やむを得ない事情や新郎新婦の希望により、結婚式・披露宴を行わずに入籍のみを済ませる方は多くいらっしゃいます。
結婚式をしない「ナシ婚」であっても、人生の喜ばしい出来事。2人の新たな門出を祝う気持ちを贈りたいですよね。
とはいえ、結婚式がないと
- どのようにしてお祝いを渡せばよいのか?
- ご祝儀の額は結婚式に出席する場合と同じでよいのか?
- いつ渡せばよいのか?
このような疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
結婚式をするケースとしないケースではお祝いの相場をはじめ、お渡しするタイミングも異なります。
結婚式をしない方へ贈る“お祝いの気持ち”。どのような形・タイミングで贈れば良いのでしょうか。
この記事では「結婚式をしない相手へ贈るお祝い」について解説します。お祝いの仕方を慶事のマナーを交えながら詳しく見ていきましょう。
目次
結婚式をしない方に贈るのは【ご祝儀】と【プレゼント】どちらが良い?
結婚式をしない相手へ贈るお祝いは
- ご祝儀(現金)
- プレゼント(品物)
どちらでも良いとされています。
年上の親戚や上司へのお祝いを現金にするのは失礼にあたると考える方もいらっしゃるようですが、ご祝儀に関しては問題ありません。
結婚するお相手に喜んでいただけるものを選ぶことが大切です。
結婚式をしない相手へ贈るお祝い金・プレゼントの相場
結婚式をしない方へ贈るお祝いの一般的な相場は1万円です。
一方、結婚式・結婚披露宴に出席する場合の相場は3万円が一般的。
なぜ結婚式に出席する場合と差があるのでしょう。
結婚式に出席する場合のご祝儀は
- ふるまわれる料理・引出物・席料…2万円
- お祝い金…1万円
このような考え方がされています。
結婚式をしない相手へのお祝いは結婚式に出席した場合にかかる費用を差し引いた額になります。
そのためお祝い金は1万円程度とされているのです。
ただし1万円という金額はあくまでも一般的な相場であり、相手との関係性によって金額は異なります。
【関係性・パターン別】結婚式をしない相手へのお祝い相場とマナー
結婚式をしない相手へのお祝い相場は「相手との関係性」や「相手が自分の結婚式に出席したか」によって異なります。
結婚式をしない【兄弟・親族】へのお祝い
結婚式をしない「兄弟」や「親族」へ贈るお祝いは、結婚式・結婚披露宴の有無にかかわらず、通常のご祝儀相場を目安に現金で贈るのが一般的です。
【ご祝儀相場】
- 兄弟へ贈る祝いの相場…5万円
- 甥・姪へ贈るお祝いの相場…10万円
- いとこへ贈るお祝いの相場…3万円
上記が一般的なご祝儀相場になります。
ただし兄弟や親族とはいえ、親密度・関係性・年齢差によっては上記の金額が適当でない場合もあります。
たとえば、あなたが40代で結婚する兄弟が年下ならお祝い金は10万円程度が一般的になります。
甥や姪であっても、関係性が薄いなら5万円でも良いでしょう。
「お祝いは皆一律〇万円」など親族間でお祝い金に関する慣習などがあることも考えられるため、親あるいは親族の年長者に確認しておくことをおすすめします。
結婚式をしない【上司・部下・同僚】へのお祝い
結婚式をしない会社関係の方へ贈る一般的なお祝いの相場は1万円~3万円です。
上司など目上の方に贈るお祝いが高額過ぎるとかえって失礼に当たる可能性があるため、1万円以内におさえたほうがよいといわれています。
会社関係の方へお祝いを贈る場合は、上司よりも高額なご祝儀を包んでいた・同僚たちよりも少額を渡していたとならないよう、あらかじめ周囲の方たちと相談しておくことをおすすめします。
結婚式をしない友人へのお祝い
大切な友人の結婚はあなたにとっても喜ばしいことですね。
ただ、友人に関しては「自分の結婚式に招待した」「自分の結婚式に招待していない」「自分が結婚するときご祝儀をもらっていない」などさまざまなパターンがあるのも事実。
それぞれの状況に合ったふさわしい金額のお祝いを用意しなければ失礼に当たりますので注意が必要です。
自分の結婚式に来てくれた友人が結婚式を挙げない場合
自分の結婚式・披露宴に出席してご祝儀を包んでくれた友人が入籍のみ結婚式なしの場合、結婚祝いの一般的な相場は1万円です。
自身の結婚式の際に3万円のご祝儀をもらっていた場合でも、相手が結婚式をしないのであれば結婚式にかかる費用を差し引いた1万円を包みましょう。
今後自身の結婚式に友人を招待する予定がある場合は3万円のご祝儀をいただくことを見越して1万円程度のお祝いを贈ります。
「結婚式の費用を差し引いた額とはいえ、いただいた3万円に対して1万円のお返しで良いのだろうか…」という不安が残る方もいらっしゃるでしょう。
思い切っていただいた額と同じご祝儀を包んでもマナー違反には当たりませんが、相手に気をつかわせる可能性があります。
この場合は1万円のお祝い金にささやかな結婚祝いのプレゼントを添えて贈るのがおすすめです。(※ささやかな結婚祝いのプレゼント詳細は後述しています)
自分の結婚式に呼んでいない&ご祝儀をもらっていない場合
結婚式をしない友人で、以下のケースに当てはまる場合のお祝いは5,000円程度が無難です。
- 自分の結婚式に招待しなかった
- 今後自分の結婚式に招待する予定はない
- 自分が結婚するときにご祝儀をもらっていない(※自分がご祝儀をもらっていなくても相手から直接結婚の報告を受けた場合はお祝いするのがマナーとされています)
例えば、料理教室やジムなどの仲間など、ご祝儀では気をつかわせてしまう可能性がある場合は、ささやかな品物を選んでプレゼントすると良いでしょう。
授かり婚で結婚式をしない場合
授かり婚で結婚式をしない場合の結婚祝いは他のケースと同じく、1万円程度が相場になります。
ただし、贈り方に注意が必要です。
結婚祝いと出産祝いを同時に渡すのはマナー違反になります。入籍の報告を受けた日から1ヶ月以内に結婚祝いを渡し、出産祝いは出産の報告を受けてから渡しましょう。
入籍の報告を受けたのが出産の報告と同時なら、2つのお祝いを一緒に渡しても問題ありません。
再婚で結婚式をしない場合
再婚であっても初婚と同じ額のご祝儀を包むのが一般的です。そのため、再婚で結婚式をしない方へは1万円程度のお祝いを用意しましょう。
再婚で結婚式をしない方の中にはお祝いを辞退する方もいらっしゃるようです。
本人から直接辞退の連絡を受けた場合は、相手の意向を汲んでご祝儀を贈るのを避けた方が無難です。
お祝いの気持ちを贈りたい場合は、相手に気をつかわせない数千円程度のプレゼントを選んで贈ると良いでしょう。
その際は「お返しは不要です」の一言を添える心配りが大切です。
結婚祝いにおすすめ! おしゃれなプレゼント
「これから新しく始まる夫婦の歩みを祝って形に残るものを贈りたい」という考えから、結婚祝いに現金ではなく品物を贈りたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは結婚祝いに人気の品物をご紹介します。
ブライダルギフトの定番「食器」
「食器」は結婚祝いで贈る品物の定番です。
- 夫婦が毎日の食事で使える「ペア食器」
- 実用性が高い「来客用食器・カップ・カトラリー」
- いつもの晩酌が贅沢な雰囲気になる「ペアグラス」「酒器」
このような使い勝手のよいものが喜ばれるでしょう。
食器類は好みが反映されやすいため汎用性の高いシンプル・モダンなデザインを選ぶのが無難です。
親しい間柄なら欲しいブランドなどをリサーチしておくとより満足していただける贈り物になるでしょう。
ひと昔前まで割れ物は縁起が悪いため結婚祝いにはふさわしくないとされていましたが、「新生活のはじまりを意味する」「割れると数が増えて子孫繁栄を連想させる」として、昨今は縁起が良いものという解釈をされることが多くなっています。
しかしながら地域や年齢によってはできれば避けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、2本で一膳として使うことから“寄り添う夫婦”を思わせる「夫婦箸」をプレゼントするのもおすすめです。
デザイン性と機能性を兼ね備えた「家電」
結婚祝いに贈るプレゼントでは「家電」も人気アイテムの1つです。
新婚当初は必要最低限の家電しか揃えていないケースも多いため、生活を豊かに快適にしてくれる便利家電は喜ばれやすいようです。
昨今はデザイン性と機能性を兼ね備えた便利家電が豊富なため、インテリアアイテムとしても楽しめるようなおしゃれ家電を選んでみてはいかがでしょうか。
お洗濯で活躍するサーキュレーターやハンディスチーマー、キッチン家電のフードプロセッサーやトースターなどなら1万円程度の予算で購入できるものもあります。
友人一同など、何人かでお祝いを贈るなら「空気清浄機」や「ロボット掃除機」などといった高価格帯の家電もプレゼントできるでしょう。
家電を贈る場合もどんなものが欲しいかを聞いておくと、より満足してもらえる贈り物になるでしょう。
新生活のスタートに喜ばれる「高級タオル」
贅沢な気分を味わってもらえる「高級タオル」は自分で使うのはもちろん来客時に重宝するため、喜ばれやすい結婚祝いの品物といえます。
タオルの価格は大きさに比例する傾向にあります。
結婚祝いの品として贈るなら、ご夫婦ペアで使えるバスタオルや、バスタオルとフェイスタオルがセットになったものを選ぶと良いでしょう。
結婚祝いにタオルを贈る場合は「色」に十分配慮する必要があります。
白色無地のタオルは弔事の贈答品として使われることが多いため、結婚祝いで贈るなら少し色や模様があるものを選びましょう。
相手に気をつかわせない!ささやかなプレゼント
「入籍の報告は受けたけれどもお祝いは辞退された」
「自分がいただいたご祝儀と、結婚式をしない相手に贈るご祝儀の差額が気になる。ご祝儀にささやかなプレゼントを添えてお返ししたい」
このようにお考えの方におすすめの「相手に気をつかわせないプレゼント」をいくつかご紹介します。
おめでたいシーンに欠かせない縁起物「お酒」
お相手がお酒を好まれる方なら「運を開く」「福を分かち合う」という意味合いを持つ「お酒」を贈ってみてはいかがでしょうか。
お酒はお祝いの席にふるまわれる縁起物のため、結婚祝いのプレゼントにおすすめです。
お酒を贈るなら2人が好きなジャンルの中から
- 同い年の夫婦に「生まれ年のワイン」
- 旅行&ビール好きな方に「各地のクラフトビールの詰め合わせセット」
- 特別な日を演出する「シャンパン(スパークリングワイン)」
お祝いにふさわしいもの、普段自分では選ばないものを贈ると喜ばれるでしょう。
結婚祝いにお酒を贈る場合は「奇数」の本数を贈るのが一般的なマナー。
ただし、日本酒を贈る場合は“日本”にちなみ2本贈るのがふさわしいとされています。
夫婦でのんびりできる時間をプレゼント「コーヒー」「紅茶」
「コーヒー」や「紅茶」は普段愛飲している方も多いため、結婚祝いに喜ばれる贈り物です。
飲む楽しみを味わってもらえるうえ長く残らないため、気をつかわせることなく受け取ってもらえるでしょう。
- 有名なカフェのコーヒー・紅茶のギフトセット
- 老舗ホテルのオリジナルコーヒーギフトセット
- コーヒー(紅茶)とお菓子のセット
- ドリップポット(ティーポット)とコーヒー豆(茶葉)のセット など
さまざまなギフトセットがありますので、お相手の好みや予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
ステキな意味が込められた「お菓子」
引出物や内祝いのイメージが強い「お菓子」ですが縁起物モチーフのものは結婚祝いの贈り物として人気があります。
たとえば
- 犬のモチーフ…一度にたくさんの子を産む犬は繁栄の象徴。魔よけや幸運を運ぶものとしてブライダルの贈り物に好まれている
- バームクーヘン…切り口が木の年輪に似ていることから繁栄や長寿を意味する。結婚する2人の繫栄と幸せを願って贈る結婚祝いにおすすめ
- 金平糖…長い時間をかけてつくられることから、これから新しい家庭を築いていく夫婦に重なるおめでたいお菓子
このほかにもステキな意味が込められたお菓子はたくさんあります。
祝福の気持ちを込めて、結婚祝いにふさわしい意味合いを持つお菓子を贈ってみてはいかがでしょう。
新生活を華やかに彩る「ブリザーブドフラワー」
生花の瑞々しさを活かしながら、美しさを長く保つ加工が施された「ブリザーブドフラワー」。
新生活を華やかに彩り長く咲き続けることから「末永くお幸せに」という意味合いを持つため、結婚祝いにふさわしい贈り物といえるでしょう。
ブリザーブドフラワーには
- ブーケ
- ガラスボトルに入ったもの
- フォトフレームと一体になったもの など
大きさもデザインもさまざまにあります。
お相手の好きな花を指定してオリジナルアレンジができるフルオーダー・セミオーダーをしている店もありますので、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
夫婦で好きなものを選ぶ楽しみも贈れる!「カタログギフト」
食べ物・飲み物・日用品・インテリア雑貨などさまざまなジャンルの商品が掲載された「カタログギフト」。
新婚生活に必要なもの・足りないもの・2人の好きなものを選んでもらえるため、結婚祝いの贈り物として昨今人気が高まっています。
同じ種類のカタログにさまざまな価格帯のコースが用意されているため予算に合わせて選びやすく、贈る相手に購入金額を知られにくい点もメリット。
「プレゼントを贈りたいが相手の好みがわからない…」という方はもちろん、「上質なプレゼントをしたいが金額で相手に気をつかわせたくない」とお考えの方にもおすすめです。
カタログギフトには特色の異なるさまざまな種類があります。
たとえば「GiftA(ギフタ)」なら
- さまざまなジャンルの商品が掲載された総合カタログ
- オーガニックアイテムが豊富に掲載されている、女性の人気が高いカタログ
- 北欧デザインの雑貨・家具・キッチンウェアのラインナップが魅力のカタログ
- ディナークルージング・温泉旅行・乗馬体験など非日常を2人で楽しんでもらえる体験型ギフトが掲載されたカタログ など
定番のカタログから結婚祝いにおすすめのおしゃれなカタログまで幅広い種類をご用意しています。
贈る相手の好みに合わせたものを選ぶとより満足していただける贈り物になるでしょう。
結婚式をしない相手へお祝いを渡す際のマナー
ここでは結婚祝いを渡す際の共通マナーについてご紹介します。
お祝いの言葉とともに「手渡し」する
結婚祝いはお相手の家を直接訪問してお祝いの言葉と共に手渡しするのが正式な渡し方とされています。
2人の結婚を喜ぶ気持ちを伝えるのはもちろん、やむを得ない事情があって結婚式を取りやめた方には労いの言葉をかけましょう。
遠方で直接訪問できない、あるいは訪問するのがはばかられる場合は配送しても問題ありません。
ご祝儀や金券の場合は現金書留を使い、いずれもお祝いメッセージを添えて贈るのがマナーです。
結婚の報告を受けてから「1ヶ月以内」に贈ること
結婚祝いは結婚する本人から直接結婚の報告を受けた日から1ヶ月以内のなるべく早い時期に渡すのがマナーです。
報告を受けたときにまだ入籍をしていない場合は、入籍日の1週間前までに贈りましょう。
お祝いを渡すタイミングは「お日柄の良い日」に
冠婚葬祭では六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種)が重視される傾向にあるため、結婚祝いを贈るタイミングもそれにならい吉凶判断の元となる「お日柄」を意識しましょう。
- 大安…一日を通して吉
- 先勝…午前は吉、午後は凶
- 友引…午前や夕方~夜は吉、昼は凶
地域によって、お祝いを渡すのは午前中がふさわしいとされているところもあるようです。
地域の慣習に詳しい方に確認すると良いでしょう。
お祝いを配送する場合も上記に該当する日に到着するよう指定するのが良いとされています。
しかしながら、仕事などの事情で都合をつけられない可能性もあります。
せっかくの結婚祝いが相手の負担になることのないよう、お日柄よりもお相手の都合に合わせてお渡しすることが大切です。
まとめ
結婚は式や披露宴の有無にかかわらず人生の喜ばしい出来事。結婚式を行う場合と同じく、慶事のマナーを踏まえたうえで祝福の気持ちを伝えましょう。
結婚式をしない方へはご祝儀・プレゼント、どちらを贈っても問題ありません。お相手との関係性を考慮したふさわしい金額で用意することが大切です。
あえて結婚式をしない方だけでなく、やむを得ず結婚式をあきらめる方もいらっしゃいます。困難を乗り越えた2人には労いの言葉を贈ることも忘れずに。
お相手に喜ばれるお祝いができるよう、ご紹介した内容をお役立てください。