喪中にお中元を贈っても大丈夫? お付き合いのマナーと贈り物選びを解説

更新日:2023年4月21日

季節のご挨拶の品を、毎年贈り合うのが習慣になっている方も多いでしょう。自分やお相手の身内に不幸があっときは、

「今年は喪中だが、例年どおりお中元を贈ってもいいのだろうか?」

「喪中の方に余計な気を遣わせてしまわないだろうか?」
と気になるものです。

この記事では、「先方が喪中の場合」「自分が喪中の場合」の両方のパターンにわけて、喪中のお中元の対応を解説します。

  • 喪中の相手にお中元を贈る
  • 自分が喪中でお中元を贈る
  • 自分の喪中にお中元を受け取った

上記の場合の対応についてくわしくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

喪中の方にお中元を贈ってもよいが配慮は必要

喪中に贈るお中元について解説。

一般的に、喪中の方はお祝い事を控えるべきだと考えられています。

しかし、お中元に関しては、喪中の方に贈ること自体はマナー違反ではありません。

そもそもお中元とお歳暮は、日頃の感謝を伝えるための慣習であり、お祝い事ではないため、喪中の方にお中元を贈ってもマナー違反にはならないとされているからです。

ただし、お相手の状況に配慮することは大切です。

特に近しい身内を失った直後だと、悲しみがまだ癒えず、お中元をありがたく受け取る気持ちになれない場合もあるでしょう。

お中元を贈りたいなら、少なくとも四十九日(仏式の葬儀を行った場合)の「忌明け」を迎えた後、先方が落ち着いた時期を見計らいましょう。

「喪中」の基礎知識を押さえよう

喪中のお中元について解説。仏壇を拝む女性

まずは、「喪中」に関する正しい知識を身につけておきましょう。「喪中」の意味や該当する続柄の範囲、期間について解説します。

そもそも「喪中」とはなんのための期間?

喪中とは、亡くなった方の遺族(故人の家族・親族)が故人を偲び喪に服している期間のことです。故人の死を悼み、身を慎んで過ごすことを「喪に服す」と表現します。

かつて日本では宗教的な観点から「死は穢(けが)れ」ととらえる考え方がありました。そのため、親族が亡くなると、遺族は穢れが他者に移らないよう一定期間が経過するまで家にこもり、故人のために祈るのが習わしとなりました。

しかし、今ではそこまで厳格なしきたりはなくなってきています。現代における喪中とは「故人の冥福を祈りつつ遺族が悲しみを癒やし、日常生活を取り戻すための期間」という見方が広まっているといえるでしょう。

とはいえ、「喪中はお祝い事や派手な行いを控えるべき」という考え方は、現代でも根強く残っています。その代表的な例が年賀状で、喪中は年賀状を控えるべきとされています。

喪に服す人の範囲は「親等」を参考に

喪中に贈るお中元について解説。法事のイメージ

故人との関係性がどの程度であれば、喪に服すことになるのでしょうか。

喪に服す人の範囲については、厳格な決まりがあるわけではありませんが、「2親等以内の親族」が亡くなった場合には喪中として考えるのが一般的です。

2親等までの続柄は以下のとおりです。

  • 0親等:配偶者
  • 1親等:父母、義父母、子ども
  • 2親等:祖父母、義祖父母、兄弟姉妹とその配偶者、孫

ただし、上記はあくまでも一般論であり、家族の関係性や地方のしきたりによって解釈が異なります。また、同居家族が亡くなった場合は続柄にかかわらず喪に服すケースもあります。

親族ではない人が「誰が喪中か」を判断するのは困難ですが、親等は参考の一つになるでしょう。

喪中の期間は1年間。忌中との違いは?

喪中のお中元についての解説記事。日めくりカレンダーのいめーじ

現在は、一般的に一周忌法要が終わるまでの1年間が喪中の期間と考えられています。

喪中と似た言葉で「忌中」という概念があります。「忌中」とは、仏式の場合、四十九日法要が終わるまでに該当します。亡くなって間もない期間なので、忌中には特にお祝い事を控えるべきだとされています。

<三浦先生からひとこと>
喪中は「服忌(ぶっき)」「忌服(きぶく)」ともいい、「忌」と「服」の意味があります。「忌」は四十九日間の「忌中」を、「服」は喪服を着て喪に服すことを表しています。忌中は喪中の一部です。
明治時代に故人との関係によって忌中と喪中の期間を細かく決めた「服忌令」がだされましたが、百年以上も前のものなので、時代とともに変化し、現在は忌中は四十九日まで、喪中は一年間とするのが一般的となりました。

喪中を避けたらお中元が間に合わない? 時期を確認

喪中に贈るお中元について解説。迷う女性のいめーじ

お中元の時期は、全国同じではありません。大別すると「7月15日まで」と「8月15日まで」に分けられ、地域によって時期が異なります。

お中元を贈りたい場合、到着の時期がお相手の喪中や忌中にあたるのか、あらかじめ確認しておきましょう。

 

【お中元の時期】

関東・東北・甲信越 7月初旬~7月15日
北陸 地域によって異なる
・新潟県、福井県、石川県南部(金沢など)…7月初旬〜7月15日
・富山県、石川県北部(能登など)…7月中旬〜8月15日
北海道・中部・関西・中国・四国 7月中旬~8月15日
九州 8月1日~8月15日
沖縄 旧暦の7月13日~7月15日にあたる日(毎年異なるため確認が必要)

喪中の方にお中元を贈ってもマナー違反ではありませんが、身内を失った直後の忌中や、忌明けしたばかりの時期は控える配慮は必要です。

忌明け後、先方が落ち着いた時期にお中元を贈ろうとすると、本来のお中元期間を過ぎてしまうことがあります。

その場合、贈るタイミングに合わせて「暑中見舞い」「残暑見舞い」として贈るとよいでしょう。

  • 7月16日~立秋(8月7日頃)の前日・・・暑中見舞いとして贈る。表書きは「暑中御見舞」「暑中御伺」「暑中御伺い」
  • 立秋(8月7日頃)~8月末・・・残暑見舞いとして贈る。表書きは「残暑御見舞」「残暑御伺」「残暑御伺い」

お相手が上司や年上の親族など、目上の人の場合は「御見舞」と書かずに「御伺」とするのが礼儀です。

喪中のお中元の注意点! 贈る体裁が違う

喪中に贈るお中元について解説。和服姿でお中元を届ける女性

喪中の方にお中元を贈る場合、時期以外にも気をつけなければならない注意点があります。

以下の贈答マナーをしっかり確認しておきましょう。

熨斗(のし)飾りや水引のない「白無地の掛け紙」を使う

喪中に贈るお中元ののし紙はのし飾りと水引がないものを用いる

お中元には、正式な贈り物であることを示す「のし紙」を掛けるのが基本ですが、のし紙にも複数の種類があり、目的に応じて使い分けるのが贈答マナーです。

一般的なお中元には、紅白・蝶結びの水引と、右上にのし飾りが印刷された「のし紙」を掛けます。

しかし、のし飾りはもともと長寿を願って慶事のお祝いに添える縁起物、紅白・蝶結びの水引は何度あってもよいことを表すものなので、喪中の方に贈るお中元では控えたほうがよいでしょう。

喪中の方にお中元を贈る場合は、右上ののし飾り、水引が印刷されていない「白無地の掛け紙」を用いる心配りをしましょう。

故人宛てに贈らない

亡くなった方に毎年お中元を贈っていたとしても、故人宛てにお中元を贈ってはいけません。

今まで遺族とは特にお付き合いがなかった場合には、あらためて遺族にお中元を贈る必要もありません。

故人の家族ともお付き合いがあり、今後もお中元を贈り続けたい場合には、家族宛てに贈りましょう。

贈ってはいけないもの・かぶりそうなものを避ける

喪中に贈るお中元について解説。悩むカップルのイメージ

一般的なお中元のマナーとして、贈ってはいけないものを知っておく必要があります。
縁が切れることを連想させるハサミやハンカチ、踏みつけることを連想させるスリッパなどは、あまり贈答品には向かないとされます。

喪中の方へのギフト選びでは、お祝いごとを連想させるような派手なものは控えたほうがよいでしょう。たとえば紅白カラーや松竹梅などめでたいモチーフがあしらわれたものは避けたほうが無難です。

また、喪中の遺族の家は初盆(新盆)なので、故人へのお供えものとして果物やお菓子などがたくさん届いていることが予想されます。そのことを考え、かぶらないように日持ちするものを贈るなどの配慮も大切です。

喪中のお中元にはカタログギフトがおすすめ

喪中の方に贈るお中元には、受け取った人が好きなものを選べる「お中元向きカタログギフト」が重宝します。

贈る側としても、喪中にふさわしくない品物をうっかり贈ってしまう心配がありません。また、カタログギフトなら、他の方からの贈り物とかぶることも防げます。

落ち着いたデザインの表紙で高級感のあるカタログギフトは喪中の方にも贈りやすいでしょう。

挨拶状に「お元気のことと……」などの文言を入れない

喪中に贈るお中元について解説。筆ペンで文字を書く様子

お中元には挨拶状を添えるのが礼儀です。

相手が喪中の場合、挨拶状の文面に注意しましょう。

「ますますご健勝のことと存じます」「お元気でお過ごしのことと存じます」などの挨拶や、お祝い事を連想させる内容は、相手の気持ちに配慮して控えたほうがいいでしょう。

<三浦先生からのひとこと>
故人と面識がない場合、故人を偲ぶような文章を無理に入れる必要はありません。故人と親しかった場合には、お中元の由来のひとつに仏様への供物を親戚や知人に贈る習慣があるので、感謝とともにその話を添えて故人にお供えしてほしいと伝えると、相手の心情に寄り添えると思います。

【遺族側】喪中に贈るお中元マナー

喪中に贈るお中元について解説。蓮の花のイメージ

ここまでは、お相手が喪中の場合に、贈り主が注意すべきお中元マナーについて解説しました。

以下では、

  • 自分は喪中だがお世話になった方にお中元を贈りたい
  • 喪中の自分にお中元が贈られてきた。どう対応すればいいか

上記のケースを想定し、注意したいポイントをご紹介します。

喪中に御中元を贈るなら忌明け後に

自分が喪中であっても、お中元を贈ること自体に問題はありません。

ただし、忌中の場合には、忌明けを迎えた後に贈るようにします。

人によっては、喪中の人からのお中元に対して「縁起が良くない」とみなす人もいます。また、自分が喪中であることを知っている人にお中元を贈ると、相手に気を遣わせてしまうこともあるかもしれません。こうした事情に配慮し、特に自分の身内に不幸があって間もない場合は、お中元を贈る時期を少しずらしたほうが無難でしょう。

贈る時期をずらしたことで本来のお中元期間を過ぎるようなら、「暑中見舞い」「残暑見舞い」として贈ることが可能です。

もちろん、自分の心と体を第一に考えることも大切です。悲しみから体調がすぐれないなど、お中元の手配をするのが難しいときには、落ち着くまでお中元を贈るのを見送っても差支えありません。

喪中にお中元を受け取ったら

喪中に贈るお中元について解説。手紙を書く手元

自分が喪中でお中元を受け取った場合、お返しをすべきなのでしょうか?

そもそも、お中元は日頃の感謝を伝えるギフトであり、受け取ったからといってお返しをする必要はありません。お中元の品が送られてきたら、すぐにお礼状を出すのが基本です。親しい間柄なら電話やメールでも構いません。

もしお返しの品を贈りたい場合は、モノだけを送るのではなく、メッセージを添えることをおすすめします。特に、葬儀に列席された方には、そのことに触れて感謝を伝えると好印象でしょう。

また、故人が亡くなったことを知らない人から故人宛てのお中元が届く場合もあります。

その場合は、先方の心づかいへ感謝を述べるとともに、亡くなったことを報告し、訃報をお知らせしていなかったことへのお詫びを伝えましょう。

喪中にいただいたお中元のお返し好適品

『沙羅』
▲シックな和表紙で、喪中のお返しにも贈りやすい『沙羅』

カタログギフトは、喪中に受け取ったお中元のお返しとしてもおすすめです。相手を問わず喜んでもらえるため、身内を失い心理的にも時間的にも余裕がない場合の贈答品として、便利に活用できます。

喪中のお中元 まとめ

喪中に贈るお中元について解説。風鈴のイメージ

お中元はお祝いごとではなく日頃の感謝を伝えるものなので、喪中に贈っても差支えはありません。ただし、少なくとも忌明けを迎えるまではお中元を贈るのは待ちましょう。

先方の状況が落ち着くタイミングを見計らい、お中元期間を逸したら、暑中見舞いや残暑見舞いとして贈る方法もあります。

お中元は、あくまでも日頃の感謝のしるし。大切な人を亡くした方の気持ちに寄り添いながら、礼を失することのない対応を心がけたいものです。

末永く温かな交流が続くよう、今回ご紹介した内容をお役立てください。

GiftA(ギフタ)の「お中元向きカタログギフト」

GiftA(ギフタ)が取り扱っているお中元におすすめのカタログギフトを紹介します。

『割引カタログギフト』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・大手メーカー発行の公式カタログギフトを独自ルートによって卸価格でご提供

・一流デパートやホテルなどの店頭販売カタログと同一商品・最新版でたいへんお得

・「コスパ重視」「プレミアム」の2種あり

・限られた予算でワンランク上の内容! 多くの客様にご好評いただいている人気の割引シリーズ

『ILLUMS』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・北欧ブランドのアイテムを中心に掲載したスタイリッシュなカタログギフト

・デザイン性の高い雑貨やおしゃれなグルメ商品など多数掲載

・若い世代へのギフトとしておすすめのシリーズ

『ANA’sフレッシュセレクション』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・ANAグループのネットワークで全国選りすぐりのグルメ商品を集めたカタログギフト

・”つくりたて とれたて”の美食を多数ラインナップ

・ANAグループの安心のブランド感。目上の方への贈り物にもぴったり

『やさしいみらい』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・SDGsをコンセプトとし、”地球にやさしい”アイテムを掲載

・オーガニック商品やフェアトレード商品など、ナチュラル志向のプレゼントに

・販売収益の一部は国連UNHCR協会に寄付。社会貢献にもなるカタログギフト

『麗(うらら)』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・高級感ある落ち着いた和風デザインの表紙が特徴

・大手カタログメーカー発行。国内外一流ブランドの品物を中心に掲載

・年配の方へのギフトに人気のシリーズ

『おいしいお肉の贈り物』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・定番の高級ブランド和牛肉、ハム・ソーセージ、各地のブランド豚や地鶏などが集結

・食べごたえのあるセット商品やステーキレストランのご利用券も

・ファミリー向けや若い世代へのお中元に最適

『47CLUB』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・47都道府県の地方新聞社がおすすめする魅力のご当地グルメ特集

・地元で人気の「うまいもの」にスポットを当てた個性的な企画シリーズ

・地方新聞社からの解説コメント付きで読み物としても楽しめる

『ファインチョイス』

喪中に贈るお中元について解説。カタログギフト紹介

・業界最高級の掲載点数を誇るシリーズ。「欲しいものが載っていない」のお悩みを解決!

・日用品、ディナー利用券、高級グルメまで幅広く網羅

この記事のマナー監修者

三浦 康子 / 和文化研究家

この記事のマナー監修者

三浦 康子 / 和文化研究家

テレビ・ラジオをはじめ、各メディアで暮らしに息づく日本文化を紹介。新聞・雑誌、WEBにて多数の記事を執筆・監修、大学で教鞭もとる。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』、監修書『季節を愉しむ365日』ほか。「行事育」や歳時記に関する講演会も行う。

監修者の記事一覧はこちら>>

ページの一番上へ