この記事では、結婚後、初めてのお歳暮を贈ろうと考えている方に「贈り先の決め方・ギフト選び」について解説します。
結婚すると、それまで意識していなかった文化に出会うことがあります。その代表例ともいえるのが、お中元やお歳暮などの贈答習慣です。
「お世話になった方や新しく親族となった方に、お歳暮を贈るべき? 何に気をつけたらいい?」
と、あらためて疑問がわいてくることでしょう。
結婚後に初めてお歳暮を贈るとなると、マナーやギフト選びで不安に感じるのは当然のこと。
この記事では、新婚夫婦がよくぶつかるお歳暮の疑問についてまとめたので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1 結婚後の初めての年末はお歳暮を贈るべき?
- 2 結婚後初めてのお歳暮、誰に贈るべき?
- 3 初めてのお歳暮! ギフトの相場はいくらぐらい?
- 4 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お菓子】
- 5 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お酒・ビール・ワイン】
- 6 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【コーヒー・紅茶・ドリンク類】
- 7 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お肉グルメ】
- 8 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【調味料】
- 9 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【海鮮グルメ・魚介類】
- 10 結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【せっけん・洗剤】
- 11 以下の品をお歳暮に贈るのは要注意
- 12 お歳暮を贈る時期やマナーを確認しよう
- 13 まとめ
結婚後の初めての年末はお歳暮を贈るべき?
結婚するまで「お歳暮」という文化を意識したことがない人も多いでしょう。
結論から言えば、結婚したからといって必ずお歳暮を贈らなければならないわけではありません。
とはいえ、地域・親族の慣習によって「身内同士でも、お中元・お歳暮を贈り合うのが当たり前」というケースもあります。
自分たち夫婦だけの判断で対応を決めてしまうと、後で気まずいことになりかねません。
お歳暮は、お世話になっている方々に感謝の気持ちを伝える季節のご挨拶。
結婚1年目なら、両親や親族など、結婚まで支えてくれた方々が大勢いらっしゃることでしょう。初めてのお歳暮は「周囲の方々からのお力添えに対し、感謝を伝えるよい機会」と捉えてはいかがでしょうか。
また、
「自分の両親から、相手の両親や親戚にお歳暮を贈るよう言われたけど、そういうものなの?」
という疑問の声も少なくありません。
地域性にもよりますが、結婚すると親族が増えるため、良好な関係を築こうとお歳暮を贈る人が多いようです。
しかし、人によっては身内からお歳暮をもらうと「他人行儀だ」と感じるケースもあります。
新しく身内となった人にお歳暮を贈るべきか、まずはパートナーと相談し、実家や親族の贈答習慣について聞いてみましょう。
- 相手の親族が、お歳暮についてどういう考えを持っているのか
- 兄弟姉妹や従兄弟など他の親族はどうしているのか
これらを実家の両親にそれとなく聞いておいてもらうと、フライングを避けられるでしょう。
結婚後初めてのお歳暮、誰に贈るべき?
結婚後の初めてのお歳暮なら、具体的に以下の贈り先が考えられます。
実家・義実家
新婚夫婦からのお歳暮なら、贈り先としてまず考えられるのはお互いの実家でしょう。
パートナーの実家は、自分にとってこれからも良い関係を築いていきたい相手。
お歳暮を贈ることで好印象につながるほか、「結婚後も円満に過ごしています」という自分たちの近況報告にもなります。
ただし、家庭の考え方によっては「気を使わせたくないから」「お互いの負担になるから」と、親のほうからお歳暮を断る場合があります。
そのため、自分だけで義実家にお歳暮を贈ることを決めず、まずは奥さん・旦那さんに相談し、お歳暮を気持ち良く受け取ってもらえそうか確認してくださいね。
交流のある親戚
自分やパートナーの兄弟姉妹・親戚にお歳暮を贈る人も多いようです。
特に結婚の際に資金的なサポートをしてくれた方や、相談にのってくれた方など、あらためて感謝を伝えたい親族にはお歳暮を贈るのがおすすめです。
ただし、お歳暮は基本的に一度渡すと毎年贈ることがマナーとされています。あまり多くの親族に贈ると後々の負担になってしまうかもしれません。
そのため、今後も交流が続くと思われる親族にしぼってお歳暮を検討するとよいでしょう。
仲人さん
仲人さんを立てて結婚した場合は、仲人さんにもお歳暮を贈るのが一般的です。お歳暮で感謝を伝えておくことで、結婚後の相談もしやすくなるでしょう。
「結婚後3年は仲人のお世話になる」という伝統的な考え方があります。そのため、少なくとも結婚後3年目までは仲人さんにお歳暮を贈ることを検討してみてください。
4年目以降は、仲人さんとのお付き合いの深さによって決めてもいいでしょう。例として、結納や結婚式当日だけの「たのまれ仲人」なら、4年目以降はお歳暮をやめることを検討していいかもしれません。
初めてのお歳暮! ギフトの相場はいくらぐらい?
お歳暮の相場は、贈り先との関係によって変わってきます。
結婚後、実家・義実家・仲人さんにお歳暮を贈る場合は、3,000円~5,000円がお歳暮予算の目安とされています。特別にお世話になっている方に贈る場合や、家のルールがある場合は、5,000円~10,000円の価格帯でお歳暮ギフトを用意することもあります。
お歳暮の金額を決めるときの基本は、「相手と自分にとって負担にならないこと」です。
もし自分たちがお歳暮をもらう立場なら、あまりにも豪華なものをもらうと、
「こちらからも同じように豪華なお返しをしなければならないの?」
と負担に感じてしまうでしょう。
また、一般的な考え方として「お歳暮は毎年贈るのが基本」とされていることも頭に入れておかなければなりません。
こうしたポイントを踏まえると、自分にとって負担にならない価格帯で、相手も気軽に受け取りやすい3,000円~5,000円が最適といえます。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お菓子】
ここからは、定番人気のお歳暮ギフトをご紹介します。
これまでお歳暮を贈ったことがない場合は、ギフト選びに迷いがち。「好みに合わないものを贈って、がっかりさせてしまわないだろうか」
など、不安に思うことがあるなら、まずはハズレの少ない定番品から検討していましょう。
気軽に贈れて相手の負担にならない「消え物」「消耗品ギフト」をピックアップしました。
お菓子をお歳暮に贈るときは、賞味期限が最低一か月以上あるお菓子を選びましょう。
また、相手の家庭で複数人で食べることを考え、個包装になっているものをおすすめします。
「新婚なのに気が利く夫婦だ」と思ってもらえるかもしれません。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お酒・ビール・ワイン】
場所をとらず日持ちするお酒は、お歳暮の定番品のひとつ。ビール、日本酒、ワインなど、相手の好みに合わせて選んでみましょう。
酒をお歳暮で贈る場合は、お酒好きの方に喜ばれる、高級で希少性の高いものがおすすめです。
受賞歴のあるクラフトビールや、自分の出身地の地酒など、市販ではあまり出回っていない「知る人ぞ知る銘酒」がおすすめ。珍しさがあり、話題のきっかけにもなるでしょう。
初めてのお歳暮として贈るなら、木箱入りなどパッケージにもこだわってください。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【コーヒー・紅茶・ドリンク類】
ドリンク類もお歳暮として人気です。
果汁たっぷり100%の高級ジュースやスティックコーヒー・ドリップコーヒー、産地にこだわったお茶などが選ばれています。
特にコーヒーやお茶などは、家で過ごすことが多い方に好まれるでしょう。テレワークで働いている方にも、仕事のお供として飲んでいただけます。
こうした一般的なギフトでも特別感を演出することが、結婚後の初めてのお歳暮選びのポイントです。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【お肉グルメ】
お肉も定番ギフトのひとつです。年末年始にかけて親族や友人が集まって豪華な食卓を囲む機会が多いため、お肉のギフトは重宝してもらえるでしょう。
和牛の様々な部位を詰め合わせた食べ比べセットや高齢の方にも食べやすいハンバーグ、お酒と一緒に楽しめるハムなどの加工肉もおすすめです。
相手の家族構成に合わせてギフトの内容や量を検討しましょう。グルメ系のギフトでは、食べ切れる量を贈ることが大切です。特に結婚後でお歳暮を贈ることが初めての場合は意識してみてください。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【調味料】
料理が好きな相手にお歳暮を贈る場合は、調味料もおすすめです。料理で必ず使うことになるため、いくつあっても困らず、家計を助けることにもなります。
食用油や醤油・味噌・ドレッシングなど、基本的な調味料で少し高価なものがギフトとして最適です。市販の商品とは一味違うものを贈ることで、「センスのいい夫婦だ」と思ってもらえるかもしれません。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【海鮮グルメ・魚介類】
豪華な海鮮グルメをお歳暮に贈れば、お正月のご馳走にも活用してもらえるでしょう。
親族が集まる食卓でお鍋の具材にしたり、お酒のお供にしたりと、使い道はさまざまです。
ただし、先方の冷蔵庫が小さかったり、魚をさばけなかったりで、持て余してしまうケースもあります。
魚介類をお歳暮に贈るなら、真空パックの加工品も視野に検討してみるといいでしょう。
こうした細かな配慮があることで「気配りが行き届いてるな」と、お相手に好印象を与えるかもしれません。
結婚後初めてのお歳暮におすすめの品【せっけん・洗剤】
洗剤などの日用品もお歳暮の定番です。
キッチン用・洗濯用・お掃除用とも、1年を通して日常的に使えるため、受け取った人が処理に困ることがありません。
お歳暮で贈る場合は、肌と環境に優しい天然成分のものや、華やかなアロマなど、少し贅沢感のあるものがおすすめです。
年配の親族に贈ると「最近はこんないい洗剤があるのか」と喜んでもらえそうです。
また、近年は感染症対策の意識が高まっていることから、おしゃれな除菌グッズも贈り物として人気を集めています。
以下の品をお歳暮に贈るのは要注意
お歳暮では、贈るとマナー違反になってしまうNGギフトがあるため注意しましょう。
また、マナー違反とまではいえなくても、お相手に確認を取ってからのほうが無難な品もあります。
自分の実家や親戚など、気心の知れた相手に贈るなら、ギフト選びにあまり気を使わなくても問題ないかもしれません。
しかし、義実家やパートナーの親族にお歳暮を贈る場合は、ギフト選びで印象を悪くしないように注意してくださいね。
消費期限の早い食べ物・要冷蔵品
消費期限の短い食べ物や保管場所に困る要冷蔵品は、一般的にお歳暮には不向きだと考えられています。
生クリームやカスタードクリームを使ったお菓子、和生菓子などは賞味期限が短く、「早く食べなければ」と先方を焦らせてしまうかもしれません。
カニ好きの方にカニを丸ごと贈る場合も、保管に困らないか事前に確認しましょう。
寝具
寝具はサイズや好みが人によって異なるため、お歳暮として贈るのは慎重に判断しましょう。特に敷布団・掛け布団のようにかさばるものは、もらった人が保管場所に困る可能性があります。
一方で、地域によっては贈答品にシーツを用いることが珍しくないケースもあるようです。また、高齢者の場合、寒い時期に暖かくて軽い毛布をもらって重宝したという方もいらっしゃいます。
寝具を贈るのを検討するなら、お相手の状況や地域の慣習などを踏まえた上で判断することをおすすめします。
刃物類
包丁やナイフ、ハサミなどの刃物は「縁を切る」という意味合いが含まれるため、お歳暮のような贈り物には不適切です。
現金・金券類
現金や金券類は、「お金に困っている人への施し」を連想させるため、誤解を招いてしまうことがあります。特に目上の人への贈り物としては避けるべきです。
カレンダー
NGというわけではありませんが、カレンダーは品質が高いものであってもあまり喜ばれないことがあります。年末にはあちこちからカレンダーをもらうことが多く、「もう必要ないのに……」と感じる方が多いようです。
趣味が分かれる・かさばる日用品
人によって好みが分かれるものは避けたほうが無難でしょう。
たとえば食器やグラスなどの日用品は、デザイン・使用感を重視する方が多いため注意が必要です。
近しい方に日用品のお歳暮を贈る場合は、相手の好みのデザインについてリサーチしておいたほうがいいでしょう。
また、収納場所に困るような大型のアイテムも、お歳暮として贈るのは慎重に判断しましょう。
お歳暮を贈る時期やマナーを確認しよう
お歳暮には、贈るのにふさわしいタイミングがあります。それを知らないと、先方に「常識を知らないのかな」と思われてしまうかもしれません。
お歳暮は、一般的に12月13日頃~20日頃に到着するように贈るのが目安とされています。
ただし、関東では12月1日~20日頃、それ以外の地域では12月13日頃~25日頃と、地域によって差があります。あらかじめ贈り先のお歳暮の時期を調べておきましょう。
注意点は、「自分の地域ではなく 贈り先の地域のお歳暮の時期に合わせる こと」です。
また、年末ギリギリになるとどの家庭も年越しの準備で忙しいため、どこの地域であっても年末が押し迫ったタイミングで届けるのは避けましょう。
なお、11月中に早めのお歳暮を贈っても問題ないという認識が広がっています。
「年末は忙しいからお歳暮の準備をする余裕がない」と心配な方は、早めに贈ることも検討してみてください。
関連記事:『【専門家監修】お歳暮を贈る時期はいつ?地域別・遅れたときの対処と基本マナー』
関連記事:『お歳暮の正しいのし紙マナー。遅れた場合の対応法も』
まとめ
お歳暮はあくまでも一年の感謝を伝える贈答品であり、必須ではありません。
しかし、結婚1年目であれば、実家や親戚と末永く良好な関係性を築いていくために、お歳暮の機会を上手に活用するといいでしょう。
お歳暮を贈るなら、基本のマナーを守り、こちらの印象を悪くしないことが大切です。ギフト選びに自信がない場合は、定番人気の品を贈ることをおすすめします。
先方に「これからも仲良くお付き合いできそうな夫婦だ」と思ってもらえるよう、心のこもった季節のご挨拶を準備してくださいね。