「クラフトビール」と「ビール」の違いを分かりやすく解説!大人が知りたい新常識

更新日:2024年4月9日

名前の響きとオシャレなラベルに惹かれて「クラフトビール」を飲んでみたら、とてもおいしかった! そんな体験をした方は多いでしょう。

「クラフトビールは味のバリエーションが豊富」というイメージを持つ人が多いようです。

それでは、「一般的なビール」や「地ビール」と、クラフトビールとでは具体的に何が違うのでしょうか?

ギフト専門店のGiftA(ギフタ)が、クラフトビールの特徴と、その魅力について解説します。

クラフトビールと「一般的なビール」の違い

クラフトビールとビールの違い

「クラフトビール」とは、小規模の醸造所で職人の管理のもと造られる希少性の高いビールのことです。

クラフトビールと一般的なビールとの違いは、「独立性・専門技術・独自性」の三点に集約されます。

具体的には、全国地ビール醸造者協議会(JBA)が定める以下のクラフトビールの3基準に当てはまらないものが「一般的なビール」とされます。

  1. 大手ビールメーカーから独立したビール造りを行っていること(大手ビールメーカー傘下にある醸造所ではないこと)
  2. 1回の仕込み量が20キロリットル以下であり、ブルワー(醸造者)が生産工程を管理できる少量に抑えていること
  3. 伝統的製法で造られている、または地域の特産品などを原料に取り入れたオリジナリティがあり、地域に根ざしていること

主に1994年の酒税法の改正前から造られている「大手メーカーの大規模生産ビール」が一般的なビールだと思えば、ほぼ間違いないでしょう。

「クラフトビール」とは、もともとはアメリカで生まれた言葉です。

日本では1995年ごろから、「小さな醸造所で、生産量を抑えて造られているビールを指す言葉」として広まっていきました。

▶参考:「クラフトビール」(地ビール)とは≪ 全国地ビール醸造者協議会

酒税法の改正により個性あるクラフトビールが誕生

クラフトビールとビールの違い

クラフトビールの誕生には「酒税法」が大きく関係しています。

1994年に酒税法が改正され、ビールの製造免許取得に必要な最低年間製造量の基準が、2000キロリットルから60キロリットルへと引き下げられました。

これまで、ビールの醸造ができたのは大手メーカーのみでしたが、この法改正により小規模ブルワリー(醸造所)が数多く登場し、地ビールブームが巻き起こったのです。

さらに、2018年の酒税法改正では、ビールの原料として使用できる素材に、果実や香辛料が加わるなど、範囲が拡大しています。

これにより「クラフトビール」は、さらに味わいのバリエーションを広げることが可能となり、ブルワリーが個々のオリジナリティを追求できるようになりました。

2019年度には、ビール製造免許場は全国で400を超え、新たなビールが続々と誕生しています。

▶参考:ビール・発泡酒に関するもの(国税庁)
▶参考:酒税法改正のあらまし(税務署)

クラフトビールと「地ビール」の違い

クラフトビールとビールの違い

ひと昔前、「地ビール」がブームになったのを覚えている方も多いことでしょう。

「地ビール」を知っている人は「クラフトビールと何が違うの?」と疑問に思ったかもしれません。

1994年に酒税法が改正され、小規模の事業者でも、ビールの製造免許を取得することが可能となりました。これにより生まれたのが「地ビール」です。

「地ビール」の多くは、その土地ならではの素材や製法を用いることで高いオリジナリティを実現し、メディアでも話題を呼びました。

そこから地ビールを観光地の呼び物にしたり、町おこしイベントに利用する動きが活発になっていきます。

その一方で、「おいしさが二の次になる」「品質の安定性に欠ける」などの問題も抱えることに。2000年代に入ってからは地ビールは衰退してしまいます。

「クラフトビール」とは、かつての地ビールのマイナス面をカバーしつつ、より丁寧にこだわりを持って醸造されるビールの名称として定着したもの。

一過性のブームではなく、地域に根付いて美味しいビール造りに打ち込む専門家たちによって支えられているのです。

クラフトビールの世界大会で日本勢が大活躍

クラフトビールとビールの違い

日本発のクラフトビールは、いまや国内のみならず、海外からも注目されています。

国際的なビールコンテストにおいて、日本のブルワリーの受賞実績が増え続けていることからも、世界で評価されていることがうかがい知れるでしょう。

日本貿易振興機構のホームページでも「日本のクラフトビール」について食材・醸造方法を紹介し、その魅力を海外に向けて発信しています。

クラフトビールの世界をちょっと覗いてみると、今以上にビールの楽しみ方が広がるかもしれません。

▶参考:Japanese Craft Beer|日本貿易振興機構(JETRO)

「これをビールに?」と驚くような個性派の銘柄も

クラフトビールとビールの違い

日本の大手メーカーが販売する一般的なビールは、のど越しを重視しているものが主流。

それに対し、小規模醸造所の「クラフトビール」は、香り・コク・苦味など味わいの深さを重視しているものが豊富です。

初めてクラフトビールを飲んで、

「これがビールなの!?」

「普通のビールより飲みやすい!」

と、イメージを覆されて驚く人は珍しくありません。

もともと味のバリエーションが豊富な上に、ユニークな原材料を積極的に取り入れるチャレンジ精神もクラフトビールの魅力です。

  • じっくりと身体に染みわたる強い苦味にこだわったもの
  • オレンジピールなど果物を原料に加えフルーティな味わいを出したもの
  • ワサビや柚子など、和風の原材料を取り入れることにチャレンジしたもの
  • 鼻腔にホップの香り(アロマ)がふわりと広がりワインのように楽しむことができるもの

どのクラフトビールも、そのブルワリーならではのオリジナリティに溢れています。

ブリュワーのアイデア・工夫・職人的こだわりによって造られ、個性を磨き込まれているのが「クラフトビール」ならではの特徴といえます。

おしゃれ・かわいいパッケージデザインが多い

クラフトビールとビールの違い

クラフトビールのもう一つの魅力が「ユニークなパッケージデザイン」です。

店頭に並んだ商品を見て「あ、なんかかわいい!」と思わず手に取ってしまった人は多いことでしょう。

レトロアニメ風のデザイン、癒やしの動物デザイン、海外テイストのキリッとしたデザインなど、個性豊かなデザインの缶は見ているだけでも楽しめるはず。

好みのデザインを狙った「パケ買い」ができるのも、デザインに凝ったクラフトビールならではの楽しみ方といえるでしょう。

ホームパーティーのテーブルにクラフトビールが並ぶと、おしゃれでテンションが上がるような雰囲気が生まれます。

SNS映えする見た目も、若い世代や女性を中心に支持を集める要因になっているようです。

好みのクラフトビールを見つけて楽しみを広げよう!

クラフトビールとビールの違い

クラフトビールに出会ってその魅力にはまったという人は大勢います。

小規模生産だからこそ、ブリュワーのこだわりやアイデアによって、個性と味わいを追求できる「クラフトビール」。

フルーティさやコク深さなど、のど越しだけではないビールの魅力を知ることができるでしょう。

その日の気分やシーンに合わせて「ビールの種類を選ぶ」など、飲み方のスタイルも広がっていくはず。

旅行先のブルワリーで、その土地ならではのクラフトビールを試して、新しい味わいを開拓していく楽しみ方もステキです。

あなたにピッタリの「クラフトビール」を見つけ、味わい深いビールライフを過ごしてくださいね。

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