出産で入院し、退院するとなったとき、
「病院(産院)にお礼は必要?」
と迷う人は少なくありません。
人によっては、実家の両親や義両親から「病院の皆さんにお礼を用意しなさい」と言われ、悩まれることもあるようです。
「お世話になったお医者さんや看護師さん(助産師さん)に感謝を伝えたいけれど、どうすればいいの?」
と疑問に思っている方に向け、この記事では、出産の退院時にお礼を渡す判断規準やマナーを解説します。
ちょっとしたお礼をしたいときにおすすめの贈り物の紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
出産の退院時のお礼は基本的に不要だが……
結論からいえば、出産時の病院・産院への個人的な贈り物は不要であり、感謝の気持ちを言葉で伝えるだけで十分です。
とはいえ、一昔前までは病院に金品を渡して感謝の気持ちを表す「心づけ」という風習がありました。
そのため、両親や義両親の世代には「退院時は病院に心づけを渡すべき」と考えている人もいます。
心づけの習慣は現在でも残っているものの、昨今では病院によって受け取るか否かの対応が異なります。「心づけはお断り」と明示する病院も少なくありません。
一方、規定が比較的ゆるめで「表向きは禁止だが受け取ることもある」という病院や、そもそも規定がない病院もあるため、一概にはいえません。
お礼を贈るか否かは、病院側のスタンスを確認しつつ、各自で判断する必要があります。
なお、心づけの有無によって病院側から患者への対応が変わるようなことはありません。
お礼を贈るべきか迷うときの確認方法
お礼の品物を贈るべきかどうかを迷ったら、病院の対応を確認してみましょう。
病院の受付の方や看護師さんに直接聞きづらい場合は
- 入院のしおりに「職員への謝礼はお断りしております」」などの注意書きはあるか
- 待合室やナースステーションに「心づけはご遠慮下さい」といった張り紙がされているか
などをチェックしてください。
同室に二人目の赤ちゃんを出産する方が入院しているなら、以前はどうしたのかさりげなく聞いてみるのもおすすすめです。
病院スタッフに無理にお礼の品を押し付けることは禁物です。病院側に迷惑をかけてしまい、せっかくのあなたの感謝の気持ちも伝わらなくなります。
退院のお礼の品はお菓子など消えものがベスト
病院に渡すお礼の品は、スタッフ全員で分けやすい、お菓子などの「消えもの」が無難です。
女性スタッフが多い病院・産院なら、女性受けがいいおしゃれなパッケージの商品がおすすめです。
選ぶ際は、以下のポイントをチェックしてください。
- 個包装になっている
- 日持ちする
- 温度管理が必要なく常温の場所に置いてもOK
- 食べる前に切ったり混ぜたりする必要がない
- 一口で食べられて手が汚れない
たとえば室温によっては溶けてしまう「チョコレート」、食べるのにスプーンが必要な「水ようかん」や「ゼリー」、日持ちしない「シュークリーム」などの生菓子はおすすめできません。
このほか、飲み物と一緒でないと食べづらいものや、きな粉がこぼれやすい和菓子なども避けましょう。
個数はスタッフ全員に行き渡るよう、人数以上の数を余裕を見て用意します。
人数が分からないときは、「どのくらいのスタッフさんが働いているんですか?」など、日常会話の中でさりげなく聞くのもひとつの方法です。
それでも分からない場合は、できるだけ多めに入っているものを選びましょう。
【病院・産院へのお礼に】出産退院時にぴったりのギフト
ここでは気兼ねなく受け取ってもらいやすい消えものの中から、出産退院時のお礼にぴったりのアイテムをご紹介します。
どんなものを贈ればいいのか迷ったときの参考にしてください。
一口サイズで食べやすい「焼き菓子」
病院や産院で働く医師や看護師は、なかなか休息が取れないことも珍しくありません。
食べやすい一口サイズの焼き菓子を贈れば、ちょっとした空き時間に糖分を補給でき、ひと息ついてもらえるでしょう。
- クッキー
- フィナンシェ
- マドレーヌ など
おすすめなのは、賞味期限が長めで個包装になっている箱入りのギフトセットです。
注意点として、クリームやチョコレートがサンドしてあるタイプは、室内の温度によっては溶けてしまうこともあります。
季節的に心配なときはプレーンなタイプを選ぶのが無難でしょう。
小腹が空いたときにうれしい「せんべい・おかき」
仕事中、ちょっと小腹が空いたときにあるとうれしいのが「せんべい」や「おかき」など腹持ちのいい米菓です。
米菓は甘さやカロリーが控えめなものが多いので、糖分を控えている人や甘いものが苦手な人にも食べてもらえるでしょう。
個包装になっている商品なら、湿気てしまう心配もありません。
スタッフ全員に行き渡る個数が入っているか確認して選びましょう。
優しい甘さでホッと一息つける「飴・キャンディ」
「飴」は、女性に人気があるお菓子です。
衣服や仕事着のポケットにも入れておけるので、事務作業で疲れを感じたときや休憩時間など、甘いものがほしくなったタイミングで味わってもらえるでしょう。
スタッフの人数が把握できているのであれば、1人ずつに渡せる飴のプチギフトを贈ると感謝の気持ちがより伝わりますよ。
人数が分からないときや大人数の場合は、配りやすい1個入りの個包装タイプがおすすめです。
夜勤の眠気覚ましに効果抜群の「コーヒー・紅茶」
「コーヒー・紅茶」も病院スタッフへのお礼ギフトにぴったりです。
コーヒーに含まれるカフェインは、眠気を覚ましたり気分をリフレッシュさせたりする効果が期待できるため、休憩時や夜勤時に重宝してもらえます。
コーヒーギフトにはカップにセットしてお湯を注ぐ「ドリップタイプ」や、お湯に注ぐだけの「スティックタイプ」などがあります。
病院スタッフに贈るなら、コンパクトな個包装のスティックタイプがおすすめ。仕事の合間に手軽においしいコーヒーを楽しんでもらえるでしょう。
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病院へお礼を贈るなら予算は3000円~5000円が目安
病院へのお礼の適切な予算はスタッフの人数によって変わるものの、相手が気兼ねせずに受け取れるのは、3000円〜5000円程度が一般的です。
必要以上に高級なものを贈ると、固辞されたり困らせたりしてしまう可能性があります。
「受け取りOK」でもお礼は常識の範囲内で
病院の規模によっては、患者からのお礼に関する規定がないこともあります。
医師・スタッフと患者との距離が近い個人病院・クリニック・アットホームな雰囲気の助産院などは、お礼の品を受け取るケースがよくあるようです。
とはいえ、現金や商品券などの金品を渡すのはNGと心得ておきましょう。
万が一、金品を渡している場面を他の患者さんに見られたら、
「あの人だけ特別な待遇だったのでは?」
と勘繰られる可能性も。
また、お礼の中身を知らずに受け取ったスタッフが上長に叱責され、迷惑をかけてしまうかもしれません。
お礼の品はあくまでも、患者側の素直な謝意を示すものであることが大前提です。
常識的な金額範囲に収まるものを渡すようにしましょう。
出産の退院時、お礼を渡すならマナーに配慮しスマートに
お世話になった病院や産院にお礼をする際は、マナーを守ることも大切です。
ここでは、病院にお礼を渡す適切なタイミングや基本的な贈答マナーなどをご紹介します。
退院時のお礼の品には「紅白・蝶結び水引ののし紙」をかけよう
お礼の品物を購入する際は、お店で「のし紙(通称:のし)」をかけてもらいましょう。
のし紙は先方に礼を尽くす姿勢を表すもの。感謝を伝える贈り物にはのし紙をかけるのがマナーです。
のし紙は、印刷されている水引(紅白の飾りひも)によって、ふさわしい使い道が異なります。
出産の退院時のお礼なら、水引が「紅白・蝶結び」のものが適しています。
水引の上の表書き(贈り物の名目)は「御礼」と記載するのがおすすめです。
水引の下の「名入れ」と呼ばれる部分は、贈り主(あなた)の氏名を書くスペースです。一般的に苗字だけを書き入れるケースが多いようです。
お礼の品にメッセージカード・お礼状を添えて感謝を伝えよう
病院や産院へお礼をしたいときは、無事に出産できた感謝をお礼状やメッセージカードにつづり、贈り物に添えるとより丁寧です。
その際、あまりかしこまった儀礼的な文章にしなくても問題ありません。
短くても自分の言葉で素直な気持ちを書くほうが、受け取る人の心に響くものです。
参考までにお礼状の文例をご紹介しますので、自分なりにアレンジしてみてください。
▶GiftA オリジナルデザインのメッセージカード一覧はこちら
〇〇産婦人科の皆さまへ
このたびは◎日間、大変お世話になりました。
初めてのお産を迎えるにあたって不安な気持ちでしたが、皆さまの心強いサポートのおかげで無事にわが子を胸に抱くことができました。
まだまだ母親としては未熟なため、子育てでは戸惑うことばかりです。
これからは皆さまに教えていただいたことを思い出しながら、前向きに頑張っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
〇〇より
お礼を渡すタイミングは人目を避け、退院日がベスト
前提として、ナースステーションや受付など人目に付く場所でお礼を渡すのは避けましょう。
なぜなら、ほかの患者さんに
「この病院ではお礼を用意しなければならないの?」
と不安を感じさせてしまう可能性があるからです。
お礼はあくまでも任意のもの。渡す場合は、自分以外の患者さんへの配慮も大切です。
また病院側としても、患者から品物を受け取っているところを見られたくないと考えるケースは多く、人目につく場所では断らざるを得ない場合も。
退院直前の回診時など、人目に付かないタイミングで「皆さんで召し上がってください」と一言添えて渡すのがおすすめです。
本来、お礼の品物は紙袋から出して相手に渡すのがマナー。しかし、病院内では人目に付かないことを優先し、紙袋のまま渡したほうがいいでしょう。
病院へのお礼は大っぴらに渡すものではないため、紙袋はバックヤードへ持ち帰る際の目隠しになります。
贈られた方が負担なく受け取れるお礼を心がけよう
基本的に、病院へのお礼は必須ではありません。
そもそも、国公立病院の場合、公務員規定により、お礼の受け取りは全面的に禁止されています。
私立の大学病院や総合病院も、原則としてお礼の品物は受け取りません。
大病院になればなるほど「患者からのお礼は受け取ってはいけない」と厳しく禁止している傾向にあるので、無理にお礼の品を贈って相手を困らせないよう気を付けましょう。
とはいえ、患者から病院への贈り物に関しては、病院によって規定が異なるのも事実。
表向きは禁止だが、お菓子程度なら受け取る病院や、規定自体がない病院もあります。
お礼の品物を贈りたいときは、常識的な範囲で、贈られた側が負担に感じないものを選ぶ配慮が大切です。
もしも受け取りを固辞された場合は、後味が悪くならないように手紙のみを渡し、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
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お世話になった病院にあなたからの感謝が伝わるよう、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてください。