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お歳暮の正しいのし紙マナー。遅れた場合の対応法も

更新日:2024年1月5日

お歳暮を贈るときにかける「のし紙」にはさまざまなマナーがあります。

この記事では、「のし紙の使い方がよくわからない」とお悩みの方に向けて、お歳暮ののし紙の基本をお伝えします。

さらに、お歳暮を贈るのが遅れた場合の対応法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

お歳暮ののし紙マナー

お歳暮 のし

のし紙は下記①~④の4つの要素で構成されています。

①表書き 「お歳暮」「御歳暮」など贈り物の名目
②のし飾り 右上にある儀礼用の飾り
お歳暮やお祝い事などフォーマルな贈り物に添える縁起物
※ただし、生ものを贈る際には不要
③水引 贈り物の掛け紙にかける帯紐

<お歳暮の場合>

  • 紅白の蝶結び
  • 紐の本数は5本が一般的(金額によっては7本)
④名入れ 贈り主の名前

⑤のし紙とは、白い掛け紙に②のし飾りと③水引があるものをいいます。お歳暮の場合、④の名入れの部分が「個人から贈るケース」「連名で贈るケース」などによって異なります。

それぞれについて具体的に紹介します。

個人間で贈るお歳暮ののし紙

お歳暮 のし

個人で贈るお歳暮の場合、のし紙の表書き・名入れは次の通りです。

お歳暮 のし

個人で贈る場合は、④名入れにはフルネームを書くのが一般的です。

名前は表書きの文字よりも少し小さめにするとバランス良く見えます。

水引の下段、中央にまっすぐ書き入れましょう。

姓のみ書くこともありますが、フルネームで書いた方が丁寧な印象になります。

とくに同姓が多い親族間ではフルネームにしないと贈り主がわからなくなるので、注意してください。

のし紙に名前を書かないのは失礼?

のし紙の名入れは、贈り主を受け取り側にわかりやすくするためのものです。

お歳暮ののし紙に必ず名入れしなければならないというわけではありません。

とはいえ、お歳暮の時期に複数人から贈り物をもらう方もいます。

誰からの贈り物なのかがお相手に一目でわかるよう、名入れをした方が親切で礼儀にも叶います。

お歳暮を一度だけ贈りたいときは?

お歳暮は継続性を伴うので注意が必要です。

お歳暮 のし

お歳暮は、日頃の感謝を伝えるためだけでなく、末永く良好な関係性を築いていくために贈るものでもあります。

そのため、ある程度継続して贈るのが基本的なマナーです。

「今年お世話になったので、今年だけ贈りたい」という場合には、表書きの名目を「御礼」や「感謝」として贈るようにしましょう。

 

<三浦先生からのひとこと>

今年だけのつもりで「お歳暮」を贈ると、お歳暮には継続性があるため、相手は翌年も贈ってくださるのかと勘違いするかもしれません。その点をふまえ、「負担になるので受け取れない」と判断されることもありますし、翌年は何も来ないと「関係が悪化したのか」と思われることもあります。

感謝の品物が思わぬ結果にならないよう、一度だけしか贈らない場合には「御礼」や「感謝」として贈りましょう。

 

3名以下の連名で贈る場合

夫婦・友人・仕事仲間など、3名以下の連名で贈るときは、次のように書きましょう。

お歳暮 のし

伝統的な慣わしとして、男女連名の場合は、男性は右・女性は左に名前を書くとされています。

仕事仲間と連名の場合は、年齢や職位が高い人を右から順に書きます。

特に順位がなければ、五十音順に記入しましょう。

1人目の名前を水引の下段の中央に、後の人の名前はその左に書き並べるのが基本です。特に順位がない場合には、バランスよく2人目が中央にくるように書くこともあります。

4名以上のグループで贈る場合

4名以上の連名の名入れ方法は以下の通りです。

お歳暮 のし

グループ代表者の氏名のみを記載する方法があります。

その場合は中央に代表者氏名を書き、その左側に代表者氏名より小さく「〇〇一同」と記載しましょう。

代表者氏名を書かず、「○○(会社名・部署名)一同」とのみ記載する方法もあります。

企業間で贈るお歳暮ののし紙

お歳暮 のし

企業間でお歳暮を贈る場合、のし紙の名入れは以下のようにします。

お歳暮 のし

会社名や役職を添えたい場合は、名入れ部分の中央に氏名を配置します。

その右側に、小さめの字で自社名を書きます。

役職名は氏名の上に小さめの字で書く方法と、氏名と自社名の間に小さめの字で書く方法があります。

文字の大きさは、表書き>氏名>会社名>役職 です。

なお、企業によっては贈答品のやり取りを禁止している場合があります。

念のため、事前に相手企業に確認を取ることをおすすめします。

お歳暮を贈るのが遅れたら表書きを変えて対応

お歳暮 のし

お歳暮を贈る時期は、一般的に12月初旬〜12月20日頃(遅くとも25日頃)です。

しかし、年の瀬は仕事やイベントで何かと忙しく、お歳暮を贈るのが遅れてしまうこともあるでしょう。

タイミングを逃してしまっても、その時節に合う贈り物の名目に変えれば対応可能です。

お歳暮 12月初旬〜12月20日頃(遅くとも25日頃)
御年賀 松の内

(関東)元日〜1月7日頃

(関西)元日~1月15日頃

寒中見舞い 1月8日〜2月3日頃

お歳暮は12月20日を目安に、遅くとも25日までに届けるのがマナーです。

間に合わない場合には、年末にお届けしても大丈夫かどうかを先方に伺っても差し支えありません。

大丈夫であれば、慌ただしい年末にお届けする無礼をお詫びしてお届けしましょう。

お歳暮を年内にお届けできない場合には、年明けまで待ち、表書きを「お(御)年賀」に変えて贈りましょう。

御年賀は「今年もどうぞよろしくお願いいたします」という年始の挨拶に贈るものです。

関東・関西によって御年賀を贈る時期が少し異なる点に注意しましょう。

また、「御年賀」の時期を過ぎてしまった場合には、寒さが厳しい時期の挨拶である「寒中見舞い」に名目を変えて贈ることもできます。

お歳暮を贈る時期について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

お歳暮に付ける「短冊のし」とは

お歳暮 のし

のし紙の一種に、のし紙を短冊状に細長くした「短冊のし」という形式があります。

短冊のしは、簡易的な略式ののし紙です。

通常ののし紙よりも小さく、小さな品物にも使いやすい利点があります。

近年は、環境に配慮して包装を簡易化する動きが広がっています。

お歳暮の際に短冊のしが選ばれることも珍しくありません。

マナー上問題はないので、親しい方なら短冊のしを選んでもよいでしょう。

お歳暮ののし紙の掛け方

お歳暮 のし

のし紙のかけ方には「内のし」「外のし」の2つのスタイルがあります。

使い分けの明確な決まりはありませんが、下記のような対応が一般的です。

配送時には「内のし」

「内のし」は、贈り物の箱にのし紙を掛け、その上から包装紙で包むスタイルです。

のし紙が傷ついたり汚れたりしにくいことから、配送時によく使われます。

また、内のしは受け取った相手が包装紙を外すまでのしが見えないため、控えめな印象を与えます。

そのため、内祝いなど自分側の出来事に関する贈答品で好まれる傾向があります。

手渡しには「外のし」

「外のし」は、包装紙の上からのし紙を掛けるスタイルです。

贈り物の名目や贈り主の名前が一目でわかるため、相手側の出来事に関する贈答品は外のしにするのが一般的です。

お歳暮は相手に対する感謝の気持ちなので、手渡しする場合には、外のしにするとよいでしょう。

ただ、外のしは内のしよりものし紙が汚れやすくなります。

手渡す際は、風呂敷や紙袋に入れて持参し、風呂敷や紙袋から出してお相手に渡しましょう。

のし紙の由来

お歳暮 のし

のし紙の「のし」は「のしあわび」のことで、のし紙の右上に付いている飾りを「のし飾り」といいます。

昔から、神様へのお供えものである神饌には新鮮な海産物が使われていました。特にあわびは最も大切な神饌とされたため、日持ちのするのしあわびが奉納されるようになりました。

あわびの身を薄く削ぎ、押し伸ばして乾燥させたのしあわびは、長寿や慶びが長く続くよう願う縁起物でした。これが「めでたいものの象徴」となり、贈答品にのしあわびを添える風習へとつながっていったようです。

やがて、のしあわびを紅白の和紙で包んで水引で結んだ「折のし」を、慶事の贈り物の掛け紙につけるようになりました。

しかし、高価で貴重なのしあわびは手に入りづらかったため、時代が下がるとのしあわびを和紙で代用した「のし飾り」が使われるようになりました。

さらに、時代が進むにつれて簡略化され、現代では白い掛け紙に最初からのし飾りと水引が印刷された「のし紙」を使うのが一般的となっています。

ただし、鮮魚や肉を贈る場合には、のし飾りをつけないのが正しい方法です。

のし飾り自体が生命の象徴である「のしあわび」に由来し、生ものを意味しているため、生ものである鮮魚や肉と意味が重複してしまうからです。

鮮魚や肉を贈る際は、のし飾りが無く、水引だけを印刷した掛け紙を使いましょう。

お歳暮ののし紙について正しいマナーを知ろう

お歳暮 のし

のし紙とは、のし飾り・水引を含めた掛け紙のことをいいます。

しかし、のし飾りのついていない掛け紙も「のし紙」と呼ぶことが多いので注意してください。

お歳暮ののし紙は、贈り主の人数や相手との関係性によって、名入れ方法などが変わります。

個人・連名での名入れの仕方、内のし・外のしの違いなど、今回紹介したのし紙のマナーを守りながら、お相手に1年間の感謝を伝えましょう。

この記事のマナー監修者

三浦 康子 / 和文化研究家

この記事のマナー監修者

三浦 康子 / 和文化研究家

テレビ・ラジオをはじめ、各メディアで暮らしに息づく日本文化を紹介。新聞・雑誌、WEBにて多数の記事を執筆・監修、大学で教鞭もとる。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』、監修書『季節を愉しむ365日』ほか。「行事育」や歳時記に関する講演会も行う。

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