「出産内祝いののし紙には赤ちゃんの苗字も書くのかな?」「命名札の書き方ってどうするの?」
いただいた出産祝いへのお返しを準備するとき、新米パパ・ママならこんな疑問にぶつかるはず。
出産祝いや内祝いは人生を代表する正式な慶事ですから、贈り物ののし紙に赤ちゃんの名前を書く際にはマナーに沿ったものにしましょう。
また、めったに使うことのない「命名札」についてもこの際しっかり確認しておきましょう。
今回の記事では、出産内祝いののし紙の作法や命名札との使い分けについてご紹介します。
出産内祝いにはのし紙と命名札を
命名札とは赤ちゃんの生後7日目を祝う「お七夜」の行事で使うもので、名前をお披露目するためのお札です。
短冊のような形式の紙に名付けた名前を書き(生まれた日を添える場合もあり)、家の神棚や台所などの目立つところに飾ったり、内祝いに添えて親族に贈るなどが伝統的な使い方です。
命名札の扱いは地域によって異なり、のし紙ほどはっきりとしたルールはないようですが、命名札をつけることによって赤ちゃんの名前をお披露目できるため、出産内祝いと一緒に贈ることをおすすめします。
命名札の添え方は、贈り物にのし紙を付けた後、左上に貼り付ける方法が一般的です。地域によっては命名札をのし紙の下に挟む、もしくは贈り物の箱の中に入れる場合もあるようです。
一方、のし紙は正式な贈り物であることを表すものですから、「あらたまった贈答品には必ずのし紙を付けるのがマナー」と覚えておきましょう。
地域別の命名札の書き方、関東・広島・岡山
命名札は地域によってそれぞれ使い方に違いがあり、赤ちゃんの名前と苗字の書き方も変わります。
ここでは3つの地域を参考に、のし紙と命名札の書き方をご紹介します。
・関東地方……のし紙には赤ちゃんの下の名前だけを書き、命名札には苗字+名前を書くことが多いようです。
・広島県……赤ちゃんの苗字をのし紙に、下の名前を命名札に書きます。
・岡山県……のし紙には苗字も名前も書きません。命名札にだけ苗字と名前を書く方式です。
他にも、地域によってさらに違うルールがあることも考えられますので、両親や親族など、地域の慣習をよく知る人に確認すると良いでしょう。
命名札は赤ちゃんの苗字+名前が基本
一般的に、のし紙には赤ちゃんの下の名前だけを書きますが、命名札ならフルネームを書くことができます。
どちらも下の名前にはきちんとふりがなをふってお披露目することを忘れないでください。
命名札とのし紙の表記の仕方は、地域の習わしによって異なりますが、特にルールがなければのし紙に名前、命名札に苗字+名前を書く形にすれば問題はないでしょう。
最近では可愛いデザインの命名札も出回っているので、親しい友達に送るならポップなものを選んでもいいですね。
双子の赤ちゃんなら2枚用意しよう
双子の赤ちゃんが生まれた場合は、命名札を2枚用意しましょう。
双子の名前それぞれをお披露目して覚えてもらうためなので、1枚にまとめてはいけません。また、2枚ともフルネームで書いてください。もちろん、出産内祝い全てに2枚ずつ添えて贈りましょう。
命名札は2枚必要ですが、贈り物に付けるのし紙は1枚に二人の名前をまとめて書きます。一般的に、兄(姉)を右側、弟(妹)を左にします。
のし紙には赤ちゃんの下の名前を
出産内祝いののし紙には、赤ちゃんの下の名前と苗字どちらを書くべきか? 結論から言うと、基本は下の名前だけです。
命名札と違い、出産内祝いののし紙には下の名前だけを書くのが一般的です。
ただし、これも地域によってルールが変わるので事前に周囲の年長者に確認したほうが無難でしょう。
そもそも出産内祝いを贈る目的は、「いただいたご祝儀へのお返し」、「幸せのおすそわけ」、そして「赤ちゃんの紹介」の3つがあります。
のし紙に下の名前を書くのは、生まれてきた赤ちゃんの名付けを相手にお披露目する役割があるためです。
のし紙に書く名前にも必ずふりがなを
出産内祝いののしに赤ちゃんの下の名前を書くときは、どんなに読みやすい名前であっても必ずふりがなをふりましょう。
特に当て字で名づけた場合は、間違ったまま覚えられないように注意しなければなりません。
さらに、内祝いに添えるメッセージに名前の読み方や名づけた由来を書いておくとより印象に残るでしょう。
地域によってはフルネームで書くことも
のし紙には赤ちゃんの名前だけを書くのが一般的ですが、地域によっては常識が変わります。
名前だけを書く地域、フルネームで書く地域がそれぞれあり、誤って贈ると相手に違和感を持たれるかもしれません。
後述しますが、のし紙に苗字も名前も書かず、命名札にだけフルネームを書くという地域もあります。
のし紙を用意する前に、必ず両親や親族に地域の慣習を確認しましょう。
出産内祝いののし袋・のし紙マナー
のし紙を書く時の基本的なマナーを押さえておきましょう。
のし袋やのし紙のチョイスと書き方を間違えると大変失礼になってしまうので、贈る前にここは必ずチェックしてください。
1.出産内祝いの水引は5本の紅白蝶結びがベスト
出産内祝いにつけるのし紙は、水引(飾り紐)が5本、カラーは紅白、蝶結び(花結び)のものを選びましょう。
紅白は慶事の贈り物に使われるカラーです。白黒の水引は弔事用なので、出産にまつわるお祝いごとでは絶対に使ってはいけません。
蝶結びの水引はほどけても何度も結び直せることから「何度起きても喜ばしい」という意味が込められています。
子宝に恵まれることが多いほどめでたいので、出産内祝いには蝶結びが適しているのです。
蝶結びの他にも「結び切り」「あわじ結び」などと呼ばれる水引がありますが、これらは「一回きりでいい慶び事」である結婚式や快気祝いに使うので、出産内祝いにはふさわしくありません。
さらに、水引の本数にも注意しましょう。出産内祝いの場合は、品物の場合も、相場の現金を贈る場合にも、5本の水引を使うのが適当とされています。
水引には3本・5本・7本・10本と異なる種類があり、数が多いほど豪勢なお祝いになります。内祝いには相手へのお返しという意味も込められているので、本数が多すぎると不釣り合いな印象になってしまいます。
それなりに高価な贈り物なら7本を選ぶこともあり得ますが、10本は婚礼用なので、どれだけ高価でも付けるべきではありません。
2.表書きは「内祝」、もしくは「出産内祝」
出産内祝いののし紙の表書き(お祝いの名目の部分)は「内祝」、もしくは「出産内祝」と書きましょう。
ただし、中には文字数を気にして、出産内祝の4文字を好まない人もいます。4という数字で「死」と深読みしてしまうからです。その場合は、2文字の内祝にそろえるのが無難かもしれません。
また、「御礼」という表書きは避けてください。御礼という表現には「贈り物をもらったからお返しします」という義務的な意味が含まれるので、赤ちゃんの紹介である出産内祝いにふさわしくありません。
3.出産内祝いは「内のし」を選ぼう
のし紙を品物に直接つける「内のし」、包装紙の上からつける「外のし」、この二つの使い分けルールは特にありません。しかし、出産内祝いでは「内のし」を選ぶ人が多いようです。
理由は2つあります。1つ目は、配送サービスで品物を送る時にのし紙を傷つけないためです。手渡しする時なら、外のしが破れてもつけ直すことができますが、配送だと一度破れたらつけ直せません。そのため、赤ちゃんの名前の入ったのしを内側につけ、外側の包装紙が万一破れても傷がつかないようにするのです。
2つ目の理由は、控えめな印象を与えるため。のしを見せることは、「贈り物感」のアピールにつながります。しかし、そもそも出産内祝いは返礼品なので、内側にのしを付けて控えめな印象にするほうが好ましいと感じる人が多いようです。
厳格な決まりはありませんが、出産内祝いに限らず、返礼品は内のしで付けることが一般的です。
4.赤ちゃんの名前は水引の結び目の下に
赤ちゃんの名前を書く場所は、水引の結び目の下の「名入れ」と呼ばれる部分です。
結び目と紙の下部、ちょうど中心あたりに書くとバランス良く綺麗に見えるでしょう。名前は縦書きで、ふりがなは名前よりも小さく横に書いてください。
まとめ
出産内祝いは、出産祝いを贈ってくれた人への感謝の気持ちと、赤ちゃんの紹介も兼ねた贈り物です。
内祝いの品には必ず赤ちゃんの名前を書いた紅白蝶結びののし紙を付けましょう。さらに、赤ちゃんの名前をお披露目するには命名札も添えて贈るのがおすすめです。
ただし、地域によって名前の書き方などが違うことがありますので、先に周囲の人に確認したほうが無難です。
内祝いの品を扱うギフトショップでは、のし紙・命名札・包装紙・メッセージカードなどの無料サービスを行っているところがあり、特に最近では赤ちゃんらしい可愛いデザインのものが人気を集めています。
内祝いを購入するときには贈り物だけでなく、これらの包装オプションがあるかどうかもチェックしておけば、満足できる贈り物が選べそうですね。
赤ちゃんがすくすく成長するように願いを込め、みんなの祝福に応える素敵な内祝いを贈ってくださいね。