フルーティなビール11選! おすすめアレンジ術も解説

更新日:2024年2月29日

「普通のビールは苦くて飲みづらい」と苦手意識を持っていませんか? ビールが苦手な人でも楽しめるのが、フルーティな味わいが特徴の「エールビール」です。

エールビールの中でも親しみやすい種類(スタイル)をピックアップしてご紹介します。

さらに、ビールを飲みやすくするおすすめアレンジ方法などの情報も集めましたので、ぜひチェックしてください。

フルーティな味わいの「エールビール」

フルーティなビール

一口に「ビール」と言ってもさまざまな種類があります。中でもフルーティな香りと奥深い味わいを楽しめるのが「エールビール」です。

まずは、ビール初心者でも飲みやすいエールビールの特徴を解説します。

上面発酵でつくられるビールのこと

フルーティなビール

ビールは、発酵の仕方の違いにより「エールビール」と「ラガービール」に分けられます。

フルーティな味わいが楽しめるエールビールは「エール酵母」を用いて発酵作業を行います。酵母を発酵させる際、酵母が麦汁の上部に浮き上がる特徴があり、これを「上面発酵」と呼びます。

このとき、フルーティな味わいのもととなる「エステル」という成分が多く生成されるため、上面発酵を行うエールビールは豊かな香りと味わいを感じることができるのです。

一方、ラガービールは「ラガー酵母」を用いて発酵を行いますが、ラガー酵母は沈殿した状態で発酵が進むため「下面発酵」と呼ばれます。

ラガービールの特徴はすっきりとしたのど越しで、日本で一般的に流通しているビールのほとんどがこのラガービールです。

クラフトビールの中でも人気の高いエールビール

フルーティなビール
香りを楽しむ〈エールビール〉お楽しみ6本ギフトセット

エールビールは、大手メーカーが手がけるもの以外に、小規模な醸造所でつくられる「クラフトビール(地ビール)」で楽しむこともできます。

「クラフトビール」は1995年ごろから日本でも使われ出した言葉で、全国地ビール醸造者協議会(JBA)によって国内において以下の3つの定義が定められています。

  1. 酒税法改正(1994年4月)以前から造られている大資本の大量生産のビールからは独立したビール造りを行っている。
  2. 1回の仕込単位(麦汁の製造量)が20キロリットル以下の小規模な仕込みで行い、ブルワー(醸造者)が目の届く製造を行っている。
  3. 伝統的な製法で製造しているか、あるいは地域の特産品などを原料とした個性あふれるビールを製造している。そして地域に根付いている。

(▶引用元:全国地ビール醸造者協議会より:http://www.beer.gr.jp/local_beer/)

このように、クラフトビールは製法や原料にこだわってつくられており、醸造所それぞれの個性あふれる味わいが特徴です。

そのため、製法や原料の違いによって色や味わいが異なる100以上の種類(ビールスタイル)が存在しています。

宅飲みはもちろん、ギフトとして贈るにもふさわしい特別感があるといえるでしょう。

「エールビール」群の代表的な種類

フルーティなビール

ビールは、原材料や発酵方法によって分類されます。ビールの種類は「スタイル」とも呼ばれ、世界には100種類以上ものスタイルがあるといわれています。

今回は、エールビールの中から、特にフルーティで飲みやすい、代表的な種類(スタイル)を解説します。

イギリス発祥の「ペールエール」

フルーティなビール

「ペールエール」は、イギリス発祥のエールビールです。オレンジがかった美しい金色をしており、原料であるホップのフルーティな香りと、モルト(麦芽)由来の自然な風味をしっかりと感じられます。

名前にある「ペール」は英語で「淡い」という意味。濃色のビールが多いイギリスで、「薄い色合いのビール」として名付けられました。

苦みが強くなくコクもあるのに、飲み口は軽いのが特徴。はじめてビールを飲む人にも、おすすめの種類です。

網走ビール「ゴールデンエール」

網走ビール「ゴールデンエール」は、地元網走産の大麦麦芽を原材料に使用したエールビールです。

地元の原料を使用するのもクラフトビールの特徴のひとつ。地域に根付いた、個性豊かな味わいが楽しめます。

柑橘系の皮のような爽やかな苦みと穏やかな香りを味わうことができ、爽快な味わいが癖になる1本です。

ヤッホーブルーイング「よなよなエール」

フルーティなビール
香りとコクが魅力のエールビール4種セット

ビールの名前が個性的なことでも有名なヤッホーブルーイングの「よなよなエール」は、国内を代表するペールエールのひとつ。

口に含むと芳醇なホップと麦の香りに加えて、グレープフルーツのようなフルーティな香りを感じることができます。

飲み終えた後に残るかすかな苦みと甘みが爽快な1本です。

飲みごたえもあるので、エールビールの特徴を楽しみたい人におすすめです。

イギリス発祥の「IPA」

ビールで乾杯する女性と男性

「IPA」もペールエールと同じく、イギリス発祥のエールビールです。

IPAは「インディアペールエール」の略で、イギリスがインドを植民地支配していた時代に、インドにいるイギリス人に贈るためにつくられたのがもとになっています。

長い船旅にも耐えられるように防腐剤代わりのホップが多くブレンドされており、ホップの香りと苦みをとても強く感じられるビールです。

IPAの中にも、「インペリアルIPA」や「ダブルIPA」など細かく種類が分かれています。自分好みの味を見つけるのも、IPAを飲む楽しみのひとつといえそうです。

伊勢角屋麦酒「ヘイジーIPA」

フルーティーなビール
アメリカ発の人気スタイル「ヘイジーIPA」

IPAの中でも、すっきりとしたフルーティな香りと穏やかな甘みを感じられるのが「ヘイジーIPA」。

伊勢角屋麦酒の「ヘイジーIPA」は、ホップ本来の苦みと香りと共に、パッションフルーツのような華やかさと柑橘系の爽やかな香りを楽しめるIPAです。

原料の麦芽には、大麦麦芽以外に小麦と小麦麦芽だけを使用することで、すっきりとした味わいを作り出しています。しっかりした強めの味わいを、爽快にグッと飲み干したいときにおすすめです。

ブリュードッグ「パンクIPA」

スコットランド発、英国で売上ナンバー1の実績を誇る人気の醸造所・ブリュードッグが手掛けるIPAが「パンクIPA」です。

世界一のIPAを目指して採算度外視でつくったというこちらは、希少価値の高い「ネルソンソーヴィン」というホップをふんだんに使用した香り高いビール。トロピカルフルーツのような南国の香りと、グレープフルーツを思わせる苦みが口に広がります。

麦芽本来の甘さとコクもしっかり感じられ、穏やかで爽快な味わいを求めている人にぜひ飲んでほしい1本です。

京都醸造「一意専心」

フルーティなビール
▲一意専心(ICHII SENSHIN)6本セット / 京都醸造

京都醸造は、アメリカ産のホップとベルギー産の酵母を使った「ベルギー&アメリカ」スタイルで製造を行う醸造所。

職人のまち・京都でつくられるこだわりのビールは「自分たちが飲みたいビール」を目指しつくられています。

定番商品のうちのひとつがIPA「一意専心」です。苦みを抑え、柑橘系の香りが心地よく口に広がります。

ベルギー産酵母のフルーティ感とホップの苦みがまとまりがよく、味わい深さが特徴のIPAになっています。

アイルランド発祥の「スタウト」

フルーティなビール

アイルランド発祥の「スタウト」は、エールビールの中でも「黒ビール」と呼ばれる種類のビールです。

黒に近い濃い茶色をしており、その奥深い香りはナッツの香ばしさやチョコレート、コーヒーなどに例えられます。英語で強さを表す「スタウト」の名前の通り、独特な苦みと、強い香りが特徴です。]

この香ばしいスタウトの香りは、原料に用いる麦芽を焦げるまでローストすることで生まれます。

ローストした麦芽を使う「ドライスタウト」のほかにも、原料に乳糖(ラクトース)を加える「ミルクスタウト」や、オートミールを使用した「オートミールスタウト」など、さまざまな種類があります。

ベルギー発祥の「フルーツビール」

フルーティなビール

「フルーツビール」は、その名の通り、醸造の工程や完成したビールに果物を使用するビールです。

フルーツビールの発祥はベルギーと言われ、北欧でも育ちやすいベリー系の果物を用いてつくったのが始まりとされています。

醸造の工程で発酵前に果物を加える場合、果物の甘さはあまり感じられず、香りや風味を味わえるビールになります。

完成した後に果汁でビールを割る場合は、度数が低くなり、果実味が強く飲みやすいビールとなります。

現在では使用される果物のバリエーションが広がり、日本国内では各地の特産の果物を使ったフルーツビールが多く存在しています。

特にフルーティで飲みやすい「白ビール」

フルーティなビール

ここまで、さまざまなエールビールを紹介しました。その中でも、特に華やかでフルーティな味わいが楽しめるのが「白ビール」です。

近年、白ビールは人気が高く種類も豊富に発売されていることから、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。

白ビールならではの味わいの特徴や、おすすめの銘柄を解説します。

苦みが少なく飲みやすい白ビール

フルーティなビール
日本各地のベルジャンホワイト3種とブルワリーのIPA3種を堪能できる12本セット

ビールに使用する麦芽には、大麦や小麦など複数の種類があります。この中でも小麦麦芽や、製麦しない生の小麦を大量に用いてつくられるのが「白ビール」です。

一般的にビールは、麦芽を乾燥させたのちに焙煎することで、香ばしさや色を生み出します。一方、白ビールに使われる大麦麦芽はあまり焙煎をせず使うため、大麦そのものの明るい自然の色と味わいが楽しめます。

白ビールだからといって、白い色をしているわけではありません。麦芽を焦げ目が付くほど香ばしく焙煎する黒ビールに対して、あまり焙煎を行わないために白ビールと呼ばれるようになったとされています。

香ばしさや苦みが抑えられ、よりフルーティな味わいや麦独特の甘みを感じられるのは白ビールならでは。ビールの苦みが苦手な人こそ、ぜひ白ビールを味わってみてはいかがでしょうか。

「白ビール」の代表的な種類(スタイル)

フルーティなビール
▲ビールを注ぐと白ヒゲの紳士が登場するお茶目グラス/ジェントルビア 泡づくり

白ビールにも製法や味わいの違いによって、複数の種類(スタイル)が存在します。

白ビールの種類とおすすめ銘柄を紹介しますので、自分にぴったりのお気に入りの一杯を見つけてみましょう。

ドイツ発祥の「ヴァイツェン」

フルーティなビール

「ヴァイツェン」はドイツ語で「小麦」を表します。小麦麦芽を原料の50%以上使用している、ドイツの伝統的なビールです。

少し濁った明るい琥珀色のビールは泡立ちがよいのが特徴。ホップの使用量が少ないことから苦みも少なく、小麦本来の甘みとクリーミーな泡立ちでまろやかな飲み口です。

また、大きな特徴のひとつに、ヴァイツェン専用の酵母が使用されることが挙げられます。ヴァイツェン酵母は、バナナのような甘さとナツメグやクローブのスパイシーさが感じられる、フルーティな香りを生み出します。

松江ビアへるん「ヴァイツェン」

北山山系の湧水を使用した「松江ビアへるん」の「ヴァイツェン」は、ヴァイツェン酵母が生み出す風味をしっかりと感じられる、正統派のヴァイツェンビールです。

フルーティなバナナの香りが際立ち、飲みごたえのある濃厚な味わいが特徴。

チーズ系のピザやパスタ、塩味の効いた揚げ物など、濃い味の食べ物にぴったりで、女性から高い人気のあるビールです。

ベアレン醸造所「ヴァイツェン」

盛岡にあるベアレン醸造所の「ヴァイツェン」は、ふくよかな香りとまろやかな味わいが特徴のヴァイツェンビール。

バナナやりんごなど果実の芳醇な香りが口に広がり、小麦のうま味をしっかりと感じられます。

ボトルを揺らして酵母もグラスに注げば、味わいはより柔らかく変化します。酸味を抑えたいときは、ぜひ底に溜まった酵母も一緒に飲んでみましょう。

ベルギー発祥の「ベルジャンホワイト」

フルーティなビール

14世紀ごろにベルギーで生まれた「ベルジャンホワイト」は、ベルギーの伝統的なビールです。

原料の一部にコリアンダーとオレンジピールが使用されるのが一般的で、ほかの白ビールと比べて爽やかさ際立つ味わいが特徴です。

オレンジピールは麦汁を煮沸させる段階で加えられるケースが多く、オレンジのすっきりとした風味と香りを感じることができます。

日本でパクチーの名前で知られているコリアンダーは、種子の状態でオレンジピールと同時に加えられるのがほとんどです。スパイシーさだけではなく、ほんの少しの甘さをビールに与えてくれる要素になっています。

京都醸造「一期一会」

フルーティなビール
▲クラフトビール 京都醸造 【一期一会 】6本セット

京都醸造の「一期一会」は、麦芽・ホップ・ベルジャン酵母がバランスよく調和した、明るいレモンイエローのベルジャンホワイトビールです。どの風味も主張しすぎず、複雑だけれどすっきりとドライな味わいを生み出しています。

華やかで爽やかな柑橘系の香りとドライな飲み口は、ベルギーの「セゾン」というビールスタイルに由来したもの。

「農作業の合間に飲むビール」から発展したセゾンは水のような飲みやすさがあり、甘さが少なく飲み口がさらりとしています。

すっきりと爽快な白ビールを飲みたい人におすすめです。

ベアードブルーイング「ウィートキング ウィット」

沼津で誕生した醸造所・ベアードビールがつくる「ウィートキング ウィット」は、小麦が主役のビールです。

ベルジャンホワイト定番のスパイスやフルーツを一切加えていないため、小麦と酵母が持つ本来のフルーティさを味わえます。

名前にある「ウィット」は、ベルギー語で「白」の意味。華やかな風味と軽い飲み口の白ビールを楽しみたいなら、ぜひ飲んでほしい1本です。

ビールをフルーティにするアレンジ術

フルーティなビール

フルーティなビールが好みなら、エールビールにほかの飲み物を加えてカクテルにアレンジするのはいかがでしょうか。

お家で簡単にできて、おいしくフルーティに味わえる、ビールのアレンジ術をご紹介します。

レモンスカッシュでアレンジする「パナシェ」

フルーティなビール

ビールとレモンスカッシュを1:1で合わせる「パナシェ」は、ビールをすっきり飲みやすくしてくれるアレンジです。

ビールの苦みとレモンスカッシュの酸味・甘みが絶妙にマッチし、ごくごく飲みやすい味わいです。

<作り方>

  1. よく冷やしたビールをグラスに半分注ぐ
  2. 同じくよく冷やしたレモンスカッシュを注いで軽くステアする

すっきりフルーティにビールを飲みたいときにぴったりです。

オレンジジュースでアレンジする「ビター・オレンジ」

フルーティなビール

パナシェで使うレモンスカッシュを、オレンジジュースに変えたものが「ビター・オレンジ」です。
オレンジの甘みにホップの苦みが合わさり、オレンジピールのような味わいを楽しむことができます。

<作り方>

  1. よく冷やしたビールをグラスに半分注ぐ
  2. 同じくよく冷やしたオレンジジュースをグラスに注いでステアする

オレンジジュースは100%果汁を使えば、果実味をしっかり感じられます。パナシェに比べてオレンジの甘みが強くなるため、合わせるビールは苦みの強いものがおすすめです。

ヨーグルトでアレンジする「ハイジ」

フルーティなビール

「ハイジ」は、ビールとプレーンヨーグルトを1:1で合わせたカクテルです。

意外な組み合わせですが、ビールの苦みにヨーグルトのまろやかな甘みと酸味が感じられてベストマッチ。ビールが大人のデザートドリンクに変身します。

<作り方>

  1. はじめにグラスの半分までプレーンヨーグルトを入れる
  2. ヨーグルトをスプーンなどで滑らかにしておく
  3. ゆっくりとビールを注ぎ入れる
  4. ヨーグルトにビールを溶かしこむように混ぜ合わせる

甘みを強くしたい場合は、プレーンではなく加糖ヨーグルトと組み合わせても、おいしく作れます。

爽やかでフルーティなビールを楽しもう

フルーティーなビール

ビールに苦手意識がある人でも楽しめる、爽やかな飲み口のフルーティなビール。

代表的なエールビールにも多くの種類があり、苦みが感じられたり、スパイシーな風味を感じたりと、銘柄ごとに個性豊かな味わいが揃っています。

近年は缶・瓶ともにさまざまなクラフトビール銘柄が登場しており、選択肢がずいぶん豊富になってきました。

自分にぴったりのエールビールや、おいしい飲み方を見つけて、楽しくビールを味わってみましょう。

初めてのビールを購入する前に、今回お伝えした情報をぜひ参考にしてくださいね。

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