香典返しには適さない品物もあるので、いざとなると何を選べばいいのか迷ってしまう方は多いようです。
場違いなものを選べばマナー違反となり、せっかく葬儀に参列して下さった方や香典を届けてくださった方に不快な思いをさせてしまう恐れもあります。
どんな香典返しなら常識的かつ喜んでもらえるのか、相場を参考にしながら選んでみましょう。
目次
3,000円で香典返しの品物を贈るのはどんな場合?
香典返しの品物を、3,000円で選ぶのはどんなときなのでしょうか? まずは、香典返しの基本的なマナーを解説します。
6,000円~10,000円の香典を頂いたとき
一般的に、香典返しの金額は、頂いた香典の金額の「半額~1/3」を目安に選ぶのがよいとされています。
そのため、3,000円で香典返しの品物を選ぶのは、香典に6,000円~10,000円を頂いた場合です。
ただし、香典の金額が多い場合や、地域によっては半額ではなく1/3の金額でお返しするのがマナーとされていることがあります。まずは地域の慣習を確認しておきましょう。
即日返し(当日返し)のとき
近年では、葬儀や告別式当日に香典返しを贈る「即日返し(当日返し)」が増えています。
一般的に、香典の金額は5,000円~10,000円が相場なので、即日返しの場合は2,500円~3,000円程度の品物を用意しておくのがおすすめです。
即日返しの品物を選ぶ際は、持ち運びしやすいものにするのがおすすめです。
重たいものや大きいものは持ち帰るのが大変で、参列して下さった方々に迷惑をかけてしまう場合があります。
用意する側にとっても、余った分を持ち帰るときに大変な思いをせずに済むため、香典返しを即日にする際は「3,000円程度の軽いもの」を念頭に選ぶとよいでしょう。
【予算3,000円】ご満足いただける香典返しの品物14選
ここからは、香典返しの品物に相応しいおすすめの品物13選を紹介します。
定番だけに留まらない、和・洋ギフトを見ていきましょう。
故人が好んでいたお菓子
せっかくなら、故人が好きだったものを選ぶのも粋な計らいといえます。
例えば、故人が好んでいたお菓子なら、お茶の時間に故人との思い出話に花を咲かせるきっかけになるかもしれません。
お菓子を選ぶときは、常温で持ち運べるものにしましょう。
遠方からお通夜・葬儀に参列してくださる人もいるので、持ち帰りがしやすいお菓子を選ぶことも、大事な気遣いです。
また、できる限り「個包装」の日持ちする品を選ぶとよいでしょう。
家族の多い方にとっては分けやすく、一人暮らしの方も持て余しづらいため、より親切です。
麺類の詰め合わせ
素麺やうどんなどの麺類の詰め合わせは、使い勝手がよく満足していただきもらいやすい品物です。
中でも、涼しい気分を味わえ、食用が落ちていても食べやすい素麺は、特に夏の香典返しにおすすめです。
長期保存ができること、少量の水ですぐに茹でられることから、近年は非常食としても注目されています。
家族構成や年齢に左右されることなく、贈りやすい品物といえるでしょう。
身近なイメージの食材のため、香典返しには「上級品」や老舗ブランドの品を選ぶのがおすすめです。
お米
もともと香典は、金銭ではなく葬儀に用いる食品を供えていました。
食品の中でも、お米を供えるのが一般的だったこともあり、現代は香典ではなく香典返しにお米を贈られるようです。
日持ちしやすい上に消費しやすいお米は、世代を気にせずに贈れます。選ぶ側としても楽でしょう。
また、お米と一緒にお吸い物や味付け海苔などをセットにして贈るのもおすすめです。
なお、重さがある場合、車で来られていない方には配送するなどの配慮をしましょう。
お吸い物ギフト
香典返しと聞くと落ち着いたイメージを抱きがちですが、少しだけ贈り物らしい高級感を取り入れたい人はお吸い物ギフトを選んでみませんか?
最中の中に具材が入った「お吸い物最中」は、お湯をかけた瞬間に中からパッと具材が広がり、上品な特別感があります。
最中の形は、丸型・花型・四角型などさまざまです。
香典返しの品なので、形・色共に、華やかすぎないものを選びましょう。
おつまみ缶詰
故人がお酒好きな人だったことから、お酒を贈ろうと考える人もいるでしょう。
しかし、お酒はお祝いのイメージが強いため、香典返しではタブーとされています。
お酒好きな故人に関連するものを選びたいなら「おつまみ缶詰」を贈ってみるのはいかがでしょうか?
おつまみ缶詰なら香典返しでマナー違反になることもなく、お酒が飲めない人にも満足してもらえます。
また、即日返しとして用意して数が余ったとしても、長期保存が可能なので困らずに済みます。
ご飯のお供セット
など「ご飯のお供セット」は、万人受けしやすい品物です。朝食はもちろん、弁当や夕食など、好きなタイミングで食べてもらえます。
中には、卵かけ専用の醤油や明太子風味の味付け海苔など、一風変わった商品もあります。
贈る相手の年齢や趣向に合わせて選ぶとよいでしょう。
スープ
若い方にも満足していただきやすい香典返しの品物を贈りたいなら「スープ」を選んでみてはいかがでしょう。
コーンスープやクラムチャウダー、ミネストローネなど、スープの種類は豊富です。
中にはビーフシチューやクリームシチューなど、たくさんの具材が入っているスープもあり、食卓の一品にもなります。
有名ホテルが手掛けたスープや素材からこだわって作られたスープなら、自宅で手軽に、本格的なスープを味わっていただけます。
調味料&食品の詰め合わせギフト
使い勝手のよさを重視したい場合は、調味料がセットになった詰め合わせギフトがおすすめです。
毎日の料理に使用する「しょうゆ」や「みそ」はもちろん、サラダやお肉にかけるだけで一品が完成する「ドレッシング」も気に入っていただきやすいでしょう。
バラエティーに富んだ内容のギフトセットにすれば、いろいろな味を楽しんでもらえます。
好みが寄らないので、幅広い年代に適しているところも魅力の一つです。
一人暮らしの方にも配慮したいときは、使い切りやすい少量ずつのセットを選ぶとよいでしょう。
高級レトルトグルメ
レトルト食品は、「お湯をそそぐだけ」「レンジで温めるだけ」といった簡単調理で、満足感のある一品ができあがるのが魅力です。
忙しい日や、体調が悪い時のための常備食としても重宝するでしょう。
普段はあまり料理をしないという方にも、安心してお渡しできます。
香典返しには、普段使いの品とは違った「高級感」のある品を選ぶのがおすすめです。
大ぶりな具材の入った「高級お茶漬け」や、有名ホテル監修の「おかゆ」などが気に入っていただきやすいのではないでしょうか。
国産タオル
香典返しにおいて「タオル」は、不幸を拭い去る、悲しみを覆うという意味合いから、香典返しの定番商品でもあります。
タオルを贈るときは、有名なタオル産地から選ぶと、贈る人に満足してもらえるでしょう。
今治や泉州で作られているタオルは全国的に有名で、高級感のある上質な肌触りが特徴です。
世代も性別も関係なく贈れるので、参列される方々の年齢が分からないときにも便利です。
豆腐・湯葉のギフト
和食の定番である「豆腐・湯葉」は、栄養満点でヘルシーな食品として知られています。
高たんぱく・低カロリーなので、健康面やダイエット、美容に効果があるとされ、世代や性別を問わずに満足していただきやすい品物です。
豆腐や湯葉は醤油をかけてそのまま食べてもいいですが、手を加えてアレンジできるところも魅力の一つです。
他の食材と組み合わせたり、丼ものにしたり、調理の幅が広いので飽きずに食べていただけるでしょう。
佃煮
佃煮は、小魚や貝などを醤油やみりんで煮詰めたものです。
炊きたてのご飯にのせて食べるのはもちろん、お弁当に入れたり、おにぎりの具にしたりなど、活用の幅が広く、万人受けしやすいでしょう。
ただし、佃煮といっても昆布や鰹節は「おめでたいことがあったときに贈る縁起物」という認識があるため、香典返しには不向きと考えられています。
特に、高齢者やマナーを重んじる目上の人には注意が必要です。
ちりめんやしぐれなど、香典返しでも問題のない食材を使用した佃煮を選びましょう。
パスタ・パスタソース
洋食の消え物ギフトを香典返しの品物にするなら「パスタ」や「パスタソース」も検討してみましょう。
常温でも持ち運べるので、即日返しするときも嫌がられる心配がありません。
パスタとパスタソースがセットになっていれば、それだけで一品料理が完成します。
パスタを茹でてソースをかけるだけと、調理も簡単なので、普段料理をしない方人でも使いやすいでしょう。
カタログギフト

「何を用意したらいいのか分からない…」「失礼のないようにしたい」という思いから、なかなか香典返しの品物が決められずにいる人も少なくないでしょう。
そこでおすすめなのが「カタログギフト」です。
カタログギフトといえば、結婚式の引き出物のイメージが強いかもしれませんが、実は香典返し・弔事用のカタログギフトもあります。
表紙は、折り紙や扇子、手毬を用いるなど、香典返しに相応しい落ち着いた和風のものもあるため仕様になっているため、マナーに厳しい人にも受け入れられやすいでしょう。
カタログを受け取った方貰った側が欲しい商品を自分で選べるので、商品選びに失敗するリスクもなくなり安心です。
▶品選びに迷う方は、香典返し用カタログギフト人気ランキングをどうぞ
【予算3,000円】古くから親しまれている定番の香典返しの品7選
続いて、予算3,000円で購入できる、香典返しの定番7選を紹介します。
香典返しは古くから「不祝儀をいつまでも残さない」という意味を込めて「消え物」を選ぶのが一般的です。
食料品から日用品まで幅広く紹介するので、定番の香典返しの中から選びたい人は参考にして下さい。
梅干し

栄養価が高く、食欲増進や夏バテ防止など、さまざまな効果が期待できる「梅干し」は、香典返しに選ばれやすい品物です。
紀州南高梅などのブランド梅を使用して作られた梅干しは、スーパーで手軽に買える梅干しとは違い、ふっくらした触感と上品な味わいがあります。
梅干しはご飯のお供の定番でもあるため、比較的好まれやすい食べ物ではありますが、酸味が苦手な人もいるかもしれません。
心配なときは、甘くて食べやすいはちみつ漬けの梅干しを選ぶのがおすすめです。
しいたけ
精進料理にも使われる「しいたけ(干ししいたけ)」は、香典返しに適した品物です。
出汁を取ったり、煮物に使ったり、炊き込みご飯に使ったり、佃煮にしたりと、調理のバリエーションが豊富なことからも古くから親しまれています。
大きいしいたけは見栄えがよく肉厚なので、食に強いこだわりがある人にも満足してもらえるでしょう。小さめのしいたけは、使い勝手がよく、さまざまな料理に活用できます。
また、干ししいたけは長期保存がきくことからも重宝されやすいでしょう。
お茶
「仏事にはお茶」という古くからの風習もあり、お茶は香典返しの定番の品物です。
お茶には「境界を区切る」という意味もあり、お葬式やお通夜でよく振る舞われるのは、故人とお別れするためといった意味が込められているからです。
茶葉で贈るのが定番ですが、近年は急須を持っていない家庭も多く見られます。ティーバッグや粉末茶にすると、使い勝手がよいでしょう。
また、お茶請けとして故人が好んでいたお菓子を一緒に贈るのもおすすめです。故人との思い出を語るきっかけ作りになります。
のり
精進料理の食材として使われていた「のり」は、香典返しに相応しい品物です。
のりといっても、焼きのりや味付けのりなどバリエーションが豊富で、味噌汁やふりかけとセットになった詰め合わせギフトもあります。
化粧箱入りの「板のり」は品がありますが、さまざまな家族構成の方にお渡しする香典返しでは「味付けのり」がよい選択でしょう。
おにぎりやのり巻きなど、活用の幅が広く、使い勝手がよいところも魅力の一つです。
保存もきくので、一人暮らしの方も無駄なく使い切れるでしょう。
石けん
「石けん」は香典返しにおいて、悲しみを洗い流すという意味があるため、香典返しに選ばれることが多い品です。
定番の固形石けんをはじめ、液体石けん、こだわりの成分や技法で作られたものまで、近年ではバリエーションが多様化しています。
3,000円で用意する場合は、高級ブランドの石けんや、石けんと入浴剤、洗剤がセットになった品物なども選べるでしょう。
洗剤
香典返しにおいては「洗剤」も、石けんと同じく悲しみを洗い流すという意味があります。
毎日使う消耗品なので、先方に満足していただけるでしょう。
また、洗剤といっても、洗濯洗剤(液体・粉)やキッチン用の洗剤など、バリエーションは豊富です。
中には、肌が弱くて成分を気にする方や、匂いにこだわりがある方もいるでしょう。
オーガニックの洗剤や、万人受けしやすい石けんの香りなどを選ぶのがおすすめです。
入浴剤
寒い冬には「入浴剤」のギフトも、香典返しの品として選ばれています。
温泉系の入浴剤は、草津・下呂・別府など、名湯と呼ばれる温泉を自宅で楽しめるので、旅行気分も味わえることから年配の方に特におすすめです。
若者には、おしゃれなボトルに入ってバスソルト系もよいでしょう。
塩を主成分としているため、血行促進や美肌などの効果が期待できます。
香典返しの気になる疑問
最後に、香典返しの品物を選ぶ際によくある疑問を解決していきましょう。
「こんなとき、どうしたらいいの?」という疑問はこの場で解決し、失礼がないよう対処しましょう。
香典返しの品物は全員に同じものを選ぶの?
香典返しは、香典を下さったさまざまな年齢の方に贈ることになります。
そのため、万人に満足してもらえるものと考えると、なかなか商品が決められないこともあるでしょう。
香典返しの品物は、必ずしも全員同じでなくても大丈夫です。
香典返しの品物は、頂いた香典の金額の半額~1/3の金額になるように選びます。
頂く香典の金額は人によって違うので、忌引き法要後に香典返しを行う場合は、贈る相手の年齢や好みなどに合わせて選ぶとよいでしょう。
ただし、香典返しを葬儀当日の即日返で行う場合は前もって準備しておかなければいけないので、全員同じ品物になるケースがほとんどです。
品物に迷う場合は、定番品やカタログギフトを贈ると、好みが分かれず安心です。
郵送してもいいの?送料は含める?
本来、香典返しは直接手渡しをするものでした。しかし、時代の流れと共に郵送で贈るのが一般的になっています。
郵送する際は「お礼状」を添えます。四十九日法要を無事に終えたことや、郵送で贈ることに対するお詫びなどを伝えましょう。
送料に関して、予算の金額に含める・含めないは、個人の判断に委ねられます。
どちらが正しいということはないので、マナー違反になることはありません。
香典を遅れて頂いた場合は?
香典を遅れて頂いた場合でも、お返しするのは当然のマナーです。
香典返しの予算や品物を選ぶ基準などに変わりはありませんが、お返しの時期には気を付けるようにしましょう。
香典を頂いた時期が忌明け前(四十九日前)の場合は、通常通り、忌明け後にお返しします。
しかし、香典を頂いた時期が忌明け後の場合は、受け取ってから1週間~10日以内を目安に、速やかにお返ししなければいけません。
「忙しくて忘れていた…」などという失礼のないよう、早めに対応しておくと安心です。
▼後からもらった香典のお返しについてお困りの方はこちら▼
納得のいく香典返しの品を見つけよう
香典のお礼としてお返しする香典返しの品物は、納得のいくものを選びたいものです。
お茶やのり、石けんなどの定番の品物を贈る場合でも、近年のライフスタイルに合ったものを選び、受け取った方が使いやすいような心配りができるとよいでしょう。
また、先方の年齢や食の好みに合わせたものを贈るのもおすすめです。
金額だけでなく、マナーや年齢、相手のことを考えて香典返しの品を選ぶのは大変なものです。受け取った方にが好きなものを選んでいただける「カタログギフト」も検討して、負担にならない範囲で納得の品を見つけましょう。