熨斗(のし)紙に連名で名前を書くとき、「代表者だけでいい? それとも全員並べて? 順番は?」と、つい悩みます。
でも、のし紙には決まった書き方があるので、正しいルールを守れば大丈夫です。
今回は書き方など、のしの基本知識を詳しくご紹介します。
のしの意味・各部の名前を知ろう
社会人になると贈答の機会が増えるので、のしについてのマナーも身につけておく必要があります。
間違った知識や思い込みで書いてしまうと、せっかくのお祝いムードが台無しに、なんてことにも……。
お世話になった恩師や上司の還暦祝いだからこそ、間違いには気をつけなければなりません。
連名の書き方を解説する前に、まずは「のし」の基礎知識についてもう一度おさらいしましょう。
のしの基礎知識
“日本古来のギフトラッピング”ともいえる「のし紙」。
勘違いされがちですが、本来のしとは掛け紙全体を指すわけではありません。中央右上に添えられた小さな飾りのことなのです。
飾りの真ん中をよく見ると、細長い黄色の“何か”が見えています。
厳密には、あれこそが「のし」で、なんと魚介類のアワビに由来するのだとか。
古来、アワビは長寿や繁栄を表す縁起物の食べ物とされてきました。
そのため、贈り物には掛け紙の上にアワビの身を薄くそいで乾燥させたものを付け、紅白の水引で結んだものを用意したそうです。
こうした風習がのしの誕生につながりましたが、縁起物のデコレーションは時代とともに簡略化され、紙製のものが一般的となりました。
いまでは、のしと水引を印刷した掛け紙がよく使われています。
贈答品を買うとき、お店の人から「おのしは、いかがいたしましょう?」と聞かれます。
のしが変化してきたように、掛け紙そのものを「のし紙」「のし」と呼ぶようにもなりました。
ちなみに、現代では慶事だけでなく弔事に使う掛け紙のことも「のし紙」と呼ばれます。
もちろん、おめでたいことではないので、右上ののし飾りはありません。
水引の基礎知識
のし紙の真ん中に使われるのが、リボンのようなひも状の飾り「水引」です。贈り物の目的によって色や本数、結び方が異なります。
水引の色は、慶事のときは基本的に紅白を使用。本数は3本・5本・7本の奇数で、婚礼用として5本×2束で10本が使われることが一般的です。
豪華な贈り物を用意するときは、それに合わせて水引の本数も多くするのがよいとされています。たくさんの水引が束ねられていたら、それだけで華やかに見えますよね。
色や本数と同じように、結び方にも正しい決まりがあります。贈り物のシチュエーションに合わせて、ふさわしい結び方を選ぶのがマナーです。
まずひとつは「蝶結び」。靴ひもの結び方もこちらが多いですが、何度も結びなおせるという特徴があります。
つまり、何度あっても嬉しいお祝いごと──出産祝い、進学祝い、開店祝いなどに適した結び方です。
一方で、引っ張るほど固く結ばれる「結び切り」や「あわじ結び」は、結婚式や快気祝いなどに使われます。「一度きりで繰り返さないように」との願いがこめられているのだとか。
表書きや名前を入れる
のし紙の中央上段、水引の上に書き入れる文字は「表書き」です。「御結婚御祝」や「御出産御祝」など、贈り物の用途を表す文字を毛筆でしたためます。
お祝いごとであれば、単に「御祝」や「寿」でも問題ありません。
水引のすぐ下に贈り主の名前を示す「名入れ」を書けば、のし紙の完成となります。毛筆が苦手な人もいるかもしれませんが、大切なのはお祝いする気持ち。あせらず、心をこめて書きましょう。
表書きと名入れを省いた「無地のし」もありますが、これは一般的に軽い挨拶や簡単なお礼の場合のみ。
きちんとした贈り物には、表書きと名入れをしっかりと書きましょう。
還暦祝い、連名ののしの書き方
還暦祝いの贈り物の場合、贈り主が一人のときは水引の下の中央に書きます。
一方、複数人で贈るときは、人数や贈る人同士の関係性などで異なってくるため、注意が必要です。
きちんとした書き方をせずになんとなく書いて贈ると、相手から「書き方、知らないのかな?」と思われてしまうおそれも。
そこで、失敗しないためにも、さまざまなパターンごとに連名の書き方を覚えておきましょう。
人数によって異なる名入れの書き方
贈る人が複数の場合、人数によって連名の形式は異なります。
3名以内のときは、役職や年齢が最も上の人の名前を中央に書き、その左側に後の人の名前を順番に書き加えていきます。
年齢が同じ場合や、役職が関係ないときは五十音順に書きましょう。
4名以上の連名にするときは、まず代表者の名前を中央に書き、左側に「外一同」もしくは「他一同」と記入します。
そして別紙に、全員の名前を年長順(役職順)または五十音順に右から書いて包みの中に入れましょう。
夫婦の場合
夫婦で連名にする場合は、夫の名前を中央に書き、その左に妻の下の名を書き入れます。
もうひとつ、夫婦の連名パターンで近年よく見られるのは、夫婦の姓を中央に書いて、その下にそれぞれの名を左右均等に書くという方法。
夫婦別性の場合は、夫の名前の左側に妻の名前をフルネームで書きましょう。
肩書きを入れる場合
なかには、名前とともに会社名などの肩書きを記入する人もいるでしょう。その場合は、名前の右上に小さめに書きます。
なお、会社名は「(株)」と省略せず、きちんと「株式会社」を書いてください。
表書きのマナーも要チェック
のしの表書きや名入れを記入する際は、下記のように基本的なマナーを守りましょう。
毛筆で書くこと
大切なお祝いごとに使うのしなのだから、できれば表書きや名入れは毛筆を使い、濃い墨で書きましょう。
筆ペンやペン先が太目のフェルトペンでもOKといわれますが、ボールペンや万年筆といった細字の筆記用具はNGです。
毛筆で書くときの墨の濃さも重要で、薄墨は香典などに使うものだから、お祝いごとでは絶対に避けましょう。
文字が水引やのしにかからないようにする
表書きや名前を書き入れるときは、水引やのしに文字がかからないよう注意してください。
特に蝶結びの水引に連名で名前を書き入れる場合、水引にかかってしまうおそれがあります。
また、筆で書く場合は勢いがつきやすいので、所定の位置からはみ出さないよう、細心の注意を払いましょう。
まとめ
心のこもった贈り物と、お祝いの気持ちとともに品物を包みこむ「のし」。
記事では結婚や出産のお祝いごとなどを一例として解説しましたが、連名で上司や恩師へ贈り物をする人もいるでしょう。
還暦祝いに適した表書きには「祝還暦」「寿還暦」「還暦御祝」などがあります。このほか、シンプルに「感謝」でもOKです。
親しい間柄なら「ありがとう」「これからもお元気で」などを書き入れてもよいでしょう。
繰り返しになりますが、大切なのは、マナーに忠実であることです。還暦祝いを連名で贈る人は、書き方をしっかりと覚えて、素敵な贈り物をご用意ください。
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