香典返しをしない地域もある?各地域ごとの通例まとめ

更新日:2021年7月20日

通夜や葬儀に参列する人は香典を持っていくのが通例です。

遺族はいただいた香典に対して香典返しを贈りますが、地域によっては香典返しを行わないところもあります。

しかし、そんな風習があることを知らずに引っ越してきた人は「香典を贈ったのにお返しがない」と勘違いし、思わぬ行き違いが起こるかもしれません。

今回の記事では地域による弔事の習慣やマナーなどをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

香典返しが「なし」の地域がある

香典返し一般的には、人が亡くなってから四十九日後の「忌明け」と呼ばれるタイミングで、香典を贈ってくれた人に対して遺族が香典返しの品を贈ります。

しかし、香典返しを略したり、まったく行わない地域もあります。

香典返し「なしの地域 vs ありの地域」の行き違いを防ぐ

香典返しをしない地域で自分が喪主となった場合、「香典返しあり」の地域の方から香典をいただいて対応に迷うこともあるでしょう。

「香典返しあり」の地域の人からすれば、通常ならあるはずの香典返しがない場合、喪主に対して「マナーのない人だ」と思うかもしれません。

香典返しがある地域から来られた参列者に対して、地域の慣習に従い「香典返しなし」にするのは失礼に当たらないか判断に迷うところです。

この場合は、相手のご厚意に応えるためにもお返しの品を用意するのが無難でしょう。

香典返しの違いを地域ごとに紹介

香典返し日本各地、地域ごとに香典返しの慣例が違います。

違うエリアに嫁いだり、引越してから葬儀に参列したり、葬儀を行ったりする際、エリアごとの香典返しの慣例を先に調べておくと安心です。

北海道

北海道の香典返しは、即日返しが特徴です。

誤って四十九日の忌明けに用意しないよう、注意しましょう。

東北

忌明けの時期の解釈が地域によって異なります。

青森は四十九日、若しくは三七日(みなのか=亡くなってから21日目に当たる)、岩手は五七日(いつなのか=亡くなってから35日目に当たる)、福島は四十九日を忌明けとする地域が多いようですが、香典返しは葬儀当日に会葬御礼の品を配る、という略式で行うのが一般的となっているようです。

関東

関東はエリアによって香典返しの慣習がさまざまに異なります。

その中でも、東京都・神奈川県・埼玉県は、四十九日の忌明け香典返しを行うのが一般的です。

関東の中でも、それ以外の地域では香典の即日返しが通例になっているところもあります。

地域ごとに決まりが変わるため、事前に確認することをおすすめします。

北陸

北陸の忌明けは四十九日が多いのですが、香典返しは葬儀当日の「即日返し」が多いようです。

相場よりも高額な香典をいただいた相手には忌明け後に改めて香典返しの品を贈り、受け取った金額に見合った相場でお返しを贈るよう調整します。

東海

東海地方は一般的に葬儀の際の即日返しが多いようです。場

所によっては忌明けとなる四十九日に親類縁者を招いて法要を行い、その際に香典返しをすることもあります。

関西

関西もエリアによって違いがありますが、一般的に葬儀当日は「会葬御礼」として略式の品物を渡し、忌明けに香典返しの品を送ります。

最近は香典の受け取りを辞退する遺族も多くなり、「香典なし・香典返しなし」となることも多いようです。

中国・四国

広島では四十九日が忌明けですが、亡くなってから忌明けまでが3ヶ月にまたがる場合は五七日で切り上げて法要を行います。

この法要を茶の子と呼び、引き出物の表書きは「満中陰志」とするケースが多いようです。

満中陰志と書くのは、四国以外にも西日本でよく見かけられる風習です。

また、香典を当日返しする事例は少なく、忌明け返しするのが一般的です。

九州・沖縄

九州も沖縄も通常、忌明け返しとなります。

香典返しの表書きは「志」と書くこともありますし、「満中陰志」と書くこともあり、エリアによって違いがあるので注意が必要です。

香典返しの基礎知識「香典は遺族のため」

香典返し

香典の由来は助け合いの精神

香典とは、亡き人のために行う葬儀・法事にかかるお金の負担を、残されたご遺族が背負うことを踏まえ、亡き人と縁のあった方が「援助しますよ」という趣旨で行われるようになったとされています。

現金ではなくお線香、お花などのお供え物を香典とすることもあります。

つまり香典は亡き人のものではなく、ご遺族のためのものです。

だからこそ、「お香典をいただき助かりました、ありがとうございます」というお礼の気持ちを込めて遺族が香典返しを贈ります。

香典が余ってしまったら

日本の葬儀は諸外国と比較すると費用が高い傾向にあります。

最近は家族葬などなるべく費用がかからない葬儀を行うご遺族も多くなっていますが、一般的な葬儀をする場合にはある程度のまとまった費用が必要です。

もらった香典だけでまかなえる葬儀は少ないといわれていますが、故人の立場や地位によっては多くの香典が集まり、葬儀費用などの支払いを全て終えてまだ余ることもあります。

その場合、喪主が預かりお布施とするなど、祭祀に使うことが多いようです。

香典はご遺族に贈与されるものなので、余った分を相続人で分ける必要はありませんし、逆に分けても問題ありません。

香典返しにまつわる疑問「これって失礼?」

香典返し香典返しをもらう側となった場合も、贈る側となった場合も、失礼がないように基本的な知識を持っておきましょう。

香典返しへのお返しは不要

香典返しを贈られた参列者の中には、「改めてお礼をしたの方がいいのかしら?」と迷う方もいますが、これは必要ありません。

贈答品をいただいたらお礼をするのがマナーですが、香典返しに限っては、お礼をしないのが礼儀です。

香典返しは、香典のお礼として贈るもので、これにまたお礼をするということは、「お礼を重ねること」となり、喪主に対して失礼に当たります。

忌明け後に香典返しを贈る理由の一つに「おかげさまで無事に忌明けを迎えました」と報告する意味もあるので、これにお礼を返せばまた悲しみの気持ちを引きずらせることにもなります。

香典返しの品が届いたら、受け取った旨を遺族に伝えるだけで問題はありません。

経済的に苦しいので香典返しをしない

経済的な理由であったり、職務上で香典返しができない理由があるなど、ご遺族によりさまざまな事情があります。

ご遺族が「香典をいただきながら香典返しをしないのはマナー違反?」と心配されるケースも多いです。

しかし、本来香典は「葬儀のために利用してください」と贈られるもので、香典返しが絶対に必要というものではありません。

今は「香典返しをしない」という選択肢を選ぶ人が増えているため、失礼に思う人もそれほど多くはないでしょう。

香典返しに関するその他のマナー

香典返し

香典返しをしないときは

遺族が香典返しを行わない場合は、「香典返しをしない」という旨の一言を会葬のお礼状に書き添えておきます。

文章は葬儀社の方が心得ていますし、多くの場合「香典返しはどうしますか?」と聞かれるので、その際に伝えておきましょう。

香典返しを寄付するなら後日の報告を

故人が遺言で香典を寄付するよう希望している場合です。

本来なら遺族が行う香典返しを、一部または全額寄付することもあります。

この場合も、会葬のお礼状か忌明けに香典返しは行わないことを書き添えておきます。

「御香典返しに代えて○○○へ寄附させていただくことになりました」と報告するといいでしょう。

また、後日に寄付の事実について寄付先、金額を書き、寄付の相手方からもらった感謝状などのコピーを添付したお礼状を参列者へ送るようにしましょう。

香典を実際何に使ったのかを贈り主に報告して理解してもらうことは弔意に応える上で大切なマナーであり、誠意ある対応です。

香典返しをしない場合のお礼状の書き方

一家の大黒柱を喪って、あとに残された小さな子供に養育費がかかるなど、遺族の都合で香典返しを行わない場合は、お礼状に弔意へのお礼をしたためた後に加えて

本来ならば、いただいた弔意への感謝としてお礼を差し上げるべきではございますが、誠に勝手ながらご厚情に甘え、遺児の養育費にあてさせていただきたく存じます。何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます

など、香典返しを行わない理由と、先方の理解をお願いする言葉を書き添えます。

挨拶状と共にお菓子などのちょっとした返礼品を添えるのがおすすめです。

まとめ

香典返し祝儀・不祝儀に関することは地域差があり、今まで一般的だと思っていたことも、別の地域へ行ってみると常識がまったく違ったということがあります。

思い込みではなく、「この地域ではどうするのだろう?」と疑問をもち、地域の方、見識者や葬儀社の方に確認し、失礼のないように気配りしながら香典や香典に対するお返しを考えましょう。

また、「香典返しを準備していなかったが、この相手にだけはお返しを贈りたい」ということもあるでしょう。

急ぎで香典返しを準備したいときは、先方が好きなものを選べるカタログギフトを香典返しとして贈るのがおすすめです。

ギフト専門店「GiftA(ギフタ)」なら、先方の自宅への直送手続きもネット上ですぐに完了します。

「どんな商品が掲載されているのか確認しておきたい」という場合はデジタルカタログをチェックするか、実物のカタログサンプルを取り寄せてみることをおすすめします。

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