「お肉と一緒にお酒もおいしく楽しみたい!」
そんなときこそ、食べたい肉料理にぴったり合うお酒を選びたいですよね。肉料理別にどんなお酒が合うのかを、ビール・ワイン・日本酒それぞれのおすすめとともに紹介します。
肉に合うお酒の王道をチェック!
「肉に合うお酒の王道」と聞くと、ビールや赤ワインを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
王道がなぜ王道と呼ばれているのか、ビールと赤ワインがお肉に合う理由を解説します。
居酒屋の定番「ビール」
唐揚げや焼き鳥といった肉料理が多い居酒屋で、「とりあえず生」と言われるほど定番のお酒はやはりビールです。
肉の脂身はビールの炭酸と苦味にベストマッチ。のど越しの良いビールは口に残る脂を流してすっきりとリセットさせてくれるので、おいしく箸をすすめることができるのです。
フレンチスタイルなら「赤ワイン」
フレンチなど、ちょとかしこまったシーンでの肉料理には、赤ワインが王道の組み合わせです。
赤ワインはブドウの皮や種も含めて醸造されるので、ブドウが持つ風味をしっかりと感じやすいでしょう。
香りや味が強いため、牛肉の煮込みなど味がしっかりした料理を引き立て、より奥深い味わいを楽しむことができます。
料理とお酒 自分好みの味を楽しむのが一番!
ビールや赤ワインといった「肉に合うお酒の王道」以外にも、肉料理に合うお酒や組み合わせは無限にあります。
肉だけではなく、料理とお酒の組み合わせ(ペアリング)には、「口にした人全員に必ず合う正解」はありません。自分がおいしく感じるかどうか、が何よりも肝心です。
何と何を組み合わせれば自分にとって最高の味になるのか、一つ一つ楽しみながら見つけてみましょう。
肉に合うお酒【ビール編】
ビールは発酵の仕方や醸造の方法によって、100以上の種類(ビアスタイル)が存在しています。それぞれ、苦味や香りの感じ方などに個性があり、合う肉料理も異なります。
ビールと料理の有名な組み合わせ方として、主に以下の3パターンがあります。
- 「発祥国で合わせる」:ドイツ生まれの白ソーセージとヴァイツェンビールなど
- 「色で合わせる」:濃厚な肉の煮込みと濃色のスタウトビールなど
- 「味の特徴とで合わせる」:スパイシーなジャークチキンとスパイシーな香りのIPAビールなど
もちろん上記の組み合わせだけではなく、自分好みのペアリングを探すのが何より大事!
ここでは、肉の料理別におすすめのペアリングを紹介します。
ステーキ・とんかつ
肉の濃い味を楽しむステーキやとんかつには、肉に負けない強い味わいを持った「IPA(インディア・ペール・エール)」がおすすめです。
IPAはイギリス発祥のビールで、ホップを大量に使用するため強い苦味が特徴。ガツンとした重みのある味わいは、ステーキやとんかつの濃い味にも負けません。
また、ホップの香りも他のビールに比べて強く感じられるため、ステーキやとんかつソースのスパイシーさとも相性抜群です。
スモーク・焼き肉・すき焼き・ローストビーフ
スモークやローストした肉料理には、麦芽をローストして醸造する「スタウト」がぴったり。
スタウトは黒ビールの一種で、濃い褐色が特徴です。黒く焦げるまでローストした麦芽を使うことで独特のコク深い苦味が生まれます。チョコやナッツを思わせる香ばしさや香りも感じられるでしょう。
ローストした麦芽からほのかに感じる酸味も魅力のひとつ。「苦味・香ばしさ・酸味」のそれぞれが、スモークやローストした肉の香ばしさとうま味を引き立ててくれます。
スタウト自体に力強い味わいがあるので、焼き肉やすき焼きといった濃い味の料理との相性も抜群です。
焼き鳥・鶏の唐揚げ
居酒屋メニューの代表格である焼き鳥や唐揚げには、すっきりとのど越しの良い「ピルスナー」が定番です。
ピルスナーに代表されるラガービールは、下面発酵と呼ばれる醸造方法でつくられています。
実は、日本国内で流通しているビールの95%がラガービールで占められており、日本の大手ビールメーカーが製造するビールのほとんどがピルスナーなのです。
そんな日本人になじみ深いピルスナーは、さまざまな肉料理と相性が良いのが特徴。中でもおすすめは、油っぽさや塩味の強い焼き鳥や、鶏の唐揚げとのペアリングです。
爽快なのど越しと共に、さっぱりと楽しむことができます。
ハンバーガー・親子丼・照り焼きチキン
アメリカ発のハンバーガーには、同じくアメリカ発の「アメリカンペールエール」がベストマッチ。
アメリカンペールエールは、ホップの持つ華やかな香りが特徴のビールです。ほどよい苦味とフルーティーな香りで、さわやかなだけではなくしっかりとした飲みごたえがあります。
そのため、香辛料の効いているハンバーガーと相性が抜群! 香りと苦味があるので、親子丼や照り焼きチキンなどの甘じょっぱい味付けの料理にもよく合います。
肉に合うお酒【ワイン編】
肉に合うワインといえば「赤ワイン」が王道ですが、実は肉や料理の種類によっては「白ワイン」の方が相性が良い場合があります。
白ワインは、ブドウの皮や種を含まずに果汁だけを発酵させてつくられます。みずみずしいブドウの果実味が感じられる、フレッシュな風味が特徴です。そんな白ワインには、あっさりした味わいの「豚肉」や「鶏肉」がよく合います。
ここでは赤ワインと白ワイン、それぞれと相性の良いおすすめ肉料理を紹介します。
【がっつり料理と赤ワイン】ビーフシチュー・ステーキ・ハンバーグ・ラム
牛肉のステーキやラム肉など、がっつりした味の濃い肉料理には、力強いフルボディの赤ワインがおすすめです。
ブドウの味わいとタンニンによる渋みをしっかり感じられるフルボディは、料理の味に負けない味わいを持っています。
ワインと料理、どちらも味のボリュームが大きいものどうし、お互いを引き立たせることができるのです。
また、タンニンには、肉の脂っぽさをさっぱりさせてくれる効果が期待でき、脂が多い料理にもぴったりです。
このほかにも、デミグラスソースなど濃いソースのハンバーグやビーフシチューもよく合います。濃い味噌味のもつ煮や牛すじ煮込みなども、フルボディの赤ワインと合わせて楽しんでみましょう。
【さっぱり料理と白ワイン】焼き鳥(塩)・鶏肉のクリーム煮・生ハム
一方、味わいがさっぱりした肉料理には、白ワインが最適です。
鶏肉の味を楽しむ塩の焼き鳥や、しゃぶしゃぶ、蒸し鶏などの淡白な味わいに、白ワインの華やかな香りと果実味が絶妙にマッチします。
また、鶏肉のクリーム煮やシチューなどのクリームソースがメインとなったまろやかな味わいの料理には、酸味が穏やかでまろやかな口当たりの白ワインを合わせるのがおすすめです。
一方、ポン酢やレモンソースなどの酸味で味わう肉料理には、酸味があって辛口の白ワインがよく合います。
肉に合うお酒【日本酒編】
肉に合うお酒は、ビールやワインだけではありません。あっさりした和食と合わせるイメージが強い「日本酒」も、肉料理とのペアリングを楽しめます。
日本酒の原料である米には、うま味成分の「グルタミン酸」が含まれています。この成分は、牛肉に含まれているうま味成分の「イノシン酸」と組み合わせることでうま味が7〜8倍にも増加して感じられるといわれています。
科学的にも、日本酒と牛肉の相性は最高のペアリングといえるでしょう。
日本酒は原料となる米の精米歩合や醸造アルコールの使用の有無で、吟醸酒や大吟醸酒など大きく8種類に分けることができます。それぞれ味わいや香りが違い、合う肉料理も異なります。
ここからは、料理の味の濃さごとにぴったり合う日本酒を紹介します。
【さっぱり料理と日本酒】しゃぶしゃぶ・焼き鳥(塩)
肉の脂を落としていただくあっさりしたしゃぶしゃぶや、さっぱりとした塩味の焼き鳥には「吟醸酒」を合わせるのが良いでしょう。
吟醸酒は精米歩合が60%以下の酒米に、米麹、水に醸造アルコールを加えてつくられています。飲み口が軽く、雑味が無いすっきりとした香りと味わいが特徴です。
よく似た種類に「純米吟醸酒」がありますが、こちらは精米歩合が同じ60%以下でも原料に醸造アルコールを使用しておらず、吟醸酒に比べて米のうま味が強く感じられます。
淡白でさっぱりした味わいの料理には、さらっと飲める吟醸酒がベストマッチです。
【がっつり洋食と日本酒】ステーキ・ハンバーガー
がっつりと肉のうま味を味わうステーキやハンバーガーと合わせるなら、米のおいしさが味わえる「純米吟醸酒」がおすすめです。
醸造アルコールを使用しないことで、米のうま味と甘味を味わえる純米吟醸酒。日本酒を飲み慣れていない人でも飲みやすく、合わせる料理を選ばないのが特徴です。
そのため、和食だけではなくステーキやハンバーガーなどの洋食にもぴったり。料理の持つ肉らしさを消さず、米のうま味が肉のうま味を引き立たせてくれる組み合わせです。
【濃い味料理と日本酒】焼き肉・すき焼き・焼き鳥(タレ)
甘辛いタレなどの濃い味で楽しむ肉料理には、「純米酒」「本醸造酒」とのペアリングがおすすめ。
「純米酒」は、醸造アルコールを使用していない日本酒のことを指します。米の持つコクやうま味を味わえる純米酒は、同じ甘味を持つ濃い味の料理にぴったり。
醸造アルコールを使用している「本醸造酒」は、純米酒に近い香りやうま味を持ちながらも、すっきりした味わいでバランスが良いのが特徴。米の風味を感じながらも、濃い味の口をさっぱりさせたい人におすすめです。
自分好みの肉に合うお酒を見つけてペアリングを楽しもう
お酒は、種類や銘柄によって個性が大きく異なります。そのため、一口に「ビール」や「ワイン」と言っても、合う料理もバラバラです。
ここで紹介したさまざまな肉とお酒の組み合わせをヒントに、自分だけのベストペアリングを見つけて、料理もお酒も存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。