「日本ワイン」とは?国産ワインとの見分け方など豆知識を解説!

更新日:2022年12月8日

近年、「国産ワイン」と明確に区別されることになった「日本ワイン」について解説します。

ワイン好きで銘柄にこだわる方なら、両者の違いやラベルでの見分け方について知っておけば、ワイン選びの際の目安にできるでしょう。

また、産地やブドウ品種などの基本的な情報を知っていれば、日本ワインの楽しみ方がより広がっていくはずです。

世界的に評価が高まっている日本ワインに興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

「日本ワイン」と「国産ワイン」の違いはここをチェック!

国産ワイン 日本ワイン

現在、「日本ワイン」と「国産ワイン」は明確に区別されています。まずは、「日本ワイン」と「国産ワイン」、それぞれの概要を解説します。

日本ワインの定義とは?

日本ワインとは、国産のブドウを100%使用し、日本国内で製造されたワインのことです。

「日本のワインを愛する会」の会長を務めた山本博氏が、2003年に出版した自身の書籍のなかで「日本ワイン」という単語を登場させたのが始まりとされています。

2010年には「サントリーワインインターナショナル株式会社」によって日本ワインの定義が正式に表明されました。

このことをきっかけに、ブドウ栽培業者やワイナリーによるブランディングが一気に加速しています。

2015年には、国税庁によって法律で「日本ワイン」が保証されることが決定しました。2018年10月には本法律が正式施行され、「日本ワイン」が世界的に正式なブランドとして認められています。

国産ワインの定義とは?

国産ワインとは、一般的に日本で製造しているワインのことを指します。

従来、日本で製造される多くのワインは海外産ブドウや濃縮果汁を原材料の一部として使用していました。しかし、日本ワインのブランド力が強まるにつれて、

「海外産原料を使用しているワインと、国内産原料のみを使用しているワインを区別すべき」

という声が増えていったのです。

日本ワインに関する法律が施行された2018年10月以降は、海外産原料を含む日本製造のワインは「国内製造ワイン」として明確に区別されます。

日本ワイン・国産ワインのラベル表示ルール

国産ワイン 日本ワイン

日本ワインと国産ワインを見分けるためには、ラベルを確認しましょう。

前提として、ワインの裏ラベルには、以下の内容を明記することが義務付けられています。

  • 製造者名
  • 製造場所在地
  • 内容量
  • 品目名
  • アルコール分

さらに、2018年に日本ワインに関する法律が施行されたことに伴い、ラベルの表示ルールが追加されました。日本ワイン・国産ワイン(国内製造ワイン)は、それぞれ以下のように表示されます。

日本ワインのラベル表示ルール

国産のブドウのみを使用している場合はラベルに「日本ワイン」と明記されます。

さらに、その産地のブドウを85%以上使用しており、なおかつ醸造場が同産地内にある場合は、「○○ワイン」と地名を表示可能です。

例として、山梨産のブドウを85%以上使用しており、醸造場も山梨県にある場合は、「山梨ワイン」と表記できます。

同一地域で栽培されたブドウを85%使用している場合は、ラベルにブドウの産地を表示可能です。例として、山梨産ブドウを主原料として使用しているワインのラベルには、「山梨産ブドウ使用」と表記されます。

また、「山梨醸造ワイン」など、醸造地を記載できるようになりました。ただし、ブドウの産地と醸造地の所在が異なる場合は、その旨を記載する必要があります。

国産ワインのラベル表示ルール

海外産の原料を含んでいる場合、「日本ワイン」の表記はできず、国産ワイン(国内製造ワイン)として区分されます。

国産ワイン(国内製造ワイン)のラベルには、輸入ワイン、濃縮還元ブドウ果汁、ブドウといった原材料が使用割合の多い順に記載されます。

さらに、国産ワインの表ラベルには地名や品種名は表示できません。裏ラベルにこれらを記載することはできます。また、原材料の地域名や国名などの産地を記載することは可能です。

日本ワインの産地

国産ワイン 日本ワイン

日本ワインの代表的な産地として北海道・山形・長野・山梨が挙げられます。それぞれの土地の特徴や、ワインづくりへの取り組みについて解説します。

北海道

北海道は乾燥しており1日の寒暖差が大きいことから、白ブドウの栽培に適している土地です。そのため、白ワイン用の品種が数多く栽培されています。寒冷地で育つブドウによる酸味の強さが北海道産ワインの特徴です。温暖化の影響から、近年は品種改良した赤ワイン栽培を始める農家も増えてきています。

山形

山形では、江戸時代初期頃からブドウ栽培が始まったと伝えられています。現在でもブドウの収穫量は多く、山梨・長野と並ぶ日本三代産地として知られている土地です。近年は、「山形県産認証ワイン」というブランドを打ち出しています。

長野

1日のなかで寒暖差が激しい、雨が少ないといった気候的特徴がヨーロッパに似ている長野。このことから、日本のなかでもブドウ栽培が盛んな土地として知られています。

2013年からは、「桔梗ヶ原」「日本アルプス」「千曲川」「天竜川」と4エリアの産地でブランディングする「信州ワインバレー構想」を打ち出しています。

山梨

気候条件に優れていることから、古くよりブドウ栽培を行っていたとされる山梨。およそ800年前にはすでにブドウ栽培が開始されていた、という説があります。

現在でも、ワインの生産性は日本一であり、ワイナリーの数も国内最多となっています。

代表的なブドウ産地は甲府市、甲州市、山梨市、笛吹市、北杜市、韮崎市など。特に、甲府は日本ワインを語るうえで欠かせない産地として知られています。

日本ワインのブドウ品種

国産ワイン 日本ワイン

日本固有品種を含め、日本では多くのブドウ品種が栽培されています。日本ワインの代表的なブドウ品種を紹介しましょう。

甲州

「甲州」は、古くから日本に自生しているブドウ品種です。日本に伝わってきたのは、奈良時代、もしくは平安時代末期だと言われています。淡い赤色の皮が特徴ですが、白ワイン用の品種です。ワインにすると、果実の香りとほのかな酸味が際立ちます。さっぱりとした味わいから、食用品種も兼ねています。

マスカット・ベーリーA

「マスカット・ベーリーA」は、日本で甲州に次いで多くワインに使用されている品種です。日本ワインの父として知られる川上善兵衛が日本の気候でも育てられる赤ワイン用品種として開発しました。いちごのような果実の甘い香りの一方で、しっかりとした酸味があることから、フレッシュな味わいの赤ワインに仕上がります。

ブラック・クイーン

「ブラック・クイーン」は、1927年に日本で誕生したブドウ品種です。「マスカット・ベーリーA」と同じく、川上善兵衛によって開発されています。もともとの香りはそれほど強くない一方、樽熟成によってスパイシーな香りが生まれる点が特徴です。マスカット・ベーリーAのワインと比較すると生産量が少なく、希少性の高さから密かに人気があります。

シャルドネ

ヨーロッパ原産の白ワイン用品種のなかで代表格として知られているのが「シャルドネ」です。ヨーロッパ由来のなかでは比較的栽培しやすく、日本にも産地が多く存在しています。適用力が高く、産地、製法、醸造方法によって味が変化するのが特徴です。

カベルネ・ソーヴィニヨン

「カベルネ・ソーヴィニヨン」は、栽培面積が世界一広いブドウです。味への高い評価と栽培のしやすさから、世界中で栽培されています。

一方、降雨量が多く日照量が少ない気候には向かないため、日本での栽培量は多くありません。力強く濃厚な味わいが特徴であり、飲みごたえのある赤ワインが好きな人に適しています。

セミヨン

「セミヨン」は、ボルドー地方原産の白ワイン用ブドウです。他のブドウをブレンドすることが多く、白ワインの”名脇役”として評価されています。単体で使用する場合、長期間熟成させてコクを増幅させるのが一般的です。

人気の日本ワイン、『SADOYA』ブランドをギフトコンシェルジュがご紹介

国産ワイン 日本ワイン
▲ミュールシャトーブリヤン 赤

GiftA(ギフタ)では、ギフトコンシェルジュが贈答品にふさわしい日本各地の良品情報をお届けしています。

日本ワインに興味をお持ちの方に今回ご紹介したいのが『SADOYA』のワインです。

『SADOYA』は、山梨・甲府で1936年から自社でのブドウ栽培を行っている老舗ワイナリー。戦争による醸造場の全焼、再建を経て生み出された「シャトーブリヤン」は、現在でも看板銘柄として展開されています。

山梨で栽培されたブドウを使用し、山梨で醸造された、純然たる日本ワインを提供しているワイナリーです。

「ミュールシャトーブリヤン」の赤は果実の香りと深い樽香が特徴。白は、フルーティーな味わいに樽の風味がバランスよくブレンドされています。

国産ワインや輸入ワインとはひと味違うワインをお探しの方に、ぜひ試していただきたい日本ワインです。

厳しい基準をクリアした美味しい日本ワインを楽しもう

▲【ギフトボックス入り】シャトーブリヤン1992 赤

国内のブドウ栽培業者やワイナリーが、総力を結集してブランディングに取り組んでいる日本ワイン。

厳しい基準をクリアした各地のワインは、これまで輸入ワインや国産ワインに親しんできた人にも味わっていただきたい逸品です。

ワイン好きの方は、ぜひ日本ワインならではの味わいを体験してみてくださいね。

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