結婚祝いや出産祝いなどの贈り物にかける熨斗(のし)。
初めてのしを使うときは「御祝」や「寿」など、どう書けばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、還暦祝いにも関わってくる、のしの基本的な知識や書き方をご説明します。
のしには伝統的な書き方やマナーがあり、贈り物の目的によって書き分けなければなりません。
うっかり間違ってしまったら礼儀知らずと思われてしまうので、正しい書き方を覚えて、ぜひお祝い事のシーンで役立ててください。
目次
熨斗(のし)とは何かを簡単に解説
のしの表書きについて説明する前に、のしについての知識を確認しましょう。
のしの由来は「伸ばしたアワビ」
「のし」の本来の意味は、アワビを干した飾りのこと。厳密には、慶事用のし紙・のし袋の右上に付けられている飾りを指します。
古代からめでたい食べ物として珍重されてきたアワビは、薄く「のし」て切り、大切に保存されていたようです。そこから、のしと呼ばれるようになったとか。
のしは生ものの象徴で、掛け紙の右上にのしを象った飾りを貼ります。
そうすることで「生ものを添えました」という意味を表すのです。
贈り物を神仏への供物とみなし、生ものを一緒に供える表現だとされています。
こうした由来から、のし飾りは生もの以外の贈り物に付けるのが原則。
たとえば鮮魚や果物など、贈り物自体が生ものの場合、のしは不要です。
また、のしは贈り物に付けた掛け紙の右上に添えるのが正式な使い方。
贈り物は掛け紙の上から「水引」と呼ばれる紅白の紐で結びます。
現在はのし紙を使うのが一般的
現代では「のし」という言葉の範囲が広がっています。
右上の飾りだけでなく、掛け紙全体のことを「のし」と呼ぶようになってきました。
また本来なら、のしはおめでたい慶事に使われるものですが、弔事用の掛け紙のことも「のし」と呼ぶ人が多いようです。
近年はのしの使い方が簡略化され、のしと水引を印刷した「のし紙」が主流になっています。
のし紙を贈り物に付けることで、のしや水引を付けたものと同じく、あらたまった贈り物になるというわけです。
水引の選び方
水引は贈り物の種類によって結び方や紐の本数、色などが異なり、その違いでのし紙を選ぶことになります。
水引の結び方には、おおまかに分けて「蝶結び(花むすび)」「結び切り」「あわじ結び」の3種類があります。
「蝶結び」はすぐにほどけて何度でも結び直せることから、「何度あっても嬉しいお祝い」のときに使われます。
そのため、結婚のお祝いには使えません。
蝶結びが使われる慶事の代表的なものは、出産祝い、還暦祝い、進学祝い、開店祝い、新築祝いなど。また、これらの内祝いにも使われます。
一方、「結び切り」「あわじ結び」は、一度結んだら二度とほどけないぐらい固く結ばれることから、「一度きりが望ましいお祝い」のときに使います。
結婚などの婚礼関係や快気祝いがこれにあたります。
水引の本数にも決まりがあり、通常は「奇数」とされています。
基本的な本数は3本・5本・7本・10本ですが、一般的なお祝いでは5本の水引が主流。還暦祝いでも、ほとんどの場合は5本を使います。
3本結びは5本を簡素化したもので、7本結びは5本結びを丁寧にするという意味合いがあります。
それでは、なぜ偶数の10本結びが存在するのか? これには「奇数の5本を倍にした」という意味があり、豪華さを象徴しています。
そのため結婚式のときに使われることが少なくありません。
水引は色にも種類があります。
おめでたい場で使用されるのは紅白や金銀などですが、一般的なお祝いには紅白が使われることが多いようです。
表書きの本来の意味は「お祝いの名目」
のし紙にはのしと水引が印刷されており、「表書き」や「氏名」を毛筆で書き入れます。
表書きとは水引の上段・中央に書くもので、「御祝」「寿」「内祝」など、贈り物の目的を表しています。
水引の下段には贈り主の名前を記入するスペースがあり、「名入れ」とも呼ばれます。
複数人数で贈る場合は書き方に決まりがあるので、下記で詳しくご説明しましょう。
「内のし・外のし」の意味
のし紙の包み方の違いに「内のし」と「外のし」があります。
品物の上に直接のし紙をかけ、その上から包装することを「内のし」といいます。
一方、包装した後に上からのしをかけるのは「外のし」です。
店舗で品物にのしをお願いしたとき、「のしは内か外、どちらにいたしましょうか」と聞かれた方もいるのでは?
「内のし」は、包装紙を開けるまで誰からの贈り物かわかりません。通販などでは、のし紙付きの贈り物を依頼する場合は内のしにするのが一般的。
これは、のし紙の汚れや破れを防いだり、個人情報保護などのメリットがあるからです。
反対に外のしは、何のお祝いか、贈り主は誰なのかが一目でわかります。相手に直接手渡しする場合は外のしにするのがおすすめです。]
のしの書き方、贈る側は
のしの表書きは贈り物の目的によって異なります。
ここでは、贈る側はどのように書くのがよいのかを見ていきましょう。
表書きは「御祝」?「寿」?
表書きの種類はたくさんあります。
よく迷ってしまうのが「御祝」と「寿」。どちらを書くのがよいのか、わかりにくいですよね。
一般的に使われるのは「御祝」なので、迷ったときは「御祝」にすれば間違いありません。
一方の「寿」は、お祝いの中でも結婚祝いや長寿祝いなど、人生の中で特におめでたいとされる正式なお祝いのときに使われます。
また、結婚祝いや長寿祝いのお返し、結婚式の引き出物などにもふさわしく、使用頻度は高いです。
表書きはお祝いの内容で異なる
「御祝」と書くのが無難ですが、「御結婚御祝」「喜寿御祝」「御出産御祝」など、お祝いの趣旨がわかる表書きのほうが、より丁寧で好印象を与えます。
還暦祝いの場合は、これでなければいけないというものはありません。具体的な内容については、このあとの項目でご説明します。
人数で変わる名前の入れ方
贈り物を複数で贈る場合は、のし袋・のし紙の名前の書き方に決まりがあります。
まず、年齢や職場での役職が一番上の方を中央に書き、その左側に年齢・役職の順に名前を並べて書き入れます。同じ年齢の場合は五十音順にしましょう。
贈る人の名前に会社名などを入れたいときは、氏名の右上に小さめに書きます。「株式会社」などの所属名も省略したり「(株)」にしたりせず正しく書きましょう。
夫婦など男女連名で書くときは、男性が右で女性は左になります。
名入れを連名にする場合は3人まで。4人以上は代表者一名の名前をのしの中央に書き、その左側に少し小さい字で「外一同(他一同)」と書きます。
お返しする側は、どう書く?
お祝いの贈り物に対してお返しするときにも、のしを付けます。その際の表書きの書き方について紹介しましょう。
お返しの表書きは「内祝」が一般的
お返しに付けるのしの表書きには「内祝」と書くのが一般的です。
また、表書きは書かずに贈り主の名前だけを入れる、あるいはどちらも書かない「無地のし」にするという方法もあります。
「寿」がよく使われるのは、結婚や長寿のお返しです。
無地のしは、ちょっとしたお礼という意味で控えめに贈りたいときに用いられます。あまり堅苦しくしたくない場合や、相手に気をつかわせたくないときは無地のしにするとよいでしょう。
お返しに付けるのし紙の種類
お返しに付けるのし紙は紅白の水引で、「内祝」や「寿」などの表書きを入れ、贈り主の名前をのし下に書き添えます。
このときの水引も、「何度あっても嬉しいことかどうか」を基準に考え、蝶結びか結び切りかを選んでください。
お返しする相手が多人数の場合は、のしを付けた品物を贈るだけで十分です。しかし、親しい人や少ない人数に贈る際は、メッセージを書いたカードなどを添えるのがよいでしょう。
還暦祝いにお返しは必要?
還暦祝いは、家族や親族など身内でお祝いすることが多いものです。基本的にお返しは必要なく、感謝の気持ちを伝えるだけで問題ありません。
ただし、時代とともに還暦祝いも多様化してきており、レストランを貸し切って豪華なお祝いパーティーを開くなど、盛大に行われることもあります。
また、友人や職場の部下、教え子などからお祝いを贈られるケースも増えています。そのような場合は、お返しが必要になるでしょう。
お祝いの席を設けるなら、当日にお返しの品を用意し、参加者の帰り際に手渡すのが理想的です。
お返しに付けるのし紙は紅白で「蝶結び」の水引のものを選び、表書きには「内祝」「寿」「還暦内祝」などと書き入れましょう。
のしを還暦祝いに付けよう
60歳になった人に贈る還暦祝いの場合、のしを付けるかどうかで悩む人も多いかと思います。
ここでは還暦祝いをテーマに、のしのあり方を見ていきましょう。
還暦祝いにのしを付ける意味
還暦祝いは、結婚祝いや出産祝いなどのように、絶対にのしを付けなければならないわけではありません。
家族や近しい友人の間では、かしこまらずに綺麗なラッピングで贈る場合も多いようです。
しかし、還暦の60歳は仕事の定年退職と重なることも多いため、人生の大きな節目となるお祝いごとといえます。
還暦祝いにのしを付ければ、贈る側の「あらたまってお祝いをする気持ち」「感謝の気持ち」をしっかりと表すことができるでしょう。
のしの付いた贈り物は特別感があり、受け取る側の感動も格別のものになるはずです。
還暦祝いにふさわしい水引とは
還暦祝いにのしを付ける場合、のしの種類をどちらにするかも迷うところ。
還暦祝いは、ほとんどの場合は一生に一度だけになることが多いですが、長寿を祝うという意味では何度あってもよいお祝いごとです。
そのため、先にも述べた通り、「蝶結び」の水引を選ぶのがふさわしいといえるでしょう。
水引の色は金銀などもありますが、還暦をお祝いする色は赤なので、紅白の水引ののしがおすすめです。
表書きはいろいろ
還暦祝いの表書きには、「これでなければ」といった決まりはありません。
一般的な「御祝」でも大丈夫ですが、「祝還暦」や「還暦御祝」など、還暦の文字を入れるのがおすすめです。
両親や恩師に贈る場合は、「感謝」と書くのもよいでしょう。
表書きを書くときは毛筆を使い、楷書体で書くのがマナーです。ボールペンや万年筆は避けましょう。毛筆を使い慣れていない人は筆ペンや太いフェルトペンでも問題ありません。
内のしと外のし、どちらがよい?
還暦の贈り物にのしを付ける場合、内のしか外のしかの決まりはなく、どちらでもOKです。
しかし、直接渡す場合は還暦祝いの贈り物だということが一目でわかる外のしをおすすめします。
お祝いの席で贈り物がたくさん集まった場合、どの贈り物が誰からのものであるかがすぐに確認できるのも、外のしのメリットといえます。
まとめ
還暦祝いの贈り物にはのしが絶対に必要とまではいえません。
しかし、第2の人生のスタートとなる正式なお祝いとして、贈り物にもあらたまった気持ちを添えれば、きっと贈られた方も喜んでくれるでしょう。
お祝いを贈るというこちらの気持ちを届けるためにも、のしを付けるのがおすすめです。
のしの表書きは「寿」でも間違いではありませんが、せっかくですから「祝還暦」や「還暦御祝」など、還暦の文字を入れてみてはいかがでしょうか。
数人で贈る場合は、のしの名入れの書き方にも注意してください。
マナーや書き方をしっかりと守り、気持ちのこもったのしで贈り物を渡せば、贈られた人も大いに感動してくれるでしょう。ぜひ実践してみてください。
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