近年、日本でも増えてきた「妊娠祝い(懐妊祝い)」について、注意したいポイントや、妊娠祝いにぴったりのプレゼントを紹介します。
自分の姉妹や大切な友達、仲の良い従姉妹から妊娠の報告を受けたら、幸せをお裾分けしてもらったようなうれしい気持ちになりますよね。
「お祝いの気持ちをプレゼントとして贈りたい」と考える人のために、マナーとギフト選びの参考になる情報をお届けします。
目次
大切な人に妊娠祝い(懐妊祝い)を贈りたい! みんなはどうしてる?
「友達から妊娠の知らせを聞いて、自分のことのようにうれしい」
「妊娠へのお祝いの気持ちを、何か形にして贈りたい」
子どもが生まれてから贈る出産祝いではなく、近年では「妊娠したことへのお祝いを贈りたい」と考える人が増えています。
妊娠祝いには、センシティブな側面もあります。
まずは近年の傾向や、お祝いする上での注意点を確認しておきましょう。
本来、お祝いは出産後に贈るのが望ましい
前提として、日本にはもともと「妊娠祝い」の習慣はありません。
無事に出産を終えた後、母親に向けて「生まれたことへのお祝い」を贈るのが出産祝いとされてきました。
これは、妊娠中にお祝いを贈ることで、妊婦さんが出産に対するプレッシャーを感じてしまうことがあるからだといわれています。
また、残念ながら妊娠した人全員が確実に出産できるわけではありません。
もし残念な結果になってしまった場合、相手はプレゼントを見るのもつらい気持ちになってしまうかもしれません。
そのため、妊娠祝いを贈ってもよいか、相手に事前に確認してから贈るのが安心でしょう。
近年話題の「ベビーシャワー」と「ジェンダーリビールパーティー」
一方で、近年は出産前に行う「ベビーシャワー」や「ジェンダーリビールパーティー」がSNS等で話題になっています。
「ベビーシャワー」は、出産前の妊婦さんの安産を祈願して行うパーティーのこと。
「お腹の赤ちゃんに、愛情や祝福がシャワーのように降り注ぐように」という願いを込めて行われます。
「ジェンダーリビールパーティー」は、お腹の赤ちゃんの性別を家族や友達に向けて発表するパーティーです。
参加者は赤ちゃんの性別をクイズ形式で考え、主催者は風船やケーキなどを使って参加者に性別を発表します。
プレママ本人がこれらのようなパーティーを開催する場合は、妊娠祝いのプレゼントを持参しても問題ないでしょう。
産前に妊娠祝いをプレゼントするなら安定期以降がベスト
妊娠期にプレゼントを贈りたいのであれば、妊婦さんの体調が落ち着く安定期以降にしましょう。
ベビーシャワーやジェンダーリビールパーティーなどの影響で、日本においても出産前にお祝いをすることをタブーと捉えない風潮が広がりつつあります。
しかし、妊娠中はつわりなどで体調がすぐれない妊婦さんが多いもの。特に、妊娠初期は流産等のリスクが高く、万が一の事態も考えられます。
妊婦さんの体調が落ち着く安定期以降であれば、妊娠祝いのプレゼントを受け取ってもらいやすいでしょう。
妊娠祝いの相場は3,000円~5,000円
妊娠祝いを贈ると決めたら、次に気になるのが予算相場です。
プレゼントの相場は「3,000円~5,000円」で検討する人が多いようです。
あまり高額のプレゼントを贈ると、受け取った妊婦さんに、お返しやお礼などで気を遣わせてしまうかもしれません。
妊娠を盛大にお祝いしてあげたい気持ちがあっても、ちょっと立ち止まって相手の立場になって考えてみましょう。
相手にプレッシャーを感じさせない範囲の金額にすることも贈答マナーといえます。
妊娠祝い(懐妊祝い)で喜ばれるプレゼント
妊娠祝いを贈るなら、妊婦さんに喜ばれるプレゼントを選びたいですよね。
妊娠中の女性にぴったりのおすすめギフトを以下に紹介します。
出産を控えてナーバスになりがちな女性に寄り添い、気分が明るくなるようなプレゼントを選んであげてくださいね。
ルームウェア
自宅で過ごす時間が増える妊婦さんへのプレゼントに、おうち時間を快適に過ごせる「ルームウェア」はぴったりです。
妊娠中のデリケートな肌にやさしい、肌触りの良い生地の部屋着がおすすめ。
腹巻の付いたパンツなど、冷え防止機能が付いているルームウェアで、妊婦さんへの気遣いを一緒に贈りましょう。
また、妊娠中だけではなく、出産後も長く活用してもらうためには、以下のポイントも重要です。
- 体形が変化しても着られるゆったりしたデザイン
- 産後も着られる、授乳がしやすい前開きのデザイン
季節によっては、ポンチョやカーディガンなどの羽織りものを贈るのもおすすめです。
タオル・ブランケット
妊婦さんの敏感肌をやさしく包む上質な「タオル・ブランケット」も妊娠祝い向き。
天然素材100%で質の良いアイテムを選びましょう。
タオルは妊娠中に日常使いできるだけでなく、出産で入院する際や、産後の赤ちゃんのお世話などでも大活躍します。
ブランケットは、ダブルガーゼなど肌触りの優しい上質素材がおすすめ。
出産後、赤ちゃんのおくるみとしても活用してもらえるでしょう。
妊娠祝いにふさわしい上質なタオルとして、「今治タオル」など、日本製の高級ブランド品が挙げられます。
オーガニックコットン素材で、縫製のしっかりした国内産が安心。
洗濯を繰り返しても劣化しにくく、長く使いやすいタオルが喜ばれるでしょう。
スキンケアアイテム
妊娠前よりも敏感になったり、荒れたりと、何かとデリケートな女性の肌。
そんな悩みを抱える妊婦さんには、上質なナチュラル素材でできた「スキンケアアイテム」をプレゼントしてはいかがでしょうか。
妊娠すると、急激に体形が変わることで、お腹やヒップなどに「妊娠線」と呼ばれる皮膚の割れを起こすことがあります。
妊娠線の予防には、ボディクリームやオイルによるこまめな保湿が欠かせません。肌をやさしく保護するナチュラルな成分のものを選びましょう。
ただし、アロマオイルの中には、子宮収縮作用があるとされる成分を含むものもあります。
商品の注意書きをしっかりと確認し、店員にも聞いたりして、妊婦さんが使っても安全なものを選んでくださいね。
ノンカフェインのドリンク
妊娠中でも安心して楽しめる「ノンカフェインの飲料」は、コーヒーや紅茶が好きな方への妊娠祝いに喜ばれるでしょう。
妊婦さんに定番のノンカフェイン飲料と言えば、「タンポポコーヒー(タンポポ茶)」が有名です。
しかし近年は、大手カフェチェーン店でもカフェインレス(デカフェ)コーヒーが購入できるところが登場しています。
カフェインが少ない飲み物の種類が増え、ギフト向きのおしゃれなタイプもあるので、ぜひチェックしてみてください。
<カフェインが少ない飲み物>
- カフェインレスコーヒー
- カフェインレス紅茶
- ハーブティー
- ルイボスティー
ティーバッグタイプや、スティックタイプなら、手間を掛けずに飲めるのでおすすめです。
リラックスタイムのお供としてプレゼントしてはいかがでしょうか。
ハイクオリティな高級レトルト食品
高級感のあるレトルト食品ギフトは、妊婦さんの立場からすると、とても実用性が高く、「助かる」という声の多いプレゼントです。
「湯せんで温めるだけ」「レンジでチンするだけ」と、調理の手間が掛からないのが「レトルト食品」の大きなメリット。
お腹が大きくなりキッチンに立つのがつらい妊婦さんをサポートしてくれます。
妊婦さんの体への負担を軽減しながら豪華な一品を増やせるので、とても重宝されますよ。
妊娠祝いにするなら、食卓の主役になるハイクオリティな一品がおすすめ。
有名な老舗料亭・高級レストラン監修のレトルト惣菜や、添加物が少ないものを選びましょう。
<おすすめのレトルト食品>
- ハンバーグなどの総菜
- バリエーション豊かなカレー
- 具だくさんの野菜スープ
- ごはんにかけるだけの丼もの
妊婦さんは体調が不安定で落ち着かないときでも「家族の食事だけでも作らなきゃ」と頑張ってしまいがち。
豪華なレトルト食品を活用すれば家事の時短になり、家族みんなに喜ばれるでしょう。
フルーツギフト
自然本来の甘みを楽しめる「フルーツギフト」も妊娠祝いとしておすすめです。
妊娠中は酸味のあるものを食べたくなる人が多いので、フルーツの贈り物はとても喜ばれます。
妊婦さんの中には、体重増加を気にしてカロリーを控えている人が多くいます。
ナチュラルな甘さが楽しめるヘルシーなフルーツなら、安心して食べてもらえるでしょう。
<おすすめのフルーツギフト>
- フローズンフルーツ
- ドライフルーツ
「ドライフルーツは果糖が多いため食べ過ぎてはいけない」
という説がありますが、その一方で
「鉄分が多いため、妊婦さんにおすすめ」
という意見もあります。
本人が「カロリーを気にしているのか」、「貧血気味なので鉄分不足を気にしているのか」など、状況に配慮しながら選ぶとより喜ばれるプレゼントになるでしょう。
また、妊娠中にしっかりと摂取するのが望ましい「葉酸」は、柑橘類やキウイフルーツなどに多く含まれます。
妊婦さんにおすすめの栄養素を豊富に含むフルーツをチェックしてギフトセットにするのもおすすめです。
参考:国立健康・栄養研究所「妊産婦のための食事バランスガイド」
ゆっくり過ごすお家時間を充実させる「カタログギフト」
体を動かしづらくなってきた妊婦さんには、「カタログギフト」を妊娠祝いに贈って、お家時間を楽しんでもらいましょう。
カタログギフトの大きなメリットは、掲載されているギフト商品の中から、本人が好きなものをじっくり選んで受け取れること。
近年は、読み物としても充実したカタログギフトが増えており、掲載商品にまつわるコラム・レシピ・美しい写真など、雑誌感覚で楽しめます。
グルメギフト専門のカタログギフトや、北欧デザインをテーマにしたおしゃれなカタログギフトなど、コンセプトに特色のあるカタログも女性に人気。
本人の好みやイメージに合う一冊を贈ってみましょう。
妊娠祝い(懐妊祝い)に避けた方がよいプレゼント
妊娠祝いは妊婦さんに贈るプレゼントだからこそ、避けた方が無難なアイテムがあります。
喜んでもらいたくて贈ったプレゼントで相手を困らせることのないよう、事前に確認しておきましょう。
匂いの強いもの
妊娠中、妊婦さんの体はどんどん変化していきます。
妊娠前は平気だった匂いが、ある日突然気持ち悪く感じることも珍しくありません。
自分が良い香りだと感じるものであっても、妊娠祝いとして贈るのは避けたほうがいいでしょう。
<匂いの強いものの一例>
- アロマオイル
- アロマキャンドル
- 石鹸
- 芳香剤
- お菓子(エビ・醤油など)
- 食品(生肉・魚介など)
カフェイン入りの飲料・アルコールの入ったお菓子・生もの
妊婦さんが口にすることを避けるのが「カフェイン」「アルコール」。
これらが含まれた食べ物や飲み物も、妊娠祝いにはNGです。
また、食中毒の可能性のある「生もの」も妊娠祝いには不向きといえます。
カフェインやアルコールは、妊婦さんが摂取すると、お腹の赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があるとされています。
特に、アルコールは洋菓子などの香りづけに使用されていることが多いため、注意してください。
また、免疫力が低下している妊婦さんにとって、寿司や刺身などの生魚や、チーズや生ハムなどの生ものは食中毒を引き起こす可能性があります。
たとえ妊婦さんの好物だとしても「食べたいのに食べられない」というつらい思いをさせてしまうかもしれないため、避けた方が無難でしょう。
参考:妊娠中や授乳中はお酒を飲んではいけないの? | お酒 | TOKYO女子けんこう部
心理的なプレッシャーを与えてしまうもの
ベビー服などのベビー用品を贈るのも、妊婦さんに出産へのプレッシャーを与えてしまう可能性があります。
本人からリクエストされない限り、避けたほうがいいでしょう。
妊娠祝いは赤ちゃんが使うものではなく、「妊婦さんが今すぐ使えるもの」を選ぶのがポイントです。
体の変化が激しくつらい時期の妊婦さんへいたわりの気持ちを込めて、ギフトを選びましょう。
どうしてもベビー用品を贈りたいなら、無事に赤ちゃんが生まれてから出産祝いとして贈ることをおすすめします。
妊娠祝い(懐妊祝い)を贈る際ののし紙マナー
丁寧に贈りたいギフトには、のし(熨斗)紙を掛けて贈るのがマナーです。
赤ちゃんの誕生は、人生で何度あってもうれしい慶事。
妊娠祝いには、「紅白・蝶結びの水引」が描かれたのし紙を使いましょう。
蝶結びは何度でも結び直せることから、繰り返してもおめでたい慶事のシンボルとされます。
のし紙の上部に書く「表書き(贈り物の名目)」は、
「御祝」
「懐妊祝」
などが一般的です。
水引の下部(名入れ部分)には、贈り主である自分の名前をフルネームで記載しましょう。
お祝いの品には、祝福のメッセージカードを添えることも喜ばれるポイントです。
妊婦さんを励まし、出産に向けて明るく前向きな気持ちになれる言葉を贈ってあげましょう。
妊娠祝い(懐妊祝い)はプレママを励ますギフトを贈ろう
おめでたを祝福する妊娠祝い(懐妊祝い)は、体の変化につらい思いをしている妊婦さんを思いやり、応援するギフトになります。
妊娠中の時期に嬉しい、心と身体をいたわる贈り物で、プレママさんへ励ましの気持ちを贈りましょう。