晩酌やホームパーティーで開封したワインが余ったとき、「どれぐらい日持ちするの?」と気になったことのある方は多いでしょう。
実はワインの種類によって開封後の賞味期限が違うのをご存じですか?
ワインの賞味期限にまつわる知識や、飲み頃の目安・保管方法など、開封後のワインのおすすめ活用法まで解説しますので、ぜひ参考にしてください。
開封後のワインに賞味期限はある?
ワインには明確な賞味期限がありません。ボトルに詰めた後、数年~10年以上熟成させることで香りや味の変化を楽しむワインもあるため、一概に賞味期限を決めることはできないのです。
しかし、一度でも開封したワインは空気に触れたその時から酸化していきます。香りや風味が落ちてしまうため、なるべく早く飲み切るに越したことはありません。
開封後のワインをおいしく飲むためには、ワインそれぞれの「飲み頃の目安」を知っておきましょう。
赤ワイン:開封後5日程度
赤ワインは、長くても5日以内に飲み切るようにしましょう。
赤ワインは、味わいの深さによって、フルボディ・ミディアムボディ・ライトボディの3種類に分けられます。
濃厚で深みがある味わいが楽しめるフルボディは、開封後も5日程度なら保管できます。
一方、淡い色合いと酸味が特徴のライトボディは、酸化による味の変化が目立ちやすいタイプ。ボジョレー・ヌーヴォーなど、ライトボディに分類される新酒は、3日程度で飲み切るのがおすすめです。
白ワイン:開封後2~3日程度
白ワインは辛口、甘口などの味の特徴によって開封後の飲み頃が前後しますが、基本的にはワインボトルを開けてから3日程度を目安に飲み切るのがおすすめ。
特に辛口の白ワインの場合、酸化の進みが早いので、なるべく早く飲み切るのが理想的です。
甘口のワインの場合、味や風味の劣化がそこまで目立たないので、開封後1週間程度、保管してもよいでしょう。
スパークリングワイン・シャンパン:開封した即日
スパークリングワインやシャンパンの開封後の飲み頃は、当日または翌日です。
スパークリングワインやシャンパンは炭酸が含まれているので、開封後に何日も保管しておくと炭酸が抜けておいしさが損なわれる可能性があります。
開封当日に飲み切るのが理想的ですが、どうしても難しい場合でも翌日には飲み切ることをおすすめします。
開封後のワインをおいしく保管する方法
開封後のワインをおいしく飲むには、適切な保管方法を知っておくことが重要です。
開封後のワインの保管方法や、少量のワインを保管する際のコツを紹介します。
空気に触れないように専用キャップをする
ワインの香りや風味が落ちる原因は、空気に触れることによる酸化です。
開封後のワインを保管する場合は、空気に触れないように市販のワイン栓やストッパーを使いましょう。
ワイン開封時に取れたコルクを栓として使用する方法もあります。コルクの種類にもよりますが、一度取り外したコルクは、膨張して同じ向きでは入らないことがあります。
この場合、コルクを逆さまにして細い方を注ぎ口に差し込むのがポイントです。さらに、ラップを巻いてから栓をすると、密閉度が高まります。
冷蔵庫で保管するならここに注意
開封したワインを温度の高い場所に長期間置いておくと、ワインの酸化が早まってしまいます。ワインセラーの中で保管するのが理想的ですが、難しい場合は必ず「冷蔵庫」で保存しましょう。
ボトルを寝かせると、ワインが空気に触れる面積が広くなってしまいます。そのため、冷蔵庫で保管する場合は「ドアポケットに立てる」のがおすすめです。
ただ、ワインは振動に弱いお酒なので、ドアポケットに入れる場合はドアを静かに開閉して、できるだけワインが揺れないように心がけましょう。
ワインセーバーや小瓶に移し替える方法も
ワインの酸化が気になる場合は、ワインセーバーを使ったり、小瓶に移し替えたりするのも効果的です。
先述のとおり、ワインの酸化を遅らせるためには、ワインを空気に触れさせないことが大切。
ワインセーバーを使えば、機械でワイン内の空気を抜くことができるため、ワインの風味を保ったまま保管できます。
小瓶に移し替えれば、ボトル内でワインが空気に触れる面積が減り、味や風味の劣化を防ぎやすくなるのでおすすめです。
開封後のワインの活用方法
ワインの風味が落ちてしまうと、そのまま飲むのはためらわれるときもあるでしょう。しかし、開封後のワインでも工夫次第でおいしく味わうことは可能です!
料理に使用したり、サングリア・ホットワイン・ワインカクテルにアレンジしたりするなど、開封後のワインをおいしく味わう方法をチェックしていきましょう。
料理に使う
特にポピュラーなワインの活用方法は料理酒にすることです。
料理に深みやコクをプラスしてくれる「赤ワイン」は、ビーフシチューやミートソースなど、肉を使った煮込み料理などによく使われています。
一方「白ワイン」は、アクアパッツァやボンゴレビアンコなど、海鮮を使った料理に使われることが多く、素材のうまみを強く引き立ててくれると評判です。
赤ワインでコク深ハンバーグソース
飲み残しの赤ワインを手軽に活用するなら、ハンバーグソースに使ってみましょう。
フライパンにバターを入れ、玉ねぎ・きのこを炒めたら、赤ワインを加えて5分ほど煮立てます。
そこへ、ウスターソース・トマトピューレを追加し、お好みで塩コショウなどのスパイスを足したら、焼けたハンバーグと一緒にさらに煮込みます。
焦げないように、弱火に設定して、こまめにソースをかき回すのがポイントです。
ソースがもとの半量以下になったら、お皿に盛り付けます。いつもより高級感のあるハンバーグが楽しめるでしょう。
白ワインはピクルスに
爽やかな味わいが特徴の白ワイン。実は、漬物との相性も抜群です! 白ワインが余ったら、ピクルスの調味液にプラスしてみましょう。
はじめに、白ワインを鍋で煮詰め、アルコールを飛ばします。ここに、酢(もしくはワインビネガー)・水・砂糖・塩コショウ・トウガラシ・にんにくなどを加え、砂糖が溶けるまで火にかけます。
にんじん・カリフラワー・セロリ・パプリカなどの漬け込みたい野菜を入れましょう。きゅうりやミニトマトもおすすめです。
瓶に移し、冷蔵庫で冷やしたら完成です。白ワイン・酢・水の割合は、おおよそ1:1:2です。
フルーツを漬けてサングリア
ワインにフルーツを漬けた「サングリア」も、残ったワインをおいしくいただくのに試してみたいアレンジ。赤ワイン・白ワイン、どちらも使える方法です。
赤ワインなら、いちごやブルーベリー、ラズベリーなどのベリー系のフルーツを使ったサングリアがおすすめです。
消毒した大瓶に、ワイン・フルーツ・好みの量の砂糖を入れて漬け込みましょう。シナモンを入れると素材の風味がさらに引き立ちます。
白ワインの場合は、キウイやレモン、ライムやパイナップルなど爽やかな風味のフルーツが合います。ミントを加えると、清涼感が増すため夏場なら特に飲みやすいでしょう。
ホットワインで温まる
余ったワインを温めて「ホットワイン」にするのも一つの方法です。名前のとおりワインを温めたもので「グリューワイン」とも呼ばれています。
ヨーロッパでは寒い季節によく飲まれているドリンクで、秋冬はもちろん、お客様を招いたホームパーティーにもぴったりです。
赤のホットワイン
赤のホットワインは、フルーツの甘味とスパイスのバランスがとれた、深みのある味わいが特徴です。
鍋に赤ワイン・グラニュー糖・シナモンを入れて温めます。沸騰直前に火からおろせば完成です。
本場ドイツのレシピでは、黒コショウやクローブなどを入れることもあります。
レモンやオレンジなど、お好みのフルーツを入れて、フルーティーな味わいのホットワインを楽しんでもよいでしょう。
白のホットワイン
白のホットワインは、爽やかな白ワインと、フレッシュなフルーツの風味が感じられます。
作り方は赤ワインと同様に、材料を全て鍋に入れて加熱するだけです。砂糖のほかアップルジュースやシナモン、スターアニスなどがよく使われています。
生姜やハチミツを入れてジンジャーハニー味のホットワインで温まるのもおすすめです。
ワインカクテルにして飲みやすく
ワインをほかの飲み物と割って「ワインカクテル」にするのもおすすめです。少し酸化してしまったワインも、ジュースの酸味や甘味と合わせることで、ストレートで飲むよりも気になりにくくなります。
ワインカクテルに合う飲み物の定番は、オレンジジュース・コーラ・ジンジャーエール・梅酒です。
スパークリングワインをオレンジジュースで割れば、定番カクテル「ミモザ」ができあがります。
赤ワインをコーラで割れば、爽快感とフルーティーな味わいが魅力のカクテル「カリモーチョ」に。白ワインをジンジャーエールで割れば「オペレーター」ができあがります。
ワインと梅酒も実は相性抜群の組み合わせです。赤と白、どちらで割っても豊潤で上品な風味が楽しめます。
ワインソルト
「ワインソルト」は、赤ワインや白ワインを使って作った塩のことで、ほのかに香るワインの風味が特徴です。赤ワインで作ったソルトは鮮やかな赤い色合いが見た目にもおしゃれですよ!
作り方はとても簡単。フライパンにワインを入れて、ひと煮立ちさせます。塩を加え、水分がなくなるまで弱火で熱しましょう。
このとき、焦げないように適宜かき混ぜます。水分がなくなり、サラサラした状態になったら完成です。
赤ワインを使ったワインソルトは、お肉料理やチーズ、冷奴とよく合います。バニラアイスにかければ、色合いのコントラストと、甘味・塩味の豊かな味わいが楽しめるでしょう。
一方、白ワインを使ったワインソルトは、刺身やてんぷら、目玉焼きやサラダと相性が抜群です。お料理にさらなるコクと爽やかな酸味をプラスしてくれるでしょう。
賞味期限のないワイン。おいしいうちに飲み切ろう
ワインには、明確な賞味期限こそないものの、おいしく飲める「飲み頃」があります。飲み頃はワインの種類や保管状態によって異なるため、開封後は時間をかけずなるべく早く飲み切りましょう。
飲み切れなかったワインは、空気に触れないように専用キャップをしたり、ワインセーバーや小瓶に移し替えたりすると、酸化を遅らせることができます。
また、余ったワインを料理やカクテルに使えば、ワインの新しい味わいを発見できるかもしれません。
取り入れやすい方法で、最後までワインをおいしく頂きましょう。