結婚祝いのお返しとして贈るギフトのことを「内祝い」といいます。
結婚祝いをくださった方には、二人からの感謝を込めて返礼の品(内祝い)を贈るのが伝統的なマナーです。
しかし、お返しの準備を進めていくうちに、「贈るタイミングはいつがいい?」と、あらためて疑問に思う人が多いようです。
お返しを贈る時期を見誤るのは、祝ってくださった方に失礼に当たることも……。
そこで、この記事では結婚祝いのお返しのベストなタイミングや、贈り方のマナーについて解説します。
夫婦の新しい門出を祝福してくださった方に失礼のない対応ができるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
結婚祝いのお返しは挙式の有無で適切なタイミングが異なる
「結婚式を行う場合」と「行わない場合」によって、お返しの品を贈るのにふさわしいタイミングは異なります。
以下で「結婚式あり・なし」のケース別に分けて、ふさわしいお返しの時期を解説します。
注意点として、この記事で解説する内容はあくまでも一般論であり、地域によって贈答マナーが異なるケースは多々あります。
気になる方は地元の年配の親族などにもご相談されることをおすすめします。
【結婚式を行う場合】結婚式の後1カ月以内にお返し
結婚式を行う場合、結婚祝いをくださった方へお返しを贈るタイミングは、「挙式後1カ月以内」が目安です。
お祝いをいただいたら、まずは電話や手紙などでお礼を伝えます。
その後、結婚式の日から1カ月以内にお返しの品を贈りましょう。
中には、
「かなり早めに結婚祝いをいただいた」
「入籍日と挙式日が離れている」
「入籍後の結婚式の日取りが決まっていない・年単位で時間があく」
などのケースもあるでしょう。
お返しを贈るまでに数か月以上の時間があくと見込まれるときは、「結婚祝いをいただいた日から1カ月以内」を目安に内祝いを贈るのがおすすめです。
結婚式に招待する方から前もってお祝いの品をいただいた場合
結婚式に招待する予定の方から、挙式の日よりも前に結婚祝いプレゼントをいただくケースもあります。
結婚式当日にいただく「ご祝儀(現金)」と、早めに贈られた結婚祝いプレゼントの、両方を受け取ることはマナー違反ではありません。
とはいえ、先にいただいた結婚祝いの品が、ご祝儀金額に相当するような高価なものであれば、結婚式に招待する際に「ご祝儀を辞退する旨」を伝えるとよいでしょう。
この場合は、結婚式の引き出物をお返しに代えさせていただいても問題ありません。
特に親しい間柄の方から、品物とご祝儀の両方を贈られることもあるでしょう。
どちらも受け取って問題ありません。
結婚式に招待する予定の方から、「挙式の日よりも前に結婚祝いプレゼントをいただく」というケースを考えてみましょう。
いただいた品物がご祝儀相当の高額品だった場合、結婚式当日に引き出物でお返しする形をとることができます。
ただし、この場合はご祝儀(現金)は辞退したほうがいいでしょう。
一方、式より前に贈られた品物がご祝儀相場を下回る金額だったら、お祝い品をいただいた日から1カ月以内をメドにお返しの品を贈ります。
結婚式当日は引き出物を贈りましょう。
【結婚式を行わない場合】入籍日から1カ月以内にお返し
結婚式を行わない場合、結婚祝いをくださった方にお返しを贈るタイミングは、「入籍した日から1カ月以内」が目安です。
結婚式を行う場合は、挙式日を基準にして考えますが、結婚式を行わない場合は入籍日を基準にするとよいでしょう。
入籍前に早めに結婚祝いをいただいた場合も、いただいた時点で必ずお礼を伝えます。
その上で、入籍日から1カ月以内に内祝いの品を贈りましょう。
お返しの品は手渡しがベストだが配送でもOK
結婚祝いのお返しの贈り方は、お相手のご自宅に夫婦揃って伺い、直接お礼を述べつつ手渡しするのが最も丁寧な方法です。
しかし、近年は日本人のライフスタイルが多様化しているため、内祝いの品を配送で贈っても問題ないという見方が一般的です。
遠距離で会うことが難しい親戚や、先方の都合がつかずタイミングが合わない場合は、無理をせず配送しましょう。
配送でお返しの品を贈る場合は、事前に電話等で内祝いを送る旨を伝え、お礼状を添えて送ります。
このとき、普段なかなか会えない方には、挙式や新婚旅行の様子が分かる写真や、夫婦2人の写真を添えると喜ばれるでしょう。
結婚祝いのお返しは早すぎてもNG
結婚祝いを受け取ったらすぐにお礼を伝えるのがマナー。
そこで「内祝いを贈るのも早いほどよいのでは」と考える方がいるようです。
しかし、結婚祝いをいただいてすぐにお返しを贈ると、先方によくない印象を与える可能性があることを心に留めておきましょう。
あまりにも早く内祝いを贈ると、人によっては
「お祝いをもらうことを期待して待ち構えていたみたい」
「内祝いは適当に選んだのかな」
と受け止めることがあります。
早くとも、お祝いをいただいた日から2週間程度の時間をおいてお返しを贈るのがおすすめです。
お祝いをいただいてから、内祝いをきちんと吟味して用意したことを感じさせる対応が理想的。
違和感のない「間」をとり、タイミングを見計らうことも、日本のマナーにおいて大切な要素といえるでしょう。
結婚祝いのお返しが遅くなってしまった場合
結婚祝いのお返しは、早すぎるタイミングもNGですが、遅すぎてもマイナスの印象を与えてしまいます。
内祝いを贈るのが遅くなってしまった場合は、言い訳をせず誠心誠意対応することが肝心です。
<内祝いが遅くなった場合にできること>
- 遅くなっていることに気づいた時点で、できるだけ早く贈る
- 結婚祝いのお礼を伝えていない場合は、お礼が遅れたお詫びもあわせて電話連絡をする
- 電話連絡できない場合は、遅れたお詫びをお礼状に記載する
- より丁寧にお詫びを伝えるには内祝いを手渡しすることも検討
お返しが遅れたときこそ、焦らずマナーを確認
お返しのタイミングが遅れてしまった場合、あわてて贈答マナーを無視してしまっては、さらに失礼を重ねることになります。
結婚内祝いを贈る上での決まり事を守ることで、先方へ礼を尽くす姿勢が伝わります。
お返しの品に掛けるのし紙など、ギフトマナーに不安があるときは、贈答品の扱いに慣れた専門店を利用すると安心でしょう。
当店では、マナーに沿ったのし紙や包装を無料でご用意しています(※一部対象外商品あり)。
写真入りのメッセージカードを添えることも可能。
お礼の気持ちが伝わるギフトをスピーディーに手配できるので、ぜひECサイトもチェックしてください。
結婚祝いのお返しタイミングを探る前に行うこと
結婚祝いをいただくと、すぐにお返しに気が向いてしまう人もいることでしょう。
しかし、まずはしっかりとお礼を伝え、相手に合わせてお返しの品物を選ぶことが重要です。
あわてずに一つずつ対応していきましょう。以下に、お祝いをいただいてからのお返し手順を解説します。
結婚祝いをいただいたお礼をすぐに伝える
結婚祝いをいただいたら、できるだけ早く「お礼の連絡」をしましょう。
結婚祝いを贈った側にとって、相手から何のリアクションも無いと、
「自分が贈ったお祝いをちゃんと受け取ってもらえたのだろうか」
と心配になるものです。
結婚祝いを品物でいただいた場合は、品物を確認してから電話や手紙で感想も伝えましょう。
あなたからの感謝の気持ちを、より具体的に相手に伝えるコツです。
手渡しで結婚祝いをいただいた場合は、受け取ったその場ですぐに丁寧にお礼を述べましょう。
お返しリストをつくる
結婚祝いをいただいたら、お返しを贈る準備に向けて、お相手の名前などの情報をリスト化しておくと安心です。
内祝いを贈る時期は、結婚式後の旅行や新生活で時間に余裕がない時期でもあります。
忙しい時期にあわてることがないように、お祝いをいただいた時点でリスト化しておくと、内祝いの準備がスムーズに進められます。
贈り忘れを防ぐためにも、時間に余裕があるタイミングでお返しリストを作成しておくのがおすすめです。
<お祝いをいただいた人リストの項目例>
- 名前
- 住所
- 電話番号
- いただいたお祝いの品名と金額
- 内祝いの品物を決めている場合、品物、および品物の購入先
結婚祝いのプレゼントをいただいた場合、お返し予算の確認のために、いただいた品物の金額を調べることは失礼にあたりません。
ふさわしいお返しを贈るためにも、おおよその金額を調べておきましょう。
いただいた金額と釣り合うお返しを準備
お返しの品は、贈られたお祝いに見合う金額にすることも大切です。
結婚祝いのお返し相場は「いただいた金額の半額~1/3程度」とされています。
相場を下回るのはもちろん失礼にあたります。また、相場より高すぎても相手を恐縮させることになるでしょう。
また、お返しを贈るのが遅くなったときに、
「お詫びの気持ちを込めて、相場よりも高価な品物を贈ろうか」
と考える人もいるようです。
しかし、これは自分のミスをお金でごまかしているように受け取られかねないため、おすすめできません。
あくまでも相場の範囲内で、相手に喜んでもらえる内祝いギフトを選ぶのが基本です。
結婚内祝いの相場について、詳しくは以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
結婚祝いのお返しタイミングが喪中と重なった場合
喪中の時期と慶事のタイミングが重なった場合、結論として「忌中(きちゅう)を過ぎていれば贈答品のやり取りをしても問題はない」とされます。
これは自分が喪中でも、お相手が喪中でも同様です。
「忌中(きちゅう)」とは、故人が亡くなって間もない時期を指し、仏式の場合は四十九日間です。この時期の遺族は喪に服し、お祝い事全般に関わるのを慎みます。
一方、「喪中」とは遺族が故人を偲ぶ期間をいい、亡くなってから1年間とする見方が一般的です。
注意点として、結婚祝いのお返しのタイミングが先方の喪中に重なったときは、以下のような配慮が必要です。
- お礼状には忌み言葉や重ね言葉を使わない
- のし紙に「祝」の文字を記載しない
- 相手の気持ちに寄り添い、華やかな品を避ける
喪中期間の結婚内祝いの贈り方について、詳細は以下の記事もご参照ください。
早すぎ・遅すぎはNG! 結婚祝いのお返しはふさわしいタイミングで
結婚式を行うかどうかによって、お祝いをくださった方へお返しを贈るタイミングが異なります。
基本は、以下のように考えておけば、失礼に当たることはないでしょう。
- 結婚式をする場合は「挙式後1カ月以内」
- 結婚式をしない場合は「入籍後1カ月以内」
結婚の前後は生活パターンが変わり、式の準備や新生活の始まりで何かとあわただしいもの。
忙しいからといって内祝いを贈るタイミングを間違えないよう、お返しを贈る時期について理解しておきましょう。
贈るタイミングに迷ったときは、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。
お返しのマナーを守り、祝福してくださった方への感謝がきちんと伝わる対応を心がけましょう。