入院明けや療養明けで余裕のない中、「快気祝いの準備をしなければ」と気になっている方へ。
この記事では、快気祝いの贈答品に使うのがだめなものを解説します。
お見舞いを贈ってくださった方へせっかくお返しするのに、先方に「マナーを知らないな」と思われてしまっては残念ですよね。
お返し品をあわてて選んでしまう前に、快気祝いのポイントをしっかり押さえておきましょう。
費用を抑えてスムーズに手配できる便利なおすすめギフトも紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
快気祝いはいただいたお見舞いへのお返し
まずは、
「快気祝いって何? 退院祝いとはどう違うの?」
と疑問をお持ちの方へ、混同されがちな言葉の違いを整理しておきましょう。
「快気祝い」は、病気や怪我で入院または自宅療養していた人から、お世話になった方・お見舞いをくださった方へ贈る返礼品です。
一方、「お見舞い品・退院祝い」とは、病気や怪我をした方・退院した方に対して周囲の方から贈るものです。
言葉のイメージが似ているので間違いそうになりますが、贈る立場・受取る立場が反対になるので注意しましょう。
その他、快気祝いとほぼ同じ意味の言葉に「快気内祝い」があります。
快気祝いは病気や怪我が完治した場合に用いられるもの。
一方、快気内祝いは退院したものの、通院などの治療が続いている場合に用いられるのが一般的です。
さらに、快気祝いには「全快祝い」や「本復祝い」などの類語もあります。
快気祝いに贈ってはだめなものとその理由
快気祝いで失敗しないために、「快気祝いとして贈ってはだめなもの」をチェックしておきましょう。
快気祝いでは、「病気に関連する縁起の悪いもの」は避けるべきとされています。
また、一般的な内祝いやお返しの品としてふさわしくないとされているものも、避けたほうが安心です。
なかには、だめなものと知らずにうっかり贈ってしまいそうなアイテムもあるので注意しましょう。
ここでは、快気祝いにふさわしくないとされる代表的なものを、その理由と共に紹介します。
【快気祝いにダメなもの】寝具類
「お見舞いの品」としてふさわしくないイメージが強い寝具類は、快気祝いの品にも贈ってだめなものとされています。
その理由は、寝具類が「病室」や「病床」を連想させるからです。
具体的には、シーツ・枕・タオルケット・パジャマなどが寝具類にあたります。
寝具は療養するときに使うものなので、病気や怪我が長引くことを連想させます。
「快気祝いにするには縁起が悪い」というのが一般的に快気祝いに贈ってはだめなものの見方です。
【快気祝いにダメなもの】鉢植えの花や観葉植物
根っこのある鉢植えの花や観葉植物も、「根付く(寝付く)」を連想させるため縁起が悪いとされています。
とはいえ、植物全般がだめなものというわけではありません。
植物を贈りたい場合には、フラワーアレンジメントや季節の花束を選ぶといいでしょう。
ただし、お花にの贈り物も注意が必要なものがあります。
たとえば、語呂合わせで「死」や「苦」を連想させるシクラメンや、弔事に用いられる菊、花ごと落下するチューリップなどは快気祝いには縁起が悪く、贈ってはだめなものとされています。
お返しには避けたほうがいい品物
快気祝いに限らず、お返し全般としてだめなものも贈答マナーの基本として把握しておきましょう。
まず、金券やギフト券などのはっきりと金額がわかるものを贈るのは、「相手の懐具合を心配しているように受取れるので失礼」という考え方があります。
たとえ相手から現金でお見舞いをいただいた場合でも、お返しに金券類を贈るのは避けたほうが無難でしょう。
また、「切る」や「分かつ」といった意味がある刃物もNGです。
足につけるものである靴下やスリッパなども「相手を踏みつけること」につながるとされ、お返し用のギフトにはふさわしくありません。
特に目上の方へのお返しに贈るのは失礼に当たるとされます。
「4(死)」「6(無)」「9(苦)」という数字にも注意が必要です。
お見舞い金やお祝い金を贈る際にも、4,000円、6,000円、9,000円は避けるべきとされています。
また、語呂合わせで「苦」「死」を連想させる櫛も避けましょう。
快気祝いにおすすめの品とそのメリット
快気祝いの品物には「病気や怪我を後に残さないように」という意味を込めて、食品や消耗品などの「消えもの」が好まれる傾向にあります。
ここからは、快気祝いにおすすめの消えもの3つを紹介します。
後に残らない食品・お菓子の詰め合わせ
消えものの代表格である食品やお菓子の詰め合わせは、快気祝いの定番品です。
食料品は使ったり食べたりすればなくなるため、「病を食い消し後に残さない」縁起物とされています。
お菓子のほかには、調味料やスープ、コーヒーの詰め合わせなども人気です。
お菓子は職場や仲間内から連名でお見舞いをいただいた場合のお返しにも向いています。
その際は、ある程度日持ちのする個包装のものを選んでおけば、お渡しした後に各自のタイミングで食べたり持ち帰ったりしてもらえるでしょう。
また、「お互い元気でいられますように」という願いを込めて、健康志向のフードを贈るのも気が利いていておすすめです。
「病を洗い流す」願いを込めた洗剤・石鹸など
洗剤や石鹸などの消耗品も快気祝いに人気の品です。
消えものであることに加えて、「病気を洗い流す」という意味を感じさせることから縁起が良いとされています。
日常の消耗品なので地味な印象があるかもしれませんが、近年ではギフト向きの高品質なものや、凝ったパッケージのものも多くあります。
- ナチュラル志向の方にはオーガニック素材でつくられたもの
- 可愛いものが好きな方にはデザインに凝ったパッケージのもの
など、贈る相手の年代や好みに合わせてチョイスするのがおすすめです。
「病気を拭い去る」縁起の良いタオルなど
ギフトの定番であるタオルも、快気祝いにおすすめ。
タオルは拭うものであることから、「病気を拭い去る」という意味を込めて贈られています。
特に近年、快気祝いとして人気を集めているのが「今治タオル」。
「今、治る」とも読めるため、縁起が良いと注目されています。国産ブランドであり品物自体の質も良いので、高級感ある包装をすれば目上の方にも安心して贈れるでしょう。
なお、タオルに似ているハンカチは「手巾(てぎれ)=手切れ」から別れを連想させるものと考えられています。
マナーに詳しい方に贈る場合は避けたほうが無難です。
手配しやすいカタログギフト
快気祝いの品として失礼に当たらず、手配がしやすいというメリットも兼ね備えているのが「カタログギフト」です。
カタログギフトは、相手にギフト商品の選択を委ねられるため、「相手の好みがわからない」という心配も解消してくれます。
- 快気祝いの品選びで失敗したくない
- 代理で手配するので、相手の方の好みや事情がわからない
- 手配にあまり時間をかけられない
これらの「贈り物でよくあるお悩み」を解決するのにぴったりです。
カタログギフトはネット通販のギフトショップを通じて簡単に購入できるので、体力的に余裕のない入院明けの負担を軽くしてくれるでしょう。
相手や予算に合わせてあれこれ検討する時間を短縮しながらマナーに沿ったお返しができます。
近年はカタログギフト需要の高まりから、掲載商品の内容がバラエティ豊かになっています。
「贈る前にカタログの中身をチェックしておきたい」という方は、インターネットのギフトショップサイトに用意されているデジタルカタログをチェックしてみることをおすすめします。
快気祝い向きの「お得な割引カタログギフト」とは
「できるだけ費用を抑えたい。でも、マナーに沿ったお返しがしたい」
という方に特におすすめしたいのが、「割引カタログギフト」です。
「割引カタログギフト」とは、ネットショップならではの利点を生かし、百貨店などで販売されているのと同じカタログを卸値で購入できるシステムになっているものです。
割引カタログギフトなら、同じ金額でありながらワンランク上のカタログギフトを贈れるため、「予算は限られているけど、お世話になった方に手厚くお礼をしたい」とお考えの方には特におすすめです。
快気祝いの場合、複数の方に贈らなければならないケースも多く、お値打ちの割引カタログを複数購入してさらに「まとめ買い割引」を受けるなど、上手に活用されることをおすすめします。
もちろん、「割引カタログギフト」は先方に割引購入したことは伝わりませんのでご安心を。
さらに複数のギフトを準備するなら、コスパの良いメール便での手配が可能なお店かどうかもぜひチェックしてください。
快気祝いを贈る際の基本マナー
快気祝いを贈る際は、ふさわしいもの・だめなものを把握して品物選びをすると同時に、基本的な贈答マナーを押さえることも大切です。
「快気祝いはいつまでに贈ればいいの?」
「お返しの予算は?」
「のし紙はどうしたらいいの?」
などのよくある疑問にお答えしながら、快気祝いを贈る際の注意点を紹介します。
贈るタイミング
快気祝いを贈るタイミングは、入院または療養が明けてから1週間~10日程度が目安です。
快気祝いはお見舞いに対する感謝の気持ちに加えて、「おかげさまで元気になりました」という報告の意味も兼ねたもの。
そのため、遅くても1か月以内には相手の手元に届くように準備しましょう。
しかし、退院したとはいえ、すぐには体調や生活が落ち着かないこともあるかもしれません。
「お店に出向いて快気祝いの手配をすることが難しい」
「でもお返しが遅くなりすぎないようにしたい」
そうお考えの場合は、ネット通販を利用してスピーディに手配されるのもいいでしょう。
快気祝いの予算
快気祝いの予算は、いただいたお見舞い金、またはお見舞い品の3分の1~半額程度が目安です。
たとえば、いただいた金額が3,000円であれば1,000~1,500円程度のお返しを、10,000円であれば3,000~5,000円程度のお返しを用意しましょう。
なお、いただいた金額が高額な場合は、半返しにこだわらず3分の1返しか、それ以下の金額でもよいとされています。
また、職場の方に快気祝いを贈る場合は「迷惑をかけた分、しっかりお返しをしたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、いただいた金額以上にお返しをするのは、かえって失礼に当たるので注意しましょう。
のし紙のマナー
快気祝いののし紙では、表書き(贈り物の名目)を「快気祝」または「快気内祝」とするのが一般的です。
快気祝いにふさわしい水引は紅白の「結び切り」です。
結び切りには「二度と繰り返さないように」という意味が込められています。
のし下には、回復した本人の苗字のみを記載するのが基本です。
ただし、同姓の親戚に贈る場合はフルネームにするなど、工夫があると丁寧な印象を与えるでしょう。
快気祝いの品を郵送で贈る場合は、配送時にのし紙に傷がつかないように「内のし(品物にのし紙を掛けた上から包装紙で包む体裁)」にしましょう。
一方、手渡しする場合は、パッと見てわかる「外のし(包装紙の上にのし紙を掛ける体裁)」にしてもマナー違反ではありません。
しかしながら、一般的な快気祝いでは控えめな姿勢を表す内のしのほうが好ましいとされています。
快気祝いにふさわしいもの・だめなものを正しく知ろう
快気祝いとしてだめなものを贈ってしまうと、せっかくお見舞いをくださった人に「マナーを知らないんだな」と思われてしまう可能性があります。
絶対に失礼があってはいけない目上の方に贈る場合や、社会的に立場のある家族の代理として手配する場合は、特に礼儀にかなった対応が求められます。
良識ある大人としてのふるまいを意識しながら、快気祝いにふさわしい品でお相手に感謝の気持ちを伝えましょう。