赤ちゃんが誕生して出産祝いをいただいたら、忘れてはいけないのが出産内祝い(お返しの品物)です。
出産祝いで現金をもらった場合は内祝いの予算が立てやすいですが、友達や上司からは物をもらうことが多いもの。
赤ちゃんの両親としては「お返しはいくらぐらいにしよう」と迷いますよね。
正式な贈り物は、ただ気持ちを込めれば良いというわけではありません。慶事の贈り物には、相場・時期・贈り物の体裁などの伝統的なマナーがあります。
今回は、感謝の気持ちが伝わる正しい贈り方や、内祝いの品物選びのポイントをご紹介します。
出産祝いで品物をもらった場合、お返しの選び方
まずは出産内祝いに選ぶ品物の相場を確認しましょう。
内祝いの価格はもらった物の金額で判断
内祝いの正しい相場はいくらなのでしょうか? 正解は、出産祝いでもらった現金や物の金額の「半分〜1/3」とされています。
1万円いただいたら、お返しは5千円から3千円が目安。3万円いただいたら、お返しは1万5千円から1万円というふうにお返しの品物の金額を変えます。
もらった物の金額がはっきりわからない場合は、インターネットで類似品を探して、その価格を参考にしてもかまいません。
ただし、5万円以上の明らかに高額なご祝儀をもらった場合は、お返しの額も高くなってしまうので、無理せずに1/3やそれ以下で返しても大丈夫とされています。
赤ちゃんが生まれると何かと出費がかさむことはみんなが分かってくれています。この場合は相手のご厚意に甘えても問題はないでしょう。
お返しを贈る時期は生後1ヶ月を過ぎる頃
出産内祝いは贈るタイミングもマナーのうち。相手に「遅い」と思われたら品物選びの苦労が水の泡です。
内祝いを贈るベストな時期は赤ちゃんが生まれて1ヶ月後、ちょうどお宮参りを済ませた頃が目安です。どれだけ遅くても2ヶ月以内には贈るように心がけましょう。
内祝いは出産祝いをもらった人全員に渡すものなので、準備に時間がかかります。お宮参りを終えたらすぐ配送できるように、品物選び・お礼状・配送の段取りを早めに組んでおくのが安心です。
内祝いの正式な贈り方は、出産祝いをくださった人の自宅を直接訪問して手渡しすることです。しかし近年ではライフスタイルの変化で親族や友人が遠方に住んでいるケースも多いですから、その場合は配送サービスを利用しましょう。
出産祝いのお返しにこれはマナー違反!
さっそくお返しの品物を用意しよう! と意気込む前に、まずはマナー違反を犯さないことに念を入れましょう。いくらこちらが感謝の思いを込めたつもりでも、受け取る側に失礼と思われては元も子もありません。
相手に不快感を与えない品物選びの注意点や、出産内祝いにふさわしい熨斗(のし)について確認していきましょう。
内祝いの本来の意味を知ればミスは防げる
日本の伝統的な慣習である「内祝い」は、もともとは「身内におめでたい出来事があったときに周囲の人におすそ分けとして配るもの」の意味でした。
赤ちゃんが生まれれば、出産祝いをもらったかどうかに関わらず、隣近所やお世話になった人へ内祝いの品を配ったわけです。
時代とともに本来の意味が薄れ、今では内祝いと言えば「もらった出産祝いへのお返し」と認識している人が多くなっています。
ただし、もともとの意味の名残りで「お返しする」という言葉を使わず「内祝いを贈る」という言い方をするのが一般的です。
「お返し」という言葉には「もらったから返さなくてはいけない」という義務のニュアンスも含まれます。そのため、内祝いを贈る際に「お返しの品です」などと言うのは本来の意味にそぐわず、相手からのせっかくのご厚意を無にすることにもなりかねません。
「お祝いを贈ってもらった人への感謝が第一」と考えていれば、失礼のない好印象の内祝いが贈れるでしょう。
もらった物よりも高価なお返しは失礼
お祝いをもらった事への感謝が大きくなりすぎて、高価な品物を選びたくなるかもしれません。
しかし、内祝いを贈るなら、相手の顔を立てるためにも相場に従い、もらった物の金額よりも低い額の贈り物を選ぶのがマナーです。
出産祝いの贈り主も「ママさんをお祝いしたい、赤ちゃんがいる新生活を応援したい」との思いでご祝儀を用意してくれるので、それより高い品物で返すと本末転倒になってしまいます。
また、年齢層が高い方ほど自分が贈った金額よりも高い内祝いに対して不快感を覚えるケースがあるで注意してください。
内祝いにタブーの縁起の悪い品物
次に、慶事の贈り物にするには縁起が悪い物、失礼な意味が含まれる物をご紹介します。なぜ贈ってはいけないのか? それぞれの理由も一緒に確認しましょう。
- 刃物・履物
- 現金
- 日本茶・塩
贈ってはいけない理由を一つずつご説明します。
刃物は「縁切り」のメッセージを表すとされます。つまり、刃物を贈るということは相手に「私たちと縁を切りたいということ?」と捉えられる可能性があるのです。
また、履物は「相手を踏みつける」、つまり相手からの好意を踏みつぶすという捉え方ができ、刃物と同じく贈り物にするにはふさわしくない物とされているので注意しましょう。
次に現金ですが、出産祝いのご祝儀を現金で返すのは失礼なこととされています。現金を贈るという行為は「生活が大変だと思うのでどうぞ」という応援の意味が含まれ、内祝いをいただいた側からお返しに現金を贈るのは避けるべきとされてきました。特に自分より目上の人に贈るのはタブーです。
また、日本茶と塩は、弔事の贈り物に使われるイメージが強い品物です。出産内祝いのような慶事では基本的に扱いません。
ただし、お茶に関してはその風潮はだんだんと薄れてきているようで、内祝い用に選ぶ方が増えてきているようです。
そのため、相手がお茶好きであれば贈っても問題はないでしょう。その際は贈る前に「〇〇さんがこのお茶を気に入っているようなので」と一言添えると好感を持ってもらえるでしょう。
「のし」の選び方と表書きのマナー
品物を選んだら、次はのしの用意です。
まず、出産内祝いに適したのしの水引(みずひき)は、慶事に使用する5本の紅白。結び方は「何度起きても喜ばしい」という意味の蝶結び(花結び)を選びましょう。表書き(お祝いの名目)は「内祝」が正解です。
ちなみに「御礼」の表書きは、先方の身内に不幸があったなどの事情がある場合に使います。
出産祝いのお返しなので「御礼」と書いても問題ないように見えますが、出産内祝いとは本来「幸せを分かち合いましょう」という意味のものです。「御礼」と書くと「もらったから返すもの」というそっけない印象を与えてしまうのです。
品物だけを送りつけず、お礼状を添える
内祝いは出産祝いをもらったことへ感謝の気持ちを示すものです。
先方へギフト商品だけ贈るのではなく、必ずお礼状を添えましょう。友人など親しい間柄の相手ならカジュアルなデザインのメッセージカードでも問題はありません。
また、内祝いには赤ちゃんのお披露目の意味もあります。お礼状に書く内容は
- ・いただいた出産祝いへの感謝の言葉
- ・赤ちゃんの名前の報告と、その由来の説明など
- ・出産後の生活の母子の健康状態の報告
- ・今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉
これらの項目を意識しながら書けばまとめやすいでしょう。
出産内祝いギフトのおすすめ
「出産内祝いは一体何をお返しすれば良い?」初めての方は難しい選択だと思います。
縁起の悪いものを避けさえすれば、あとは「相手の目線」に立って、喜ばれるもの、使いやすいものを選べばOKです。相手の好みがわからないときの対策もあります。
女性に人気のウォッシュタオル
お返しの品物によく選ばれるタオルですが、せっかくならちょっと上質でおしゃれなタオルを贈りたいもの。相手が女性ならなおさらです。
そこで出産祝いのお返しおすすめするのがウォッシュタオル。一般的なフェイスタオルの約半分の大きさで、肌触りがより優しく、敏感肌の人や赤ちゃんも使える素材のものがあります。そのため洗顔後の専用タオルとして人気があります。
ウォッシュタオルと一緒にハンドソープやクリームがセットになっているギフトセットもあり、きっと喜ばれるでしょう。
相手の好みがわからないならカタログギフトが安心
内祝いは普段あまり交流のない遠い親戚に贈るケースもよくあります。その場合、相手の好みがわからないので品選びに迷いますよね。贈る前に相手に好みを聞くわけにもいきません。そこでおすすめなのが「カタログギフト」です。
内祝い用のカタログギフトを贈れば、相手がその中から欲しいものを自分で探せるので「選ぶ楽しさ」も味わってもらえます。
カタログギフトの内容はグルメ・ファッション雑貨・家電など幅広いギフト商品が掲載されているので、まずは無料サンプルを取り寄せて中身を確認するといいでしょう。
産後のママも大助かり!カタログギフトを贈るメリット
内祝いは複数の人に一斉に贈ることが多いので、一人ひとりの予算に合わせて品物を選ぶことになりますが、これは時間的にも体力的にもなかなか大変な作業です。
出産後1ヶ月そこそこでまだ体調が万全でないママさんをいたわるためにも、相手に好きなものを選んでもらえるカタログギフトが重宝するでしょう。