洗い方について解説します。
ワインを注ぐ際の適量
ワイングラスのボウルは、空気とワインを触れさせて香りを立たせるために丸い形状をしています。
そのため、グラスいっぱいにワインを注ぐことはNG。空気とワインが触れ合うためのスペースがなくなってしまうからです。
ワインを注ぐ目安は、ボウルの最も太い部分から指一本程度下まで。赤ワインは120~150ml程度、白ワインは90ml程度が目安です。
ただし、スパークリングワインに使われるフルートグラスは例外です。フルートグラスは6割程度の高さまで(140ml程度)注ぐようにデザインされています。
ワイングラスの持ち方
ワイングラスはボウル部分、もしくはボウルとステムの境い目あたりを持つのが基本です。ステムをつまむように持つのは不安定なためおすすめできません。
見た目が美しくなることから日本ではステムを持つことをマナーとして認識している人もいますが、これはあくまでも日本のローカルマナーです。
ただし、ボウルを手で包み込むような持ち方はNGです。ワインは温度に敏感な飲み物。ボウルと手が触れている面積が大きいと、手の温度が伝わってワインの温度が変わってしまいます。
ベストな風味をキープするためには、ボウルに手を添えるような持ち方を意識しましょう。
ワイングラスの洗い方
高価で良いワイングラスは薄く設計されている場合がほとんどです。しかし、薄いグラスは割れやすく取り扱いに注意が必要です。
力を入れすぎると割れてしまうことがあるため、洗い方には気を付けてください。柔らかいスポンジに中性洗剤を含ませて、可能な限り優しく洗いましょう。
飲み口は特にガラスが薄いため要注意。軽い汚れであれば、少し指でこするだけでも問題ありません。
ワイングラスの破損原因には「洗っていて蛇口にぶつけた」というケースが多くあります。洗剤をすすぐ際は、蛇口の位置に注意しましょう。
洗浄後、時間をあけずにグラスを軽く拭いておくと、水アカの付着を防止できます。
お気に入りのワイングラスで楽しむ『SADOYA』のワイン
お気に入りのワイングラスを購入したら、ぜひワインも良いものを用意してください。
フランスやイタリアの輸入ワインが有名ですが、近年は国産ブドウを使用し日本国内で醸造した「日本ワイン」も注目されています。
GiftA(ギフタ)のコンシェルジュがおすすめの日本ワインとしてご紹介したいのが『SADOYA』のワイン。
古くから自社でのブドウ栽培を開始しており、一貫して「食卓のパートナーとなるワイン」を作り続けてきたワイナリーです。国内外のワンコンクールでも数々の受賞歴があり、世界的にも高く評価されています。
『SADOYA』看板商品の「シャトーブリヤン」は、フレンチオーク樽で発酵後に澱を取り除き、あらためてフレンチオークの樽で貯蔵。さらに一升瓶で熟成させるという、独自の手間暇かけた製法で作られています。
お気に入りのワイングラスでぜひ味わってみてください。
まとめ
ワインは最適なワイングラスで飲むとさらにおいしくなります。
ブドウ品種や産地によるワインの味の違いがわかってきた人は、ぜひグラスにもこだわってみてください。グラスの種類によってワインの渋みや酸味、香りの広がり方が違ってくることに気づくでしょう。
ワインの特性を最大限生かして楽しむために、ぜひお気に入りのワイングラスを見つけてくださいね。