香典をいただいたら、後日遺族より「香典返し」を贈るのがマナーです。
最近は手渡しではなく、郵便や宅配サービスを利用することがほとんどでしょう。
香典返しの配送は失礼ではありません。
ただし、必ず手紙や一筆箋(お礼状・挨拶状)を添えなければなりません。
今回は、香典返しを郵送するときに添える「手紙の書き方」を例文とともにご紹介します。
目次
香典返しを郵送するなら手紙を添えるのがマナー
なぜ香典返しを郵送する際は、お礼状(挨拶状)の同封が必須なのでしょうか。
香典返しは本来、葬儀・通夜に参列してくださった方の自宅に訪問し、
- 忌明け(四十九日)を無事迎えたことの報告
- 香典に対するお礼の品を手渡し
するのが丁寧なやり方です。
しかし香典返しを郵送する場合は、忌明けの報告ができません。そのため、手紙(お礼状・挨拶状)を添えて報告するのが礼儀とされているのです。
香典返しに添える手紙は「正式な挨拶状」であり、いくつかの決まり事があるため、弔事マナーとして確認しておきましょう。
香典返しに添える手紙にふさわしい用紙
格式高いお礼状は「奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)」と呼ばれる上質な和紙を用いた手紙とされています。
香典返しを購入する際、お礼状作成のサービスを行うお店もありますが、自分でお礼状を用意するのであれば、奉書紙を用意しましょう。
奉書紙はデパートや文房具店、ネット通販など購入できます。
香典返しの手紙(お礼状・挨拶状)の書き方
和紙を利用するのですから、縦書き・筆文字での記入が正式となります。
香典返しを贈る時期は基本的に四十九日を過ぎた後なので、濃い黒墨で書いて差し支えありません。
筆を用意するのが難しい場合は、筆で書いたように見える「筆風サインペン」でも代用できます。
※「筆風サインペン」は文具店やコンビニエンスストアなどで販売されています。
お礼状(挨拶状)の書き方の基本
- 季節の挨拶は不要
- 行頭は揃える(字下げは行わない)
- 頭語(謹啓や拝啓など)、結語(謹敬白や敬具など)をつける
- 短文では、頭語と結語は必ずしも必要ではない
- 記載する日付は送付日ではなく、四十九日法要を執り行った日にする
句読点は打たない
香典返しの手紙は、正式な贈答品に添える文章なので、句読点は打ちません。
古来、日本語には句読点がなく、明治時代に文字が読めない人への配慮として句読点を使うようになったとされています。
そのため正式な文章に句読点を使うと「相手の読み書きの能力を下に見ている」という意味に受け取られかねません。
重ね言葉は使わない
不祝儀が続くのは望ましくないので
「また」「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉を使うのは不吉とされています。
不幸を連想する言葉「続いて」「続く」「再三(さいさん)」「くれぐれも」「追って」も使いません。
故人の名前を書く際は、喪主との続柄を入れる。「父 〇〇」「亡父 〇〇儀」「故 〇〇儀」など
なお、挨拶状に用いられる言葉は宗教によって異なります。ここでは、一般的な仏式の場合の文例を見てみましょう。
香典返しによく使われるお礼状・挨拶状の例文
文章の構成内容は、
- 葬儀参列やいただいた香典へのお礼
- 四十九日の法要を無事終えた報告
- 香典返しの品を贈るので受け取ってほしい旨
- 本来なら直接訪問すべきところ略儀になるお詫び
これらの要素を盛り込むのが基本です。頭語の「謹啓」、結語の「敬具」も記載します。
【文例】葬儀に参列してくださった方へ
謹啓
先般父〇〇の葬儀にご会葬賜り
かつご丁重なご芳志を賜りまして誠に有難く厚く御礼申し上げます
皆様のお陰をもちまして本日四十九日の法要を営みました
供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたします
何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上にてお礼申し上げるべきところ
書中にて失礼ではございますが謹んでご挨拶申し上げます
謹白
●年●月
〇〇 〇〇
ここでいう「ご会葬」とは、葬儀・告別式に参列することを指します。
お通夜の場合は「弔問」となります。
「父〇〇」の部分は、故人と喪主との続柄を、続いて阿故人の名前を入れます。
- 「父 〇〇」「亡父 〇〇儀」「故 〇〇儀」など。
葬儀にお越しになれず、香典のみ届けてくださった方には、以下のような文例がよいでしょう。
謹啓
先般亡父〇〇永眠の際にはご丁重なご弔詞をいただきかつ又 ご芳志を賜りまして誠に有難く厚く御礼申し上げます
お蔭をもちまして本日四十九日の法要を営みました
供養のしるしに心ばかりの品をお届けいたしますのでお納めくださいませ
先ずは略儀ながら書中をもちまして謹んでご挨拶申し上げます
謹白
〇年〇月〇日
〇〇〇〇
「ご弔詞」とは、死者をとむらう時に述べる、お悔やみの言葉のこと。
「ご芳志(ごほうし)」は、相手の心遣い・気遣いを表す言葉です。
「ご厚志」も同じく、相手の温かい気持ちを表す言葉であるため、「ご芳志」を「ご厚志」に言い換えても問題ありません。
香典返しに添える一筆箋・メッセージカードの短文
一筆箋やメッセージカードにお礼の言葉をしたためるときは、頭語「謹啓」、結語「敬具」を省略し、短文にまとめても問題ありません。
母〇〇永眠の際にはご芳志を頂戴しありがとうございました
四十九日法要を滞りなく終えましたので供養の品をお届けいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申しあげます
●年●月
〇〇 〇〇
「ご芳志」を「ご厚志」に言い換えても問題ありません。
「ご厚志」も同じく、相手の温かい気持ちを表す言葉だからです。
ただし、「ご芳志」のほうがやや丁寧な表現となります。相手との関係性で使い分けてもよいでしょう。
神式|一筆箋・メッセージカードの短文
母〇〇葬儀の際にはご芳志を頂戴しありがとうございました
無事●年●月に五十日祭を終えましたので偲び草のしるしに心ばかりの品をお届けいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申しあげます
キリスト教|一筆箋・メッセージカードの短文
おかげさまで〇月〇日に〇〇の昇天記念会を営みました
偲草のしるしに心ばかりの品をお届けします
※プロテスタントの場合は「召天記念日会」
【宗派別】お礼状(挨拶状)の例文
浄土真宗・神式・キリスト教の挨拶状は、おおむね以下の流れです。
浄土真宗の例文
浄土真宗では「亡くなった人はすぐに仏となる」という教えがあるため、初七日(しょなのか)が終わったら贈るのが一般的です。
「冥福」「冥途」「霊前」といった言葉は使いません。
<例文>
謹啓
先般父〇〇永眠の際にはご鄭重なるご弔問と御香典を賜り厚くお礼申し上げます
おかげ様で諸事万端滞りなく相済ますことができました
略儀ながら書中をもちまして御礼旁々ご挨拶を申し上げます
お寄せいただきましたご芳意に謝意を表したく心ばかりの品をお届けいたしますので
何卒ご受納くださいますようお願い申しあげます
謹白
〇〇年 〇月 〇日
〇〇〇〇〇
神式の文例
神式の挨拶状は、おおむね以下の流れです。
謹啓
先般 亡父〇〇葬儀に際しましてはご多忙の中にも関わらずに御会葬をいただき
さらには御丁重なる御厚志をいただき誠に有難く厚く御礼申し上げます
皆様のおかげをもちまして五十日祭を滞りなく相執り行いました
つきましては偲草のしるしに心ばかりの品物をお届け申し上げましたのでご受納いただきますようお願い申し上げます
本来であれば拝謁のうえにて御礼を申し上げるべきとは存じますが 失礼ながら書中をもってご挨拶申し上げます
謹白
〇〇年 〇月 〇日
〇〇〇〇〇
キリスト教式の文例
キリスト教式の挨拶状は、おおむね以下の流れです。
謹啓
先般 亡父〇〇昇天に際しましては
ご多忙の中にも関わらずご会葬を賜りかつ御丁重なるご献花を頂戴し
誠に有難く厚く御礼申し上げます
皆様のおかげをもちまして昇天記念会を滞りなく相執り行いました
偲草のしるしとしてまして心ばかりの品をお届け致しましたのでご受納いただきますようお願い申し上げます
本来であれば拝謁のうえにて御礼を申し上げるべきとは存じますが 失礼ながら書中をもって御挨拶申し上げます
謹白
〇〇年 〇月 〇日
〇〇〇〇〇
友人への香典返しに添える手紙
香典は近所や職場だけでなく、故人の友人からいただくこともあります。
また、喪主個人が親しい友人から香典を渡されることも考えられ、堅苦しい内容の手紙を出すべきか迷うかもしれません。
しかし「親しき仲にも礼儀あり」で、今後も良い関係を続けていくためにも冠婚葬祭の場ではきちんとした手紙を出すことをおすすめします。
友人宛ての手紙ならさらに一言添えるのもあり
友人に対しても、基本的なお礼状の書き方は変わりません。
故人と親しくしていた方なら、その思い出や感謝を盛り込んでおく真心が伝わるでしょう。
謹啓
先般は母の葬儀に際しご丁重なるご芳志を賜り厚く御礼申し上げます
かくだんのご厚情を頂きお礼の言葉が見つからないほどです
おかげ様で本日〇〇〇〇 の法要を営むことができました
まだ「気を付けていってらっしゃい」という声が聞こえてくるような気がしております
迷惑かけっぱなしであった母を思い出すとやはり寂しさがつのります
供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたしました
略儀となりましたことをお詫びしつつご挨拶とさせて頂きます
謹白
〇年〇月〇日
〇〇〇〇
また喪主自身の友人から渡された香典には、メールで返事を送るという方法も近年増えているようです。
ただし「香典返しを郵送する際は、お礼状は必須」という考え方が多数派です。
相手との関係性に応じてメールにするか正式な手紙にするか判断しましょう。
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まとめ
近年、香典返しを郵送するケースが増えていますが、香典返しにはお礼の手紙を添えて贈るのが一般的なマナーです。
先方に失礼のないよう、いただいた弔意にきちんと応える失礼のない対応を心がけましょう。