「墓じまい」という言葉を耳にしたことがあるけど、実際には何をするのだろう?と疑問に思っていませんか?
この記事では
- 墓じまいとは何か
- 墓じまいを行う手順
- 墓じまいにかかる費用
について解説します。
目次
「墓じまい」の意味とは?
「墓じまい」とは、お墓の墓石を撤去し、更地に戻して管理者に返還することです。
墓じまいをすれば、これまでお墓におさめていた遺骨を、別の形で供養しなければなりません。
これまでのお墓から取り出した遺骨を別の形で供養することを「改葬」といいます。
多くの場合、墓じまいは改葬に伴って行うものです。
なぜ墓じまいをするのか?
近年墓じまいをする人が増えています。なぜ墓じまいをするのか?具体的な理由を見ていきましょう。
理由1.お墓が遠くてお参りが困難だから
故郷を離れ、都会で暮らす人は少なくありません。
遠く離れた故郷に先祖代々続くお墓があるけれど、お墓参りに行くのが大変と感じている人は多いようです。
年齢を重ねるとともに、遠方への帰省が体力的に辛くなるだけでなく、交通費がかかることも負担となり、お墓参りに行くことが難しくなるのです。
理由2.金銭的な負担が継続的に発生するから
一般的なお墓の場合、霊園や寺院に維持管理費を支払う必要があります。
維持管理費はお墓がある以上、継続して負担するものです。
自分の代だけで終わらず、子どもや孫にまで金銭的な負担を強いることに抵抗を感じ、終活の一環として、墓じまいを検討するケースもあります。
理由3.管理できなくなったお墓は無縁墓になる可能性があるから
ここ数年の間で、「無縁墓」という言葉が話題になりました。
「無縁墓」とは、管理する人がおらず、長い間放置されたお墓のことです。
墓地の管理者は、お墓の承継者や縁故者と連絡を取れず、管理費が支払われないまま一定期間が過ぎたお墓を「無縁墓」とみなします。
総務省行政評価局が行った調査では、全国の公営墓地のある765の市町村において、「無縁墓が発生している」と答えたのは、全体の58.2%にあたる445の市町村でした。(※)
なぜ無縁墓が問題視されるのか?その理由は次の2点です。
- 手入れをしないお墓は雑草が生い茂り、他のお墓に迷惑がかかるだけでなく、荒廃した墓石やブロック塀の倒壊などの危険にさらされることがあるから
- 無縁墓とされたお墓は、場合によっては解体され遺骨は合祀(他人の遺骨と一緒に埋葬すること)されるから
少子高齢化や核家族化が進む現代では、「自分の後にお墓を管理してくれる子どもがいない」と悩んでいる人も少なくありません。
自分のご先祖様が眠るお墓を無縁墓にしないためにも、墓じまいを検討する人が増えていると考えられます。
※総務省行政評価局 墓地行政に関する調査―公営墓地における無縁墳墓を中心として― 結果報告書(令和5年9月)
墓じまいのメリット
一旦してしまったら元には戻せない「墓じまい」は、メリットとデメリットをしっかりおさえて、よく考えてから実行したいものです。
ここからは、墓じまいのメリットをお伝えしていきます。
心配が減る
一つ目のメリットは、精神的負担が減ることです。
「自分がいなくなったら誰がお墓を管理するの?」
「子どもたちには墓守という負担を押し付けたくない」
「自分も年齢を重ねて、遠い故郷にあるお墓へお参りに行くことが、身体的にも金銭的にもキツイ」
などのお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
お墓を自宅近くへ改葬したり、永代供養などの形を検討したりすることで悩みを解決できる場合があります。
金銭的負担が減る
一般的なお墓には、霊園や墓地管理者に支払う維持管理費というものがあります。
公営墓地、民営墓地、寺院墓地の種類によって金額は異なりますが、年間2,000円~2万円ほどの費用を支払わなければなりません。
また、寺院墓地の場合は、お寺の運営などのために檀家料を支払う必要があります。
墓じまい後に永代供養を選択することで、これらの費用をなくすことが可能です。
改葬した場合はお参りがしやすくなる
お墓が遠方の故郷にある場合、なかなかお墓参りに行けず「ご先祖様に申し訳ない」という気持ちを抱えている人もいるでしょう。
郊外にあるお墓まではアクセスが悪く、年を重ねてからは足が遠退いているという方もいるかもしれません。
こういったケースでは、自宅近くのお墓に改葬することで、お墓参りしやすくなるというメリットがあります。
墓じまいのデメリット
墓じまいにはいくつかのメリットがある一方で、デメリットがあることも知っておく必要があります。
きちんと納得したうえで墓じまいを行うためにも、デメリットもしっかりみておきましょう。
親族やお寺と揉める場合がある
墓じまいを自分一人で進めてしまうと、親族やきょうだいとトラブルになってしまうおそれがあります。
先祖代々のお墓は、自分以外の親族やきょうだいにとっても心を寄せる場所であるはずです。
自分一人で決断・行動してしまうことのないよう、事前に費用負担や墓じまい後の供養方法についてしっかりと話し合いの場を持ちましょう。
離檀料をめぐって、お寺とトラブルになるケースもあるようです。
墓じまいをするということは、檀家をやめることになり、お寺に離檀料をお渡しすることになります。
離檀料の金額で揉めるなどのトラブルを防ぐためにも、これまでの感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
費用がかかる
墓石を撤去し、更地に戻すことは石材店に依頼することがほとんどで、高額な費用がかかります。
また、遺骨を取り出す際にはお墓から魂を抜く閉眼供養を行う際に、お布施が必要です。
取り出した遺骨を新たな場所に納骨するのにも費用がかかることも知っておきたいものです。
その他、行政手続きの書類に手数料がかかることを含め、墓じまいにはまとまったお金が必要となることを心得ておきましょう。
合祀すると遺骨を取り出せない
墓じまい後の選択肢として永代供養を選択した場合、一定期間を過ぎると遺骨は合祀されることがほとんどです。
一度合祀された遺骨は、不特定多数の遺骨と一緒に埋葬されるため、故人の遺骨だけを取り出すことは不可能になります。
あとから、故人だけのお墓を建てたいと思っても「できない」ことを事前にしっかりと理解しておきましょう。
墓じまい後の選択肢は何がある?
墓じまいでお墓から取り出した遺骨は、新たな方法で供養しなければなりません。
法律で、たとえ自宅の庭や私有地であっても墓地以外に遺骨を埋葬することは禁じられているからです。
新たな供養先を探す際には、自分がなぜ墓じまいをするのか?という理由をしっかり整理して、抱えている悩みを解決するのに最適な形を見つけることが大切です。
一般墓に改葬
一つ目の方法は、自宅近くなど、自分の管理しやすい墓地に新しいお墓を建てる、いわばお墓のお引越しです。
新たな埋葬先に新しい墓石を建てて、遺骨のみを移動するパターンが多いのですが、今あるお墓の墓石ごと移動することもあります。
受け入れ先によっては区画の広さの問題から、墓石ごとの移動を禁止していることもあるので事前に確認する必要があります。
現状のお墓に複数名の遺骨が入っている場合は、特定の遺骨のみを移動したり、遺骨の一部を分骨したりと、お悩みに合わせて移動パターンを検討しましょう。
他の供養方法よりも費用が高額になりますが、お墓が遠くてお参りに行きにくいと感じている場合は、お墓を管理しやすくなり、無縁墓になる心配を減らせるでしょう。
永代供養墓
永代供養墓とは、寺院や霊園が遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法です。
管理の手間がいらない永代供養墓は、「お墓を承継する人がいない」「子どもに負担をかけたくない」という人に選ばれています。
一度、永代供養料を支払えば、年間管理費を支払う必要がない点もメリットです。
永代供養墓では、遺骨の安置期間が設けられている場合がほとんどで、一定期間を過ぎると他の遺骨と合祀されるのが一般的です。
永代供養墓には埋葬方法の違う3つのタイプがあります。
個別墓
一つの墓石に一人の遺骨をおさめるのが個人墓です。
他人と一緒のお墓に入ることに抵抗がある人が選ぶことが多いようですが、個人墓であっても一定期間を過ぎると合祀される場合もあります。
ずっと個別に安置されるのか、いずれ合祀されるのか、事前に契約内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
集合墓
一つの墓石に対して、複数人と納骨スペースを共有する埋葬方法です。
納骨スペースは個々で分けられているのが特徴で、個別墓よりも費用が安い点がメリット。
一定期間を過ぎると合祀されるのが一般的です。
合祀墓
合祀墓は、一つの墓石に対して、他の人の遺骨と分けることなく一緒に埋葬する方法です。
遺骨は他の人のものと混ざってしまうため、一度埋葬すると取り出すことはできません。
費用は他のタイプに比べて安くなります。
樹木葬
墓石の代わりに樹木をシンボルとして埋葬する方法が樹木葬です。
樹木葬は永代供養を行っていることがほとんどなので、管理の負担がなく、承継者を置く必要がありません。
また、自然に帰るという望みを叶えられる葬法でもあります。
樹木葬には埋葬場所の異なるタイプがあります。
公園型 | 霊園や墓地の敷地内に芝生や花木で彩られた樹木葬の区画が設けられているタイプ。
従来のお墓と同じようなスタイルで、シンボルを墓石ではなく草木や花に変えていると考えるとイメージしやすいでしょう。 埋葬方法には個別墓、集合墓、合祀墓があるので、希望にあった方法を選べます。 |
里山型 | 霊園や寺院の管理する里山に、ひとりの遺骨につき一本のシンボルを設けて埋葬します。
より自然に近い状態を望む方に適しています。 |
納骨堂
納骨堂は、遺骨を安置するための屋内施設です。
ここまでに紹介した3つの供養方法とは異なり、遺骨は土に埋めません。
納骨堂は三回忌、十三回忌、三十三回忌などと利用期間を設けて、期間が過ぎると合祀墓へ移動するという流れが一般的です。
街中にあるためアクセスがよい、屋内なので天気を気にせずお参りできる、掃除などお墓の管理負担がないなどのメリットが挙げられます。
一方で、お線香を焚けない、建物自体の老朽化の懸念があるといったデメリットもあります。
納骨堂は主に4つのタイプがあり、自分に合った供養方法を選べます。
ロッカー式 | コインロッカーのように区分けされた扉のついた納骨スペースが設けられており、個別に供養できます。 |
自動搬送式 | ビル全体が納骨堂になっていて、ICカードをかざすとバックヤードから骨壺が参拝スペースに運ばれてきます。 |
仏壇式 | 仏壇と納骨スペースが上下に別れており、扉を開くとそのままお参りすることができます。 |
位牌式 | ひな壇に位牌を並べ、多くの場合遺骨は別の場所に安置されます。個人のスペースはなく、仏像に手を合わせるスタイルです。 |
散骨
お墓を持たない、散骨という選択をする方もいます。
散骨は遺骨を砕いてパウダー状にし、海や山などに撒く供養方法です。
ここでは散骨の4つの方法をご紹介します。
海洋散骨 | 海に遺骨を撒きます。環境への配慮などで散骨が可能な場所は限られているため、海洋散骨専門の業者に依頼するのが一般的です。 |
森林散骨 | 遺骨を人里離れた山へ撒く方法です。山の所有者とのトラブルを防ぐためにも専門業者に依頼する必要があります。 |
バルーン散骨 | 遺骨が入ったバルーンを成層圏まで飛ばし、気圧の変化でバルーンが割れることで遺骨が撒かれます。この方法も個人で行うことはできないため、専門業者への依頼が必要です。 |
宇宙散骨 | 専門業者に依頼し、遺骨を入れたカプセルをロケットにのせて打ち上げる方法です。宇宙空間に到達した後は、人工衛星となるプランや、月面に運ぶプランなどがあります。 |
散骨してしまうと遺骨が残らないため、慎重に検討する必要があるでしょう。
手元供養
遺骨を自宅などの身近な場所で保管、供養する手元供養は、故人を身近に感じられる供養方法といえるでしょう。
遺骨・遺灰のすべてを自宅で保管する「全骨」と、墓地や寺院へ納骨したうえで一部を自宅で保管する「分骨」の2パターンがあります。
手元供養品で主流となっているのが、骨壺・アクセサリー・インテリア用品の3種類です。
骨壺というと白色の陶器のものをイメージする人が多いでしょうが、近年はガラスや磁器など、素材もデザインもさまざまなものがあります。
故人と寄り添っていたいのなら、遺骨や遺灰を入れられるペンダントなど、身に付けられるアクセサリーがおすすめです。
骨壺であるとは一目でわからないような、オブジェやぬいぐるみと一体化したインテリアに馴染む骨壺もたくさん商品化されています。
手元供養品に納めるために、粉骨が必要となる場合があることも理解しておきましょう。
墓じまいの一般的な手順
ここまで、墓じまいの意味と墓じまい後の選択肢を説明してきました。
しかし「実際に墓じまいをする場合はどう進めればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ここからは、墓じまいの進め方と注意すべきポイントについて説明します。
1.親族に了承を得る
墓じまいをしようと思ったら最初にすべきことは、「親族やきょうだいに了承を得る」ことです。
お墓に眠っているのは自分だけでなく、親族やきょうだいにとっても大切な人のはずです。
「お墓を解体するなんてご先祖様に失礼だ」「先祖代々のお墓が途絶えてしまう」などと反対されることもあるでしょう。
「なぜ墓じまいをしたいのか?」という理由を丁寧に説明し、関係者一同から理解を得ましょう。
また、「墓じまいにかかる費用を誰が負担するのか?」や、「墓じまいした後はどのように供養するのか?」などをしっかりと話し合い、事前に同意してもらうことが、後々のトラブルを防ぐポイントです。
2.墓地の管理者に相談する
親族・きょうだいとの話し合いが済んだら、次は墓地の管理者である寺院などに墓じまいの相談をします。
墓じまいは管理者の了承を得られなければ進められません。
ここで大切なのが、一方的に「墓じまいをする」と報告をするのではなく、「相談」という形で話を始めることです。
「お墓参りが困難で…」「後を継ぐ人がいなくて…」など、ご先祖様を大切に思うが故に墓じまいを検討していることを丁寧に伝えることで、お寺の理解を得やすくなるでしょう。
墓じまいをするということはお寺の檀家をやめ、離檀するということです。
お寺側が檀家をやめる人に請求する「離檀料」は、一般的には数万円~20万円と言われています。
あまりに高額な離檀料を請求されるなどのトラブルに発展してしまった場合は、弁護士や行政書士、墓地のある行政の窓口に相談しましょう。
3.工事をお願いする石材店を決める
墓石の撤去と解体を依頼する業者も決めなければなりません。
石材店にお願いするのが一般的ですが、事前に複数の石材店に見積もりをお願いして、信頼できる業者にお願いしましょう。
墓地の施設によっては、指定する石材店がある場合もあるため、あらかじめ墓地の管理者に確認しておくと安心です。
4.遺骨の引っ越し先を決定する
次に、新たな納骨先を決めます。先述したとおり、墓じまい後の選択肢はさまざまです。
自分はもちろん、家族や親族の希望に合った供養方法を検討し、いくつかの候補を挙げるとよいでしょう。
候補先には実際に見学に行って、「アクセスはいいか?」や「雰囲気はいいか?」など確認することをおすすめします。
5.行政手続きを行う
事前の準備が整ったら、墓じまいの手続きをします。
自治体によって多少の違いはあるかもしれませんが、一般的な手続きの手順は以下の通りで、すべて完了すると、遺骨の取り出しが可能になります。
- 改葬許可申請書を、今あるお墓の自治体の役所で入手する
- 新たな納骨先より受入証明をもらう
- 今のお墓の管理者に改葬許可申請書を提出し署名押印してもらい、埋蔵証明をもらう
- 署名済みの改葬許可申請書、埋蔵証明、受入証明を役所に提出し、改葬許可証を発行してもらう
※自治体によって手続きが異なります。詳しくはお墓のある自治体の役所にご確認ください。
6.閉眼供養・遺骨の取り出し
お墓に眠る故人の魂を抜く儀式を「閉眼供養」といいます。
お坊さんに読経してもらった後に、遺骨を取り出します。
遺骨を取り出すのは、力作業のため石材店に依頼するのが安心です。
閉眼供養と遺骨の取り出しは同日に行う場合がほとんどなので、事前に住職や石材店と日時を調整しておきましょう。
7.墓地を解体し更地にして返還する
石材店による墓地の解体工事を行います。
墓石の撤去だけでなく、お墓の基礎となる土台も解体し、更地に戻したところで、墓地管理者に返還します。
8.移転先に遺骨を移す
墓じまいの後は、遺骨を新たな納骨先に移動します。
車や公共交通機関など、事前に移動手段を検討しておきましょう。
移動先が遠方で持ち運びが困難な場合は、郵送もできます。
ただし、日本郵便のゆうパック以外は遺骨の送付はNGなので注意が必要です。
墓じまいにかかる費用
墓じまいの手順が分かったら、気になるのは「いくらかかるのか?」ですよね。
墓じまいにかかる費用総額の相場は幅広く、30万円~300万円といわれています。
具体的に何にいくらかかるのか?をみていきましょう。
今あるお墓にかかる費用
墓じまいにかかる費用の総額は、墓じまい後にどのような選択をするかで費用が大きく変わっていきます。
まずは、今あるお墓にかかる費用の内訳について説明します。
墓地解体費用
墓地を解体するには、1㎡あたり10万円〜15万円程度が相場といわれています。
お墓の立地によっては、重機の侵入が難しいなどの理由で、作業が困難な場合は費用が増えることも知っておきましょう。
遺骨の取り出しも石材店に依頼することが多いですが、遺骨の取り出し費用は1人分につき3万円~5万円ほどかかります。
お布施(閉眼供養)
遺骨を取り出す前に行う閉眼供養は、寺院へのお礼としてお布施をお渡しします。
金額は通常の法要と同程度といわれており、相場は3円~5万円です。
離檀料
墓じまいに伴い、檀家をやめる際にはお寺に離檀料を支払うのが通例となっています。
金額は数万円~20万円のところが多いようですが、お寺によってさまざまです。
これまでの感謝の気持ちを込めてお渡ししましょう。
証明書発行手数料
行政で発行する書類には、手数料がかかります。
自治体にもよりますが、すべての書類を取得するのに数百円~1,500円ほど必要です。
新たな納骨先にかかる費用
ここからは、新たな納骨先にかかる費用の目安について説明していきます。
納骨先別の費用の目安を知ることは、希望の供養方法を検討する手助けにもなるはずです。
新しい納骨先を決める際の参考にしてください。
納骨先別の費用目安
先にご紹介した墓じまい後の選択肢別に、金額を一覧にしました。
一般墓 | 100万円~300万円 |
永代供養墓
個別墓 集合墓 合祀墓 |
5万円~150万円
50万円~150万円 20万円~60万円 5万円~30万円 |
樹木葬
個別墓 集合墓 合祀墓 |
8万円~80万円
30万円~80万円 15万円~60万円 8万円~20万円 |
納骨堂
ロッカー式 自動搬送式 仏壇式 位牌式 |
10万円~150万円
20万円~80万円 50万円~150万円 30万円~150万円 10万円~50万円 |
散骨
海洋散骨 森林散骨 バルーン散骨 宇宙散骨 |
5万円~200万円
5万円~30万円 5万円~10万円 20万円~30万円 100万円~200万円 |
手元供養
粉骨費用 手元供養品代 |
数千円~
1万円~3万円 数千円~ |
お布施(開眼供養)
新しい納骨先では、閉眼供養で抜いた魂を入れる「開眼供養」を行います。
僧侶を招いて読経していただくお礼として、3万円~5万円のお布施をお渡しします。
誰が払う?墓じまいの費用が高額で払えない場合の対処法
墓じまいには高額な費用がかかることがわかりました。
ここで気になるのは「誰が支払うのか?」や「費用が高すぎて負担が大きいけどどうしたらいいの?」ということ。
墓じまいを進める前に、費用面についてもしっかりと考えておきましょう。
墓じまいの費用は誰が負担するの?
墓じまいをするのも費用を負担するのも、お墓を継ぐ「承継者」である場合が多いです。
しかし、承継者が全額負担しなければならないという決まりもありません。
墓じまいにかかる費用が高額で支払いが困難な場合は、以下の手段も検討してみるとよいでしょう。
親族に相談してみる
お墓の承継者のみでの墓じまいの費用負担に悩んだら、親族やきょうだいに相談してみましょう。
困っていることを丁寧に伝えることで、協力を得られるかもしれません。
補助金制度を利用する
墓じまいの補助金・助成金制度を設けている自治体もあります。
管理できずに放置されるお墓を減らそうと、墓地の返還を自治体が促進しているためです。
墓じまいの費用負担に困ったら、一度お墓のある自治体に確認してみるとよいでしょう。
補助金や助成金の制度がない自治体でも、墓じまいの費用を抑える相談に乗ってくれる場合もあるため、役所に連絡をとってみることをおすすめします。
墓じまいには入念な準備を
多くの費用と時間、労力を要する墓じまいは、一度すると元には戻せません。
お墓は多くの人にとって、心のよりどころでもあります。
焦らずじっくり考え、慎重に行うことが、後悔のない墓じまいをする秘訣となるでしょう。