出産祝いはものではなく現金で…と思う方も多いようです。
手渡しできればいいのですが、相手が遠方に住んでいるなら出産祝いを贈るのに現金書留を利用しなければなりません。
普通の封筒に入れて現金を送ることはできないからです。
しかし中には「現金書留を使ったことがないからやり方がよくわからない」という人もいるのではないでしょうか。
今回は現金の郵送方法や、出産祝いのマナーなどをご紹介します。喜ばしい祝福の気持ちがこもったお祝いを、失礼がないように届けましょう。
出産祝いを現金書留で送るには?
出産祝いに現金を贈りたいと思っても直接渡せないケースもあります。そのような時に使われるのが現金書留です。
現金書留とは現金を送れる郵便局のシステム
現金書留は個人が現金を送ることのできる郵便システムです。
郵便物の中に現金を入れて郵送することは、郵便法によって現金書留を使わなければならないと決められています。
最近はレターパックや普通郵便で現金を送る詐欺が増えていますが、これは郵便法違反行為にもなります。
現金書留にすれば万一紛失した時に補償あり
郵便書留は万が一紛失や郵便事故が発生した場合には補償を受けることができます。
補償の上限額は50万円で、現金書留の中に入っている金額を超える補償は受けられません。
事前に申請が必要で、もしも記入をしていない場合には補償は書留の中に入っている金額にかかわらず1万円までしか受けられないようになっています。
現金書留専用の封筒は「郵便局」で購入、印鑑も必要
現金書留を使って出産祝いを送る際には、専用の現金書留封筒を使用します。
現金書留封筒は郵便局で購入することができます。コンビニほか、郵便局以外の場所では販売していません。
封筒の金額は1枚21円(2022年現在、以下同)で販売されています。
封筒には住所や電話番号などを記入する欄があります。宛先には住所以外に電話番号も記入する必要があるので、事前に送り先の電話番号を確認しておきましょう。
出産祝いが入ったご祝儀袋(のし袋)を中に入れてからでは宛名などを記入しにくいので、先にすべて記入してからご祝儀袋を入れるようにしましょう。
また、現金書留は贈る際に封をした後割印を押します。そのため印鑑も持参しておく必要があります。忘れた場合にはサインで対応してもらえる場合もありますが、印鑑も用意しておくほうが確実です。
ご祝儀袋が入る大きいサイズの封筒を選ぶ
現金書留封筒には普通サイズと大きめサイズの2種類があります。
出産祝いのお金を包んだご祝儀袋(のし袋)を入れる場合には普通サイズだと入らないこともあるので、大きめサイズの封筒を選びましょう。
▼ご祝儀袋の選び方についてお困りの方はこちらの記事もどうぞ▼
送る時に送料と書留代金を加算
送料は封筒のサイズによって異なります。25g以下であれば定形郵便物として扱われるため、送料は84円です。また、50g以上になる場合は定形外郵便として扱われるため、送料が120円になります。
上記の基本料金に加え、書留代金が加算されます。
贈る金額が1万円までなら435円、それ以上は5000円ごとに10円ずつ加算がされます。
そのため、送るサイズと中に入れる出産祝いの金額によって送料が変わる仕組みです。送料がいくらになるかわからなくても、送るときに郵便局の窓口で送料を計算してもらえます。
自分であらかじめいくらになるか計算できなくても問題はありません。ただし送料が計算できない場合には書留代金よりも多めに現金を持って窓口に行くようにしましょう。
現金書留はいつどこから送れる?
現金書留を送るときには現金が封入されるため、普通の郵便とは違う点がいくつかあります。初めて現金書留を使う人は特に気を付けて送るようにしましょう。
郵便局の窓口以外では送れない
現金書留は郵便局から現金書留専用の封筒を使って送ります。
そのため郵便局の窓口からしか送れません。また現金書留の封筒はレターパックのようにコンビニなどでは販売されておらず、ポストへの投函もできません。
そのため郵便局の窓口に行き、手続きをして手渡しで発送依頼をすることになります。
窓口の時間外に送りたい場合
仕事をしているとなかなか郵便局の窓口に出向いて現金書留の発送手配をすることができません。
窓口が開いている時間に郵便局に行くことができない場合には「ゆうゆう窓口」を利用して送りましょう。ゆうゆう窓口とは郵便局の時間外窓口です。時間外の荷物の受け渡しや発送手配をしてもらうことができます。
ゆうゆう窓口は窓口によって営業時間が違うので注意が必要です。大きな郵便局であれば日曜祝日や夜遅くも営業しているので、仕事帰りや休みの日に現金書留封筒を購入して手続きができます。
出産祝いを現金で贈る時のマナー
出産祝いで現金を贈るときに確認しておきたいマナーをご紹介します。
新札を必ず用意しよう
出産祝いで贈るお金は、折り目のついていない新札を用意しましょう。赤ちゃんが生まれた新しい家族の門出をお祝いするにはまっさらなピン札がふさわしいのです。
新札はふだん買い物をしていてもなかなかもらうことがありません。そのため新札を用意して渡すことで、お祝いしたいと思い、前もって準備をしていた気持ちが相手に伝わるのです。
銀行に行けば新札に両替してもらえます。銀行によっては新札専用のATMが設置されているところもあるので、自宅近くで新札の両替ができるところを事前に確認しておきましょう。
また、日頃から新札を入手したら手元に保管しておくとお祝いのときにとても便利です。
ご祝儀袋に自分の名前と金額を書く
ご祝儀袋の水引の下には自分の名前を書きます。
中袋に現金を入れてご祝儀袋の中に入れますが、中袋には入れた金額、裏面には住所と氏名を書いておきます。
袋によってはあらかじめ裏面にすべての記入欄が印刷されているものもあります。
あらかじめ裏面に金額を書く欄が印刷されていれば記入欄の指示に従って裏面に金額を書くと良いでしょう。
郵送の際は心くばりをプラス
現金書留で贈る場合は、直接対面してお祝いを渡すときとは違った気配りが大切になります。そこで以下のことに気を付けましょう。
お祝いのメッセージを添える
直接会ってお祝いを渡すときには相手と顔を合わせてお祝いの言葉を伝えられます。
しかしお祝い金を送るだけではちょっと味気ないですし、相手にお祝いの気持ちが伝わりにくいものです。
そこで、現金書留の中に祝儀袋と一緒にお祝いのメッセージを添えて送ることをぜひおすすめします。メッセージは便せんやメッセージカードなど、どのような形式のものでも構いません。
最近ではメッセージの書けるご祝儀袋も販売されているので、そういったものを選ぶのも1つの方法です。温かい祝福の言葉が添えられていると、きっと相手にも気持ちが伝わるでしょう。
出産後1ヶ月までに到着するよう贈る
出産祝いは産後に贈るのが通常で、母子ともに健康であることを確認した後、産後1ヶ月までに贈るのが目安とされています。
産後1ヶ月と言えば、赤ちゃんのお宮参りを行う頃。お宮参りが終わればママ・パパは受け取ったお祝いへのお返し準備を始めます。それまでに出産祝いを贈るというわけです。
できれば退院して少し落ち着くお七夜から1ヶ月後までにお祝いが届くことが望ましいといえます。
ただし、退院後すぐは慣れない赤ちゃんとの生活で家族が忙しくしていることが多いでしょう。
そこで産後2週間から3週間あたりの、母子ともに生活に慣れてきた頃に贈ってあげると落ち着いてお祝いを受け取りやすくなります。
中には産後にお母さんや赤ちゃんの入院が長引いたり、体調不良だったりで、1ヶ月以上経ってからベビー誕生の報告を受けるケースもあります。
予定日を過ぎても何も報告が無いからといって相手に連絡をするのは避けましょう。何かあった時のためにも相手からの連絡を待つほうが、お母さんへの負担もかかりません。
連絡を受けるのが遅かった場合には、できるだけ早めにお祝いを贈ってあげるようにすれば大丈夫です。
産後1ヶ月を過ぎたらお祝いを贈れないということはありません。遅くなっても祝福する気持ちを伝えるのが大切です。
現金書留を送るときには現金が封入されるため、普通の郵便とは違う点がいくつかあります。初めて現金書留を使う人は特に気を付けて送るようにしましょう。
まとめ
里帰り出産をしていたり遠方に住んでいたりする場合には、ご祝儀を現金書留で送ることになります。現金書留は普通の郵便とは違う点が色々とあるのでしっかり確認して送りましょう。
もしも送り方が分からない場合には郵便局の窓口で質問しながら作成しましょう。
(※ここに掲載した郵便料金などの情報は2020年のものです)