すき焼きは食卓を盛り上げてくれる特別なメニュー。でも、牛肉にはたくさんの部位に分れているため
「すき焼きに使う肉はどの部位がいいのかわからない」
と迷う人もいるようです。
この記事では、好みやシーンに合わせたすき焼き肉の選び方を解説。
おすすめの部位や、注目のブランド牛も紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
すき焼きにおすすめの肉の部位は?
- 「ヘルシーさを重視したい」
- 「お値段は控えめにしてたくさん食べたい」
- 「贅沢にうまみを味わいたい」
などなど、ひとくちにすき焼きといっても好みやニーズはさまざま。それによって選ぶべき牛肉の部位も異なってくるものです。
あなたの希望に合うお肉を探せるよう、モモ・バラ・ロースなど、それぞれの部位の特徴を押さえておきましょう。
赤み肉が好きなら:モモ
モモは、名前の通り牛の“モモ”にあたる赤身肉で、脂身が少ないのが特徴です。
家族がダイエット中のときのすき焼きや、ヘルシー志向の女子会などにぴったりでしょう。
モモは、大きく分けて内モモ・外モモの2種類があり、内モモは柔らかく、外モモはほどよい歯ごたえがあります。
どちらも比較的脂身が少ない分、火を通しすぎると硬くなってしまうので、すき焼きをする際は、お肉を煮込みすぎないようにするのがポイントです。
予算を抑えたいなら:バラ
バラ肉は、アバラ骨まわりの肉のことで、赤身と脂身が重なっていて、濃厚な味わいが楽しめます。
焼肉で人気の「カルビ」も、バラ肉の一種です。
繊維質や筋膜が多いため、煮込みすぎには要注意ですが、ほどよい歯ごたえが堪能できるのが魅力。
比較的安価で手に入りやすいため、食べ盛りの子どもがいる家族や、ご飯に合わせてすき焼きをたっぷり食べたいときにおすすめのお肉です。
赤身も霜降りも楽しみたいなら:肩ロース
肩から背中にかけての部位にあたる肩ロースは、赤身の弾力と霜降りのコクの両方を楽しめます。
肉質がきめ細かく、肉本来の味が強いため、すき焼きのたれに負けることなく、お肉自体のうま味を感じられるでしょう。
噛み応えがありながら柔らかいため、小さい子どもからお年寄りまで食べやすく人気があります。
お盆やお正月など、幅広い年代の親戚が集まる席でのすき焼きにぴったりです。
脂のうまみを感じたいなら:リブロース
リブロースは、肩ロースとサーロインの中間にあたる部位。
きめ細かくて厚みのある肉質が特徴です。
脂の筋である「サシ」がほどよくちりばめられているので、火を通すと脂身が出汁に溶け出して、すき焼きにコクが出ます。
ちょっと贅沢したい日の夫婦の家飲みや、大人が集まるホームパーティーで赤ワインを合わせたりすると、リッチな気分が味わえますよ。
霜降りを贅沢に味わいたいなら:サーロイン
腰の上部の肉であるサーロインは、牛肉の高級部位として有名です。
とろけるような柔らかい触感と、上品で深みのある脂の旨味が、贅沢な気分を盛り上げてくれるでしょう。
霜降りが多いため、リブロースもよりもさらに肉の脂を堪能したい人におすすめです。
高級な部位なので、昇進祝い・合格祝いなどのお祝いディナーや、誕生日・結婚記念日など、特別な日のすき焼きを盛り上げてくれるでしょう。
しゃぶしゃぶ肉とすき焼き肉は何が違う?
しゃぶしゃぶ肉とすき焼き肉は、しばしば混同されがちですが、この2つはお肉の「厚さ」が異なります。
店舗によって差がありますが、しゃぶしゃぶ用のお肉はすき焼き肉よりも薄くスライスされているのが一般的です。
一方、すき焼き用のお肉は1枚ごとに食べごたえが感じられるように、しゃぶしゃぶ肉よりもやや厚めにスライスされています。
ただ、厚さ以外に明確な違いはないため、すき焼きでお肉をあっさりと味わいたい人はしゃぶしゃぶ肉を利用してもよいでしょう。
豚肉ですき焼きをするときのおすすめ部位は?
「すき焼きをしたいけど、できるだけコスパよく量を楽しみたい」
という場合は、豚肉ですき焼きをするという手もあります。
豚肉は牛肉よりも安価で手に入りやすく、普段の食卓で使われることが多いため、すき焼きに入れても「馴染みのある味」としておいしく食べられるでしょう。
すき焼きにおすすめの豚肉の部位は、やわらかい肉質のロース。火を通しても硬くなりすぎないので、すき焼きにぴったりです。
すき焼き用の肉は部位だけでなく切り方もチェック!
お肉の味わいは切り方によっても変わるのをご存じですか?
すき焼き店やスーパーの精肉コーナーの中には、スライサーという機械を使ってお肉を切るところが少なくありません。
ただ、部位ごとに切り方の設定をしないスライサーだと、お肉の繊維に合わせたカット調整ができず、お肉のうまみを損なってしまうこともあります。
しかし、肉職人の目で確かめながら手でスライスした「手切り」のお肉なら、お肉の状態や繊維の方向に合わせた最適なカットができます。
そのため、お肉本来のうまみを逃さず口当たり良く仕上げられるのです。
お肉のおいしさを存分に味わいたい人は、ぜひ専門店で、プロ手切りの肉を買ってみてくださいね。
部位の食べ比べもおすすめ!すき焼き肉3選
部位ごとのおいしさを感じたいなら、品質が保証されているブランド牛を試してみてはいかがでしょうか?
ブランド牛といえば、神戸牛、松坂牛、近江牛などの日本三大和牛(近江牛ではなく米沢牛とする説もあり)が有名ですが、それ以外にもさまざまなブランド牛があります。
今回は、近年人気が高まっている注目のブランド牛から、3銘柄をピックアップしてご紹介します。
食卓での会話も盛り上がる「食べ比べセット」用のお肉として、ぜひチェックしてみてくださいね。
三田和牛
三田和牛は、高級肉の神戸牛や但馬牛の質を落とすことなく、手が届きやすい値段で流通させることを目的に開発された銘柄です。
水、気候、良質な飼料に恵まれた兵庫県の六甲山系で2~3年間育てられた牛の肉を使用しており、柔らかい肉質ときめの細かい霜降りが上品な味わいを演出します。
脂肪は指で触っただけで溶けるほど融点が低く、最高級のすき焼きを食べている気分にしてくれるでしょう。
上質でありながらもリーズナブルな価格帯なので、「いいお肉を食べたいけれど、値段が気になる」という人におすすめのブランド牛です。
但馬牛
但馬牛とは、神戸牛のルーツとなる素牛(もとうし)です。
実は神戸牛という名前の牛は存在していないことをご存じですか? 但馬牛の中でも、出荷の際に生育環境や血統、肉質などの厳しい基準を満たしたものだけに「神戸牛」のブランド名が与えられるのです。
自然豊かな土地で育てられた但馬牛はサシがふんだんに入っており、熱を通すと脂肪が溶け、まろやかな舌触りになります。
牧場の青草を食べているため、但馬牛の肉本来の味が濃厚になりやすく、すき焼きにすれば肉らしい旨味を堪能できるでしょう。
米沢牛
米沢牛は、山形県南部の置賜地方で飼育されたブランド牛。
その肉質は、香ばしい脂がきめ細かく張り巡らされており、赤身肉も甘くておいしいのが特徴です。
厳しい気候のなか、豊かな土壌で育った飼料を食べた米沢牛は、身が締まった健康的な体に育ちます。
山形県の牛ということで、山形牛と混同されることもありますが、米沢牛ブランドとして認められるには厳しい条件をクリアすることが必要です。
数ある和牛銘柄の中でも最高峰とされる味わいを、特別な日のすき焼きで味わってみてはいかがでしょうか。
すき焼きのお肉に合うおすすめのお酒
味が濃いすき焼きは、白いご飯はもちろん、お酒との相性も抜群です。
以下では、定番のビールや日本酒など、すきやきに合うおすすめのお酒をご紹介します。
すき焼き用のお肉の部位にこだわるなら、お酒も良い銘柄を選びましょう。すき焼きがもっとおいしく感じますよ。
ビール
お酒といえば「ビール!」という方も多いかもしれません。すき焼きとビールの相性は抜群。
ビールの苦味と旨味が、すき焼きの濃い味付けと非常にマッチングします。
すき焼きの割り下を作るときに、日本酒の代わりにビールを使うレシピもあるほどです。
市販されている大手メーカーのビールはもちろん、個性がはっきりしているクラフトビールもおすすめ。
すき焼きを食べながら、いろいろ飲み比べて自分の好みに合っているか探してみてください。
日本酒
すき焼きと合わせるなら日本酒は「甘口」がおすすめ。
すき焼きは甘味と旨味が強く、辛口の日本酒とは相性があまり良くありません。
すき焼きでまったりした口の中を洗い流して、さっぱりできる「淡麗タイプ」とも良く合います。
赤ワイン
お肉料理には赤ワインが定番。すき焼きは醤油と砂糖をベースに甘めに味付けされています。そのため、鍋料理の中でも甘みを引き立てる赤ワインとの相性抜群。
とくに濃厚な赤ワインを選ぶのがおすすめです。
まとめ
すき焼き用の牛肉を選ぶときは、
「子どもやお年寄りがいるから、柔らかいお肉にしたい」
「豪華にお祝いしたいから、高めのお肉にしよう」
というように、目的や食べる人の好みに合わせて部位をセレクトすると、より満足できるすき焼きができるでしょう。
どうしても部位選びに迷ってしまう場合は、複数部位の食べ比べセットにするのも一つの方法。食卓の話題も盛り上がり、さらに満足度が高まりそうですね。
お肉は切り方でもおいしさが変わるので、おいしさにこだわるならぜひ専門店で購入してみてくださいね。