部下に結婚祝いを贈るときに知っておきたい、贈答マナーを解説します。
ビジネス上の人間関係において結婚祝いを贈るなら、プライベートの友達へ贈るのとは違った気遣いが必要です。
この記事では、部下に贈る結婚祝い相場や、ギフト選びの注意点、人気のギフトもご紹介します。
素敵なお祝いで、部下の門出を温かく祝福してあげましょう。
目次
部下へ贈る結婚祝いの相場【式に出席する場合】
部下の結婚式に出席する場合は、結婚祝いとしてご祝儀(現金)を贈るのがマナーです。
ご祝儀の一般的な相場は以下の通りです。
- 一般招待者として参列する場合:3万円〜5万円
- 主賓として参列する場合:5万円〜10万円(※主賓かつ夫婦2人で参列する場合は7万円~10万円)
「渡す側の年齢や役職」「社内の慣習」「部下との関係性」「一人で出席するか・夫婦で出席するか」などの要因によって、適切な金額の判断が変わります。
なお、ご祝儀の金額を決める際は、以下のポイントもチェックしましょう。
周囲と足並みを揃える
自分の上役も一緒に出席する場合は、上役が贈るご祝儀金額を超えないように配慮しましょう。
たとえば社長も結婚式に出席する場合、自分の独断で社長よりも高額なご祝儀を贈ると、社長の顔をつぶしてしまうことになります。
会社によっては、社内規定でご祝儀金額が一律に決められているケースもあるようです。
社内の複数名が部下の結婚式に招待されている場合は、相談してご祝儀の金額をすり合わせておくと安心でしょう。
他の部下と差を付けない
部下によってご祝儀の金額を変えるのは避け、平等に扱いましょう。
何かの拍子で周囲に知れると、職場内で「あの人は上司のお気に入りだから」と噂が立つなど、気まずい事態になりかねません。
過去に別の部下に結婚祝いを贈ったことがあるなら、今回もその時と同額にしましょう。
ご祝儀が会社の経費扱いになるか確認を
社内規定により、社員の結婚式に会社の代表者として出席する場合、ご祝儀を会社の経費(福利厚生費)として計上できることがあります。
代表を務める社員が、社内規定で定められた結婚祝い金を会社から預かり、式当日に持参する、というケースです。
一方、自分だけの判断で先にご祝儀を贈ってしまうと、後で経理担当者に請求しても「領収書がないと立替金として認められない」と判断される可能性があります。
個人的にご祝儀を包む前に、経理担当者に社内ルールを確認することをおすすめします。
部下へ贈る結婚祝いの相場【出席しない・式なしの場合】
結婚式に参列しない場合、部下へ贈る結婚祝いの相場は「1万円〜3万円」が目安です。
具体的な金額は、贈る側の年齢や役職、過去に他の部下へ贈った金額などによって、判断が異なります。
式に出席しない場合、贈るのは「現金(ご祝儀)だけ」でも、「結婚祝いプレゼント」だけでも、どちらでもかまわないとされます。
また、「現金とギフトの両方」を贈ることも可能ですが、あわせて相場の範囲に収まるように調整しましょう。
中には社内規定で個人間の贈答を禁止している会社や、だいたいのお祝い金額が決められている会社もあるため、職場のルールをチェックするのが先決です。
社員が個々で結婚祝いを贈る場合は、金額に極端な差が出ないよう、皆で足並みを揃えておくといいでしょう。
特に注意したいのが、自分より上役の人よりも高いプレゼントを贈らないこと。
上役の顔を立てるためにも、周囲と相談しながらプレゼント予算を決めるほうが無難です。
部下への結婚祝いに品物を贈る場合。喜ばれるポイントは?
結婚祝いのギフトは、新しい人生の門出を祝う気持ちを伝えるもの。
せっかく贈るからには、部下に喜ばれるものを選びたいですよね。
部下への結婚祝いをお探しの方へ向けて、結婚祝いのギフト選びのポイントを解説します。
新生活に役立つ実用アイテム
何かともの入りの新婚カップルには、毎日の暮らしの中で役立ててもらうことを念頭に、結婚祝いギフトを選ぶのがおすすめです。
結婚を機に家具や家電を買い換える人は多いですが、一度に買い揃えるとなると、金銭的な負担が大きくなりがち。
実用性はもちろん、デザイン性も兼ね備えたセンスのいいアイテムで、新生活のスタートを応援しましょう。
<新生活に役立つものの一例>
ただし、炊飯器のような生活の必需品で、自分で購入する可能性が高いものは要注意。サプライズでプレゼントすると、かぶってしまう可能性が大です。
お祝いの品には、生活の中で優先順位があまり高くないけれど、「あると嬉しい・便利」と感じさせるものが狙い目です。
新婚の記念になるアイテム
結婚の記念になる、特別感ある品を贈るのも良い方法です。
部下の普段の言動や持ち物などから、「インパクトのあるものが好きだろうな」と思えたら、日用品よりもメモリアルなアイテムのほうが喜ばれるかもしれません。
<新婚の記念になるものの一例>
- 新居に飾れる「プリザーブドフラワー」や「フラワーアレンジメント」
- 新郎新婦2人の名前を入れた「フォトフレーム」や「ペアグラス」
- 2人出会った年や誕生年などにちなんだ「ヴィンテージワイン」
- メッセージ入りのギフト
- お祝いの気持ちが伝わる華やかな「冷凍ケーキ」
名入れアイテムを贈る際は、業者へ制作を依頼する際、新郎新婦の名前の漢字・読み方をしっかり確認してください。
名入れの文字を間違えてしまうと、せっかくのお祝いが台なしに。
おめでたい慶事に水を差すことのないよう、念には念を入れましょう。
本人にリクエストを聞いてみる
結婚祝いの予算相場は、決して安いものではありません。
気心の知れた部下には、お祝い品のリクエストを聞いてみるのも方法です。
贈り物選びで困ることといえば、本人がすでに持っているものとかぶってしまうこと。
家電などは、必需品とはいえ「ひとつあれば十分」というアイテムも多くあります。
部下からのリクエストを聞くことは双方にとってメリットがあり、合理的だといえるでしょう。
とはいえ、上司と部下という間柄では、部下が遠慮してしまうことも考えられます。
そんなときは、具体的な品物の例をあげるなどして、以下のように聞き方を工夫してみるといいでしょう。
- 「最近買った◯◯が便利なので結婚祝いに贈ろうと思うのだけれど、どうかな?」
- 「結婚祝いに◯◯か◯◯を贈ろうと思うのだけれど、どちらが良い?」
上記のように、あらたまりすぎず、雑談のついでにサラッと聞けば、部下も気軽に答えやすいでしょう。
結婚祝いとしてタブーの品に注意
結婚祝いの贈り物にするには「縁起が悪い」とされる品があります。
また、人に贈ることで「否定的なメッセージを表す」とされるアイテムもあることをご存じでしょうか。
部下からリクエストがあった場合をのぞき、以下のような品は避けるほうが無難です。
<一般的にタブーとされている品物>
- ハサミや包丁・刃物(「縁切り」を連想させる)
- 陶磁器やガラス製品などの割れもの(別れを連想させる)
- 個数が忌み数である「4」や「9」の数のもの
- 鏡(「自分の顔をよく見るように」の意味という説も)
- ベビー用品(妊娠が判明している場合もNG)
ただ、若い世代ほどこのような縁起にこだわらない人が多いのも事実。
高品質な包丁や陶磁器などは、新生活の必需品であり、もらって喜ぶ人も多いでしょう。
部下とその結婚相手が縁起を気にしないタイプだと分かっているなら、上記の品をプレゼントしても問題はないといえます。
部下に喜ばれる☆ 人気の結婚祝いギフト18選
部下に結婚祝いを贈るなら、心から喜んでもらいたいですよね。
「こんなものが欲しかった」といってもらえるような、ブライダルギフトとして人気の高いアイテムをご紹介します。
2人の門出を祝う「ペアアイテム・名入れアイテム」
お揃いの「ペアアイテム」や2人の名前が入った「名入れアイテム」は、結婚祝いの定番です。
とはいえ、茶碗やお箸など毎日使う必需品は「自分たちの好みで用意したい」と考えるカップルも多いもの。
そこでおすすめは、「暮らしのプラスアルファになるアイテム」です。
来客用に使うものや、くつろぎの時間に使えるおしゃれなものは、結婚祝いにふさわしい特別感を感じさせてくれるでしょう。
<暮らしのプラスアルファになるアイテム例>
以上のような「あるとうれしいもの」「暮らしの彩りになるもの」を念頭におきながら、上質なギフトを選びましょう。
お祝いムードを盛り上げる「お酒」
お祝いに欠かせないものといえば、高級なお酒です。
部下が好きなお酒を贈って、お祝いの気持ちを伝えましょう。
- 夫婦で楽しめる「紅白ワイン」のセット
- 希少性の高い「クラフトビール」
- 見た目も華やな「スパークリングワイン」や「シャンパン」
- お祝いの場に欠かせない縁起の良い「日本酒」
日本酒であれば桐箱入りのタイプを選ぶなど、パッケージにもこだわりましょう。
お酒だけだとプレゼント予算が余ってしまうときは、「グラス」「ブーケ」「おつまみ」などとセットにして贈るのもおすすめです。
注意点として、お酒は定番ギフトではありますが、お酒を飲めない人に贈ると困らせてしまいます。
昨今はお酒を飲む習慣がない人も増えているため、「夫婦2人ともお酒が好きかどうか」を、事前にさりげなく聞いておきましょう。
美味しいご飯でお祝い「グルメギフト」
2人で楽しめる豪華なグルメギフトは、家計も助かることで好評の結婚祝いです。
結婚祝いに食べ物を贈るときは、普段自分では買わないような高級路線にこだわりましょう。
タレや調味料がセットになっているギフト用商品なら、受け取ってすぐに食べてもらえます。
結婚生活に慣れないうちは、食事の支度を負担に感じることが多いもの。
食卓を豪華にしてくれるグルメギフトは、実用的で喜ばれる結婚祝いになるでしょう。
新居で使ってもらえる「家電」
新居で使える電化製品は、結婚祝いによく贈られる定番アイテムです。
ただし、結婚を機に家電を買い揃える人は多いため、プレゼントがかぶるのを避けるため、リクエストを聞いておくと安心です。
もしくは、複数台あっても困らないものを選びましょう。
電子レンジなどの電化製品を贈る際に気を付けたいのは、新居がある地域の電気周波数に合っているかどうかです。
電気の周波数は、東日本は50Hz、西日本は60Hzと、エリアによって異なります。
周波数が違うと、電化製品の種類によっては正しく作動しなかったり、故障の原因となったりするため、注意が必要です。
中には「地方支社へ転勤になった元部下が結婚するので、電化製品を贈りたい」というようなケースもあるでしょう。
そんなときは、どの地域でも使えるヘルツフリーの家電を選ぶと安心です。
新生活の食卓を彩る「食器」
食器は暮らしの必需品。とはいえ、消耗品ではないため独身時代のものを使う人も少なくありません。
食器は種類が多く、家庭によって好みも分かれるため、贈る前に本人のリクエストを聞くのがおすすめです。
部下の好みのテイストやブランドについても聞いておきましょう。
来客時やホームパーティなど、特別なときに役立つものなら、他の人とプレゼントがかぶるのを避けやすいはず。結婚祝いらしい特別感も感じさせてくれるでしょう。
2人の好きなものを選んでもらえる「結婚祝い向けカタログギフト」
お祝いの品がなかなか決まらないときは、相手に好きなものを選んでもらえるカタログギフトがおすすめです。
「幅広い選択肢の中から、本人が欲しいものを選べること」がカタログギフトの大きな特徴ですが、結婚祝いの場合はさらに次のようなメリットも挙げられます。
- 贈り物が他の人とかぶる心配がない
- 実際に結婚生活を始めてから必要だと気づいたものを選べる
- 薄くて軽いので職場で手渡ししやすく、持ち帰りやすい
カタログギフトというと、幅広いジャンルのギフト商品を集めた一般的な「総合カタログ」をイメージする人が多いでしょう。
しかし、その他にもユニークなカタログギフトがたくさん登場しています。
「お肉の専門カタログギフト」「スイーツを集めたカタログギフト」などがその一例です。
部下の好みに合いそうなテイストのカタログギフトに、「結婚生活に役立ててね」とメッセージを添えて贈ってみてはいかがでしょうか。
ギフト専門店で購入すればのし紙もお任せで安心!
部下に贈り物をする際は、上司としてお手本になるマナーを心がけましょう。
結婚祝いの品物には、「のし紙」を掛けるのが礼儀です。
のし紙にはさまざまな形式があり、贈り物の名目によって使い分けるのが贈答マナーの基本とされます。
のし紙のマナーが心配なときは、ギフト専門店で品物とのし紙を手配することをおすすめします。
ギフトの扱いに慣れているショップなら、贈り物の用途を「結婚祝い」と指定すれば、適切なのし紙で準備を整えてくれるでしょう。
ギフト専門店のネットショップを利用すれば、結婚祝いにぴったりのギフトを、スマートフォンからスピーディーに選べます。
購入時に、包装紙のデザインを選べたり、メッセージカードを同梱する手配もできたりと、きめ細かいサービスが充実しています。
「仕事で忙しく、結婚祝いギフトを買いに行っている時間がない」
というときは、ギフト専門店のネットショップをチェックしてみてください。マナーを踏まえた贈り物を、カンタン手軽に手配できるでしょう。
部下へ結婚祝いを贈る時期・渡し方
結婚祝いを贈る時期は、式に出席するか否かによって変わってきます。
早すぎても遅すぎても良くありません。部下への結婚祝いはいつどうやって渡せば良いのかを解説します。
式に参列するなら挙式の1カ月前が目安
結婚式に出席する場合、結婚祝いを贈るのは、以下のタイミングを目安にしましょう。
- ご祝儀のみを贈る場合:結婚式当日に持参する
- ご祝儀とプレゼントの両方を贈る場合:プレゼントは式の1カ月前を目安に贈り、ご祝儀は結婚式当日に持参する
注意点は、結婚式当日にプレゼントを持参しないことです。挙式当日に荷物が増えると、新郎新婦に余計な手間を掛けてしまいます。
プレゼントを渡すなら、遅くとも式の1週間前までがおすすめです。
なお、部下が結婚式の前に引っ越しを済ませるケースもあるでしょう。その場合、新居に入居した後にプレゼントを贈るという判断もあります。引っ越し前にプレゼントを贈ると、荷造りの手間を増やしてしまうからです。
部下の状況を考慮しつつ、どのタイミングが相手に負担を掛けないか、柔軟に判断するとよいでしょう。
出席しない場合、式の2週間後~が目安
結婚式に招待されていない(出席しない)場合、お祝い品を贈るのは、式が済んでから2週間後~1カ月以内を目安にしましょう。
式の前にお祝いを贈ると、部下の立場からすれば、
「招待していないのに申し訳ない」
「招待するよう期待されているのかも」
などと気にしてしまいます。
また、部下が結婚式の後にすぐ新婚旅行に行くなら、帰ってきて落ち着いてから贈るのがベストです。
そもそも式を挙げない場合
部下が入籍のみをするケースもあるでしょう。
その場合、部下から結婚報告を受けたら、なるべく早く、遅くとも1カ月以内にお祝いを贈ります。
なお、婚姻届の提出日が分かっている場合は、その日までに渡すのがおすすめです。
お祝いの品は手渡しでも配送でもOK
上司から部下へ贈る結婚祝いのプレゼントは、職場で手渡ししても、部下の自宅へ直接配送しても問題ありません。
カタログギフトのように軽いものを贈るなら、就業時間後などのタイミングでお祝いの言葉とともに直接渡すといいでしょう。
ただし、プレゼントを配送したほうが親切なケースもあります。以下のようなシチュエーションなら、直接配送したほうが部下も助かるでしょう。
- 要冷凍の品や家電など、職場から持ち帰るのが大変なギフトを贈るとき
- 通勤事情や引っ越しなどの兼ね合いで、部下本人が配送を希望しているとき
いずれの場合も、部下本人の都合を優先して決めましょう。
真心こもった結婚祝いで部下の門出をお祝いしよう
部下から結婚報告を受けたら、会社の規定に沿ってご祝儀を贈りましょう。
結婚式に招待されていない場合は、ご祝儀(現金)もしくはギフトを贈るのが一般的です。
結婚祝いの贈り物には、新生活を応援する実用品や、他からのお祝いとかぶる心配のないカタログギフトが人気を集めています。
お祝いを贈る際は、祝意が伝わるよう、贈答マナーを守ることが大切です。
贈り物はなるべく本人に直接渡し、
「おめでとう。これからも仕事をがんばって」
など、励ましの言葉を添えると本人の励みになるでしょう。
上司からお祝いの言葉を直接掛けられた部下は、「自分のことを考えてもらっている」と嬉しく感じるもの。
温かい祝福と素敵な贈り物で、部下の門出をお祝いしてあげてくださいね。