お茶は、香典返しの定番品です。
定番だからこそ、先方が「ありきたりな品物だな」と感じないお茶を贈りたいものです。
お茶の選び方のコツを知って先方にご満足いただけるものを贈れば、お相手に感謝の真心が伝わるでしょう。
この記事では、香典返しにお茶を贈る際のポイントをご紹介します。
香典返しのお茶を選ぶ時間がない場合の解決法も記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
香典返しにお茶がふさわしいのはなぜ?選ばれる理由
お茶は、かつて敷地の境目に植えられたことから「境界を区切る」という意味を持っています。
弔事においては「この世からあの世へ境界を超えて旅立つ、故人とお別れをする」という思いを込めて古くから贈られてきました。
消費してなくなる「消えもの」であるため、「不祝儀をあとに残さない」という弔事のマナーにも合致しています。
たいていの品物が6ヶ月から1年ほどと日持ちすることも、定番とされてきた理由の一つでしょう。
お茶にはリラックス作用などの健康効果も期待できるため、高齢の方や健康志向の方への香典返しにも好適です。
香典返しにお茶を選ぶときのポイント
お茶にはさまざまな種類があるため、香典返しにどのような品を選べば失礼がないのか悩むのではないでしょうか。
お茶を選ぶときのポイントや注意点を解説します。
パッケージや包装紙が派手すぎないものを選ぶ
香典返しには、なるべく控えめな包装のお茶を選びましょう。
華やかなパッケージや包装紙のものは、香典返しにはふさわしくないとされています。
長寿を表す鶴亀など、縁起物の外装も慶事を連想させるため、香典返しには不向きです。
お茶を購入する際は、店舗や通販サイトで事前にパッケージ・包装紙を確認しておくのがおすすめです。
店舗で買い物するときは、香典返し用に選ぶ旨をスタッフに伝えると、先方に失礼のない包装の体裁を提案してもらえるでしょう。
普段使いより高級感のある品を選ぶ
お茶はとても身近で、普段から親しんでいる人も多い飲み物です。
列席者への感謝を伝える香典返しには、普段使いのお茶とは一線を画す品格のある品物を選びましょう。
味や香りに高級感のある、有名な産地・ブランドのお茶が好適です。
【相手別】満足してもらえるお茶の種類
贈りやすいお茶の種類を「相手別」に紹介します。
ひと口に「お茶」といってもその種類はさまざま。
満足してもらいやすい品物は相手によって違ってきますので、ぜひ参考にしてください。
お世話になった方|品のある「茶葉」タイプ
目上の方やとくにお世話になった方には、茶葉タイプのお茶が最適です。
専門家が監修した品や、見た目も美しい缶入りなど、贈答品らしい高級感のある品物が数多くあります。
お茶を淹れる工程にひと手間かかりますが、数杯分まとめて淹れられるため、よくお茶を飲む方にとってはむしろ便利な品物です。
若い方|急須のいらないティーバッグ
若い世代には、自宅に急須を置かない方も増えてるため、お茶を贈るには配慮が必要です。
ティーバッグ型のお茶であれば、急須を持っていなくとも手軽に飲んでもらえるでしょう。
香典返しを葬儀当日に返す場合も、相手に合わせて贈り分けできないため一律でティーバッグ型を贈る方が親切です。
お菓子が好きな方|お茶とお菓子のセット
親しい間柄で好みをよく知っている方に香典返しを選ぶこともあるでしょう。
先方が甘いものをお好きなら、スイーツとお茶のセットがおすすめです。
一例として、次のような組み合わせが挙げられます。
なお、お相手の好きなタイミングで召し上がれるよう、なるべく賞味期限の長いお菓子を選ぶのが基本です。
おしゃれな紅茶の香典返しも人気
香典返しには緑茶が選ばれることが多いですが、紅茶も好適とされています。
洋菓子が好きな方には、日本茶よりも紅茶とスイーツを贈ると満足してもらいやすいでしょう。
紅茶は「ノンカフェイン」や「デカフェ」タイプが充実しているため、カフェインを制限している方に送りやすい品も見つかります。
若い方や忙しい方に贈るなら、日本茶と同じく手軽なティーバッグタイプがおすすめです。
香典返しに選びたいお茶の産地は?
お茶といえば静岡県のイメージが強いですが、静岡県以外にも全国に名産地があるのをご存知でしょうか。
産地それぞれに、お茶の香りや味わいの特徴があります。
以下で、香典返しに選びたいお茶の産地や、どのような方におすすめなのかをご紹介します。
静岡茶
生産量が国内トップの静岡茶。日常的に親しまれている煎茶や、色が濃い深蒸し茶の生産がメインです。
地域によって「本山茶」や「川根茶」といったブランド茶も生産されています。
主な静岡茶の種類と特徴は、以下のとおりです。
- 本山茶:香りが爽やかで口当たりもよい
- 川根茶:甘みがありながらも主張しすぎない味
- 掛川茶:渋みを抑えたマイルドな味わい
特に川根茶は高級品として知られているため、お世話になっている上司など目上の方におすすめです。
かごしま茶
かごしま茶は、生産量が全国第2位。鹿児島県の暖かい気候により、日本で最も早く新茶が生産されます。
鹿児島県では「ゆたかみどり」や「さえみどり」など、数種類の品種が栽培されています。
代表的なかごしま茶の品種と特徴は、以下のとおりです。
- ゆたかみどり:濃厚なうまみとコクがある
- さえみどり:まろやかで甘みのある味わい
- あさつゆ:甘み・渋みともに強い個性的な味
若い世代への香典返しには、渋みが少なく飲みやすい「さえみどり」を選ぶのがおすすめです。
伊勢茶
伊勢茶は、静岡茶・かごしま茶に続いて、生産量が全国第3位です。
独特の方法で栽培される「かぶせ茶」の生産量は日本一。摘み取りの2週間ほど前からお茶の木に日光を当てずに育てます。
伊勢茶には、主に次のような種類があります。
- 煎茶:うまみと渋みのバランスがよい
- かぶせ茶:苦みが少なくまろやかな味わい
- 深蒸し茶:苦みを抑えながらも、濃厚でマイルドな味
年配の方へのお返しには、一般的な煎茶との飲み比べを楽しめる「かぶせ茶」がおすすめです。
宮崎茶
生産量が全国第4位の、宮崎茶。煎茶の他に「蒸し製玉緑茶」や「釜炒り茶」が生産されています。
蒸し製玉緑茶は、蒸気で蒸して作られており、茶葉が丸みを帯びているのがポイント。釜炒り茶は名前のとおり、高温の釜で炒って作られます。
それぞれのお茶には、次のような特徴があります。
- 蒸し製玉緑茶:お茶本来の味を活かした渋みの少ない味
- 釜炒り茶:まろやかな味わいで、香ばしい香り
香り豊かな釜炒り茶は、水出し茶として味わうのもおすすめ。
特に夏場の香典返しには、水出しがしやすいティーバッグ型の釜炒り茶を選ぶとよいでしょう。
宇治茶
生産量が全国第5位の宇治茶は、京都の高級茶として知られています。煎茶以外に、抹茶の原料となる「てん茶」や玉露の生産も盛んです。
宇治は玉露の発祥の地。玉露は20日以上もお茶の木に日光を当てずに、手間をかけて育てます。
宇治抹茶と宇治玉露の特徴は、以下のとおりです。
- 宇治抹茶:特有の香りがあり、苦みが抑えられた味
- 宇治玉露:甘みやうまみが強く、奥行きのある香り
一人暮らしの方や年配のご夫婦には、上質な宇治抹茶や宇治玉露を少なめの量で贈るのがおすすめです。
飲む以外でのお茶の使い道
香典返しに選ばれることが多いお茶は、飲む以外にもさまざまな活用方法があります。
代表的な使い道は、お茶漬けにして食べること。
お茶漬けにする食材とお茶の組み合わせとしては、以下のようなものがおすすめです。
- 漬物・塩昆布などのあっさりした食材には、主張しすぎない煎茶
- 天ぷら・まぐろの漬けなどのこってりした食材には、風味が強い玉露や高級煎茶
また、普段の生活で役立つアイテムとしても、お茶の使い道があります。
一例として、次のようなものが挙げられます。
- 消臭剤代わりに、空き容器に茶葉を詰めて冷蔵庫に入れておく
- 入浴剤代わりに、ティーバッグに詰めた茶葉の香りでリラックス
もし先方がお茶を余らせてしまった場合でも、飲む以外での方法で活用していただけることが、香典返しにお茶を贈るメリットの一つです。
【香典返しに「お茶漬け」を贈る手も】
香典返しのお茶を選ぶ時間がないときには「カタログギフト」
香典返しのお茶は相手によって贈り分けをしたいところですが、葬儀の前後はせわしないものです。
なかなか品物選びの時間が取れないことは往々にしてあります。
また、いただいた香典が高額で、お茶だけでは予算に満たないというケースもあるでしょう。
そうした時には、弔事用カタログギフトも検討してみてはいかがでしょうか。
カタログギフトには、緑茶の詰め合わせやおしゃれな紅茶のセットなど、香典返しにふさわしいお茶が掲載されています。
また、お茶だけでなく高級グルメやブランド雑貨なども選べるので、先方に気に入っていただける返礼品が贈れるでしょう。
カタログギフトで香典返し選びの時間を短縮
弔事用カタログギフトは予算に合うものが見つかりやすいため、香典返し選びにかかる時間を短縮できるメリットがあります。
2,000円台から50,000円台を中心に、幅広い価格のカタログギフトが販売されています。
昨今では以下のような特色のあるカタログギフトも多く登場しています。
- 日本国内の厳選したグルメや伝統工芸品を掲載した総合カタログ
- オーガニックの食品やナチュラル系のコスメをセレクトした女性に人気のカタログ
- 航空会社のネットワークを活かしたワンランク上のグルメを集めたカタログ
「GiftA(ギフタ)」なら香典返しがスムーズに贈れる
ギフト専門店「GiftA(ギフタ)」には、香典返しにふさわしいカタログギフトが豊富に揃っています。
また、カタログギフトの包装紙や掛け紙(のし紙)が無料で選べるので、先方に失礼のない体裁で香典返しをネット直送することが可能です。
さらに、カタログギフトには挨拶状・メッセージカードを無料で同封可能。
挨拶状・メッセージカードには、文例(テンプレート)も用意されています。
挨拶状の文章を自分で考えている時間がない方でも、香典返しにお礼の言葉をすぐに添えられます。
香典返しにお茶を贈って感謝の気持ちを伝えよう
いただいた香典への感謝を伝える香典返しに、「消えもの」であるお茶はふさわしい品です。
今回ご紹介した選び方を参考に、先方の好みに合わせたお茶を贈りましょう。
故人に縁のある土地がお茶の名産地であれば、その産地の品を選ぶのも人柄が偲ばれておすすめです。
またじっくりお茶を選ぶ時間がない場合や、お茶だけでは予算に満たない場合は、弔事用カタログギフトも合わせてご検討ください。