近年、ワインの1ジャンルとして人気が高まっているロゼワインについて紹介します。
美しいピンク色が目を引きますが、料理に合わせやすく、味も評価されているワインです。ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間のような味わいであり、ワイン初心者の人にもおすすめできます。
飲みやすいロゼワインをお探しの人へのおすすめ品情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
ロゼワインとは? 美しいピンクが人気!
ロゼワインは、赤ワイン・白ワインと同じく、ワインのカテゴリーのひとつ。ピンク色、バラ色をしたワインです。
「ロゼ」はフランス語で、「バラ色」「ピンク色」を意味します。
基本的には黒ブドウからつくられますが、例外もあるようです。また、複数の製法があり、それぞれの作り方によって味わいや色が細かく異なります。
ロゼワインが人気になっている理由
この数年、フランス・アメリカ・イギリスではロゼワインのブームが起きています。日本にも少しずつその人気が伝染してきている状況です。
この「ロゼブーム」の背景には、以下のような理由があると考えられています。
SNS映えニーズの高まり
グラスに透けるピンク色が美しいロゼワインは、可愛らしい雰囲気で写真映えします。
ロゼワインを楽しみながら撮影した写真をInstagramなどのSNSに投稿するユーザーも増えているようです。味わいだけではなく色も楽しめる点は、色合いに特徴があるロゼワインならではと言えるでしょう。
海外では、ロゼワインメーカーのInstagramアカウントが人気です。「ロゼワインのあるライフスタイル」を美しい写真で提案していることから、多くのユーザーにフォローされています。
ロゼワインの華やかさ、愛らしさは若い女性を中心に多くのファンを集め、一つのムーブメントを生み出しているようです。
カジュアルさ
赤ワインや白ワインはフォーマルな場面で飲まれることが多く、高級で格式高いイメージを持っている人は少なくありません。
一方で、ロゼワインはそうしたイメージとは異なるカジュアルな飲み方のスタイルが受け入れられています。
このことから、それまでワインを敬遠していた人も、続々とロゼワインのファンになっているようです。
さらに、ファンによってさまざまな飲み方が開拓されており、
・氷を入れる
・ジュースと割る
・凍らせてシャーベットにする
といった派生が生まれています。気軽に自由な楽しみ方ができるのもロゼワインの魅力といえるでしょう。
料理との合わせやすさ
幅広い料理と合わせやすいことも、ロゼワインの魅力のひとつです。
ロゼワインの味は、赤ワインの渋みと白ワインの果実味、それぞれの特徴を「良いとこ取り」していると表現されます。
そのため、ワインに合わせることが難しい料理にも相性が良いと考えられています。フランス料理やイタリア料理だけではなく、和食・中華などアジアの料理とも合うワインです。
料理とのペアリングに頭を悩ませる必要がないことから、食卓に並べやすいワインと言えるでしょう。
ロゼワインの製造方法
一口にロゼワインと言っても、その製法はさまざま。色合いや味は製造方法によって違います。ロゼワインの代表的な4つの製造方法を解説します。
セニエ方式
セニエ方式は、タンクに破砕した黒ブドウを入れて2日ほど浸した後、ロゼ色に色づいた果汁だけを抜いて発酵させる製法です。ロゼワインの製法として一般的であり、赤ワインの製法と似ています。
果皮と果汁が接している時間が長いため、果皮の色素が多く染み出します。そのため、セニエ方式で作られたロゼワインは色が比較的濃くなる傾向にあります。
直接圧搾方式
直接圧搾方式は、黒ブドウを破砕して、プレス機で絞った果汁を発酵させる製法です。黒ブドウを使用しますが、製法自体は白ワインと同じです。
上記のセニエ方式と比較すると、淡いピンク色に仕上がります。これは果皮と果汁が接している時間が短く、染み出す色素が少ないためです。
ブレンド方式
ブレンド方式は、白ワインと赤ワインをブレンドするシンプルな製法です。後述の理由からシャンパーニュ地方で採用されていますが、それ以外の地域では禁止されています。
混醸法
混醸法は黒ブドウと白ブドウの両方をつかい、セニエ方式でつくる製法です。
黒ブドウの色素が白ブドウの色素によって薄められるため、セニエ方式と比較すると薄いピンク色のロゼワインに仕上がります。ドイツの銘柄「ロートリング」が有名です。
ロゼワインの有名な産地
ロゼワインの代表的な産地はフランスです。近年はアメリカやスペインも生産量を伸ばしていますが、有名な産地はフランスに集中しています。
以下では、フランス国内で特に有名なロゼワインの産地を紹介します。
プロヴァンス地方
イタリアと地中海に接しているプロヴァンス地方は、ワイン生産量全体のうち9割がロゼワインによって占められている代表的な産地です。
広大な地域のため、作られるエリアによって味わいが異なりますが、基本的に辛口でフレッシュな味わいは共通しています。淡いサーモンピンク色のものが主流です。
ロワール地方アンジュー地区
アンジューはフランス西部にあるロワール地方の地区です。
「アンジューと言えばロゼワイン」と評されるほど有名な産地であり、近隣のソーミュール地区とあわせて「アンジュー・ソーミュール」と呼ばれています。この地区のロゼワインは中甘口の味わいが特徴です。
コート・デュ・ローヌ地方タヴェル地区
コート・デュ・ローヌ地方タヴェル地区も、ロゼワインの製造で有名なエリアです。
この地区のロゼワインは「ダヴェル・ロゼ」と呼ばれ、色が濃く、辛口の味わいが特徴。フランスで初めてロゼワインのAOC(原産地統制呼称制度)に認定された、伝統ある地域ブランドとして知られています。
ブルゴーニュ地方コート・デュ・ニュイ地区
コート・デュ・ニュイ地区は、フランス東部のブルゴーニュ地方にある地区です。
ブルゴーニュ地方は赤ワイン・白ワインの産地として有名ですが、ロゼワインも作られています。特に、マルサネ村のロゼワインが有名です。
シャンパーニュ地方
スパークリングワインのシャンパンの産地として知られるシャンパーニュ地方では「ロゼ・シャンパン」が作られています。
シャンパンは製法が厳格に決められており、唯一ブレンド方式でのロゼワイン製造が認められているエリアです。一部、セニエ方式でロゼワインを製造しているワイナリーもあります。
フランス以外の産地
フランス以外のロゼワインの産地として、アメリカ・スペイン・ポルトガルなどが挙げられます。特にアメリカではロゼワインが爆発的な人気を集めていることから、国内のワイナリーが生産に力を入れています。
近年は、日本のワイナリーもロゼワインの生産に乗り出しています。今後は、日本産のロゼワインが日本や世界で評価されるようになるかもしれません。
ロゼワインに使われるブドウ品種
ロゼワインには以下のようなブドウ品種が使用されます。
グルナッシュ
グルナッシュはスペイン北部を原産とする黒ブドウ品種です。
「ガルナッチャ」「カンノナウ」など、生産地によって呼び名が変わります。気温が高く、乾燥しているエリアでよく育つ性質を持ちます。
糖度が高いため、アルコール度数が高めの甘口ワインに仕上がりやすいのが特徴。ワインにするとやわらかいボディ感とコクが生まれます。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培されている代表的なワイン用黒ブドウ品種です。
基本的には気温が高い場所で栽培されます。ただし、気候によって味が変わるため、ワインにする場合は他の品種とブレンドして味を調整するのが一般的です。
ピノ・ノワール
ピノ・ノワールは、主にフランスのブルゴーニュ地方で栽培される黒ブドウ品種で、ラズベリーのような果実味が特徴です。
気候の相性が良くないと栽培できない品種ですが、ブドウ農業の技術向上により現在は世界中で栽培されています。
ロゼワインの楽しみ方のヒント
ロゼワインを楽しめるおすすめの飲み方を紹介します。
ロゼワインと料理を色でペアリング
ロゼワインはどんな料理にも合わせやすいフードフレンドリーなワインです。
料理に応じてロゼワインを選べるようになると、よりマッチングを楽しめるようになります。
具体的には、料理の味の濃さにロゼワインの色の濃淡を合わせるのがおすすめです。赤身の肉料理などには、濃い色のロゼワインがよく合います。
ハム、サーモン、海老などロゼワインの色に似たピンク・赤の食材を合わせるのも一般的なペアリング方法です。
ロゼワインを美味しく飲める温度
基本的にロゼワインは室温でも冷やしても美味しく飲めると考えられています。料理や気分によって温度を変えてみましょう。
味が濃い料理と合わせる時や、コク・渋みを味わいたい時は室温で、キリッとした味わいを楽しみたい時、和食や魚介に合わせる時は冷やすのがおすすめです。
また、甘口やスパークリングのロゼワインは、ぜひ冷やして飲んでみてください。さわやかな味わいが冷やされることによって際立ちます。
具体的な温度設定は、ロゼワインの色を見て判断しましょう。
薄いピンク色のロゼワインは8〜10℃が目安です。濃いピンク色のロゼワインは、10〜12℃に調節することをおすすめします。
カクテルにするのもおすすめ!
自由に楽しめるのもロゼワインの魅力のひとつ。
少し気分を変えたい場合は、ぜひロゼワインのカクテルを作ってみましょう。
- フルーツやハチミツと混ぜる「ロゼパン(ロゼ・パンプルムース)」
- イチゴなどと混ぜて凍らせる「フロゼ」
- テキーラと割る「ロゼ・マルガリータ」
上記のようなカクテルメニューが人気です。
GiftA(ギフタ)が提案する『SADOYA』のロゼスパークリング
これからロゼワインを試してみたい人には、「日本ワイン」のロゼがおすすめです。
日本ワインとは、ブドウの産地から醸造の場所まで、すべて「Made in Japan」にこだわった日本産ワインのこと。国税庁に表記を認められ、現在は正式なブランドとして位置づけられています。
日本人の口に合う繊細な味わいが特徴であり、和食ともよくマッチします。
そんな日本ワインのワイナリーから、GiftA(ギフタ)が今回紹介したいのが、『SADOYA』です。
大正6年、山梨の甲府で創業した『SADOYA』は、「食事のパートナーとしても楽しめるワイン」にこだわり続けてきたワイナリー。
自社栽培のブドウを使用し、豊富なラインナップのワインを提供しています。
「ロゼ スパークリング 2019」は、カベルネ・ソーヴィニヨンをロゼワインに醸造し、スパークリングワインに仕上げた1本。すっきりとした味わいで飲みやすく、ワイン初心者の人にもおすすめです。
まとめ
赤ワイン・白ワインと比較すると日本ではあまり認知されていないロゼワインですが、決して上級者向けということはありません。
赤ワイン・白ワインの「良いところ取り」をしているため、むしろワイン初心者の人にこそおすすめできます。
見た目も美しいため食卓が華やかになるだけでなく、SNS映えする点も魅力。ホームパーティの差し入れにしたり、ワイン好きの女性へプレゼントすれば、きっと喜ばれるでしょう。