退職時に餞別として金品をもらった場合、基本的にお返しは不要です。
一般的には贈り物をもらったらお返しするものですが、餞別はその性質上、お返しをしなくてもマナー違反や無礼にはなりません。
しかし中には、「やはりお返しをした方がいいのでは…」「お返しするとしたら何が良いのだろう」と思っている人もいるでしょう。
この記事では、餞別で基本的にお返しがいらない理由や、餞別にお返しする際におすすめのギフト、お返しする際のマナーについて解説します。
品選びやお返しの方法によっては、良かれと思って贈ったお返しが相手の負担やマナー違反になることもあります。
しっかり確認していきましょう。
目次
基本的に、餞別にお返しは必要なし!
基本的に、餞別に対してお返しは必要ありません。
餞別は転勤や転居などで旅立つ人に、金銭的な援助や旅の安全を願う意味で送られる金品のことです。
お返しするとなると遠方から送ることになりますし、職場の同僚やご近所レベルの関係性なら今後会うこともないでしょう。
相手もそのことを理解したうえで餞別を贈っているため、最初からお返しはないものと考えていることが多いといえます。
ただし、お返しをしても失礼に当たることはありません。
離れてからも関係性が続く、または相手の気持ちにお礼を示したいときは、お返しをしても問題ないでしょう。
お返しをした方がいいケース・シチュエーションもあり!
基本的にお返しは不要な餞別ですが、以下のようなケースではお返しをした方が良いでしょう。
- 特に親しくしていた人に近況を知らせるとき
- 高額な餞別を受け取ったとき
- その職場で餞別に対してお返しをする前例があるとき
- 職場の仲間に感謝の気持ちを伝えたいとき
- 転職や独立・起業で退職したが、その後も相手とビジネス関係が続く可能性があるとき
餞別が「もう会うことのない人に贈るもの」であることからお返し不要とされることを考えると、今後も関係性が続くのであればお返しはした方が良いでしょう。
餞別が高額なものだった場合は丁寧なお礼をする必要がありますし、お返しの前例がある職場ではお返しがマナー化していると考えられるため、こうした場合もお返しを検討してみてください。
また最近では、退職する側がこれまでの感謝の気持ちを伝えるために、お世話になった人にギフトを贈ることもあります。
ただしギフトを贈る際は、相手に負担がないよう心がけましょう。
ここからは、餞別へのお返しに関するマナーを3点紹介します。
餞別のお返しの相場は3分の1~半額程度を目安に
餞別のお返しは、もらった品の3分の1~半分程度の金額とするのがマナーです。
個人からの餞別の相場は、相手との関係性にもよりますが3,000円~1万円とされています。
これを踏まえると、お返しは1,000円~5,000円が相場となるでしょう。
良かれと思って高額なお返しをしても、相手に気を遣わせることになりかねません。
もらった餞別の額を踏まえて、予算を決めるようにしてください。
餞別のお返しをするタイミングは退職してから1カ月以内
餞別にお返しする際は、早くしなければ失礼になるのではないかと思うかもしれませんが、ある程度状況が落ち着いてからで問題ありません。
しかし、あまりにも時間が空き過ぎるのも良くないため、一般的には退職から1カ月以内が目安とされています。
その際は「おかげさまで新しい環境にも慣れ、元気にしています」という旨の近況報告を兼ねたお礼状を添えると、より丁寧な印象になります。
相手にも懐かしい気持ちを感じてもらえたり、元気そうで良かったと温かい気持ちになってもらえたりもするでしょう。
餞別のお返しには「のし(熨斗)」も掛けよう
餞別のお返しには、のし紙を掛けましょう。
改まった丁寧な印象になるため、特にお返しの相手が上司など目上の人であったり、高額な餞別に対するお返しをしたりする際は、のし紙を掛けるのが基本です。
のし紙は紅白蝶結びとし、表書きは「御礼」、その下には「相手の名前」ではなく「自分の名前」を記入します。
会社の同僚であり友人でもあるような相手へのお返しなど、カジュアルに贈りたいときも、のし紙を掛ければ相手に贈り物の意味が伝わりやすくなります。
仲がいい間柄でも、のし紙は忘れずに掛けましょう。
餞別のお返し、どんなギフトがおすすめ?
餞別のお返しとして贈る品は、以下のように選ぶのが良いでしょう。
- 個別にお返しをしたいものの相手の好みが分からないときは、飲み物や食べ物といったいわゆる「消えもの」を選ぶ
- 親しい間柄で相手の好みを熟知しているなら、その人の趣味に合ったものや好きなものを選ぶ
- 退職とともに転居しているなら、新しい住まいの名産品を選ぶ
- 基本的に、日持ちするものを選ぶ
- 特産グルメなど冷蔵・冷凍で届くものは、贈る相手にあらかじめ連絡しておく
ここからは、上記の点を踏まえて餞別のお返しとしておすすめのギフトを紹介します。
個人に対して贈るのか職場全体に対して贈るのかによっておすすめの品が違ってくるため、それぞれに分けて見ていきましょう。
【個人向け】毎日飲める「ドリンク系」
個人に対しては日常的に飲めるコーヒーや紅茶、緑茶などがおすすめです。
食後、休憩時、仕事中などさまざまなタイミングで飲めて消費しやすいため、相手の負担になりません。
お子さんがいる相手なら果汁100%ジュースの詰め合わせも良いでしょう。
なお、ドリップバッグのコーヒーは特別感がありますが、淹れるのに手間がかかります。
無難に選ぶなら、インスタントコーヒーがおすすめです。
【個人向け】素材にこだわった「タオルやハンカチなどの日用品」
個人向けには、タオルやハンカチなどの日用品も良いでしょう。
日常的に使うものならいくらあっても困らないため、相手にとって負担になりません。
餞別へのお礼の気持ちを表すには、普段自分では買わないような、素材にこだわった高品質なものがおすすめです。
吸水性が高いハンカチやふわふわな感触のタオルは、使い心地が良いため喜ばれるでしょう。
【個人向け】相手が好きなものを選べる「カタログギフト」
相手の好みがわからない場合は、カタログギフトが便利です。
カタログの中から好きなものを選んでもらえるので、相手の満足感が高くなります。
美味しいものに目がない、またはお子さんがいる家庭には、グルメカタログギフトなど特定のジャンルの品が充実したものを選びましょう。
相手の好みがまったくわからないなら、多様な品がそろった総合型カタログギフトがおすすめです。
【個人向け】縁起の良い「お米ギフト」
縁起の良いお返しをしたいなら、お米のギフトがおすすめです。
お米は八十八という字で成り立っていることから末広がりで縁起が良く、お米が苦手な人でなければ老若男女に喜ばれます。
出産退職時にもらった餞別へのお返しであれば、赤ちゃんの写真入りお披露目カードとともに体重米を贈ると、無事出産できた挨拶にもなります。
【職場向け】ひと口サイズの「焼き菓子」
職場全体に対して餞別のお返しをする場合は、個包装でひと口サイズの焼き菓子が良いでしょう。
各々の好きなタイミングで、仕事をしながら手軽に食べてもらえます。
フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子は万人受けするため、好みの違う複数人にまとめて贈るのにぴったりです。
数が足りないと失礼になるため、人数分より多めのものを選びましょう。
【職場向け】縁起の良い「バウムクーヘン」
職場向けに縁起物をお返ししたい場合は、バウムクーヘンがおすすめです。
バウムクーヘンは断面が木の年輪に似ていることから、成長や繁栄を意味する縁起の良いスイーツとされます。
北海道ミルクや宇治抹茶などを使ったものであれば、贈り物らしい特別感も出ます。
ただし職場へのお返しに、切り分けるタイプのバウムクーヘンはNGです。ミニサイズで個包装のものを選びましょう。
【職場向け】幅広い年齢層に喜ばれる「おせんべい・おかき」
幅広い年齢層に合わせたお返しをするなら、おせんべいやおかきが鉄板です。
年齢の高い人や甘いものが苦手な人にも、無理なく食べてもらえます。
いろいろな味わいが楽しめる詰め合わせや、季節に合わせた品を選ぶと喜ばれるでしょう。
若い人にも喜んでもらえるか心配な場合は、パッケージに「お世話になりました」などのメッセージ入りのお菓子を選ぶという方法も。
特別感が出るので、餞別のお返しに最適です。
【文例あり】餞別のお返しにはメッセージカードも添えよう
餞別へのお返しをする際、何のメッセージもないと義理でお返ししたような印象になりかねません。
丁寧かつ心のこもったお返しになるよう、以下の内容を簡潔にまとめたメッセージも添えるようにしましょう。
- 餞別へのお礼とささやかではあるが感謝の品を贈る旨
- 在職中にお世話になったことへのお礼
例文は次の通りです。
この度は私の退職にあたり、ご丁寧なお手紙とお祝いの品をいただき、誠にありがとうございました。
在職中は、○○様をはじめ、皆様の温かいご指導のおかげで、充実した日々を過ごすことができました。
改めて御礼申し上げます。 ささやかではございますが、御礼の品をお贈りします。
今後ともよろしくご交誼賜りますようお願い申し上げます。
○○(贈り主の名前)
まとめ
餞別をもらった場合、基本的にお返しは不要です。
退職で餞別をもらったなら、状況が落ち着いてからお礼状を送るだけでも感謝の気持ちは伝わるでしょう。
しかし、これまでのお礼としてお返しをしたい場合は、相手に気を遣わせない範囲内でギフトを贈っても構いません。
のし紙を掛け、近況報告を兼ねたお礼状を添えると、丁寧で心のこもったお返しになります。
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