赤ちゃんが生まれて出産祝いを贈られた両親は、お返しの内祝いを準備します。ところがいざ贈ろうという時になって「仏滅」に出産内祝いを贈ってもよいか、気になることがあるものです。
「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」と6つある六曜のうちで、特に有名なのが「仏滅」と「大安」ですね。この「仏滅」は「仏が滅びる」という字が使われていることからもわかるように「何をしてもあまりうまくいかない日」というイメージがあり、お祝いごとをするには縁起が悪いと気にする人も多くいます。
それでは、縁起のよい日というイメージが強い「大安」に内祝いを贈るべきなのでしょうか?
今回はそんな疑問を解消していきましょう。
出産内祝いの六曜はあまり気にされない
結婚式のときには「仏滅」を避ける人が多いですよね。逆に「大安」を選びたい人はたくさんいます。
六曜を気にする人が多いことは、結婚式を挙げる際の値段が「大安」の日には高額になり、「仏滅」のときには安価になることでもはっきりと分かります。しかし、近年では出産内祝いの場合にそこまで気にするケースは少なくなっているようです。
とはいえ、内祝いを贈る日として六曜の中でも特にふさわしいとされる日はあります。
年配の方の中にはお日柄を気にする人もいますので、内祝いはどの日がよいのか、どの日は避けたほうがいいのか確認していきましょう。
六曜の一種である仏滅とはどんな日?
六曜はもともとは中国から入ってきた概念です。昔は「仏滅」のことを「空亡」や「虚亡」と表現していたようです。
その時点では、現在思われているような「仏が滅びるほど悪い日」といった考えはありませんでした。今でも「一度滅んだあとに新しく生まれ変わる」といった考え方もあります。
また「仏滅」の後に「大安」になるため、「仏滅」の午後はどんどん運気が上がっていく、ともいわれています。縁起が悪いとして広く知られているため避けた方が無難ではありますが、もし「仏滅」に内祝いを贈ることになったら午後に贈ると良いでしょう。
仏滅は避けるのが無難。贈るなら一言添えて
「仏滅」は縁起のよくない日として世の中に広く知られています。六曜まで配慮をしたいなら避けたほうが無難です。
ただし、先方と直接会える日が「仏滅」しかなかった場合は無理をして避けなくても問題ないといえます。
それよりも出産内祝いを贈るタイミングが遅くなってしまう方が失礼に当たる可能性があるため、日柄はあまり気にせずに贈りましょう。
その際に「仏滅を避けようかと思いましたが、この日しか予定が合わなかったので…」と一言添えておくと先方に気遣いが伝わるでしょう。
赤口もお祝い事には向かない
「仏滅」以外にお祝い事に向かないといわれているのが「赤口」です。陰陽道の「赤舌日」に由来しているとされています。
もともとは「仏滅」以上に大凶の日であるとされていました。火や血液など赤色に関係があるものに注意が必要な日で、刃物でケガをすると赤い血が流れることから刃物にも気を付けたいところです。
内祝いを贈るなら「赤口」の日もなるべく避けたほうがよいでしょう。
出産内祝いを贈るなら大安が一番?
それでは、出産内祝いを贈るのに一番縁起のよい日はいつなのでしょうか?
六曜の中でも縁起のいい大安
六曜の中でも「大安」は縁起のよい日として広く知られていますね。「大安」はその字のとおり「大いに安し」という意味で、何をするとしても縁起がよい日だといわれています。
どんなお祝い事にでも向いている日なので出産内祝いを贈る日としても選ばれています。
内祝いなら友引が一番ふさわしい
「大安」はどんなお祝い事にも向いている日ですが、出産内祝いを贈るのであればさらに縁起がよい日があります。それが「友引」です。「友引」は「親しい人たちを引き寄せる」という意味や「幸せを分かち合う」という意味があります。
内祝い自体にも本来は「身内にあったおめでたいことのおすそ分け」というメッセージがあるため、「友引」の言葉のイメージとぴったりです。よいタイミングを選ぶ余裕があるときには一番目の候補に「友引」を、二番目の候補に「大安」を選ぶとよいでしょう。
仏滅よりも気を付けるべきタイミング
仏滅以上に気を付けたいタイミングがあります。内祝いを贈るのに向かない時期を確認していきましょう。
相手が弔事のタイミング
出産祝いはいただいたけれど、その後相手の身内に不幸があった場合は、内祝いを贈るのを控えましょう。
相手が「お祝い」の気分にはならないでしょうし、こちらとしても気になってしまいます。相手が喪中に入ってしまったときには内祝いのタイミングを遅らせたほうがよいでしょう。
内祝いを贈る通常の時期よりも遅くなってしまうので、その場合には先に電話を入れておくことをおすすめします。「お祝い」ではなく、「お礼」の電話だというイメージでお話するとよいでしょう。
実際に内祝いを贈るのは、遺族が喪に服す期間を終えてからにしましょう。仏教であれば故人が亡くなってから49日後、神道の家なら50日後以降です。
基本的にはそのときに内祝いと書いて贈ってもいいとされています。しかし「お祝い」という言葉が相手に不快に思われないように配慮し、贈り物につけるのし紙の表書きは「御礼」と書いて贈ることをおすすめします。
相手に事故や病気、ケガなどがあったとき
内祝いを贈る相手が事故でケガをしたり病気で入院してしまったりなど、相手に良くないことが起こっているときも「お祝い」の気分にはならないでしょう。このときも内祝いを贈るのは避けた方が無難です。
まとめ
このように、現代では出産内祝いを贈るタイミングとして「仏滅」がそこまで気にされているわけではありません。それよりも内祝いを贈るのが遅くなってしまわないことや、相手が喪中のタイミングに贈らないように気を付けたほうがよいでしょう。
また、内祝いを直接手渡しすることができずに郵送で配達してもらう場合には、配送上の都合もあるため「仏滅」などはあまり気にされなくなるようです。
これらの情報を参考に、失礼のない出産内祝いを贈りましょう。