出産祝いをいただいたら、お返しとして内祝いの品物を贈ります。
そのときの相場金額として「半返しがマナー」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし、これはあくまでも目安。お返しの額は贈る相手や状況によって変わることが多くあります。
また、お祝いをくれた人が応援の気持ちから「お返しはいらない」と言ってくれることもありますが、そんなときはどうしたらよいのでしょうか?
今回は出産内祝いにまつわる「金額相場の疑問・心配」を解決しましょう。
出産内祝い金額はお祝いの3分の1〜半額
出産内祝いの金額をケース別に確認
内祝いの贈り物の予算は「いただいた出産祝いの3分の1から半分」が一般的な相場とされています。
ただし、贈る相手との関係性によって、内祝いの具体的な相場は変化します。どのように変化するのか確認していきましょう。
目上の人からなら少し甘えて3分の1でOK
出産祝いを贈ってくれたのが上司・先輩など目上の人の場合、お返しは少なめでもよいとされています。
上司や先輩が相手だと、「きっちりと半分返す」という態度は「あなたのお世話になりたくない」というメッセージとして受け取られる可能性があるからです。
相手が目上の人なら少し甘えさせてもらって、相場の範囲内でも低めの額の「3分の1」ほどにしておくと、相手の顔を立てることになります。
近い身内ならもっと少ない金額でもOK
目上の人でも、両親や親しい親戚などの近親者ならもっと少なくてもかまいません。
近親者は赤ちゃんが生まれると「おめでとう」の気持ちを出産祝いとして表してくれるでしょう。
同時に「親族のおめでたいことをよくやった」「新生活を応援しよう」といった思いも込められています。
赤ちゃんの祖父母から「自分の子供や孫が不自由しないように」との心遣いで贈られる出産祝いなので、この場合は内祝いの一般的な相場にこだわらなくても大丈夫です。
近い身内へのお返しには「赤ちゃんの名入れギフト」や「赤ちゃんの写真」など、特別感があって記念に残る品物を贈ると喜ばれるでしょう。
同僚や年下の人なら半返しがおすすめ
出産祝いをくれたのが同僚や年下の人なら「半返し」がおすすめです。
同僚は相場内である3分の1でもまだ許容範囲ですが、とくに年下の人には半返しを心がけてください。
これは相手が目上の人のケースで説明したのとは反対の考え方です。今度は自分のほうが目上になるので、懐の大きいところを見せておきましょう。
高額なお祝いをもらった場合
親族などからいただいた出産祝いが高額なら、用意する内祝いも高額になります。しかし、高額過ぎる物を返すと相手がびっくりしてしまいます。
そんな時には相場を気にしすぎず「いただいたお祝いの3分の1」以下でかまいません。
その代わり、お礼状や電話でしっかりと感謝を伝えて気持ちのこもった内祝いを贈りましょう。
内祝い金額、少ないと思われる地域も
現代では「内祝いとは出産のお祝いをいただいた人へのお返し」という解釈が広まっていますが、内祝いの本来の意味は「お返し」ではありません。
内祝いの本来の意味は「喜びのおすそ分け」
内祝いの慣習は、もともとは赤ちゃんの誕生を知らせるために親戚や近所の人に品物を贈った昔の習わしに由来します。
そこには「おめでたいことをおすそ分けするので一緒に喜びましょう」というメッセージも含まれていました。
また、内祝いには「身内のお祝い」という意味もあります。相手が出産祝いを贈ってくれたかどうかに関係なく内祝いを贈るものだったのです。
出産祝いの半返しが基本だと思っている人も
一般的な相場よりも高価な内祝いを贈ると、相手に「こんなに使わせてしまって逆に迷惑だったかしら」と不安に思われる可能性があります。
逆に相場より低くすると、今度は「安物を返された」と思われるかもしれません。
それではいくらぐらいの内祝いを贈ると相手に「安物が贈られてきた」と思われるのでしょうか?
基本的には、いただいた出産祝いの額の3分の1よりも少ないと「安い」と思われてしまう可能性が高くなります。
しかし、個人の考え方によって「これが普通だ」と思っている金額が違うことはよくあります。中には「贈った物の半返しが基本だ」と思っている人もいるでしょう。
このようなマナーは個人の考えによって「普通」の程度が変わることがあるので判断が難しいものです。
また、「安い物だと思われたら大変だな」と思う相手なら「いただいた物の半分」を目安に選んでおくのが無難です。
地域・会社・親族間の慣習に注意
「マナーの基準は人により違うことがある」とお伝えしましたが、地域や会社や親族間でもそれぞれの贈答ルールがあります。
一般的に西日本のほうが内祝いの金額が高い傾向にあるとされ、東日本で3分の1、西日本で半返しにする習わしの地域が多いようです。
しかし、これもあくまでも目安で、例外はたくさんあると考えたほうがいいでしょう。
「この地域はこうで、あっちの地域はこう」「この会社ではみんなで贈るけど、あの会社では福利厚生からお祝いが出るから贈らない」など、まったく違ったしきたりがあるときには、インターネットだけで調べていては対応が不十分になってしまいます。
内祝いを贈る前に、周囲の年長者や先輩など、地域や会社のしきたりに詳しい人に確認しましょう。
「内祝いはいらない」といわれたら?
出産祝いをくださる人の中には「お返しはいらないよ」といってくれる人もいるでしょう。そんなときにはお言葉に甘えさせてもらっていいのでしょうか?
答えは「甘えさせてもらっても大丈夫だが、プチギフトでもいいので贈る」です。
内祝いは「おめでたいことのおすそ分け」でもあります。一緒に喜んでもらえるように贈ることをおすすめします。
また、お祝いをいただいたのに何もお返しをしないことを「片祝い」と呼び、縁起の悪い行為だとする見方があります。
せっかくの赤ちゃん誕生のお祝いで相手に違和感を感じさせる可能性のあることは避けたいものです。
「お返し不要」と言ってくれた相手にも、ほんの気持ち程度でもいいのでお菓子などを贈ることをおすすめします。
なお、「一度断ってから受け取るべき」だと考えて、社交辞令のパターンとしてお返しを断る人もいるようです。相手の考えがどちらなのか、様子を見て判断してくださいね。
まとめ
今回は、出産祝いのお返し金額についてご紹介しました。
一定の目安はあるものの、個人の考え方や地域性によって変わるため、はっきりと金額の分かるものをお返しに贈るのはなるべく避けたほうが安心でしょう。
そんな時、カタログギフトなら贈った金額が先方にはっきりわからないように配慮されているため、相手に「安すぎる」と思われる心配がありません。
また、カタログギフトをもらった相手が自分の好きなものを選べるので、贈る側がお返しの品選びに頭を悩ませる必要がないというのも便利なポイントです。
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内祝いを準備して贈る時期は、ちょうど出産後1ヶ月頃のお宮参りを過ぎたあたり。
体力を回復していく途中のママさんの負担にならないよう、内祝い選びはマナーを押さえた上で、状況に合わせて進めていきましょう。