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日本酒の甘口・辛口はどう決まる?これだけは理解しておきたいお酒の豆知識

更新日:2022年11月26日

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日本を象徴するものの1つとして知られる日本酒。

さまざまな楽しみ方ができることから「燗してよし、冷やしてよし」といわれているお酒です。日本酒の基礎知識や甘口・辛口の違い、さらに上手な日本酒の飲み方について紹介します。

日本酒の甘口・辛口はどうやって決まるの?

日本酒 甘口 辛口

日本酒には「甘口」「辛口」という表現が使われていますが、これらはどのような基準で決まるのでしょうか?日本酒について、基礎的な部分から紐解いていきましょう。

日本酒を造る過程で味に違いが出る

日本酒とは、「米」と「米麹(こめこうじ)」を発酵させて作るお酒です。

お米がお酒になるには「糖化」と「アルコール発酵」が必要で、日本酒の製造工程では、この2つの工程が1つの樽の中で同時に行われています。

(1)米麹によってお米に含まれるでんぷんが糖になる(糖化)
(2)糖が酵母によって発酵しアルコールになる(アルコール発酵)

なお、「米」と「米麹」を発酵して作るお酒の総称を「清酒」と呼びます。この中で「日本酒」は、日本のお米を使って、日本国内で醸造したものだけが名乗ることのできる名称です。

参考:酒税法における「清酒」の定義|国税庁
参考:「清酒」と「日本酒」について|国税庁日本酒造組合中央会

「甘口」「辛口」の違いは糖分の割合

日本酒には「甘口」と「辛口」があります。これらの味がどう違うのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

既に紹介した通り、日本酒を造る過程で「糖」が生まれます。日本酒が「甘口」なのかそれとも「辛口」なのかは、この「糖」がどれだけ含まれているかで決まります。

「甘口」は発酵が弱く、まだ糖分がたくさん残っているお酒。一方で「辛口」は発酵が進み、糖分が少なくなっているお酒です。

「糖分が多いなら甘いのでは」と考えてしまいがち。しかし日本酒に含まれる多糖類は甘さを感じさせることはほぼありません。そのため「甘口=スイーツのような甘さ」ではないのです。

甘口・辛口は人によって感じ方がさまざま

甘口と書いてある日本酒が甘くないのは、「日本酒に含まれる糖分に砂糖のような甘味は感じられないから」ということが分かりました。

日本酒の味わいは「糖分」だけで決まるものではなく、さまざまな「うま味成分」によって左右されます。

そのため、同じ日本酒でも、甘いと感じる人もいれば辛いと感じる人もいるのです。

日本酒を選ぶ際は、「甘い」「辛い」という言葉のイメージにとらわれず、多くの種類を味わってみることで、自分が本当においしいと思える1本に出会えるはずです。

日本酒のラベルに書かれた「+(プラス)」と「-(マイナス)」の意味

日本酒 甘口 辛口

日本酒のラベルには、日本酒を味わうために重要な情報がたくさん記載されています。

日本酒の「甘口」「辛口」を知りたいときは、ラベルにある「+」「-」の指標をチェックしましょう。

「+は辛口」「-は甘口」

日本酒のラベルには、「日本酒度」が「+(プラス)」と「-(マイナス)」で示されています。

これは「+」になるほど糖分が少ない辛口で、「-」になるほど糖分が多い甘口という意味です。

「どうして糖分が多いのに表示はマイナスなのか」と疑問を感じるかもしれません。

日本酒度で示されているのは糖分の量ではなく「お酒の比重」です。お酒の比重を計るには、「日本酒度計」というものを使います。

お酒の中に水よりも重い「糖」がたくさん含まれていると、日本酒度計が浮いて「マイナス(甘口)」になり、反対に糖分が少ないと日本酒度計が沈んで「プラス(辛口)」になるのです。

日本酒を選ぶときに役に立つので、ぜひ覚えておきましょう。

あなたはどっち?好みで選ぶ甘口・辛口

日本酒 甘口 辛口

日本酒の甘さや辛さは、糖分の量を示す「日本酒度」だけでなく「アミノ酸度」や「酸度」も関係しています。

日本酒に含まれている「アミノ酸」は、うま味やコクを生むもの。アミノ酸度が高いと甘く、低いと辛く感じられます。

酸度は、クエン酸やリンゴ酸といった「酸」の量を示すものです。酸度が高いと辛口に、低いと甘口に感じられます。

日本酒を味わうときは、アミノ酸度と酸度にも注目してみましょう。

濃厚・コク深い味わいが好き「甘口」がおすすめ

濃厚な味わいでコクのある日本酒が好きなら、糖分がたくさん含まれている「甘口」がおすすめです。

≪甘口の日本酒度の目安≫

・0~-1.4:普通
・-1.5~-3.4:やや甘口
・-3.5~-5.9:甘口
・-6.0~:大甘口

さらに、酸度が高いとコクを感じる「濃醇(のうじゅん)甘口」、低いとすっきりした「淡麗甘口」となります。日本酒の味は生産地によっても異なり、温暖な地域で造られる日本酒は甘口が多いのが特徴です。

すっきり・淡麗な飲み口が好き「辛口」がおすすめ

キリッとした味わいを楽しみたいなら、「辛口」の日本酒を探してみましょう。

≪辛口の日本酒度の目安≫
・0~+1.4:普通
・+1.5~+3.4:やや辛口
・+3.5~+5.9:辛口
・+6.0~:大辛口

酸度が高いものは存在感のある「濃醇(のうじゅん)辛口」、酸度が低いものが切れ味のある「淡麗辛口」となります。

寒い地域に多く、米どころとして知られる新潟県のお酒は「淡麗辛口」として有名です。

日本酒をもっと楽しむための豆知識

日本酒 甘口 辛口

源がはっきりしないほど古くから造られてきた日本酒は、とても奥が深いものです。

「甘口」と「辛口」の違いだけでもひと言で語れるものではありません。だからこそ多くの人に愛され、飲まれてきたともいえます。

ここでは、日本酒をより楽しむための豆知識を紹介します。

原料となる米は食用ではなく「酒米」

日本酒 甘口 辛口

日本酒の原料は「お米」ですが、私たちが普段から主食として口にしているものと同じ品種というわけではありません。

「酒米(酒造好適米)」と呼ばれる専用のお米が使われています。酒米は食用米よりも粒が大きく、タンパク質や脂質が少ないのが特徴です。

酒米の種類は100種類以上にものぼり、お米の品種によっても味わいが変わってきます。

酒米の中でも、主に兵庫県で生産されている「山田錦」は、酒米の王様ともいわれる存在。日本一の酒どころとして知られる兵庫県の「灘五郷(なだごごう)」では、山田錦を使った酒造りが盛んに行われています。

日本酒の8割は「水」が占めている

おいしい日本酒を造るには、おいしい水が欠かせません。アルコール度数の高い日本酒ですが、なんと成分のおよそ8割は水なのです。

洗米や仕込みに使われる水が日本酒の味と質に大きく影響を及ぼすため、上質で豊かな水に恵まれた地域ではおいしい日本酒ができるといっても過言ではないでしょう。

例えば、兵庫県の灘五郷で酒造りに使われている水は、「西宮の水」という意味の「宮水」です。宮水は硬度100前後の中硬水で、豊富なミネラル成分によってキリッとした辛口の日本酒ができあがります。

その力強くしっかりとした味わいから、灘の日本酒は「男酒」とも呼ばれています。

参考:おいしい男酒の秘密 宮水 | 西宮観光協会

日本酒をたたしなむときは「和らぎ水」を忘れずに

日本酒をたしなむときは、一緒に「和らぎ水(やわらぎみず)」も用意しましょう。和らぎ水とは、お酒とお酒の合間に飲む水のことです。

お酒と一緒に水分をとることで体内のアルコール濃度が下がり、深酔いや悪酔いを防ぐことができます。

また、口の中がさっぱりとするので、次に口にする食べ物やお酒の味をより楽しめるのもポイント。

飲みすぎや脱水症状を防ぐ効果も期待できます。お酒と上手に付き合う大人の嗜みとして、ぜひ覚えておきましょう。

日本酒についての知識を深めていこう

日本酒 甘口 辛口

お米から作られる日本酒は、日本人にとってもっとも身近なお酒といえるものです。

「これから日本酒も飲んでみたい」「ビール以外のお酒も味わってみたい」と考えているなら、紹介した豆知識を参考に、自分にとって飲みやすい味や好みの味を見つけてみてください。

日本酒に関連する知識を深めて、おいしさをじっくりと楽しみましょう。

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この記事の執筆者

GiftAコラム編集部

GiftAコラム編集部

当編集部では「贈り物選びの参考にしたいメディア」を目指し、ギフト通販専門店 GiftA(ギフタ)の社内ライターがリサーチ・執筆を行っています。贈答マナーや人気ギフトのトレンドなど、お役立ち情報をわかりやすく発信します。

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