出産祝いのご祝儀袋、中袋なしでもOK？お金の入れ方・書き方マナー

出産祝いのご祝儀袋（のし袋）によっては、現金を包む中袋（内袋・中包み）が最初から付いていないものがあります。

本来は必要な中袋ですが、場合によっては「なしでも良い」とされるのをご存じでしょうか？

また、いざご祝儀を包むときに「お札の入れ方の向きに決まりはあるの？」など、細かな部分も気になりますよね。

今回の記事ではご祝儀袋の中袋を省略する場合のマナーや、お金の入れ方・金額の書き方など、ご祝儀袋を使う際に知っておきたい情報を合わせてご紹介します。

ご祝儀袋の入れ方：中袋なしの場合

出産祝いのご祝儀を贈るなら、水引が付いたご祝儀袋にお金を入れて渡すのが正式なマナーです。

豪華なご祝儀袋を購入すると、たいていの場合は中袋が付いています。中袋はお金を入れ、贈り主の氏名・住所・お祝い金額を記入するために使いますが、ご祝儀袋のデザインによっては中袋を省略しているケースもあります。

中袋なしのご祝儀袋はカジュアルなデザインのものが多いでしょう。そうなると「今回の出産祝い、中袋なしのご祝儀袋でも大丈夫かな？」と、判断に迷ってしまいますよね。

それでは中袋なしで贈っても問題ないケースを確認していきましょう。

贈る額が高額でない場合

出産祝いは結婚のお祝いに比べると渡す金額が少なくなります。そのため相手との関係性によっては5,000円以下の金額を包むケースも少なくありません。

一般的に5,000円以下の出産祝いであれば、中袋がなくても良いとされています。

会社の同僚やご近所さんなど、付き合いのあまり深くない相手なら5,000円包めば十分という場面も多いでしょう。

「お返しは必要ない」という意味も込めて中袋に入れずに渡すという人もおり、受け取り手も中袋に入っていないからといってマナーがなっていないと感じることはほとんどありません。

贈る相手が友達や親しい人ならOK

仲の良い友達や親しい間柄の人も、中袋がなくても問題ないとされています。

ふつう、中袋には贈り主の住所・名前を書きますが、これはご祝儀を受け取った人が後でお返しをする際に必要になることが理由の一つです。

仲が良ければ連絡先を伝えなくても相手もわかっていますし、中袋がないことで「お返しの気を遣わなくていいよ」という気持ちも伝わります。

気心が知れていて特にかしこまってお祝いを贈る必要がない相手なら、中袋がなくても失礼と思われませんし、マナーがないと思われることもないでしょう。

ご祝儀の中袋が必要なケース

仲の良い人や気心知れている相手であっても、以下の場合には中袋を用意することをおすすめします。

贈るご祝儀の額が1万円以上の場合

ご祝儀袋に包む金額が1万円以上の場合には中袋に入れるのが一般的です。

「1万円以上包もうと思っていたのに、買ってきたご祝儀袋に中袋がついていなかった」という場合は別に中袋の代わりを用意しましょう。

後ほど中袋がないときの対応もお伝えします。

ご祝儀袋は中に入れる金額と釣り合うものを選ぶのがマナーです。

お金が中袋に入っていない状態で高額のご祝儀を渡すと、ご祝儀袋からそのまま高額の現金が出てくることになり、バランスが悪くなります。

目安としては、1万円を超えるなら中袋付きの正式な体裁にしましょう。

上司など礼儀を気にする目上の人

ご祝儀を贈る相手が職場の上司など目上の人なら中袋に入れて渡すべきです。たとえ入れる金額が少なめでも、マナーとして中袋付きのご祝儀袋を準備しましょう。

特に礼儀に細かい人や取引先などの気を遣わなければならない相手なら、なおさら正式な形にしたほうが無難です。

家同士のお祝いの場合

遠い親戚で、普段は連絡をあまり取り合わない家同士でのお祝い事の場合、身内とはいっても相手の考え方がわからないので、中袋を使用するのが望ましいでしょう。

これは失礼に当たらない気遣いだけでなく、相手がお返しの準備をする際に連絡先を再確認する手間を掛けさせない配慮でもあります。

中袋なしご祝儀袋の入れ方

ご祝儀袋に中袋がついていないなら、後からでも中袋の代わりを用意できます。そのままお札を入れるのが失礼に当たる相手なら、下記の方法で代用しましょう。

白い紙に包む

中袋の代わりに、白い紙を折ってお金の包みに代用する方法があります。

柄のついていないまっさらな白紙で現金を包んでからご祝儀袋に入れれば、中袋の代わりにできます。

この場合は正しい折り方を覚えておくことが大切です。一般的な方法としては、まず紙を45度ほど傾けた状態でお札を乗せます。

このとき、表が見える状態で左側が下に向くようにお金を置くのがポイントです。次に、上下を畳んだ後左右を畳んで包みます。

白い紙は昔は上質な奉書紙が使われていましたが、今はコピー用紙でも十分です。

奉書紙は和紙ですが透けないしっかりとした材質で半紙より厚く、コピー用紙と同じくらいの厚みがあります。

昔は半紙があるお宅も多かったのですが、現在は半紙や奉書紙を用意している家は少ないため、無理に用意しなくても問題はないでしょう。

中袋を白封筒で代用、書き方もチェック！

自分で白紙を折って包むのが面倒なら、小さめの封筒を用意すれば簡単です。中袋として使える封筒に白無地金封と呼ばれるものがあります。

これはご祝儀袋に付属している中袋を書き損じてしまったときにも使えますし、ちょっとしたお礼を渡したいときのポチ袋替わりにも使えます。最近では100円ショップでも売られているので、いざという時のためて持っておくと便利でしょう。

代用の注意点として、中袋の代わりに赤い郵便番号欄が入った普通の白封筒を使うのはやめておきましょう。これはいかにも代用したという感じがして見た目も美しくありません。

中袋でも白紙を使った中包みでも、表側にはご祝儀の金額、裏側には贈り主である自分の住所と氏名を記入します。筆や筆ペンを使って楷書で書き、ご祝儀袋に入れて渡しましょう。

ご祝儀に書く金額は、数字を「壱」「弐」などの旧字体で書きます。金額の最後に也をつけたり、円を「圓」と書いたりするのはどちらでも構わないという見方が一般的です。

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ご祝儀袋、お金の入れ方

出産祝いとして贈るお金は「綺麗な新札を用意する」と聞いたことがある方は多いはず。それだけでなく、入れ方の向きにもマナーがあることをご存じですか？　ここで詳細を確認しておきましょう。

きれいな新札を用意するには

出産祝いに限らず、慶事のご祝儀袋に入れるお金はきれいな新札にするのがマナーです。

特に出産祝いは「赤ちゃんの誕生を待ち望んでお祝いを準備していました」という気持ちを表すためにも新札がふさわしいとされています。

新札は銀行に行けば両替してもらえますし、最近では新札のみを入れているＡＴＭもありますが、日ごろから新札を受け取ることがあれば手元に置いておくように習慣づけると、いざという時にあわてずに済むでしょう。

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お札の表とご祝儀袋の表をそろえる

ご祝儀袋・中袋の表・お札の表、全ての向きを揃えて入れましょう。また、中袋からお札を出したときに肖像画のほうから出るのが正しい入れ方です。

まとめ

出産のお祝いについては、結婚式のご祝儀と比べるとカジュアルな体裁でもマナー違反にならないケースが多いようです。

ご祝儀袋に中袋がついていなくても、親しい間柄の人なら問題はないでしょう。ただし、相手が目上の方である場合や、包む金額が1万円以上の高額になる場合は中袋を用意しましょう。

購入したご祝儀袋に中袋が付いていなければ、白い紙で中包みを作ったり、小さめで白無地の金封を別途購入して代用すれば問題はありません。