焼酎は日本人にとって身近なお酒のひとつです。
芋や麦などさまざまな原材料が使われている焼酎は、バリエーション豊かな味わいが魅力。
今回は代表的な焼酎の種類について、原材料別と製造方法別に解説しつつ、おすすめの焼酎を紹介します。
目次
焼酎とは?【原材料別】に見る焼酎の種類
居酒屋や酒店でよく目にする「焼酎」とは、洋酒を除く蒸留酒のことです。
洋酒の場合、使われる原材料によって「ブランデー」や「ウイスキー」のようにそれぞれ名前が異なります。
それに対して「焼酎」の名称は、「多彩な原材料からつくられる蒸留酒全般を指す」という違いがあります。
そのため、ひと言で焼酎といってもさまざまな種類があり、その奥深さに魅了される人も少なくありません。
ぜひ焼酎のことを知って、古くから日本人をとりこにしてきた魅力を楽しんでみましょう。
まずは原材料別に焼酎の種類を紹介します。
芋焼酎
「芋焼酎」は、サツマイモを主な原材料とする焼酎のことです。
サツマイモならではの豊かな香りと甘みを感じられるのが特徴で、居酒屋や日本料理屋で飲める定番のお酒として知られています。
サツマイモには非常にたくさんの品種があり、どのサツマイモを使うかによって焼酎の味わいも違ってきます。
代表的なものは、白い見た目が特徴的な「コガネセンガン」や、芋焼酎の原材料用に品種改良された「ジョイホワイト」、食用としても人気の「安納芋」などです。
芋焼酎を口にするときは、使われているサツマイモの品種にまで注目すると、味の違いをより楽しめるでしょう。
また芋焼酎には風味によって好みが分かれやすいという一面もあります。飲み比べながら自分好みの一品を見つけてみましょう。
麦焼酎
「麦焼酎」は、名前の通り麦を主な原材料としています。
すっきりとしたさわやかな香りと軽やかな口当たりが特徴で、「芋焼酎よりも麦焼酎の方が飲みやすい」と感じる人も少なくありません。
焼酎を飲み慣れていない人や飲みやすさ重視の人は、まず麦焼酎からチャレンジしてみるのがおすすめです。
価格がリーズナブルな銘柄も多く、初心者でも手に取りやすい焼酎といえるでしょう。
麦焼酎の原材料には、ビールの原材料としてもなじみがある「二条大麦」が使われるのが一般的です。
麦焼酎のルーツは長崎県の壱岐島にあるといわれ、現地で生産されている「壱岐焼酎」は特産品として有名です。
また、お菓子の麦チョコのような香ばしい風味が特徴的な「麦チョコ系」と呼ばれる焼酎も登場しています。
米焼酎
日本人の食生活に欠かせないお米を主な原材料としているのが「米焼酎」です。お米の持つ芳醇な甘みや香りを味わえるのが魅力で、日本食にもよく合います。
お米を原材料とするお酒と聞くと「日本酒」が思い浮かぶかもしれません。しかし、日本酒は「醸造酒」、米焼酎は「蒸留酒」という、明確なつくり方の違いがあります。
米焼酎に使われるお米の種類は、酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」や、九州を中心に食用としても人気がある「ヒノヒカリ」など。
米どころとして知られる熊本県や新潟県、山形県などでは、さまざまな種類の米焼酎がつくられています。
また、使われる麹(こうじ)によっても味わいが変わるので、軽やかさを重視するなら「白麹」、重厚な味が好みなら「黒麹」のものを選んでみましょう。
そば焼酎
そばの実を主な原材料とした焼酎が「そば焼酎」です。そば特有の香りとすっきりとした口当たりが魅力で、クセが少なく飲みやすいことから人気を集めています。
そば焼酎は一般的に「米麹」や「麦麹」を使って発酵させます。味の違いを知りたいときは、麹の種類にも着目してみましょう。
「米麹」を使ったものはほんのり甘みがプラスされた仕上がりのものが多いようです。一方、「麦麹」を使ったものは、麦の香ばしさを残しつつすっきりした飲み口に仕上がる傾向にあります。
また、近年は上記の他に「そば麹」を使った、そばだけを原材料とする焼酎も登場し、愛好家から高く支持されています。
そば焼酎の歴史は比較的浅く、誕生したのは1973年のこと。そば焼酎発祥の地である宮崎県や、「信州そば」で知られている長野県などでつくられています。
黒糖焼酎
「黒糖焼酎」は、サトウキビを原材料とする黒糖からつくられる焼酎です。
黒糖の持つ素朴な甘みとやさしい香り、すっきりとした飲み口が魅力で、焼酎初心者にも飲みやすいでしょう。
黒糖焼酎のことを「糖分が多いのでは?」とイメージする人が多いようですが、実は糖質ゼロかつプリン体ゼロ。
ヘルシーなお酒で、女性にも人気です。
黒糖焼酎の魅力のひとつといえるのが、その希少性です。
酒税法によって製造を許可されているのは、奄美群島にある製造場のみ。流通量は圧倒的に少なく、いつでもどこでも飲めるというものではありません。
その分「これだ!」と思える1本に巡り会えたときの喜びは、何ものにも代えがたいでしょう。
島ごとに独自の進化を遂げたことから産地によっても違いがあり、銘柄ごとに個性を楽しめるのも大きな魅力です。
シソ・栗・牛乳などその他ユニークな焼酎
焼酎の原材料には、サツマイモや麦のほかにも多彩な食材が使われています。
すっきりとした口当たりが人気の「シソ焼酎」、甘みと香りが魅力的な「栗焼酎」、ミルクの風味を感じられる「牛乳焼酎」などは、焼酎好きなら一度は飲んでみたいですよね。
また、沖縄の名産品で米麹からつくられる「泡盛」も、酒税法上では焼酎に分類されています。
焼酎の原材料に使える食材は国税庁によって定められており、その中には「ウーロン茶」「タマネギ」「トマト」「ニンジン」など、日常生活でよく目にするものも含まれています。
焼酎の風味は原材料によって大きく変わるため、好きな食材でつくられているものの方が好みに合うかもしれません。
個性的な焼酎を見つけたら、ぜひ味わってみるとよいでしょう。
参考:焼酎に関するもの|国税庁
焼酎とは?【製造方法別】に見る種類の違い
焼酎は、製造方法によって「連続式蒸留焼酎」と「単式蒸留焼酎」の2つに分類されています。
飲むときに製造方法を意識することは少ないかもしれませんが、焼酎がどうやってつくられているかを知ることで、より楽しめるようになりますよ。
焼酎の製造方法について知っておきましょう。
連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)
「連続式蒸留焼酎」とは、蒸留を幾度も繰り返して行う連続式蒸留機でつくられた焼酎のこと。アルコール分は36度未満と定められています。
1830年にアイルランドで連続式蒸留機が開発されたといわれており、日本では1900年ごろから製造がスタートしました。蒸留を繰り返すことでクセが消え、すっきりとしたクリアな味わいになるのが特徴です。
焼酎特有のクセが苦手な人は、ぜひ連続式蒸留焼酎にチャレンジしてみましょう。雑味が少なく割り材の風味を損なわないため、お茶などで割って楽しみたい人にもおすすめです。
代表的なものには、梅酒などをつくる際に使う「ホワイトリカー」があります。
かつては「甲類焼酎」と呼ばれていましたが、2006年の酒税法改正によって「連続式蒸留焼酎」という呼び名に変更されました。
単式蒸留焼酎(乙類焼酎)
「単式蒸留焼酎」は、蒸留を一度だけ行う単式蒸留機でつくられた焼酎のことです。アルコール度数は45度以下と定められています。
かつては「乙類焼酎」といわれていましたが、2006年の酒税法改正によって「単式蒸留焼酎」という呼び名に変更されました。
単式蒸留機の歴史は古く、日本国内で使われ始めたのは15世紀中頃だといわれています。古くから用いられてきた、伝統的な製造方法といえるでしょう。
単式蒸留焼酎は一度しか蒸留しないため、原材料の香りや風味が生きた味わいを堪能できるのが特徴です。
焼酎そのものの魅力を損なわないためにも、ストレート・水割り・お湯割りといったシンプルな飲み方で楽しみましょう。
混和焼酎
「混和焼酎」とは、連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎をブレンドさせたものです。
魅力は何といっても、連続式蒸留焼酎のすっきり感と、単式蒸留焼酎の豊かな風味の両方を兼ね備えていること。味わいと飲みやすさを両立させた焼酎として人気を集めています。
「連続式蒸留焼酎は味気ないけれど、単式蒸留焼酎はクセがあって飲みづらい」という人には、混和焼酎がおすすめです。
混和焼酎の中でも、連続式蒸留焼酎の割合が50%以上を占めるものは「甲類乙類混和」と呼びます。その反対に、単式蒸留焼酎が50%以上を占めるものは「乙類甲類混和」といいます。
さまざまな種類の混和焼酎が市販されているので、自分好みの銘柄を探してみましょう。
焼酎の価格帯と味わいの違い
お酒を味わうときには価格も気になるものです。
どちらかといえばリーズナブルで手に取りやすく、宅飲みにも向いている印象のある焼酎。しかし、中には高価格帯の上質な商品も存在します。
焼酎の価格の目安について解説します。
焼酎の価格目安、高級品はいくらから?
市販されている一般的な焼酎の価格帯は、720mLの商品は1,000円前後、1.8Lの商品は2,000円前後です。
日常生活の中で気軽に楽しめる焼酎を選びたいときに、だいたいの相場として覚えておきましょう。
一方で、「高級焼酎」と呼ばれる高価格帯商品も存在します。
高級品のボーダーラインは、720mLの商品であれば3,000円、1.8Lの商品であれば5,000円が目安。これ以上の価格の焼酎なら高級品と考えて差し支えありません。
特別な日にちょっとぜいたくをしたいときや、焼酎好きの人にプレゼントを贈るときなどは、この価格を基準にして選ぶことをおすすめします。
高級焼酎の特徴「原料」「熟成期間」「生産量」
高級焼酎の価格が高いのにはそれなりの理由があります。
さまざまな要素の中で大きな影響を与えるのは「原材料」です。
高級焼酎には厳選した素材が使われていることが多く、焼酎の風味そのものが洗練されているのが大きな魅力です。
また、熟成期間の違いが価格の違いに表れていることも少なくありません。
一般的な焼酎の熟成期間は1カ月~3カ月程度ですが、高級焼酎は年単位で熟成されているものが多く、その分味わいに深みが生まれます。
そのほか、人気があるのにもかかわらず生産量が少なく希少性が高い焼酎は、おのずと価格が高くなります。
入手困難な焼酎ならプレミアが付くことも珍しくありません。
GiftA(ギフタ)がおすすめする焼酎
焼酎は身近だけれど奥が深いお酒です。いざトライしてみようとしても「どれを飲もうかな」と迷ってしまいますよね。
そこで、GiftA(ギフタ)が自信を持っておすすめする「白鷹」ブランドの焼酎の逸品をご紹介します。
白鷹「長期熟成 樽貯蔵純米焼酎ハクタカ 720ML」
酒どころとして知られる灘五郷の老舗酒蔵「白鷹」が製造している米焼酎です。
原材料には、兵庫県西宮市で湧き出す「宮水」と、酒米の王様と呼ばれる特A山田錦を使用。
シェリー樽で3年以上熟成させたまろやかな味わいと、シェリー樽独特の香りが魅力の逸品。
生クリームのようなアフターフレーバーが唯一無二の飲み心地をもたらし、ほのかに輝くゴールドの色味が目を楽しませてくれます。
つくり手のこだわりが感じられる米焼酎を味わってみたい人におすすめです。
白鷹「長期熟成 純米焼酎ハクタカ 720ML」
伊勢神宮の御料酒にも選ばれている蔵元「白鷹」。白鷹が手がける米焼酎は、まろやかでサッパリとした口当たりと華やかな香りが特徴です。
特A山田錦と兵庫県西宮市の名水「宮水」が生み出す味わいは、クセがなく軽やか。焼酎好きにも初心者にもおすすめです。
水割りやソーダ割りのほかカクテルのベースにしてもおいしく、食中酒にもぴったり。
3年以上熟成させた本格派米焼酎の贅沢な魅力が、リーズナブルな価格で楽しめます。
白鷹「純米焼酎2種飲み比べセット」
シェリー樽で熟成させた「長期熟成 樽貯蔵純米焼酎ハクタカ」と、さっぱり感が魅力の「長期熟成 純米焼酎ハクタカ」の飲み比べセット。
お酒が好きな人へ贈るギフトには、銘柄ごとの違いを一度に楽しめる飲み比べセットが人気です。
味わいだけでなく、香りも見た目も異なる2種類を味わえば、焼酎の奥深さを実感できるに違いありません。
焼酎好きへのプレゼントのほか、これから焼酎を楽しんで世界を広げてみたい初心者にもおすすめです。
焼酎の違いがわかる大人になろう
焼酎は原材料や製造方法によって数え切れないほどの種類があり、その魅力はとてもひと言で語れるものではありません。
銘柄ごとに味や香り、飲み口などが違うのはもちろんのこと、ストレート・ロック・水割り・お湯割り・ソーダ割りなど、飲み方のバリエーションも豊富に楽しめます。
お気に入りの1本や自分に合った飲み方を見つけて、焼酎の違いがわかる大人を目指しませんか?