結婚祝いをくださった親戚へお返し(内祝い)を贈る際の、マナーや品選びについて解説します。
一口に親戚といっても、おじ・おば、いとこなど、年齢層や関係性はさまざま。
いざお返しを準備しようとすると、「何が喜ばれるのか」「相場はどれくらいか」と、いろんな疑問がわいてくるものです。
また、親戚間の贈答シーンでは「予想外に高額なお祝いをもらってしまった」など、判断に迷うケースもよく起こり得ます。
いただいた結婚祝いへの感謝を伝え、今後も身内と良いお付き合いを続けていくために、今回ご紹介する情報をぜひ参考にしてください。
目次
親戚から結婚祝いをもらったらお返しルールを確認
結婚式に招いた親戚からご祝儀をもらったら、基本的にお返し(内祝い)は必要ありません。
結婚式での食事や引き出物が、ご祝儀へのお返し代わりとなるからです。
しかし、以下のケースでは結婚祝いに対するお返しが必要です。
- 結婚式を挙げなかったが結婚祝いをもらった
- 結婚式に招待しなかったが結婚祝いをもらった
- ご祝儀とは別に結婚祝いの品物をもらった
上記に当てはまる場合はお返しの品(結婚内祝い)を贈りましょう。
お返し金額は、一般的に「もらった結婚祝いの半額(半返し)~3分の1」とされます。
親族間のルールがある?! お返しする前にチェック
ただし、親戚から結婚祝いを贈られた場合は、お返しする前に「一般的な対応でも大丈夫なのか」を、一度両親に相談することをおすすめします。
中には、冠婚葬祭で包む額について、親族間でルールを決めているケースもあるからです。
妻側になくても、夫の親戚にはイレギュラーな対応が必要になる場合も。もちろんその逆もしかり。
両親(義両親)に相談すれば、以前に親族間で贈り物をやり取りした際の情報を教えてもらえるかもしれません。
「前は多めにいただいたから、次はこちらも多めに」など、事前に踏まえておきたい情報が出てくることも。
新婚夫婦の判断だけで決めてしまう前に、両親の意見も聞いてお返し予算の参考にしましょう。
親戚への結婚祝いのお返しで「よくある疑問」をまとめて解決!
「結婚祝いへのお返し(内祝い)を贈るべきケース」は以下の場合です。
- 結婚式を挙げなかったが結婚祝いをもらった
- 結婚式に招待しなかったが結婚祝いをもらった
- ご祝儀とは別に結婚祝いの品をもらった
ただし、相手が親族だと、結婚祝いが予想外に高額だったり、「近しい仲だから内祝いは要らないよ」と言われてしまったりと、判断に迷う事態が起こりがちです。
以下の段落で、一般的な内祝いのマナーや親族への内祝いに関して「よくある疑問」をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
Q:親戚へのお返し金額は年上・年下で違う?
お返し(内祝い)は、「もらった結婚祝いの半返し(半額)~3分の1程度」が基本です。
この範囲内で、相手との関係性によってお返し予算を判断します。
親戚へのお返しの考え方として、
「自分より年上なら甘えさせてもらって少なめに。年下なら余裕を見せて多めに」
を一つの規準にするとよいでしょう。
たとえば、自分と同世代かそれより若い世代へのお返しなら、お返し予算は多めの「半返し」にします。
自分と同世代の判断は、「年の差が5歳前後まで」を目安にするといいでしょう。
一方、世代が上の親戚には「もらった結婚祝いの3分の1~4分の1程度」のお返しでも問題ないとされています。
Q:親戚から高額の結婚祝いをもらった! お返しは?
年配の親族から10万円を超えるような高額な結婚祝いをいただくケースもあるようです。
その場合、お返し予算はもらった額の3分の1~4分の1程度で考えましょう。
目上の方へのお返しをあえて控えめにすることは、お相手を立てることにもつながります。
幼いころから自分をかわいがってくれた祖父母・おじ・おばが、「2人の新婚生活に役立ててほしい」と、高額な結婚祝いを贈るのはよくあること。
年長の親族からの親心に対して「世間並みに対応しなければ」と背伸びをする必要はないという考え方が一般的です。
一方、温かい心遣いに対し、きっちり半返しをすると、お相手に「他人行儀だな」と寂しい思いをさせてしまうかもしれません。
結婚祝いは素直にありがたく受け取った上で、お相手を新居に招待しておもてなしするなど、お返しとは別の形で真心を込めて感謝を伝えるといいでしょう。
Q:結婚祝いは品物でもらった。お返しはいくらにする?
親戚からの結婚祝いとして、夫婦2人の欲しいものをプレゼントされることもあります。
結婚祝いを品物でもらった場合は、品物の値段額を調べてからお返しの予算を決めましょう。
贈り物の値段を調べるのはちょっと気が引けるかもしれませんが、相場から大きく外れた内祝いを贈る方が失礼に当たります。
品物の値段は購入店によって違うこともあるため、公式価格である「定価」をインターネットなどで確認しておくと安心です。
Q:結婚祝いのお返しを贈るタイミングは?
結婚祝いのお返し(内祝い)を贈るタイミングは、「挙式から1ヶ月以内」がマナーとされています。
早めに結婚祝いをもらった場合も、お返しを贈るのは挙式後で問題ありません。
入籍のみの場合は、結婚祝いをもらってから1ヶ月以内、もしくは入籍後1ヶ月以内を目安にお返しを贈りましょう。
Q:「お返しは要らない」と言われたけど、本当にそれでいい?
付き合いの深い気心知れた親戚から「お返しは要らないよ」と言われたのに、無理してお返しをすると水臭いと思われるおそれがあります。
そのため、言われた通り内祝いを贈らなくても問題はないでしょう。
ただし、感謝をしっかり伝えることは忘れないでください。
丁寧なお礼の手紙を書いたり、新婚旅行のお土産を持って訪問するなど、きちんとお礼を述べる機会を設けましょう。
なお、人によっては社交辞令で「お返しは要らない」と言っているケースもあります。
その場合はやや抑えめの予算で「ほんの気持ちです」とお返しを贈る対応が無難でしょう。
相手の言葉が社交辞令かどうか判断がつかない時は、両親などに相談してみることをおすすめします。
Q:お返しの品にリボンをかけてもいい?
結婚祝いのお返し(内祝い)は、人生の大きな節目に関係するフォーマルな贈り物です。
普段から仲良しのいとこなど、同年代の親戚でも、大人のけじめとして正式な贈答マナーを守りましょう。
結婚内祝いの品には、必ず「のし(熨斗)紙」を掛けます。
ちなみに、のし紙に印刷された「水引」が和風リボンのような役割をしているため、別途リボンをつける必要はありません。
結婚内祝いにふさわしいのし紙を使うことも、重要なマナーです。
以下の記事で結婚内祝いののしマナーについて詳しく解説しているので、そちらもあわせてご覧ください。
Q:結婚祝いのお返しは郵送してもいいの?
結婚祝いのお返しを贈るときは、お相手に直接手渡しするのが正式な対応です。
親戚に直接会ってお礼を述べつつ手渡しすることで、お相手に誠実さが伝わるだけでなく、自分の親の顔を立てることにもつながるでしょう。
ただし、親戚が遠方に住んでいるなど直接訪問できない場合は、お返しの品を郵送しても問題ありません。
その際、モノだけを送りつけると失礼な印象を与えてしまいます。ぜひ丁寧なメッセージカードや手紙を添えて、贈り物とともに感謝の言葉を伝えましょう。
手紙には以下の要素を盛り込むとまとまりやすいので、参考にしてください。
- いただいた結婚祝いへの感謝
- 新しい生活への抱負
- 今後も変わらぬお付き合いをお願いする挨拶
- 新居の住所や連絡先
Q:結婚内祝いに贈るのがタブーの品は?
基本的に、以下のアイテムは結婚祝いの贈答品として縁起が悪いとされています。
- 陶器・鏡・・・割れる、壊れるため
- 包丁・・・縁が切れることを連想させるため
- お茶・白いハンカチ・・・弔事の贈答に使われるイメージが強いため
- 靴下・スリッパなど足で扱うもの・・・「相手を踏みつける」の意味があるため
この他、現金や商品券を贈る行為は相手に「家計の足しにしてください」というメッセージだと受け取られることもあり、「目上の人に贈るのは失礼」とされます。
最近は若い世代を中心に、これらの縁起を気にしない人も増えています。しかし、年配の方はしきたりを気にする傾向があるので避ける方が無難でしょう。
その一方で、一般的には内祝いにタブーとされていても、お相手が喜ぶとわかっているものなら問題ないこともあります。
相手の好みをよく知っている親しい親戚には、柔軟な判断で対応するとよいでしょう。
若い世代の親戚に喜ばれるお返しギフト
いとこなど若い世代の親戚に喜ばれる「結婚祝いのお返しに人気の品」をご紹介します。
年齢の近いいとこや、自分の兄弟姉妹・義理の兄弟姉妹の世代に喜ばれそうな品をピックアップしました。
家族構成や好みを踏まえながら、ギフト選びの参考にしてみてください。
子供も楽しめる「スイーツギフト」
子育て中の親戚なら、見た目がかわいいスイーツが喜ばれるでしょう。
相手の好みや家族構成に合わせたお菓子を贈れば、選んだあなたの気遣いが伝わるはず。
少人数家族へ贈る場合は、賞味期限が長い個包装のお菓子にする気遣いも大切です。
相手の好みがわからないときは、スイーツ専門のカタログギフトを贈るという手も。
流行りものが好きな若い世代の親戚なら、SNSなどで話題のスイーツをチェックしてみるとヒントが見つかるかもしれません。
おかずや酒のおつまみにもなる「加工食品ギフト」
子育て世帯への結婚内祝いには、高級ラインの加工食品も喜ばれます。
たとえば、ハムやソーセージなど、お肉系の加工食品の他、かまぼこやちくわなどの水産物系、ジャムやジュースなどの果実系などがあります。
加工食品は、ギフトとしては地味な印象を与えるケースも。結婚内祝いらしい華やかさを演出するには、普段自宅用に買わないような高級食材のものを選ぶのがコツです。
お酒のおつまみや晩ご飯の一品、質素になりがちなお昼ご飯のおかずにも重宝してもらえるほか、子どものお弁当にも活用してもらえるでしょう。
日ごろ味わえない上質な「お酒ギフト」
いとこなど同年代の親戚は、仕事や育児で忙しい人が多い世代。
「お酒は好きだけど、忙しくて宅飲みがメインになっている」という親戚なら、お酒のギフトも喜ばれそうです。
相手の好きなお酒の中で、少し高級なものを選ぶのがコツ。たとえば高級ワインなら、一般的に予算1万円前後が目安となります。
日常的に気軽に楽しんで欲しいなら、価格を抑えて1本3000円程度のワインを紅白セットで贈ったり、ワイングラスとセットで贈るのもよいですね。
ビールを内祝いにするなら、おしゃれなデザインで華やかさのあるクラフトビールがおすすめ。飲み比べセットを贈ればビール好き夫婦にきっと喜ばれるはずです!
日々の暮らしを彩る、ワンランク上の「日用品」
いくつあっても困らないタオルなどの日用品も、結婚祝いのお返しの定番品。
若い世代はスポーツジムやアウトドア、子どもとのお出かけなどでフェイスタオルを使う機会が多いもの。
シンプルなデザイン・落ち着いた色なら、場所や好みに関係なく使ってもらいやすいでしょう。
結婚祝いのお返しに贈るなら、自宅用に買わないような高級ブランドのタオルで、オーガニックコットンなど上質素材にこだわって選んでください。
きっと日常生活の中で少し贅沢な気分を味わってもらえるでしょう。
スキンケアアイテムとタオルをセットにしたものや、北欧ブランドなど、使い心地とデザイン性の高さを両立したタオルが若者世代に好評です。
食べ盛りのお子さんがいる家庭には実用的な「お米ギフト」
食べ盛りのお子さんがいる親戚のご家庭には、高級米のギフトが実用的で喜ばれます。日常的に消費し、後に残らない「消え物」である点もお返しギフト向きです。
「米」は「八十八」を組み合わせた文字なので、「末広がり」の八とかけて縁起の良い贈り物。これも結婚祝いのお返しに選ばれる理由です。
高級ブランド米でラッピングも華やかにすれば、ギフトらしさ十分。数種類のブランド米の食べ比べセットなら、食感や味の違いを楽しんでもらえるでしょう。
働き盛り・食べ盛りの家族がいるご家庭は、お米の消費量も多いはず。きっと喜んでもらえますよ。
贈る季節に合った「高級フルーツ」
季節に合わせた高級フルーツも、若い世代の親戚におすすめの贈り物。
たとえば美容に気を遣っている若い女性や、小さな子供のいるファミリーには、ビタミン豊富でヘルシーなフルーツが喜ばれます。
ただし、注意点としてフルーツは基本的に日持ちしません。配送サービスを使って贈るなら、事前に相手にその旨を伝えて受け取ってもらう必要があります。
日持ちが気になるときは、シロップで煮たコンポートやフルーツの高級缶詰も検討してみてください。
年配の親戚向けに喜ばれる結婚祝いのお返しギフト
祖父母・おじ・おばなど、年配の親戚向けに喜ばれるお返しギフトを紹介します。
年配の親戚の場合、健康に気を遣っている方や、1人暮らしの方もいらっしゃるでしょう。高齢者層へのギフトを選ぶなら、相手のライフスタイルを考慮することも重要なポイントです。
毎日の料理が楽しくなる「調味料ギフト」
年配の親戚に喜ばれるギフトとして、上質な調味料が挙げられます。
年齢を重ねると、健康のために食生活に気を付けていたり、医師から食事について何らかの制限を受けていたりすることが多いもの。
そんな方には上質な天然素材を使った調味料やお出汁のセット、野菜がおいしくなるヘルシー素材のドレッシングなどが喜ばれるでしょう。
日々の食事が健康的になる上に、華やかな彩りも加わりそうです。
料理が趣味の親戚には、高級な調味料セットをプレゼントすると、「これで腕を振るってくださいね」「また手料理を楽しみにしています」というメッセージにもなりそうです。
種類が多く選びやすい「海の幸ギフト」
年配で1人暮らしをしている親戚へのお返しギフトには、ご飯のお供になる海産物を贈るのもおすすめです。
高級ブランドものの明太子、海苔の佃煮、干物や焼き魚など、焼くだけで食べられる海の幸も手軽で喜ばれます。
高齢者の1人暮らしだと、自分だけのために3食作るのがおっくうで、食生活が質素になりがち。
食事の一品としてすぐに活躍する海の幸のおかずは、きっと重宝してもらえるでしょう。
注意点として、年配の親戚だと舌が肥えていることが多いもの。品質にこだわった、ギフトらしい華やかなパッケージのものを選んでくださいね。
インパクトが大きい! 豪華な「お肉ギフト」
高級志向でグルメな親戚に贈るお返しギフトなら、インパクトのある高級なお肉ギフトがぴったりです。
有名ブランド和牛など普段なかなか口にすることがないお肉は、舌の肥えた世代の親戚にも満足してもらえるはず!
お肉ギフトにはステーキ・ローストビーフ・ハンバーグ・すき焼き用など、さまざまな選択肢があります。
年配でお肉好きの方へ贈るときは、
「最近歯が弱ってきているそうだからできるだけ柔らかい部位を」
「健康に気を遣っているから脂身の少ないお肉を」
というふうに、先方の身体を気遣いながらぴったりの部位を選ぶといいでしょう。
ハイブランドのアイテムを取り扱う「高級カタログギフト」
50代、60代のミドル・シニア世代の親戚には、ハイセンスなアイテムが選べるカタログギフトを贈るという手もあります。
ミドル・シニア世代は比較的経済力があり、物を見る目の肥えている方が多いでしょう。身の回りのモノへの好みがはっきりしている方もいらっしゃいます。
また、必要なものはたいていすでに持っている世代でもあるため、贈る側としては
「あの人には何を贈れば喜ばれるだろう?」
と悩みがち。
相手の好みがわからない場合は、こちらで品物を選ぶよりも、高品質なカタログギフトを贈るという方法がおすすめです。
先方の好みでないものやすでに持っているものを贈ってしまう心配もありません。
有名ブランド監修の高級カタログギフトなど、センスの良い一冊を贈ればきっと喜んでもらえるでしょう。
まとめ
結婚祝いを贈ってくれた親戚へお返しをするなら、喜ばれるものを失礼のないように贈りたいですよね。
結婚内祝いは格式の高い贈答シーン。「何がふさわしいか」「どのように贈るか」のマナーを押さえておく必要があります。
特に義理の家族へのお返しに不手際があると、結婚早々良くない印象を持たれるおそれも……。
「のし」の正しい選び方をはじめ、伝統的なマナーには重々気を付けてくださいね。
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贈り物を購入する際に、基本無料でオリジナルデザインののし紙や、写真付メッセージカードをつけられるサービスもあります(※一部除外商品あり)。
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2人の門出を祝福してくれた方々へ感謝を伝えられるよう、今回ご紹介した情報をぜひお役立てください。