お孫さんや、親戚・知人のお子さんが大学卒業を迎えると聞いて、お祝いをどうしようかとお悩みではありませんか。
「卒業祝い」と「就職祝い」のどちらで贈るのか、どのようなお祝いが好まれるのかなど、さまざまな疑問を解消し、喜ばれるお祝いを手配しましょう。
大学の「卒業祝い」と「就職祝い」どちらにするべき?
大学を卒業すると、すぐに社会人としての生活が始まります。
人生の門出にお祝いを贈りたいと考えたとき、「卒業祝い」と「就職祝い」、どちらにするのか疑問に感じる人は多いのではないでしょうか。
結論をいうと「必ずこの名目で贈るべき」という厳格なマナーはありません。
では、一般的にはどのように行われているのでしょうか?
「就職祝い」で贈るのが一般的
大学卒業後、就職が決まっている場合、一般的には「就職祝い」として贈られます。
これは卒業祝いよりも、就職祝いという言葉に「未来へ向けての新しい門出」という意味合いが感じられるためです。
おめでたい気持ちとともに、社会人となる若者へエールを込めて贈ります
贈るタイミングは、入社日の2週間前が目安です。万が一、入社日を過ぎてしまったら、入社後1カ月以内に贈りましょう。
大学卒業祝いを渡したい場合
卒業はしたものの、希望から外れた就職先に決まったり、就職浪人になったりするケースもあるでしょう。
このような場合、相手の気持ちを気遣って「卒業祝い」として贈ることがあります。
大学卒業祝いを渡すタイミングは3月末までが目安です。新生活が始まる前に贈ることをおすすめします。
就職祝いを贈る際のマナー
気持ちよく就職祝いを受け取ってもらうには、マナーに沿って贈り物をすることが大切です。
品選びの前に、相場や贈り方を確認しておきましょう。
相場を確認しよう
大学卒業後の就職祝いの相場は、相手との関係性によって異なります。卒業祝いの相場もほとんど変わりません。
祖父母から孫へ | 3~5万円 |
親から子へ | 1~3万円 |
親戚から | 5000~1万円 |
知人から | 5000~1万円 |
必ず上記の金額でお祝いをしなければならないわけではありません。
一つの目安として考えてましょう。一般的に血縁が深く、関係性が近い相手ほど、金額が高くなる傾向にあります。
とはいえ高額過ぎるお祝いは、相手や相手のご家族へ余計な気遣いをさせてしまうかもしれません。
就職祝いは「お返し不要のお祝い」という位置づけです。「何かお返しをしなければ」と思わせない金額で贈り物をすることも大切です。
熨斗(のし)をかけて
大学の卒業祝い・就職祝いは、のし紙をかけて贈ります。
水引は、何度あってもうれしいお祝いに使う「紅白蝶結び」を選びましょう。地域によっては紅白5本蝶結びやあわじ結びが使われます。
表書きは以下のいずれか、もしくは「御祝」と記載しましょう。
- 卒業祝い:「卒業御祝」「御卒業御祝」「祝御卒業」
- 就職祝い:「就職御祝」「祝御就職」「御就職御祝」
水引の下段には贈り主の名前を記載します。卒業祝いや就職祝いは親族間で行われることが多いため、フルネームで書くと間違いがないでしょう。
メッセージカードや手紙を添えるのもおすすめです。
普段から感じていた相手の長所や、これからの人生を応援する気持ちを綴ってみましょう。希望と不安を抱える新成人の心の支えとなるはずです。
就職祝いに喜ばれるもの
新社会人となる大切な孫や親戚に、心から喜ばれるものをプレゼントしたいと願う人は多いことでしょう。
新生活に役立つものや、相手の欲しいもの・好みに合わせて贈り物を選ぶと喜ばれます。
社会人として使うものは、悪目立ちしないよう、色やデザインに気を付けるのがポイントです。
具体的にどのような品物が喜ばれるのか見ていきましょう。
お菓子・スイーツ
カラフルで見た目も華やかなお菓子ギフトは就職祝いにもぴったりです。
洋菓子や和菓子、甘みの少ないお菓子など、豊富な種類の中で相手の好みに合わせて選ぶことができるのでおすすめです。
お手頃な価格で購入できることがほとんどなので、花束やネクタイなどの他のギフトと組み合わせて華やかにすることもできますよ。
日持ちする焼き菓子や冷凍ができるアイスのギフトは、好きなタイミングで食べられるのも魅力です。
カタログギフト
「現金では味気なさを感じるが、品物だと相手の好みがわからない」という場合、カタログギフトはいかがでしょうか。
現金は使い勝手がよいプレゼントですが、金額がはっきりとわかってしまうため味気なさのある贈り物でもあります。
その点、カタログギフトは金額がわかるものではありません。相手に好きなものを選んでもらえるため、欲しいものが見つかる贈り物になります。
また、お祝いの予算が2万円の場合、割り切れる数字に抵抗を感じることがあっても、カタログギフトならその心配がいりません。
腕時計・アクセサリー
社会人になると、身だしなみの一つとして腕時計を着用する機会が増えてきます。
一緒に品選びができるくらい親しい間柄ビジネスシーンにマッチする腕時計を、就職祝いとして贈るのもおすすめです。
女性への就職祝いには、フォーマルでもカジュアルでも使えるアクセサリーがおすすめです。
ダイヤモンドの一粒ネックレスや、冠婚葬祭向けのパールのジュエリーなど、一人前の社会人として1点は持っておきたい品も喜ばれます。
ビジネスシーンで活用できるアイテム
新社会人として仕事時に活用できるアイテムは、大学の卒業祝い・就職祝いならではの品物です。
「これからの新生活が充実しますように」という願いを込めることもできます。
相手の就職先や業界、仕事内容を踏まえて、ふさわしいアイテムを探すのがポイントです。
日常的にスーツを着用する相手には、ネクタイやスーツ用のブラシ、ベルトなどが喜ばれます。名刺入れやパスケース、ビジネスバッグもよいでしょう。
いずれも控えめなデザインと落ち着いたカラーのものを選べば、職場での悪目立ちも防げます。
お酒
お酒は、お祝いの気持ちを形にして贈れる品物の一つです。
古来、日本では、祝いの席や神聖な場所には日本酒が用意されてきました。そのため、大学卒業や就職という人生の門出を、心から祝うシーンにもぴったりです。
飲みやすくて美味しいビールが選ばれています。近年は従来のビールと異なる風味や味わいを楽しめる、クラフトビールが人気です。
スーパーで多く販売されているラガービールに苦手意識があっても、クラフトビールなら美味しく飲めると若者の間で人気が上昇しています。
このほか、紅白のカラーで縁起がよく、めでたい気持ちを表現できるワインも人気を集めています。
やさしい酸味が特徴の国産ワインなら、アルコールをあまり飲み慣れていない人でも、美味しく飲んでもらえるでしょう。
食べ物
充実した大学生活を終えた人へ、いたわりと応援の気持ちを届けられる贈り物が食べ物です。
実家へ住んでいる人へ「ご家族みんなで楽しんでください」として贈れば、大学生活や就職活動を支えた親御さんにもねぎらいの思いを伝えられます。
カニやフグなどの高級海鮮や高級和牛のすき焼き肉・ステーキ・焼肉など、リッチなグルメを選んで贈りましょう。
一人暮らしをしている人には、ブランド米や高級調味料、お取り寄せスイーツも喜ばれます。
現金
現金は使い勝手がよいため、なにかと物入りな時期に重宝する贈り物です。
結婚などの慶事では、2万円など割り切れる数字はマナー違反といわれます。
しかし御祝においては、近年さほど重視されない傾向にあります。
相手が気にするかもしれないと感じるときは、1万円札を1枚・5千円札を2枚の計3枚にして贈りましょう。
NGアイテムはある?
大学卒業祝いや就職祝いでは、特にマナー違反とされる品物はありません。
ただし、一般的にプレゼントには避けた方がよいと考えられる品物もあります。
例えば、ハンカチです。ハンカチは手巾とも書き、これが「てぎれ」と読めることから「絶好」を意味するともいわれています。
ほかにも時計は「しっかり時間管理をしなさい」、筆記用具は「もっと頑張りなさい」という意味があるともいわれます。
近年は、気にしない人が増えています。しかし、上司など目上のご子息・ご息女に贈る場合など、少しでも気になるのであれば避けた方がよいでしょう。
大学卒業のお祝いを込めた就職祝いを贈ろう
大学卒業や就職のお祝いは、一般的に「就職祝い」の名目で贈ります。ただし卒業祝いとして贈っても問題ありません。
就職祝いは、新たな世界に向かって羽ばたく新社会人へ、エールを贈るプレゼントです。
新生活では、試練を迎えることもあるかもしれません。そんなときは、あなたのお祝いの気持ちが心の支えとなることでしょう。
納得のいく品物とともに、お祝いの気持ちを添えて、お祝いしてみてはいかがでしょうか。