餞別(せんべつ)とは、転勤や転居などで旅立つ人に、金銭的な援助や旅の安全を願う意味で贈る金品のこと。
「はなむけ(餞・贐)」とも呼ばれます。
退職や引っ越しなどの餞別として金品をもらった場合、基本的にお返しは不要といわれています。
しかし、中には、
「お世話になった方なので、こちらからも感謝を込めてお返ししたい」
など、事情のある方もいらっしゃるでしょう。
そこで、この記事ではギフト専門店ギフタが、餞別のお返しを贈るときに知っておきたい贈答マナーや、ギフトの選び方について解説します。
おはなむけの品をくださった方へ失礼のないよう、しっかり確認しておきましょう。
目次
餞別へのお返しは基本的に不要だが、贈ったほうがいいことも
贈り物にはお返しをするケースが多いものですが、こと餞別に関しては、その性質上お返しをしなくてもマナー違反には当たらないとされます。
餞別がお返し不要とされる由来は「もう会うことのない人に贈るもの」であるため。
職場の同僚やご近所さんなど、おそらく今後会うことはない関係性の相手なら、相手もそれを理解したうえで餞別を贈ってくれているはずです。
逆にいえば、今後も相手と関係が続くなら、お返しをするほうが無難でしょう。
餞別にお返しをすること自体は失礼に当たりません。
離れてからも関係性が続く場合や、特にお世話になった方に感謝を示したいときは、お返しを検討するのもいいでしょう。
また、「高額な餞別をもらってしまったので、そのままだと気になる」という場合も、お返しを贈る人が多いようです。
餞別にお返しした方がいいのはこんなケース
基本的に「餞別をもらってもお返しは不要」とされていますが、以下のような場合はお返しを贈る人もいるようです。
- 特に親しくしていた人に近況報告したいとき
- 高額な餞別を受け取ったとき
- その職場で餞別に対してお返しをする前例があるとき
- 職場の仲間に感謝の気持ちを伝えたいとき
- 転職や独立・起業で退職したが、その後も相手とビジネス関係が続く可能性があるとき
上記のような経緯があるなら、お返しを贈るといいでしょう。
以下で、餞別へのお返しの具体的なマナーを紹介します。
餞別のお返しマナー(相場・タイミング・のし紙)
餞別のお返し予算は、贈られた餞別の額をもとに、釣り合う金額にしましょう。
一般的に、お返しの相場は贈られた金品の3分の1~半分程度といわれています。
餞別の場合、贈る側の相場が3,000円~1万円といわれているため、上記の考え方だとお返しは1,000円~5,000円の範囲ということになります。
注意点として、良かれと思って高額なお返しをするのはマナー違反とされます。
かえってお相手に気を遣わせることになりかねないため、マナーに沿った金額で検討しましょう。
餞別のお返しをするタイミングは退職してから1カ月以内
餞別へのお返しを贈るタイミングは、退職から1カ月以内を目安にしましょう。
「早くしなければ失礼になるのでは」と気になる人もいるようですが、状況が落ち着いてからで問題ありません。
ただし、あまりにも時間があき過ぎると不自然な印象を与えるため、一カ月以内を目安にするのがおすすめです。
お返しを贈る際、「おかげさまで新しい環境にも慣れ、元気にしています」という旨の近況報告を兼ねたお礼状を添えると、より丁寧な印象になるでしょう。
相手にも懐かしい気持ちを感じてもらえたり、元気そうで良かったと温かい気持ちになってもらえそうです。
餞別のお返しには「のし紙」を掛けよう
餞別のお返しにのし紙を掛けると、改まった丁寧な印象を与えます。
特にお返しの相手が目上の人であったり、高額な餞別に対するお返しだったりする際は、のし紙を掛けて先方に礼を尽くすのがおすすめです。
餞別のお返しの場合、ふさわしいのし紙の体裁は、
- 紅白・蝶結びの水引
- 表書き(贈り物の名目)は「御礼」
また、水引きの下の名入れ部分には「自分の名前」を記入します。
間違ってここに相手の名前を書く人が多いため、要注意ポイントです。
仲のいい同僚など、カジュアルな関係でも、節目において丁寧に対応するのが大人のマナー。
お返しのギフトにはのし紙を掛けて丁寧な姿勢を表すのがおすすめです。
餞別のお返しギフト、選び方の注意点
餞別のお返しギフトは、以下の条件を踏まえると選びやすくなるでしょう。
- 飲み物・食べ物などのいわゆる「消えもの」にする
- 食べ物・飲み物は日持ちの長さを確認する
- 職場の方へ贈るなら、かさばらず常温保存可能なもの
- 相手の好みを知っている場合はそれに合わせる
- 退職とともに転居するなら、新しい住まいの名産品を
上記のポイントを踏まえながら、ギフト専門店「ギフタ」が餞別のお返しにぴったりのギフトをピックアップしました。
一人の方へ個人的に贈るのか、職場の部署など複数人に向けて贈るのかなど、場合によっておすすめ品は異なります。
それぞれのケースにわけて、喜ばれる品を紹介します。
餞別のお返しにおすすめのギフト紹介【個人向け】
職場などで個人的に餞別をもらった場合、お返しにぴったりの品をご紹介します。
特別感のある「スイーツ」
職場の方へ贈るギフトといえば、お菓子が定番品。
休憩時間などに手軽に楽しんでほしいなら、切り分ける必要のない、片手でも食べられるものがおすすめ。
自宅に持ち帰ってじっくり味わってほしいときは、常温保存可能で持ち運びしやすいものを選ぶのがポイントです。
手軽に飲める「ドリンク」
香り高いコーヒーや紅茶、緑茶は、「これでひと息ついてくださいね」というメッセージになるでしょう。
職場の同僚が休憩時間にコーヒー・紅茶のどちらをよく飲んでいたかを思い出すと、ギフト選びのヒントになるかもしれません。
仕事場では、ドリップバッグやティーバッグなど、手軽に淹れられるタイプのドリンクが重宝されます。
デスクの引き出しに保管してもかさばらないパッケージだとなおよし。
小さなお子さんがいる人には、天然果汁100%ジュースの詰め合わせセットを贈る手もありますよ。
素材にこだわった「タオルやハンカチなどの日用品」
タオルやハンカチなどの日用品も個人的なお返しに向いています。
日常的に使うものならいくらあっても困らないため、相手にとって負担になりません。
餞別へのお礼の気持ちを表すには、普段自分では買わないような、素材にこだわった高品質なものがおすすめです。
吸水性が高いハンカチやふわふわな感触のタオルは、使い心地が良いため喜ばれるでしょう。
好みがわからないお相手には「上質なカタログギフト」

相手の好みがわからないときのお返しには、カタログギフトがおすすめです。
カタログの中から相手の欲しいものを選んでもらえるので、好みを外してしまう心配は無用。
美味しいものに目がない、またはお子さんがいる家庭には、グルメカタログギフトなど特定のジャンルの品が充実したものを選びましょう。
相手の好みがまったくわからないなら、多様な品がそろった総合型カタログギフトがおすすめです。
縁起の良い「お米」
お米は八十八という字で成り立っていることから「末広がりの縁起物」とされます。
老若男女、好き嫌いが分かれにくいのは大きなメリット。
華やかに包装されたギフト仕様の高級米なら、贈り物らしい特別感も申し分ありません。
一人暮らしで自炊している人や、食べ盛りの子どものいる人にも喜ばれるでしょう。
出産退職時にもらった餞別へのお返しであれば、赤ちゃんの写真入りお披露目カードとともに体重米を贈るのも素敵です。
お酒好きの方へ「クラフトビール・日本酒・ワイン」
餞別をくださった方がお酒好きな方なら、お返しに上質な酒類を贈るのも気が利いています。
評価の高い老舗蔵元やブルワリーがつくる、ギフト向きのお酒をチョイスしましょう。
男女ともに使いやすい「ボディケア用品」
ハンドクリーム・石けん・入浴剤などの日用品は、使えばなくなる消え物でもあり、お返しギフトにぴったりです。
好みの分かれにくいナチュラルな香りで、天然素材を使ったものがおすすめ。
手荒れや乾燥を気にする人へいたわりを込めて、センスのいいハンドクリームをチョイスしてみてはいかがでしょうか。
餞別のお返しにおすすめのギフト紹介【職場全体向け】
複数人から連名で餞別をいただいた場合、お返しは一人一人に贈るか、まとめて贈るかのいずれかになるでしょう。
本来は一人一人に個別でお返しするのが丁寧な対応。
しかし、そこまで手がまわらないときは、お菓子などの詰め合わせを代表者に渡し、「みなさんでお召し上がりください」と一言添えるのもいいでしょう。
数が足りないと失礼なので、全員に行きわたる個数が入っているかを必ず確認してください。
複数人へのお返しは、すぐに分けやすい個包装のものが適しています。
以下におすすめ品をご紹介します。
ひと口サイズの「洋菓子」
職場全体に対して餞別のお返しをする場合は、個包装でひと口サイズの焼き菓子が良いでしょう。
各々の好きなタイミングで、仕事をしながら手軽に食べてもらえます。
フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子は万人受けするため、好みの違う複数人にまとめて贈るのにぴったりです。
ただし職場へのお返しに、切り分けるタイプのお菓子はNGです。片手で手を汚さず食べられるようなミニサイズで、個包装のものを選びましょう。
幅広い年齢層に喜ばれる「和菓子」
幅広い年齢層に合わせたお返しをするなら、おせんべいやおかきが鉄板です。
年齢の高い人や甘いものが苦手な人にも、無理なく食べてもらえます。
いろいろな味わいが楽しめる詰め合わせや、季節に合わせた品を選ぶと喜ばれるでしょう。
若い人にも喜んでもらえるか心配な場合は、パッケージに「お世話になりました」などのメッセージ入りのお菓子を選ぶという方法も。
特別感が出るので、餞別のお返しに最適です。
【文例あり】餞別のお返しにはメッセージカードも添えよう

餞別へのお返しをする際、何のメッセージもないと義理でお返ししたような印象になりかねません。
丁寧かつ心のこもったお返しになるよう、以下の内容を簡潔にまとめたメッセージも添えるようにしましょう。
- 餞別へのお礼とささやかではあるが感謝の品を贈る旨
- 在職中にお世話になったことへのお礼
文例は次の通りです。
この度は私の退職にあたり、ご丁寧なお手紙とお祝いの品をいただき、誠にありがとうございました。
在職中は、○○様をはじめ、皆様の温かいご指導のおかげで、充実した日々を過ごすことができました。
改めて御礼申し上げます。 ささやかではございますが、御礼の品をお贈りします。
今後ともよろしくご交誼賜りますようお願い申し上げます。
○○(贈り主の名前)
餞別へのお返しを贈りたいときは気を遣わせない範囲で
餞別をもらった場合、基本的にお返しは不要とされています。
状況が落ち着いてからお礼状を送るだけでも、あなたからの感謝の気持ちは伝わるはずです。
しかし、これまでのお礼としてお返しをしたい場合は、相手に気を遣わせない範囲内でギフトを贈るのもいいでしょう。
お返しの品にのし紙を掛け、近況報告を兼ねたお礼状を添えると、丁寧で心のこもった印象になります。
オンラインのギフト専門店「ギフタ」では、商品をお買い上げいただいた方に、のし紙とメッセージカードの無料サービスを行っています(※一部対象外商品あり)。
メッセージカードやのし紙は、オリジナルデザインを業界最大級の数でご用意。
注文画面のプレビューでラッピングの仕上がりを確認できるので安心です。
メッセージカードをご利用の方に向けて、メッセージ文例もご用意しており、自由編集も可能。
文例を参考にしながら自分の言葉でメッセージがつづれるので、テンプレート感が出ません。
餞別のお返しマナーでわからないことがあれば、お問い合わせフォームからメールでご質問いただければ、社内のギフト専任スタッフがご対応可能です。
礼を尽くしたお返しギフトで、餞別を贈ってくれた方へあなたからの感謝を伝えましょう。